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kiwiさんのレビュー
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  • 長門有希ちゃんの消失(1)

    長門有希ちゃんの消失(1)

    ぷよ,谷川流,いとうのいぢ

    ヤングエース

    癒し系の長門有希

    言わずと知れた「涼宮ハルヒ」シリーズのスピンオフですが、私は本編よりも先にこちらを読んでしまいました。 後からハルヒシリーズを読んで驚きましたが、有希ちゃんが本編とは別人のようによくしゃべり、感情が表に出て内気で照れ屋な姿が凄く可愛らしいです。ストーリーは学園もののラブコメで有希ちゃんが片思いするキョンとの先行きがかなり気になりますが、コメディ要素も秀逸でうっかり声に出して笑ってしまいます。そして、1巻目の山場は何といっても文芸部のクリスマス会!オリジナルメンバーも交えた楽しい会の中、有希ちゃんとキョンの二人は・・・。 最終的にはハルヒシリーズが気になってくるかもしれませんが、こちらのスピンオフを先に読んでも十分楽しめる内容になっています。ほのぼのとした長門有希に癒されたい方には必見です!

    3
    投稿日: 2015.05.24
  • 夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER

    夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER

    森博嗣

    講談社文庫

    理系トリック抜きの展開

    今回起きた誘拐と殺人事件の経緯がシンプルなものだったので、「犯人は誰か」ということに集中して解決できるはずが・・・またラストの西之園萌絵の説明まで犯人が皆目わからず、あれこれ想像を巡らせました。夏独特のもの悲しさもあって、全編に渡りどことなく悲しく、静寂な雰囲気に包まれます。S&Mシリーズで最も切ないストーリーかもしれません。

    0
    投稿日: 2015.05.24
  • 幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC

    幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC

    森博嗣

    講談社文庫

    トリックの中にまたトリック

    この『幻惑の死と使途』は次作『夏のレプリカ』と対になっていて、奇数章のみで構成されているため、2作品同時期に読んでみました。 マジックがテーマとなっているので、トリックもさる事ながら「動機」が華麗で切なく1人のマジシャンの生き様が見事に描かれていたと思います。偶数章で起きている『夏のレプリカ』の事件は直接ストーリーに関わってはきませんが、サイドストーリーの流れが一致するのが面白く、ますます森作品が好きになりました。

    0
    投稿日: 2015.05.24
  • 封印再度 WHO INSIDE

    封印再度 WHO INSIDE

    森博嗣

    講談社文庫

    トリックに引っかかる喜び

    まずは、シリーズの中でも和文と英文タイトルの組み合わせが秀逸!ストーリーにもかかってくるので何度も「そういうことか!」と驚かされます。事件現場は日本画家が住む旧家の敷地内にある「蔵」。日本家屋の湿っぽい雰囲気もさることながら秘密めいた家宝の壺と箱が事件に関係してくるので、理系ミステリーに相対するこれまでに無いイメージが新鮮に感じられます。今回もパズルのようなトリックにラストまで考えさせられ、そして、ミステリーとは別筋のトリックに引っかかったりと色んな意味で感情が揺さぶられました。犀川先生の「本気」な一面が見られることもあり、これまでの5作品のなかで今のところ1番好きな作品です・・・いや、「F」も捨てがたいな。

    2
    投稿日: 2014.11.19
  • 詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE

    詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE

    森博嗣

    講談社文庫

    ハラハラドキドキ

    ライトで読みやすく、前作の「笑わない数学者」で頭を使ったせいか、一息ついて楽しめる作品です。今回は犀川先生が出張に出ることが多いので萌絵ちゃんが一人前になろうと頑張りますが、彼女の思い立ったら即行動する怖いもの知らずな性格に読んでいてとてもハラハラさせられました。でも、二人で一緒の時は期待以上の進展があるので、色々な意味でドキドキさせられ、S&Mシリーズファン必見の作品だと思います。

    1
    投稿日: 2014.11.04
  • 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE

    笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE

    森博嗣

    講談社文庫

    笑わないのは・・・

    クリスマスイブに起こった2つの殺人と、消えたオリオン像。大まかなトリックはそれほど難しくないので割とすぐわかりましたが、資産家が集まるからには相続や家系に関するいざこざがあったり、ページを進む毎に新たな謎が増えるので、トリックが1つ2つ解けたところで何も解決しません。説明がつきそうでつかない複数の謎をラストには犀川先生がボトルネックを通して導いてくれますが、最後の表現はちょっとあやふやで悩ましく、でもそこがこの作品の面白いところでもあります。

    0
    投稿日: 2014.11.03
  • 冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM

    冷たい密室と博士たち DOCTORS IN ISOLATED ROOM

    森博嗣

    講談社文庫

    より身近な「密室」

    S&Mシリーズ2作目ですが(本来はこちらが処女作)、『すべてがFになる』から立て続けに一気に読んでしまいました。前作は特殊な環境でのセンセーショナルな事件の始まりでしたが、本作品は舞台が大学の研究センター内、実験成功の打ち上げ中に行方がわからなくなった学生が殺害されるという、ミステリでありがちな導入でトリックもPC操作がある程度可能であれば理解しやすいものでしたが、とにかくラストまで犯人がわからないので、先が気になり夢中になってしまいます。犀川先生の言葉一つ一つにキュンキュンされている女性は多いかと思いますが、名言(迷言?)が多めです。本作品のほうが犀川先生と萌絵ちゃんの距離感も近いのでその辺りも楽しめます。

    4
    投稿日: 2014.10.21
  • すべてがFになる THE PERFECT INSIDER

    すべてがFになる THE PERFECT INSIDER

    森博嗣

    講談社文庫

    改めて実感する「密室」ミステリーの面白さ

    孤島、研究所、天才博士の謎の死!現代ミステリーではなかなか無いシチュエーションに胸がワクワクさせられました。約20年前の作品なので技術的な描写は確かに古さを感じますが、懐かしさと相まって夢中で読んでしまいました。厳重なセキュリティに守られた研究所と部屋、しかも孤島ときたら密室ミステリー好きにはたまりません。本作品は、S&Mシリーズの第1作目とされている作品で、シリーズ名は主人公の犀川創平と西之園萌絵のイニシャルから取っていますが、この二人の付かず離れずの距離感も気になり、後続シリーズもつい読み進んでしまう面白さです。

    5
    投稿日: 2014.10.19
  • オズの魔法使い

    オズの魔法使い

    ライマン・フランク・ボーム,柴田元幸

    角川文庫

    柴田元幸氏の翻訳!

    子供のころから絵本や劇、映画などありとあらゆるオズの魔法使いを見てきましたが、更に大好きな柴田元幸さんの翻訳ということで即買いしました。柴田さんもオズの魔法使いが好きなのかなぁ、と考えながら期待通りとても楽しく読めました。オースター、エリクソン等のかっこいい訳も良いですが、児童文学の訳も新鮮で良いです。

    3
    投稿日: 2014.08.25
  • 妖怪アパートの幽雅な日常1

    妖怪アパートの幽雅な日常1

    香月日輪

    講談社文庫

    妖怪っていいな

    あっという間に読み終わってしまうので、1巻を読み終えてすぐに全巻購入しました。 生まれた時から妖怪、かつては人間で訳あって成仏できない幽霊、新生活をスタートする高校生、あっちの世界の方々もこっちの世界の人々も同じように悩んだり助けられたりする姿にじんわり心が温まります。アパートにある温泉も素敵ですが、るり子さんの手料理は誰もが食べたいと思うはず。全て読み終わったら、るり子さんのお料理日記も買おうかな。

    0
    投稿日: 2014.08.19