
女友達は頼めば意外とヤらせてくれる
鏡遊,小森くづゆ
角川スニーカー文庫
友達?
タイトルの「女友達」はセフレ。貞操観念ゼロ、性欲旺盛なJKと次々と関係していくだけの物語。ラブコメ枠らしいが、コメ要素はあまりない。 3巻で主人公が、まだハーレム入りしていない女子から「女友達との関係はセフレか?」と聞かれて即座に否定するくだりがあるが、アホか。 コンドームは着けたり着けなかったりで、オーラルはともかく体外射精は避妊ではない。そのうち誰かを妊娠させて騒動になれば少しはストーリーにメリハリが付くだろうが、期待薄。
0投稿日: 2024.11.03ゴールデンタイム1 春にしてブラックアウト
竹宮ゆゆこ,駒都えーじ
電撃文庫
キャラの歪んだ性格はどうにかならないものか
大幅な値引きがあったので、全巻まとめて購入。レビューは多数が好意的で悪く書くのは気が引けるが、僕には合わなかった。 設定はユニークで文章も上手いが、性格が歪んだキャラが多数出てくるので途中から読むのが苦痛に。主人公万里は何も秀でたものを持たないのに、他人から称賛されたい願望がものすごく強い。自分の魅力を高める工夫も努力もしない。悪ノリで失敗しても反省しない。二次元は普段はおとなしいが急にキレる。本編では控え目に書かれているが、外伝でその身勝手さが明らかにされる。 リンダ以外のおまけん上級生はあまり性格描写がないが、集団ヒステリー的なノリを度々見せ、気持ち悪い。コッシー部長は都合が悪いことを周囲に隠して問題を先送りしドツボに嵌っていた。 そんな中で、香子だけは自分の未熟さを自覚し、改善しようと努力する。数々の奇行で最後まで変人扱いだが、唯一素直な性格のキャラだ。列伝で苦手な千波と少しずつ距離を縮めていくあたりは好感すら持てる。光央は育ちがよい分他の男子キャラに比べていくらかマシだが、やっぱり身勝手。 そんな訳で読了まで普段の倍くらい時間が掛かった。本作のアニメや著者の他作品が好きな人は気にせず手に取ればよいが、初見ならこんな感想を持った読者がいたことを気に留めてほしい。
0投稿日: 2024.03.19わが闘争(上下・続 3冊合本版)
アドルフ・ヒトラー,平野一郎,将積茂
角川文庫
無駄に長い
ヒトラーは本書の中で「大衆に訴えるには文章よりも演説」と述べており、実際にそれで成功を納めているが、それに反してこの本はとにかく長い。出版に至った経緯はウィキペディアに書いてあるので参照してほしいが、分厚い本を出版すること自体が目的だったとしか思えない。 自身の経歴について事実に反することを書いて大いに盛っているのはよいとして、デタラメも多い。1つ例を挙げよう。ヒトラーは、 ブルジョア階級=ユダヤ人=マルクシズム という構図を繰り返し述べている。1つ目の=は分かる。現代においてブルジョア階級というものは存在しないが、ユダヤ人が経営する企業が世界経済を牛耳っているのは周知の事実だ。だが2つ目はあり得ない。マルクスの思想は、搾取されているプロレタリア階級は団結してブルジョアジーを打倒せよ、というものなので、イコールになるはずがない。経済史を少しでもかじった人なら誰でも知っている。共産主義者が得体の知れない暴力的な集団と見做されていた世論に乗じてユダヤ人への憎悪を掻き立てようという魂胆だったのではないか。 とにかく長いが、ヒトラーの思想の深いところに触れられるわけでもなく、読むのが苦痛。ヒトラー研究者でもない限り、2度読む価値はない。
0投稿日: 2020.04.29死に至る病
セーレン・キェルケゴール,鈴木祐丞
講談社学術文庫
超難解
「死に至る病」とは絶望のことだが、徹頭徹尾何を言っているのか理解できなかった。日本語だから文章としては分かるが、何を訴えたいかは全く分からない。巻末に翻訳者による解説が付いているが、それを読んでもやっぱり分からない。 キリスト教徒として絶望とどう向き合うのか、ということなのだろうと想像される。だが、現代に生きるキリスト教徒が読んでも理解できる人は少ないのではないか。
0投稿日: 2020.04.29新版 徒然草 現代語訳付き
兼好法師,小川剛生
角川ソフィア文庫
レイアウト最悪
本書の構成は、前半に原文+注釈、後半に現代語訳となっている。古文がスラスラ読める人はよいが、段毎に現代語訳を参照したい場合は訳のページを覚えておいて、原文を読んだらジャンプ→訳文を読む→原文に戻るを繰り返す必要がある。 紙の本なら現代語訳のページにしおりを挟んで簡単に行ったり来たりできるが、電子書籍は上記の操作を繰り返さないといけない。段単位で原文+現代語訳とするべきで、手抜き編集の典型だ。
1投稿日: 2020.04.29