
ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~
三井誠
光文社新書
科学者の中にも異論反論もあるのでは?
出だしに地球温暖化に関しては、述べられています。まともな温度計が発明されてからの期間しか計測していない。科学者の中からも異論反論がある。などと問題があるので、それをもって科学的でないと言いきれないのでいきなり読む気が失われる本です。 出だしに自分の立場を表明すると、入口が狭まる典型です。 進化論に関してもミッシング・リンクがあると言われていますし、今の科学の常識が真実とは言い切れないと公平な立場から思います。
0投稿日: 2021.11.18
嫌われる勇気
岸見一郎,古賀史健
ダイヤモンド社
これほど読みすすめるのが苦痛な本があっただろうか
Amazon primeで普段なら読まないであろう自己啓発本を大量に読んだ。その勢いでこの本を買ってしまった事を後悔している。対話形式が流行っているのか、確かに読書から離れて久しい読者に優しい。しかし、この本に限ってはマイナスに働いている。まるで文芸部の中学生が辞書片手にこねくりまわしたよう。またはクソ翻訳者が訳したハヤカワSFとも言える。設定はヴィクトリア朝のロンドンですか?ああ、それならまだアドラー心理学の哲人はうまれていないはずだ。アドラーのエッセンスに触れることなく、増えたクレジットカード明細と苦痛だけが私の手元に残った。
0投稿日: 2019.12.14
バスクもう一つのスペイン《[改訂増補版》 現在・過去・未来
渡部哲郎
彩流社
まさかの自炊
買って早速読もうと開いたところ、文字が不鮮明で頭のなかに「?」が飛び交いました。本をスキャンした「自炊」型電子書籍でした。あ、内容は面白いです、とても。
0投稿日: 2016.10.09
【カラー版】アヘン王国潜入記
高野秀行
集英社文庫
微笑みの国ミャンマー
各地で出会うバックパッカーが口々に「ミャンマーはいい、絶対に行け」というので、航空券とビザを用意するついでに購入した本の中の一冊です。単行本、文庫本、電子書籍と合計三冊も購入したのですが、著者のミャンマー愛が伝わってきて何度でも読み返してしまいます。 他に買った本は軍事政権を批判する日本の学者、イギリスの研究者、亡命ミャンマー人なので、ミャンマーの魅力は全く伝えようという気がないのですが、この本は違います。他の本だけなら私のミャンマー旅行は疑心暗鬼に満ちていたでしょうが、実際のミャンマー人は恥ずかしがりだけど親切で笑顔の素敵な人達でした。 ありがとう、高野さん。
1投稿日: 2015.09.27
戦火と混迷の日々 悲劇のインドシナ
近藤紘一
文春文庫
案外少ないカンボジアの悲劇を詳しく書いた名著
クメール・ルージュのことは誰でも存在ぐらいは知っていると思いますが、キリングフィールドくらいで他はあまり詳しいことは知らないんじゃないでしょうか。 クメール・ルージュが台頭した背景や近隣諸国の情勢、それに都会暮らしのカンボジア人を襲った悲惨な出来事を克明に描き出した数少ないルポルタージュだと思います。
1投稿日: 2015.08.11![いつかは行きたい 一生に一度だけの旅 BEST500 [コンパクト版]](https://ebookstore.sony.jp/photo/BT00003065/BT000030654900100101_LARGE.jpg)
いつかは行きたい 一生に一度だけの旅 BEST500 [コンパクト版]
イアン・アレクサンダー,藤井留美,村田綾子,佐藤利恵,北村京子,関利江子,ナショナルジオグラフィック
日経ナショナル ジオグラフィック
質はともかく量はある
とてもきれいで芸術的な写真に簡素な文章が付属した写真集です。この本で興味を持ってもすぐに旅に出ることはできません。 不満があるとすれば、写真がそれほどその地を語っていないことでしょうか。奈良と大阪出身者には馴染み深い竹内街道の写真として、興福寺宝物館所蔵の木造の顔が掲載されています。出身者としては当麻寺の門なんかを掲載して欲しいところですが、編集者の琴線には触れなかったのでしょう。しかし、ガンジス川の賑わいやアンコールワットの寺院前に立つ僧侶などこういうが欲しいって誰もが思うような写真が載っています。そんな感じで構成された本です。
0投稿日: 2015.07.03
虐殺器官
伊藤計劃
早川書房
現実が追いついてきている
ハリウッドで映画化されたらいいなと思う。できる限り、たくさん予算の使える監督のもとで。 アメリカ好みの作品じゃないだろうか。 SFが輝かしい未来を描かなくなり、絶望する世界を産み出し続けているのは世相を反映しているからだと思うが、この小説も絶望する世界を作り出した。それはお馴染みの機械と退治する未来ではなく、真実味を持って私たちの前にある。
2投稿日: 2013.09.29
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
フィリップ・K・ディック,浅倉久志
早川書房
赦されたい
人類の欲望が地球の環境を変えてしまった未来、生物が人間の力なしに生きることが難しくなった未来、人々は自分の犯した罪を償うことを望んで生きている。だが罪を重ねてしまう。 ディックがこの小説で描いた世界がいつか私たちの前にも現れるのではないか、そんなことを思わずにいられない。
0投稿日: 2013.09.28
