
Trifle by 花とゆめ 1号
山田南平,安斎かりん,黒兎ももか,嶋くら子,花とゆめ編集部,キカイニンゲン,うまぞの文,きのみのじこ,綾かおり,夏生ニノ,ささきさ,えめいち
Trifle by 花とゆめ
まだ出来たての雑誌だからかな
一応購入。 目当ては山田南平先生のスピンオフ漫画。 思ったとおりの良い話!中英語のことやら中世についての造詣はさすがです。 安心して読めるし続きが気になる。 あと半生BLは面白い試みで良いですね。ニヤニヤできる。 その他は…。うーん。 特に作品名は出しませんが、カラーか何かをそのままスキャナで取り込みましたみたいな主線すらぼやけたうっすーい作品は何なんでしょうか。 次回はちゃんとモノクロとして映えるようにしあげていただきたいです。 雑誌として今後に期待してます。
0投稿日: 2020.12.08
ときめきまんが道 ―池野恋40周年本― 下
池野恋
Cookie
池野恋先生の生き様がここに!
上巻から一気読みしました。 まず、絵の線が整理されていつつも紙のひっかかりや止めの感じなど、アナログで描いている「隙」が垣間見れて、暖かい気持ちになります。 デジタル作画はきれいすぎて隙がないのですよね。 話は、池野先生の半生を漫画を書くきっかけから現在に至るまでを細かく丁寧に綴ったものです。 この絵が上下合わせて300pほども見れるだけで私には眼福でたまらないのですが、さらにはコミックになっていなかったと思われる昔の漫画が上下一作ずつ読めるという! 池野先生はときめきトゥナイトからりぼんで読んでいたクチですが、アイディア出しからのアニメに至るまでの流れがここまで決まっていたのか!と集英社の入れ込みように驚きが隠せませんでした。 当時の担当さんの面倒見の良さも伺え、やはり漫画家さんには編集さんがついて二人三脚なんだなと実感します。 池野先生に最大限の感謝と敬意を。 蘭世と真壁くんは永遠です!
0投稿日: 2020.04.04
こわれた腕環 ゲド戦記2
アーシュラ・K.ル=グウィン,清水真砂子
岩波少年文庫
長い闇とその末の光
影との戦いの後の幾年か経った後のゲドの話です。 正確には、ゲドの手をとり、新しい道を歩むこととなった少女の話です。 丹念に少女のことが序盤から中盤にかけて語られ、ともすれば「ゲドはどこ?」と思うようなストーリー展開でしたが、最後には立派な青年のゲドがきちんと話をまとめてくれ、前回の半分に割れた腕輪についても、それをくれた老女についても、合点が行き、大変スッキリしました。 今回は身の回りの世界と自由についてが語られていて、なかなか考えさせられます。 今までの狭い闇の中で決められたことをこなす世界と、これから広がる明るく自由な世界。 目の前の世界の広がりに恐れる少女の心の機微が丹念に描かれ、作者の入れ込みっぷりがすごい。
0投稿日: 2018.03.15
愛がなくても喰ってゆけます。
よしながふみ
太田出版
飾り気のない?食レポ
やたらと食漫画が氾濫してますが、その中でも秀逸なきのう何たべた?の作者であるよしながふみさんの食レポ漫画です。 Yながさんとその周囲の人たちの悲喜こもごもが美味しいお店のステキ料理で色付けされております。 食事しながらの素直なうまい!という感想は、自分も行ったかのような気持ちになります。 なぜか何度も読み返してしまってます。 じわっとはまります。
0投稿日: 2018.02.25
横浜駅SF【電子特典付き】
柞刈湯葉,田中達之
カドカワBOOKS
事故増殖な日常と非日常
タイトルで軽く笑ってしまい、さらに軽い気持ちで購入に至りました。 結構未来な日本が舞台ですが、JRでよく聞いたり見たりするものが頻繁に登場するパロディ感のある作品。 それゆえに、セリフや単語で容易に想像を喚起させられるので、読み進めるのが不思議なほど楽でした。 主人公はエキソトの住人で、青春18きっぷを使った5日間のエキナカ大冒険をするわけです。 思ったよりも順当にたどり着いたなーというような旅にみえてしまいましたが、文量を考えるとそれくらいでいいのかも。 途中で九州と四国に舞台が移ったりしますが、そこでの彼らは変に思い入れができなかったのが自分としては印象的でした。 その後に含みを持たせたりしているので、なんぼでもストーリーを広げて群像劇を書けそうな、そんな広い共感を呼べる世界観を持ったライトSF作品です。 アイディアの勝利といわれてそうですが、それはそれ、思い浮かんだものの勝ちなんだからいいじゃないですか。 それだって立派な才能です。 今後に期待。
0投稿日: 2018.02.15
パナ・インサの冒険(1)
飯田晴子
月刊Asuka
美麗アートなアラビアンワールド
このお方は、今は亡き氷室冴子先生の「銀の海金の大地」の挿絵で知りました。 大変美麗なイラストワークに魅了された私は、そのまま「パナ・インサの冒険」も虜になったわけです。 意外と描く人の少ないアラビアンファンタジーでして、生まれついての勇者でありその存在を隠されたまま育てられたラズリと、勇者を恐れる国王による14歳の少年狩り。 訳も分からずラズリを守る大人にせかされて旅に出ることになってしまい、困惑しながらも冒険を開始するというストーリー。 なのですが! 角川版は4巻でストーリー未完のまま完結となっております。 なんてこった。なんてこった。 最近になって電子書籍で角川版を買いなおして、そこでなんとなくぐぐると、なんと新パナインサがあるとかないとか! http://takumiya.ldblog.jp/archives/38891580.html 数年前の情報なので、なんだかわかりませんが、本当ならば超嬉しいです。 もしも売り切れているのなら、是非とも、是非とも、再販してほしいです。 北海道の人間なので、機会を逃すと永遠に手に入れることができないんです。
