
隻眼の少女
麻耶雄嵩
文春文庫
ミステリ好きもそうでない方も必読の1冊
山奥の村で容疑者も限られるミステリの常套に、2転3転する展開が面白いのに、そんなモノはなかったと言わんばかりの、この展開。風呂敷を畳んだその場所は、大風呂敷の上だったのかと。。。これを本格ミステリと言わずしてなんというのか思いつきません。 ミステリファンはもちろんですが、推理云々を抜きにして読んでもすごく面白い1冊。 普段ミステリを読まない人でも楽しめて、ミステリファンは大満足出来ると思います(´∀`*)
1投稿日: 2014.07.11
ベイビー、グッドモーニング 特別版 A life-size lie
河野裕
角川スニーカー文庫
ゆったり読む優しい1話
「サクラダリセット」1巻発売と同時期に「ザ・スニーカー」に掲載された短編で、文庫の最初の1篇。 ユニクロの服を着た死神とノルマの為に3日だけ寿命が延びた少年と友人である少女の話。他にはこれといった登場人物はなし。話はずっと少年のいる病室で進みます。事件は起きない。奇跡なんてもちろん起きない。 でも?だからこそ?どうしようもない現実も受け入れた「やさしさ」が流れるストーリーです。 1篇だけなのが非常に残念。読んで気になったら文庫本で1冊読むことをお勧めします。 死にゆく人の物語ですが、「魂を集めて新しい魂にする」のも死神の仕事です。電子書籍では結末を見れないのは残念。 発売時期も近いからかこれを読んでいると、GLAYの「Bible」のこの一節が思い浮かびます。 【あなたに何か託す様に消えた命その意味はまだ雲の上】
2投稿日: 2014.05.07
ホテル・モーリス
森晶麿
講談社
一番危険なのは従業員では・・・
ミステリーとありますが、黒猫シリーズと比べるとミステリー要素はだいぶ少なめ。エンターテインメントが中心でしょうか。キャラが立った登場人物が多く(ばかり?)、危険なゲストよりもホテルマンが暴れまわってる?!ようなドタバタっぷりが面白かったです。
0投稿日: 2014.04.15
OUT OF CONTROL
冲方丁
ハヤカワ文庫JA
ホラーは初めてでした
自伝的なもの、「天地明察」の短編版、ちょっと視点の違うSFと冲方丁さんらしい短編のなかに、ホラーが3篇。冲方丁さんのホラーは読んだことがなかったですが、さすがの面白さでした。エネルギーのベクトルが負の方向に向かったら、ホラーに仕上がったという感じ?でしょうか。 そして「デストピア」はぜひ読んで心に留めておいて頂きたい1篇。ネタバレになってしまうのであまり書けませんが、この視点で見ることを怠ってはならないと思います。
0投稿日: 2014.03.17
ばいばい、アースI 理由の少女
冲方丁
角川文庫
壮大なファンタジーです!!
SFだと「マルドゥック・スクランブル」が有名な冲方丁さんですが、デビュー2作目にして最高傑作とも言われるようなスケールの大きなファンタジーアクション。発売当初は全然売れなかったそうですが、分厚いハードカバー上下巻で名の知れていない新人の作品では売れないですよね。 しかし、角川さんがそれだけ力を入れた傑作だというのは正しいです。 すごく面白い。4巻ありますが長さは気にならずに読めました。 ベルがもがき、苦しみながら成長していく姿はもちろんですが、なんといっても戦いのシーンが圧巻。 文字を読んでいるはずなのに美しくスケールの大きいシーンが見えるようで夢中で読んでいました。 兵の役割で表されていますが、オーケストラのような、そしてそこにファンタジックな映像美が混ざったような、、、 こんな戦闘シーンはほかに読んだことがありません。 是非、読んでいただきたい作品です。
7投稿日: 2013.10.02
最初に探偵が死んだ
蒼井上鷹
実業之日本社文庫
ちょっと違う視点で
本格ミステリーとすると「えっ?」と思ってしまう設定も、これで読むといつもと違う視点でミステリーが読めて面白い。 タイトルからそうですがユーモラスな本格ミステリーといった感じです。
2投稿日: 2013.10.01
奥ノ細道・オブ・ザ・デッド
森晶麿,天辰公瞭
スマッシュ文庫
【タイトルだけ】ではない!
ゾンビもの、ホラーとはいえ恐怖を感じるものではなく、エンターテインメント作です。 主要キャラ中心に濃いキャラクターばかり。エンタメ、ラノベなど好きな方にオススメで、飽きずに読めると思います。
2投稿日: 2013.10.01
