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文市さんのレビュー
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  • やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9

    やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9

    渡航,ぽんかん8

    ガガガ文庫

    俺ガイル、空虚な奉仕部からの逆転

    楽しめる1-3巻。4巻ラストから、少しずつ積み重ねられた違和感が、8巻の失敗につながります。 前巻の間違いから、空疎な時が空回ります。 そうして1巻からぶれないぼっちだった八幡は、この9巻でついに、二人に頼ります。 表紙を飾る平塚先生の1巻冒頭からの無茶な指導がついに結実する巻です。 無様な八幡の依頼と、本音の言葉。雪ノ下雪乃もまた、初めて本音を口にする、そんな、ずっしりとしてすっきりとした読後感の9巻です。おすすめです。

    0
    投稿日: 2014.05.02
  • ぼくがぼくであること

    ぼくがぼくであること

    山中恒

    角川文庫

    教育ママから家出する小学6年生の冒険

    山中恒、あばらはっちゃくの作者、「ビュワーンビュワーン」はしれちょうとっきゅうの作詞など有名です。 ぼくがぼくであることは、中学のころ、何度も何度も読み返した、お気に入りの一冊です。山中恒の児童よみもの作家っぽい書き口は、あまり馴染めなかったけれど、この一冊ははまりました。 教育ママとその手先の妹、優秀な兄たちのいる家を出て、たどり着いた田舎で目撃するひき逃げ事件、受け入れてくれる田舎の家。子供にとって唯一絶対な家を出て、他に行く場所があるということで、主人公秀一の気持ちや考えはすっかり変わります。 映画転校生の原作となった「おれがあいつであいつがおれで」よりも、この一冊こそが、ぼくの捨てられない百冊に含まれています。

    1
    投稿日: 2013.10.04
  • タイム・リープ<上> あしたはきのう

    タイム・リープ<上> あしたはきのう

    高畑京一郎,衣谷遊

    電撃文庫

    パズルのピースが、また一つ、かちりと嵌った。

    主人公翔香がおちいったランダムタイムリープを、クラスメイトの若松和彦が解明し、解決へ導いていく。張られた伏線が矛盾なく回収されていく爽快感がこの作品の魅力の一面です。 登場人物の心の動きもその中で描写され、実に良く出来ていると感心しつつ読み進みます。 上下巻に分かれているものの、途中でだれることもなく、一気に読んでしまう面白さです。そして何度も読み返しては、伏線に気づいてまた楽しめます。 パズル好きで、ちょっとロマンスもあこがれる男子には、実に最高傑作な作品です。面白いです。

    3
    投稿日: 2013.10.04
  • 謎解きはディナーのあとで

    謎解きはディナーのあとで

    東川篤哉

    小学館文庫

    優れた設定とそこそこの推理

    お嬢様刑事と毒舌推理執事という楽しい設定です。 見事なキャラ設定なのですが、ヒロインの魅力がないために、色々台無しです。kioskで買って、新幹線の中で読み終わって、降りるときに捨てる本です。そういう範囲では楽しめます。

    1
    投稿日: 2013.10.03
  • 百億の昼と千億の夜

    百億の昼と千億の夜

    光瀬龍

    早川書房

    日本SFの名作、評価は当然五つ星しかありえません

    光瀬龍はジュブナイルが好きでした。でもこの「百億千億」は堂々とした本格SFです。プラトン、悉達多、阿修羅王といった登場人物からして、時間・時代を超えた物語です。捨てられない本百冊のうちの一冊です。もう何十回読み直したことか。もちろん、奈良興福寺の阿修羅王像を見に行きましたとも! 萩尾望都のコミカライズも、一部解釈が違う所も感じますけれど、阿修羅王の魅力が大爆発してそちらも傑作です。萩尾望都コミック版ももちろん五つ星ですのでそちらも必読です。

    7
    投稿日: 2013.10.03
  • RDG レッドデータガール はじめてのお使い

    RDG レッドデータガール はじめてのお使い

    荻原規子,酒井駒子

    角川文庫

    和風ファンタジー

    さらっと読めます。舞台は現代です。巫女ヒロインの山伏ヒーローという方向の設定ですけれど、地に足の着いた感じで話が進みます。

    1
    投稿日: 2013.10.03
  • マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕

    マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕

    冲方丁

    早川書房

    少女娼婦バロットと万能兵器のネズミ、ウフコック

    「少女娼婦バロットと万能兵器のネズミ、ウフコック」という基本設定からしてひねりすぎでダークです。でも読み始めると、3冊一気に読んでしまいます。ぐいぐいと面白い本です。ラノベの軽さや萌えは皆無ですけれど、作者の才能を感じるエンターテイメントです。こちらは、映画公開で改稿された改訂版の文庫三分冊の1冊目です。

    4
    投稿日: 2013.10.03
  • 海の底

    海の底

    有川浩

    角川文庫

    自衛隊潜水艦乗りの話。怪獣(?)事件対応のドラマ

    「怪獣エビの群れが横須賀を襲う」というフィクションを警察や自衛隊の対応、現場の潜水艦に閉じ込められた現実味のある子供たちと若い自衛官二人の体験というドラマで描いた、読みやすい本です。子供向けというわけではありません。つい作中の自衛官に思い入れてしまいます。その場合には、別の本がちゃんとありますので、また有川浩作品を買ってしまうわけですね。 これは、有川浩作品に縁がない方にも普通におすすめかな。

    1
    投稿日: 2013.10.03