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shiokaratomboさんのレビュー
いいね!された数9
  • 東の果て、夜へ

    東の果て、夜へ

    ビル ビバリー,熊谷 千寿

    ハヤカワ・ミステリ文庫

    間違いなく傑作だと思います

    今風のミステリー小説とは違い、展開は遅く、前半はダラダラしていますが、クライム+ロード+ミステリー+青春小説ですごく新鮮。特に最後の数ページが良くて、読み終わった後余韻を残します。登場人物がみな未成年で、こんな未成年いないだろ!ということが気になりますが、おすすめの小説です。

    0
    投稿日: 2018.03.10
  • 教場

    教場

    長岡弘樹

    小学館

    ミステリーというよりエンターテインメント小説かな

    このミス2014年度版2位。文庫版となり求めやすい価格になったので早速購入。6章から構成される短編集でさくさく読めます。各章のクライマックスが荒唐無稽なのと風間教官の超推理力がリアリティを欠いていてミステリーとして読むと物足りなさがありますが、エンターテインメント小説としては新鮮で面白くお勧めです。さくさく読めるといっても、なにげない描写がクライマックスの伏線になっていて、注意深く読まないともう一度読み直しが必要です。

    0
    投稿日: 2017.04.02
  • 悲しみのイレーヌ

    悲しみのイレーヌ

    ピエール・ルメートル,橘明美

    文春文庫

    そのおんなアレックスと比較して

    「その女アレックス」は展開が独特で新鮮な面白さがありますが、こちらはミステリーの王道というかミステリーとしての完成度はこちらのほうが高いと思います。ストーリーももちろんですが、登場人物の描き方や犯人の意外性も含めて満点です。犯人の動機が?というのとグロすぎるのが難点。特に後者については最初から最後まで徹底しているので、小説だと割り切って読まないと不快になるかも知れません。

    0
    投稿日: 2017.04.02
  • 歴史好きは必ず読む 三国志 完全版

    歴史好きは必ず読む 三国志 完全版

    吉川英治

    ゴマブックス

    電子書籍にうってつけです。

    初めて三国志を読みました。長い小説が嫌いなのでこれまで敬遠してきましたが、安価だし電子書籍なら10冊分まとめられるのでと購入。電子書籍がなければ一生読まなかったと思います。通勤時間を利用し、2か月半かけて読破しました。「苦肉の策」とか「三顧の礼」とか現在でも使われている言葉の背景もわかります。前半は多くの武将がくっついたり離れたりして戦が続き、登場人物も非常に多いので混乱しますが、中盤で諸葛亮が登場し、三国時代に近づくにつれてストーリーもわかりやすくなります。安価なため、脚注や地図もないので初めての方は避けた方が良いかもですが、誤植については最近の版では改善されているようでそれほど気になりませんし、何と言っても安いのが一番の魅力。一度読んで流れを把握したうえで再読すると新たな発見があります。読んだことのない方にはぜひお勧めします。ちょうどテレビで中国ドラマのThree Kingdomsが放映されており、こちらにもはまりました。今度は北方謙三の三国志やゲームにもトライしたいです。

    6
    投稿日: 2015.04.11
  • その女アレックス

    その女アレックス

    ピエール・ルメートル,橘明美

    文春文庫

    その女アレックス

    6冠達成の話題作。展開の速さと意外性で引き込まれます。多くの方は第2部、第3部の展開の変化とたたみかけにひかれるのではないかと思いますが、私はむしろ第1部の監禁での攻防が面白かったです。展開が早いのは日本人ごのみで、映画にしても面白そうですが、私はこのようなひねりを利かせたものより極大射程みたいな王道の方が好きです。ネタバレになるので書評が思わせぶりで興味をそそられて買う人もいるのかなとは思いますが、文庫本価格ですし、読んで損のない作品です。

    2
    投稿日: 2015.01.11
  • 鬼の跫音

    鬼の跫音

    道尾秀介

    角川文庫

    ミステリーとホラーが融合した良作の短編集

    6作品ともどんでん返しが秀悦。特に冒頭の「鈴虫」と「悪意の顔}は素晴らしい。どちらもラストの一文が理解できず、ネットで調べてなるほどそういうことかと感心しました。作者の作品は2作目ですが、伏線もきちんとはられているし、ラストまできちんと話がつながるようになっている。

    1
    投稿日: 2014.12.11