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  • 夕星の皇子、明星の天子 <壱>

    夕星の皇子、明星の天子 <壱>

    小坂伊吹

    コミックフラッパー

    大化の改新あたりのお話

    日本の時代コミックと言えば、戦国時代が圧倒的に多く、後はるろ剣のようや幕末から明治、戦後を舞台にしたものが思い当たりますが、これは蘇我入鹿や中大兄皇子が登場する大化の改新までの物語で、珍しい時代コミックと言えると思います。 主人公は中大兄皇子か中臣鎌足かと思いきや、漢皇子(あやのみこ) という、葛城皇子(後々の中大兄皇子)の兄にあたる人物で、実在ではあったものの記録があまり残されていない皇子です。 昨今の歴史コミックの中でも、人物画はかなりクオリティが高いと感じました。 蘇我入鹿については諸説あるものの、ここでは教科書通り"悪いヤツ"として描かれてます(笑) ただし話の合間に挿入されている著者の解説では、入鹿や鎌足についての最近の見方について触れられており、興味深く読むことができました。 大河ドラマを観ていてもわかるように、日本人の歴史的関心がとかく戦国・幕末に偏っている中、こうした一見需要の少なさそうな時代に焦点をあてられた著者の意気込みに感服すると共に、楽しい作品を読ませて頂いた事に感謝したいと思います。

    2
    投稿日: 2014.03.04
  • ビン~孫子異伝~ 1

    ビン~孫子異伝~ 1

    星野浩字

    スーパージャンプ

    古代中国の架空ものです

    古代中国ものといえば三国志が有名ですが、このお話はその三國志より数百年ほど遡り、紀元前360年くらいのようです。 ReaderStoreが期間限定で無料配信していいたので読ませていただきました。 史実に基づいた話というより架空の色合いが強いとWikipediaにはありますので、そのつもりで読んだ方が良いと思います。 孫子の末裔が主人公という設定なので、当初は諸葛孔明やカルタゴのハンニバルを想像していましたが、 まだ1巻しか読んでいない事もあり、今の時点では、女子供だけの村を数十~百くらいの海賊や盗賊をやっつけるといった話が多いです。 最初の数ページで膝蓋骨を抜かれた主人公が登場して、ちょっと自分には無理かも…と思いましたが、中身は痛快な戦記モノだったので、最後まで一気に読んでしまいました。

    0
    投稿日: 2014.03.04
  • アド・アストラ ―スキピオとハンニバル― 5

    アド・アストラ ―スキピオとハンニバル― 5

    カガノミハチ

    ウルトラジャンプ

    カンナエの戦い

    今回はカンナエの戦いです(カンネやカンネー等、書物によって多少読みがかわりますが、Wikipediaに合わせてカンナエと表記しました)。 ハンニバルといえば、このカンナエの戦いです。 カルタゴ軍が、倍近くの軍勢を擁するローマ軍を破った、伝説的な戦いです。 ヌミディア騎兵を持つカルタゴ軍の騎兵の強さと、ローマ側の中央の歩兵の分厚さを逆手に取った、芸術的ともいえる包囲殲滅作戦は、上方からの俯瞰図で見るとよくわかります。 事前(事後でも良いですが)にWikipediaや他の多数の資料で把握しておくと、より楽しめるでしょう。 ただやはり、このシリーズに共通することですが、全体的に文章が少なく、ストーリーの展開はゆっくりです。それを良しとするか否かは意見が別れる所ですが、本巻だけではカンナエ戦は終わらず、次巻に続きます。次巻にも期待します。

