ファーストセルの登場、女王と梓の邂逅、物語は前半のクライマックスに向けて、一気に加速します。それにしても、離れのクッキーの空き缶の中に景が残したカードが素敵ですね。心が震えました。

セルネットと勢力を二分するDDのリーダー甲斐氷太との本編初対決。そして、ⅨCとの連戦。1巻に比べて明らかに作者の筆が乗っています。面白さが加速していきます。

本編7巻まで読み終わりました。この物語のキーワードって、「ドラッグ」「アングラ」「悪魔」「バトル」、いろいろあるかと思いますが、やっぱり「幼馴染」ですよね。 １巻ではまだまだ距離の遠い景と梓です。ぎこちない二人の関係がこれからどんな風に変化していくのかが楽しみです。 それにしてもこの頃の景は表紙の人物像のとおり、ダークで何を考えているかわかんない奴って感じですね。 また、悪魔同士のバトルという観点では、１巻は、非常にうまい引きで終わります。えー！って。２巻を手に取りたくなります。

「相棒」は出会ってすぐの頃の水原と景が少しずつ信頼関係を築きながら、コンビとしての形を作っていきます。ⅨCのキメリエスとの悪魔戦も緊張感があります。また、この話から、次の甲斐氷太との初対決を描いた「狂犬」へとつながっていく流れも秀逸。格上の強敵である甲斐と景はどうやって戦うのか、必見です。 ファーストセルの３人の出会いを描いた「同胞」は、他にないアダルトでオカルテッィクな感じで良いです。 景と梓の幼少時代を描いた「夜道」「夏祭」はIの「台風」に続き二人のやりとりが楽しい。「夏祭」の梓の浴衣姿や、普段は見せない健気な心情、そして最後の景の台詞。お約束と言ってしまえばそれまでですが、幼い二人の愛らしい姿が丁寧に描かれてます。んー、やっぱり幼馴染いいなぁ。と思ってしまいました。

Dクラッカーズの本編を読んでいてあまりに面白くて、一気に読んで、この世界が終わってしまうのがもったいなくて、時間稼ぎ(?)に短編集を購入しました。これを読むまでは短編集って蛇足なんじゃないかと思っていたのですが、お話の厚みが増して、ますますDクラッカーズという世界とそこに住む登場人物が好きになりました。お話はラストの２話を除き全て過去編です。敵側（セルネット）サイドからウィザードとの悪魔戦を描いた「狩猟」は、圧倒的な力を持つウィザードに追い詰められていく敵の焦燥感が伝わり、ドキドキします。（景ちゃん強すぎ。）水原と千絵ちゃんと少年たちとの掛け合いが面白い「休日」。まだ未熟な頃の景の奮闘を描いた「逃走」も良いです。負けるんじゃないかとハラハラしながら読みました。（過去の話なので負けるわけないのですが。）そんな中で、一番良かったのは「台風」です。小学校時代の景と梓のお話。元気でわがままな女王様に振り回される景がかわいそうなような、でもうらやましいような。楽しいエピソードでした。屋根の上から二人が見た景色がすてきです。んー、それにしても、幼馴染いいなぁ。