0投稿日: 2016.10.31
バーナード嬢曰く。
施川ユウキ
Comic REX
読書した気分になれます
主人公バーナード嬢(略してド嬢)は、読書が好きなのではなく、本を読んでいる私カッコいいが好きという子です。 わりとありますよねー。読んだ気になって知ったかしたいという欲求。 そんな気分で読むも良し、ですが、私はちょっと偏屈なSF好きの神林さんのほうが、あるあるだったりします。 ジャンルも多岐にわたりますので、目先を変えて読んでみたい本に出会えると思います。 (まさか恋空まで出てくると思わなかったし…)
1投稿日: 2015.10.13
神々の歩法-Sogen SF Short Story Prize Edition-
宮澤伊織
東京創元社
SFは詳しくないですが
私はTRPGが趣味のため、別名でよくお目にかかっておりました(しかしその別名すらもなんて読むのか最初わからず、脳内で「さかなさん」って呼んでいたのは懐かしい思い出です)。 小説の方は、ライトノベルで書かれたものを見て、その文体にモンニョリした記憶があり、以降「小説のほうは」敬遠していたという次第です(TRPGリプレイのほうは問題なく楽しめています)。 そんな折、この賞を受賞した際の記念エッセイ(http://www.webmysteries.jp/sf/miyazawa1508.html)を見て、買ってみた次第でした(そう。書評も読みたかったのだ!)。 お話は、高次元生命体に憑依された人間が、地球の都市を無造作に消し去っていくのをなんとかして止めるという近未来ものです。 出だしは、かつて栄え、そしてそのたった1人に滅ぼされた、砂の都北京。 USAのエリート軍人チームがターゲットめがけて滑走するところから始まります。 SFには詳しくありませんが、どこか知らない星ではなく、地球上の知っている地名で、それが様変わりしているところが話に引き込まれていきますね。 疾走感がある戦闘、小物やら台詞のしっくりくるネーミングセンス、なんていうか「こなれている」なという感じ。 ラノベ時とは打って変わった硬質な文体がマッチしていて読みやすい(幻想文学好きなので文体にこだわってしまうのだ!)。 途中、少女と出会い、話はぐるっと収束へと向かっていき、大団円となります。 少女の行く末や、「ナイスガイな」軍人さんがたの今後が気になるような、「続く感じ」があり、読後が爽快。 私のようなSFに詳しくない人間でもさらっと読むことができます。 良いところばかり言うのはフェアでないので、ちょっとアレだなと思うところも。 本を何冊か出しているプロの人が書いているからか、「こなれてる感」が全面に出てしまっているところ。よく言えばきれいにまとまっている、悪く言えば賞を取りにいっていると思われてもおかしくないくらい、こじんまりしてると思いました。 次はもうちょっと冒険した(はっちゃけた)SF作品を、同じような硬質な文体で読みたいです。ハイ。
0投稿日: 2015.09.26
艦隊これくしょん -艦これ- 艦これRPG 着任ノ書
河嶋陶一朗/冒険企画局,「艦これ」運営鎮守府,ヒライユキオ
富士見ドラゴンブック
ルールブックはアナログが一番だとは思いますが
内容は、艦これのTRPGルールブック。 サイコロフィクションシステムを使用していますので、そのシステムを知っているのならば、特につまずくことなく遊べると思います。 リプレイパートがあり、システムを読む前にこれを読んでおくと、実際のゲームの進め方を知ることができます。 プレーヤーは、艦これの夕張の声優さん、小説家2人、漫画家1人と大変豪華な顔合わせとなっています。 そんなプレーヤーがやる艦娘は、夕張、瑞鶴、愛宕、響。 提督に命じられ、西へ東へ大冒険?をします。 コミカルなリプレイを読めば、肩の力を抜いて遊ぶことができるでしょう。 以下は、電子版としての「出来」の話になります。 ルールブックは紙の書籍が一番だとは思いますが、電子書籍として一般流通したということが、この本の一番大きなポイントです。 TRPGの電子化の大きな一歩となったと思います。 私は通常はReaderで本を読むのですが、これについてはタブレットのほうが正解だと思います。 あと、キンドル版は画質が悪いと噂に聞いたのですが、こちらは特に画質の粗はなく、普通に思えます。 10インチタブレットでも画質を気にすることなく表示できます。 もちろんページ印刷ができないので、全員がルールブックを持つことが大前提の遊び方にはなりますが、複数機器登録しているならば、Readerのほうはプレーヤーに貸し出しし、タブレットはマスターが持つ、というような使い方ができるのも、電子書籍ならではかと思います。 キャラクターシートなどは、ダウンロードできますが、URLを見失うのでこちらにも書いておきます。 https://ssl.fujimi-trpg-online.jp/freepage/121 電子書籍の出来としては普通、ルールブックとしてはいつもの楽しいサイコロフィクション、ですので、本当なら★3ですが、商業ベースでの電子書籍ルールブックの第一歩という大きな役割を加味して★4としました。 続刊を楽しみにしています。
6投稿日: 2014.04.08
