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第三の時効
横山秀夫
集英社文庫
警察小説はやはり現場モノがいい!
横山秀夫氏の警察小説は、最前線の刑事達の周辺の管理部門まで含んだ様々な関係者の心理描写を押さえたストーリーが秀逸で、短編の「D県警シリーズ」や「半落ち」などの中編、怒濤の最新長編の64まで、むさぼり読みましたが、その中でもやはりこの「第三の時効」はどんでん返しの意外性、感動、緊張感、全てにおいて最高だと思います。 特に、F県警強行班の精鋭3部隊を率いるそれぞれの個性的な班長の設定がすばらしく、各短編毎にその活躍が描かれる中、短編同士でストーリーが絡み合って、最終的には一冊の中編小説を読み終えた満足感を得ることができます。 管理部門に焦点を当てた心のせめぎ合い物も大好きですが、やはり捜査最前線の緊迫感や勢いはこの小説の醍醐味だと思います。 横山ファンのみならず、警察小説が好きな方は絶対に読むべき!おすすめです。
4投稿日: 2014.01.04
