
帰ってきたヒトラー 上下合本版
ティムール・ヴェルメシュ,森内薫
河出文庫
取扱注意!
読み進めていくうちに、ヒトラーの主張に思わず共感してしまいそうになるのが、なんとも怖い。 批判的に読む訓練ができていないと非常に危険な小説だ。
0投稿日: 2017.05.30
興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード
小杉泰
講談社学術文庫
イスラームのことがスッキリわかる良書
イスラームの始まりから現代に至るまで、しかっりと解説してくれる良書。誤解と偏見に満ちたイスラーム認識を正してくれる。 「イスラーム国」が「元々イスラームとは関係ない過激分子によるイスラーム乗っ取り」という見解は、的を得て妙と言える。 大変勉強になりました。
0投稿日: 2016.12.27
アンダーグラウンド・マーケット
藤井 太洋
朝日文庫
日本の近未来を描く金融SF
金融をテーマとしたSFって非常に珍しいのではないか。 初出は2013年・2014年と少し前だが、2016年現在話題になっているFin-Techの未来図を描き出しているのが凄い。 しかも、ここに描かれている裏社会は、何年か後の日本そのものではないだろうか。それもそう遠くない未来の。 続編を期待させる終わり方なのでが、続きはないのかな…。
0投稿日: 2016.09.03
非常識な建築業界~「どや建築」という病~
森山高至
光文社新書
「オラオラ建築家」による「どや建築」
建築業界の常識は世間の非常識であることに当事者たちがわかっていないことが一番の問題。その根底にあるのは権威主義と無責任だ。 建築家(とデザイナー)の独りよがりの拘りなんて、マスターベーション以外の何物でもない。
0投稿日: 2016.05.31
シャープ崩壊--名門企業を壊したのは誰か
日本経済新聞社
日本経済新聞出版
ダメになるべくしてダメになった
現在進行形の話ではあるが、なぜシャープがここまでダメになったのか、よく調べられて纏められている。まるで清水一行の企業小説を読んでいるかのようである。 シャープの場合、ダメになるべくしてダメになっているのは、火を見るよりも明らか。一番の問題は、現役・OB問わず歴代経営陣が諸悪の根源なのに、本人達にその自覚がないこと。だいたい、トップ間の権力闘争が起きている段階でその会社はアウトだと思います。 以て他山の石としてください>経営者のみなさま
1投稿日: 2016.03.25
京都ぎらい
井上章一
朝日新書
京都はほんまに恐いとこや
京都市民やのに、洛中の人にいけずされた洛外の井上先生のお気持ち、よぉわかります。私は京都市民ですらない乙訓の出身なので、「宇治のくせに、京都と言うな」と言われる方のクチですから。まさにルサンチマンですね。けど、返す刀で東京の人にいけずしてはるとこがまた可笑しい。 たぶん、御所を中心にして、洛中>洛外(京都市内)>洛外(京都市外)>京都府以外(大阪など)>>東夷(笑)という図式があるんでしょうな。ま、東京は東京で、皇居を中心にして、旧江戸(御府内)>山手線内>山手線外の東京>神奈川>千葉・埼玉>その他大勢という図式があるんでしょうけど。 ということで、私も「かみひちけん」が正しいと思います。
3投稿日: 2016.01.22
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下
オリバー・ストーン,ピーター・カズニック,大田直子,鍛原多恵子,梶山あゆみ,高橋璃子,吉田三知世
単行本
「不都合な真実」だからこそ、正視する「勇気」を!
歴史を修正(というよりは、自分たちの都合がいいように捏造)する輩は、古今東西、沢山いる。 彼らは、ある意味、自分たちが行ってきたことを直視できない(したくない)臆病者だし、卑怯者だ。 不都合なことや恥ずかしいことも全部ひっくるめて、見つめ、反省し、考察し、より良い未来へつなげる「勇気」こそが必要なことではないだろうか。
1投稿日: 2013.09.25
