
占星術殺人事件 改訂完全版
島田荘司
講談社文庫
昔ミステリーにはまったきっかけの本です。
10年以上前に誰かの勧めで手に取り、ミステリー本にはまったきっかけの本です。斜め屋敷と暗闇坂も好きです。 このあと綾辻さんの館シリーズやもうちょっと軽快な森さんのミステリーを読み進めた記憶があります。 序盤は占星術と文体の少し入りにくい感がありますが、名探偵のキテレツな御手洗さんと助手の石岡さんが登場すれば、ぐいぐいと引き込まれていって、作者からのトリック挑戦状で頭のなかをもう一回整理してみたり、、。デビュー作とはびっくりの名作だと思います。
2投稿日: 2015.05.10
ゲノムハザード
司城志朗
小学館文庫
タイトルに納得するまで
イラストレーターの男と二人の妻?と殺人。目の前の死体は妻。その後、電話してくるも妻。妻は一人しかいないはずなのに何故? 刑事がくるし、追われるし、死体発見後は、彼の生活が一変。 私は何者?そんな感じなのかな。彼と一緒に彼の正体を探り、最初の状態との辻褄をどう合わせるのか、そんな興味で読み進めました。 最初タイトルと出だしが噛み合わなかった。またミステリーの密室トリックとは違う種明かしですね。 初めての作家さんでしたが、文体は素直に読めました。ラストはどうしてそうなったのか、後日談が欲しいなー。そうでないと魔法になってしまう気がします。 映画は主人公、西島さん。シリアスに格好よいところを見てみたいです。
3投稿日: 2014.10.25
限界集落株式会社
黒野伸一
小学館
それでも、農業への憧れはある
都会の生活に疲れたな、自然に囲まれながら自給自足の暮らしをしてみたい… はい、そんな甘いもんじゃないと、追い返されそうなわたしです。 元のバリバリの銀行マンが父の故郷、限界集落での農業法人を始める。 農家、自治体の保守なところと、銀行マンの合理主義と都会からの流入者のミックスから、限界集落 止村はどんな方向に向かうのか。 固く苦しくなく、ほんのり恋心を交えながら、物語は続きます。 テーマパークはどうよ、と思ったけど、自治体との距離の取り方、 ラストの日本らしい?まとまりかたも嫌いじゃないです。 甘いと言われても、やってみたいよな、農業と思いました。 続編があったとしたら、更にどんな方向に進むのかしら。
1投稿日: 2014.09.12
月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ!
氷室冴子
集英社コバルト文庫
氷室さんの懐かしき平安時代少女小説
ジャパネスクから始まり、いろいろ読んだ少女時代が懐かしく、ざ・ちぇんじ!を読みたくなって購入。 「ざ・ちぇんじ!」はとりかへばや物語のラフ版?、楽しく読ませていただきました! 新鮮だったのは、「月の輝く夜に」。 こちらは読んだことはなかったのですが、「ざ・ちぇんじ!」同様平安もの。「ジャパネスク」「ざ・ちぇんじ!」の元気な楽しいドタバタ感とは異なり、普通の恋のちょっとした嫉妬や妬ましさ、少女の背伸びが見える貴志子の恋。場面は平安、気持ちは時代共通でしっとりと読めました。
3投稿日: 2014.05.16
獣の奏者 I闘蛇編
上橋菜穂子
講談社文庫
エリンの世界にどっぷり、一気読み
NHKのアニメでやっていたり、ファンタジー好きの友人から勧めらていましたが、複数巻に躊躇し、トライしていませんでした。しかし試しに1冊買うと一気読みでした。 母の影響から、自然や生き物に親しみと興味を持っていたエリン。少女は母との別れ、新たな出会い、母の面影を感じながら?、 自分の夢に向かって自分の意思をもって進んでいく。 自分の意思で、選択し進んだ先に待っていたものは。。 なにかのセリフですがやらずに後悔するよりは、やって後悔したほうがいいですよね。(エリンは後悔しなかったでしょうが) 作者が最終巻のあとがきで、最初<闘蛇戦><王獣編>で完結した物語だったと語っています。 その後エリンが再び呼吸しはじめ、<探究編><完結編>でき、今度こそ完結したとか。私もこの終わりが好きです。ぜひ最後まで読んでほしいです。
9投稿日: 2014.04.15
植物図鑑
有川浩
角川書店単行本
身近で、温かくなる。
有川さんの本、幾つか読んでいます。この作者さんの話では比較的現実にありそう?、身近そうなストーリー。図書館系や自衛隊などよりは。会社員帰宅中にひょんなことで出会った相手を拾ってしまう、そこから始まる二人の関係。ほのぼのだけれど、甘すぎない?甘さがあると思います。(塩の街が初めてでしたが、甘すぎて少女漫画かと・・・) 最後まで読んだとき、邦画のお・と・な・りを思い出しました。ほのぼのしていて、温かいラストです。映画化してもそんなに激しいロケにならなそうだし、映画化しないかな(雑草を探すの大変かしら)。今のところ、身近な感じが好きで、有川作品では一番好きです。
0投稿日: 2014.03.22
連舞
有吉佐和子
集英社文庫
読ませる有吉佐和子さんの舞踊の世界の物語
ReaderStore品揃え増えてきましたね!リクエストした時期には1冊もなかった大好きな有吉佐和子作品が電子書籍化されてとても嬉しいです!他の作品も増やしてほしいです。この間テレビ化された悪女についてくらいはあってもよいのに・・・あとは芝桜、木瓜の花あたりも増えてほしいなぁ。 連舞(つれまい)・乱舞(みだれまい)の前編。 絶版になったと思っていたら、こんな表紙になっているのにびっくり。(でも本屋でみかけない) 踊りという特殊な世界で生きる女の話。有吉さんの文章は踊り物、芸者ものでも読みやすいし、ぐっと読ませるし、とても好きです。 踊りの師匠を母にもつ才能のない姉と、家元との間に生まれた天才少女の妹。姉はどうやって生きていくのか。 保存版です。
1投稿日: 2014.01.18
華竜の宮(上)
上田早夕里
ハヤカワ文庫JA
いつかあり得る世界?
滅びの中、環境の変化を受け入れ、どう最善を尽くし、未来に託すか。 こんな世界観や生命のバリエーションを生み出せる作者名に素直に凄い、と思いました。そして突拍子もないストーリーではないところも。 ぶ厚い物語ながら、苦なく楽しめた。そして考えさせられた。他人事ではない、温暖化、地震、原子力…危機がやってくることにどう備えるのか。 マキと青澄のコンビにも好感が持てた。
4投稿日: 2014.01.18
