
エクスタシーの神学 ――キリスト教神秘主義の扉をひらく
菊地章太
ちくま新書
入門書にはぴったり!
キリスト教神秘体験をわかりやすく書いてある。普通、神秘主義者の本を読む時は、キリスト教をよく知らないとわからないことが多くある。でも、この本は言葉もわかりやすいし、キリスト教を全然知らない人でもよく読める。神秘体験を哲学、心理学、精神医学からもとらえて描いてあって、こんなに簡潔にしかも深く書いた本は自分が読んだ本の中ではなかった。入門者には、お勧めの一冊。
0投稿日: 2017.06.28
おろしや国酔夢譚
井上靖
文春文庫
故郷はどこにあるか?
思いもつかぬ偶然によって、ロシアという国を横断することになった人たち。災難なのか、それとも人生の試練なのか。 何故、人は故郷に帰りたがるのか。日本に帰った光大夫がポツリと漏らす。「俺はきっと自分の国の人間が見ないものをたんと見たんで、それを持って国へ帰りたかたんだ。・・・見れば見るほど国へ帰りたくなったんだな。」 きっとそうゆうことなのだ。故郷に帰りたくなるということは。
0投稿日: 2017.05.19
重力と恩寵
シモーヌ・ヴェイユ,田辺保
ちくま学芸文庫
心に滲み透る
詩のような、哲学的断片のような、心にグサっとくる本。シモーヌヴェイユは、どうも神体験をした人のようだ。昔ハインリッヒ・ゾイゼの「神は高貴なる魂に恩寵として苦悩を与へ給ふ」という言葉に慰められたが、彼女も同じ流れだろうか。大雑把に言うと苦悩こそが神との出会いをもたらすものだと書かれている。しかも、鋭い文章で書かれているにもかかわらず他の神秘家の文章から比べてわかりやすい。人生に悩む人にオススメ。
0投稿日: 2017.05.13
底辺女子高生
豊島ミホ
幻冬舎文庫
平凡な人生なんてないな。
最後の方の卒業式の場面が感動しました。年齢が同じくらいの娘がいるもので両親の気持ちになってしまい、ついホロリと来ました。青春ものを書いた本は結構読んでいるけど、私の中では、上位の部類に入る小説でした。
0投稿日: 2017.01.16
レキシントンの幽霊
村上春樹
文春文庫
短編も面白い!
村上春樹の長編は何冊か読んでいたので、短編はどうなのだろうかと思って読んでみた。結果は、面白いの一言。これは、長編より面白いんじゃないか?
0投稿日: 2016.10.20
羊をめぐる冒険
村上春樹
講談社文庫
なんとなく面白い
文章の作りが自分に合っているのか読んでいて疲れない。比喩も面白い。でも、自分の妻は村上春樹の本は気持ちが悪くなると言っていた。人によって随分と好き嫌いが激しい作家みたい。相性がいい人はとても面白い作品だと思う。
1投稿日: 2016.08.30
四万十川 合本版
笹山久三
河出文庫
題名通り
昔、読もう読もうと思ってて読まなかった本。 最近やっと時間ができたので、読んだ。主人公篤義が四万十川を背景に子供から大人へと成長していく物語。 子供の心をよく書けていると思う。傑作である。 ただ、四国を離れて就職するまでは面白く読めるが、就職してからは、あまり面白くない。労働運動を小説にした本は何冊も読んだが、面白いと思ったのはほとんどない。 就職するまでは、星四つだが、就職してからの部分は星を落とし、総合で星三つである。
0投稿日: 2016.08.25
