トリックも事件の動機も印象的です！ 蝋人形を使ったトリックが斬新ですし、なにより明智警視が登場するので、画面に華があります。 明智警視の家族関係、過去話もちょこっと出てくるので、明智ファンは必読です。 三億円事件も少し絡んでて、刑事モノっぽいところも面白いです。

初期の金田一らしい、陰鬱で不気味で、子供のトラウマになりそうな事件になってます。 ミス研が登場するのも、これが最初なのかな？ 真壁部長、いいキャラしてます。 学園七不思議の謎と事件の両方を、金田一が解き明かしていきます！

ドラマにもなっていたと思うのですが、各館にあるミイラが妙にリアルで、そんなミイラを傍に置き続けている村の人々も不気味です。 そして、金田一がこの村に行くきっかけとなった元同級生の若葉ちゃんが、すごくかわいいです！ 先生との密会写真を撮られて若葉ちゃんは学校をやめてしまい、村に帰って別の人と結婚することになるんです。 それで、金田一はその先生も連れて彼女の結婚式に行くんですよね。 それだけでも切ないのに、金田一なので当然事件に巻き込まれてさらに大変なことになります。 この結末も涙なしでは読めないものになっています……

からくり屋敷で起こるので、トリックもいつもより独特なものになっていて面白いです。 次期当主かっこいいな～なんて呑気な気持ちで読みすすめていたら、酷い事件が次々に起こり始めて金田一の世界に引き戻されました。 人間の醜く恐ろしい面が最後あらわになって、印象的な結末になっています。

金田一の中でも、何度も読み返したくなる作品。 トリックも面白いんですが、なにより犯人の動機が…… 金田一で最も切なく、残虐な事件かもしれません。 キャンプ村を襲うジェイソン。 その正体と動機を知ったとき、なんとも言えない気持ちになります。 悲恋湖を読み終えたら、次は黒死蝶を読まれることをおすすめします。

美人三姉妹と色気のある奥様が登場し、館内を飛び回っている蝶たちと相まって、すごく艶めいたお話になってます。 いつきさんも登場するし、なにより悲恋湖で死んだはずの遠野に似ている人が出てきて、悲恋湖を読んだあとに読むと２倍楽しめます。 途中カラーページもあって、トリック解説がさらにわかりやすかったです。

『魔王 ジュブナイルリミックス』のスピンオフ作品です。 殺し屋の「蝉」が、いかにして「蝉」になったかというお話。 岩西も蝉も最悪な人間なはずなのに、どこか憎めなくて、時折見せる人間らしさに感情移入してしまう部分もあります。 みんみんみんみんうるさい蝉と、彼を殺し屋として育てていく岩西の二人の関係が見所です。

久しぶりに読んだら、やっぱりおもしろい！ 安藤、潤也のキャラクターはもちろん、他の伊坂作品に登場する蝉、鯨、蜂、槿、劇団なども出てきて、原作好きにもたまらないと思います。 原作と違って、「ジュブナイルリミックス」という名前のとおり、主人公たちの年齢や立場が少し違います。 犬養は本当に悪なのか？安藤兄弟はただ水を差しているだけで何も変わってないんじゃないか？ など読み終わった後でふつふつと疑問が沸いてきて、また読み返したくなってしまいます・・・。 圧倒的な力を持った指導者に流されるだけでなく、自分で考えろ！ということを教えてくれる作品です。

「ドラマが面白いよ！」と友人に聞いたので、とりあえずコミックスを読んでみました。 一度死んで、蘇生してから、死んだ被害者の声が聞こえるようになった主人公。 声が聞こえるからって、すぐに事件が解決するわけではなく・・・ 超能力を持つ主人公ですが、ファンタジーではないと思います。『SP』のように、現実的に事件を解決していきます。

人間の醜さが全面に描かれていて、救いもあまりなく、読んでいて心が苦しくなりました。 主人公が醜すぎて（精神面で）、あまり感情移入ができず・・・。 ただ表紙の妖艶さ、血のように赤い口紅の謎を知りたい方は、とりあえず一巻を読まれてみることをおすすめします。