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  • 悪の法則

    悪の法則

    コーマック・マッカーシー,黒原敏行

    単行本

    先に映画を観てからの読書をおすすめします

    他の方のレビューにもあるように、内容はシナリオ形式になります。 この悪の法則(原題:カウンセラー)は、ノー・カントリーなどの代表作があるコーマック・マッカーシーが映画化を前提として書き下ろした作品になるので、小説ではなく『脚本』という認識が正しいです。 非常に独特な構造を持つ話で好みが分かれる内容だと思いますが、私にはとてつもなく魅力的な内容でした。 私なりの言葉で内容を表現するならば、 「自分が見ている世界の『外側』の提示」 、そして 「転がりだした石は止まらない」 だと思います。 主人公である弁護士(カウンセラー)は様々な人物から様々な形で警告を受けるのですが、「大丈夫、俺はわかってるよ」と言わんばかりに行動を進めていきます。 ですが弁護士がどう動こうが動かまいが、世界の有り様は変わらないのです、悪の法則は常に裏側で動き続けているのです。 ちなみに映画の方は、「エイリアン」、「ブレードランナー」、「ハンニバル」など、誰もが知っている名作を数多く生み出したリドリー・スコットが監督を務めており、ある種の寓話的なほどテーマがはっきりしている内容になっています。 是非、映画をみたのち、こちらの作品を味わっていただきたいです。

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    投稿日: 2014.02.02