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goemonさんのレビュー
いいね!された数13
  • 家日和

    家日和

    奥田英朗

    集英社文庫

    どこかの中流家庭のいつかの日常

    一般家庭の本当にどこにでもいる主人公の日常をクローズアップした短編小説。奥田作品はイン・ザ・プールのようにハチャメチャ、こいつ大丈夫?絶対いないよっていう主人公とテンポのよいコメディタッチが強烈に印象的だったのですが、この小説は極々普通の日常、どこにでもいる主婦やサラリーマンが普通にありそうな出来事から始まるちょっとした家族間事件簿。でも、えっどうするの?次どうなるの?と読者に思わせてしまうのは流石。いつもの作品と違うほんわかした三丁目の夕日のような内容です。これはこれで別の奥田英朗感を感じます。

    1
    投稿日: 2016.02.11
  • イン・ザ・プール

    イン・ザ・プール

    奥田英朗

    文春文庫

    お笑い番組より面白い。

    これはアニメか漫画か?場面場面がディズニー映画や手塚アニメのヒトコマを思ってしまうのは私だけだろうか?話のテンポの良さと内容の馬鹿馬鹿しさは度を越えていて最高に面白い。それに出てくる人物が'これってあの人を真似てるんじゃない?'と空想してしまうキャラクター設定も楽しめた。あり得ない思考とそれを実行してしまう主人公伊良部。疑いながらもそのカリスマ性?に振り回される患者達。Mr.ビーンを思い起こさせるハチャメチャさだが、最後は皆円満解決って流石は名医ってこと?前半のドタバタからよく収集をつけるものだと驚く。流石は直木賞作家だね。

    0
    投稿日: 2015.11.22
  • 木枯し紋次郎(一)~赦免花は散った~

    木枯し紋次郎(一)~赦免花は散った~

    笹沢左保

    光文社文庫

    あっしにはかかわり合いのねえことでござんす。

    時代劇の中でも異質のヒ一ロー。 それがこの木枯らし紋次郎って股旅だ。 普通、主役=善玉というイメージではないか? 紋次郎って奴は目の前で人が殺されようが女、子供に助けを請われようが見て見ぬふり。そしてあのセリフ。 あっしにはかかわりのねえこって。ごめんなすって。 こんな主人公は初めてではないか? でもよく読んでいくと紋次郎なりの道理に叶っているんだな。 確かにこの時代、自分のことで精一杯だったろうし、それが妙にリアルで冷めているのに義理堅く人情に厚い。まさにこの頃の渡世人はこういう生き方だったんだろうと思ってしまう。 ある意味格好いいと感じてしまう。 続きが見たい。本以外に放送されたDVDも買ってみたいと思うこと請け合いですよ。

    1
    投稿日: 2015.08.30
  • 海街diary 3 陽のあたる坂道(3)

    海街diary 3 陽のあたる坂道(3)

    吉田秋生

    月刊flowers

    パッカーン!と割りきれる?・・・だから家族。

    大人の恋愛。若者の微妙な感情を書いたらピカイチの吉田秋生漫画。今回は初めてではと思える家族がテーマ。親に育てられた時期が短かった姉妹にもう1人妹が増えた。4姉妹の家族という身近で大きな存在が彼女達にどう影響していくのか。騒がしい姉妹の青春を切り取った愉しく切なくいとおしい毎日を綴ったダイアリー。吉田秋生スパイスがぐぅとあとから効いてくるから読んで見て!

    1
    投稿日: 2015.06.18
  • シティーハンター 2巻

    シティーハンター 2巻

    北条司

    コアミックス

    まだまだ新鮮!

    初めて読んだのはもう20年前になる。あの頃は画が綺麗でテンポよく、冴羽遼の明るく女好きな性格と裏稼業をシッカリこなしてしまう格好良さに惹かれて毎週ジャンプに釘付けだった。 久しぶりに読み返しました。遼が若い!もっこり健在!駅前の伝言板にXΥΖ。うーん懐かしい。 そして香との出会い。あの時は知らずに読んでいたけどこんな感じだったっけというエピソードにふむふむとまたのめり込んでます。 ここからはパートナー槇村を殺した人を怪物に変えてしまうエンジェルダスト。巨悪組織ユニオンとの対決!! じっくり読ませてもらうわ!

    1
    投稿日: 2015.04.05
  • いぬやしき(3)

    いぬやしき(3)

    奥浩哉

    イブニング

    新奥浩哉ワールド序章

    人間のままでいたならば疎外感を持ったまま一生を終えていたであろう老人?と人間関係が煩わしく自己中心的な学生生活を送っていたであろう高校生。2人同時にあの場所で偶然起こった体験さえなかったらある意味平凡な生活が続いていたろうに… GANTZの後だけにどうしても比べてしまうが、作者の写実的で妙にリアリズムな設定が次の展開を望ませる。まだまだこの巻までは奥ワールドの入り口にすぎない。

    3
    投稿日: 2015.04.01
  • 株価暴落

    株価暴落

    池井戸潤

    文春文庫

    株価暴落

    池井戸作品がまた好きになる。いつの間にか主人公に感情移入し、あっという間に読み終える。そんな一冊。金融界から見た金と人間模様。波乱の幕開けから予想外の結末。また新しい池井戸流主人公の悪戦奮闘ぶりを見てほしい!

    6
    投稿日: 2014.09.17