    1
    投稿日: 2014.03.04
  • 新装版 ロードス島戦記 灰色の魔女

    新装版 ロードス島戦記 灰色の魔女

    水野良,安田均,出渕裕

    角川スニーカー文庫

    古典的日本製ファンタジー…とでも言いますか

    ロードス島戦記 第1巻である「灰色の魔女」です。 高校生の頃に読んでから20年近く経ち久々に読ませて頂きました。 日本ファンタジーの代名詞的作品で、当時と同様に最初から最後まで興奮の連続でした。 当時はテレビゲームやアニメにもなっており、いずれも楽しめる作品だった記憶があります。 その頃はまだメディアミックスという言葉はなかったものの、自然とそういう戦略になったのだと思います。 主人公等の構成は、主人公(戦士)・神官・エルフ(精霊使い)・ドワーフ(戦士)・魔術師・盗賊の6人です。 ストーリは、各地の王国や帝国で戦ううちに、やがて灰色の魔女という真の敵の存在を知り、戦いを挑むという物語です。 その後の多くのファンタジー作品にも影響を与えているため、オーソドックスといえばそれまでですが、王道といえると思います。 今でも印象深いのは”灰色”の存在で、それまで正義と悪の対決ものが多かったファンタジーにおいて、双方の力の均衡を保つことで平和を維持しようとする者の考え方です。忌むべき存在か否か、当時は学生なりに興味深く考えたものでした。

    4
    投稿日: 2014.02.05
  • マギ(18)

    マギ(18)

    大高忍

    少年サンデー

    テンポが良い一方、アッサリし過ぎのような…

    相変わらずのテンポの良さと、爽快感のあるコミックで、アニメと両方を観ていつも楽しんでいます。 ただ本巻に関しては、某所でも指摘がありますが、もう少し焦らして欲しかったというか、ゆっくり繋いでも良かったのではないかと思いました。 某歴史コミックのように驚くくらい展開が遅いのは困りますが、こちらは早すぎて何か勿体ない気がします。 とはいえ相変わらず、子供も大人も楽しめるという意味では、良い作品です。

    1
    投稿日: 2014.01.30
  • チェーザレ(1) 破壊の創造者

    チェーザレ(1) 破壊の創造者

    惣領冬実,原基晶

    モーニング

    ルネサンス時代のコミック

    ルネサンス時代の政治家チェーザレを中心に、メディチ家、教皇、君主論のマキャベリといった当時の権力者らの物語を、かなり時間をかけたと思われる時代考証を基に描いています。当時の政治と宗教の関係などが興味深いです。 ミケランジェロ等も登場し、政治と宗教以外にも、建物や美術作品なども細かく描かれ、こうした中世ヨーロッパを舞台にした作品の中でも、とりわけ丁寧な仕上がりに驚かされます。 少女漫画の絵柄は”ぼくの地球を守って”以来久方ぶりだったので最初は抵抗がありましたが、見慣れたら全く問題ありませんでした。当然ですが、成人男性にもオススメです。

    4
    投稿日: 2014.01.29
  • ホークウッド

    ホークウッド

    トミイ大塚

    MFコミックス フラッパーシリーズ

    中世ヨーロッパものです

    実在の人物である傭兵隊長ホークウッドが主人公のお話です。 舞台はイギリス~フランスです。 他の作品で中世モノとしては、ヴィンランド・サガ、アド・アストラ、狼の口などが有名だと思いますが、 酷いシーンは狼の口ほどではありませんが、ヴィンランドと同程度かと思います。 戦闘シーン意外にも、雇い主との契約の模様などもあり、当時の傭兵と雇い主の関係が分かりやすく描かれています。 この手の作品は背景や道具類も細かく描かれていることが多いですが、この作品も例に漏れず、そうした点を注意深く見るのも楽しいです。

    8
    投稿日: 2014.01.29
  • アド・アストラ ―スキピオとハンニバル― 1

    アド・アストラ ―スキピオとハンニバル― 1

    カガノミハチ

    ウルトラジャンプ

    古代ローマものです

    ハンニバルと大スキピオの攻防を描いています。絵も説明もわかりやすく、興味深い内容です。 戦術の本でハンニバルの圧勝をよく読みましたが、実際にはローマ以上に苦境の連続であった事がわかります。 個人的には、今後起こるカンネの戦いが楽しみです。

    3
    投稿日: 2014.01.04