
任侠病院
今野敏
中央公論新社
安定の痛快感。予想できる展開ももはや楽しみの一つ!
任侠シリーズ第三弾、一気読みしました。前シリーズの書房や学園も読んでいるので、大筋の展開や結末は予想できるものでした。でもマンネリで残念なのではなく、やはりこうきたか!と、期待に応えてくれた嬉しさが勝ります。 単独でも楽しめると思いますが、味のある登場人物に思い入れを持って読む方がきっと楽しいので、前シリーズを読んでから本書を読むことをお薦めします。 読書好きな両親が読みやすいし、痛快だよと薦めてくれた本書。さらっと読めて、本当にお薦めです。
0投稿日: 2018.04.11
探偵の探偵
松岡圭祐
講談社文庫
可憐な少女が探偵の探偵に!応援したくなるけど、かなりハードボイルドでツラくなるシーンも。。。
松岡圭祐さんのシリーズでは万能鑑定士Qや、特等添乗員αのシリーズが好きで、全て読みました。 タイトルに興味を持ち、表紙に驚きながら、怖いもの見たさもあって本書を買いました。 かなりハードボイルドで、可憐な主人公や愛すべき可愛い登場人物が暴力を受けるシーンに思わず目を背けたくなるような、手に汗握る小説でした。 千里眼シリーズや作家問わずハードボイルド作品も好み、という方にはオススメの本です。 同業者潰しとも言える探偵の探偵が生まれた理由や、事件の背景もしっかりしていて、雑学も盛り込まれたウィットに富んだ作品だと思います。 ただ「人の死なないミステリ」を気分転換もかねて読んでおられる方にはオススメできないかもしれません。ハードボイルド特有のつながりの強引さも感じました。
1投稿日: 2017.01.24
心にしみる31の物語 仕事の作法・生き方の仕法
小倉広
ゴマブックス
感動の連続!まさに心にしみました!!
感動的なエピソードとともに伝えたいメッセージを伝えるという、著者が編み出した手法にやられました。 31の心震えるエピソードがその教えとともにこの一冊で手に入るので、めちゃくちゃお得で、お薦めしたい本です。 例をあげるときりがありませんが、ネタバレしない程度にご紹介します。 日本で一番大切にしたい会社として有名な日本理化学工業のエピソードは必見だと思います。大山会長の人柄、考えに頭が下がります。 また、東日本大震災での「釜石の奇跡」。片田教授たった一人の行動・リーダーシップが3千人を救い、生存率99・8%の奇跡を生む実話ですが、片田教授の人間の深さ、辛抱強さ、私心なき高潔さに感じ入るばかりです。 マタギ(古からの手法で狩猟を専属に行う方々)のエピソードを通して知る、奪い合えば足りぬ、分けあえばあまるという、足るを知るの教えも、すうっと心に入ってきました。 帯メッセージは誇張でなく、全くの真実だと感じました。 「心震える感動の実例を題材にした渾身の一冊」
0投稿日: 2016.12.02
神様の御用人3
浅葉なつ
メディアワークス文庫
三巻の中では一番好きです♪涙がにじみます。
御用人シリーズは読後感がとっても清々しく、そのうえ心がほっこりして、大好きです。 個人的には第一巻でこの作品にすごく興味を持ち、第二巻で少しその想いは失速しかけていたところ、この第三巻で一気に惹き込まれました♪ 特にこの巻の「童子の柄杓」「橘の約束」は面白く、中でも「橘の約束」では大王に再会したい「田道間守命」の想いとその結末に、涙がにじんでしまいました! 世間的にはうだつのあがらないフリーターの主人公良彦ですが、その清廉潔白さや心根の優しさに、とても癒されます。 第三巻、オススメです♪♪
1投稿日: 2016.11.21
伝え方が9割
佐々木圭一
ダイヤモンド社
買わなきゃ損!積ん読(つんどく)なんてもっと損!!
◻伝え方は鍛えられる ◻心を動かすコトバはつくれる 料理のレシピのように こう、ありました。読後の今、この言葉を強く強く実感しています! この本では著者の佐々木さんが長年かかって蓄積獲得したノウハウを、とてもシンプルにわかりやすく伝えてくださっています。 ビジネスでもプライベートでも活用できるスキル満載で、すごくオススメです♪ スキルを具体例を交えて理論的に記載してくださっているので、なるほどっ!と膝をうつことが多かったです。 たとえばお願いのコトバの大切さを伝えるパートでは、「人は1日平均22回頼みごとをしている」とあり、そこから以下のような手法が具体例とともに、記載されています。 ・頭の中をそのままコトバにしない ・相手の頭の中を想像する ・相手のメリットと一致するお願いをつくる あまりに有名な本のため、ポイントがツイッターその他で確認できるため、★を一つ下げましたが、それを考慮しなければ★5つだと思います。 しっかり実践して、人生を豊かにしていきたいです。
0投稿日: 2016.11.08
小説 君の名は。
新海誠
角川文庫
時、場所を超えたつながり、すれ違い、そこに隠された深い意味
映画が大ヒットしてるので、内容を調べもせずにミーハー根性で買いました(まだ映画は観ていません)。 感覚としては、本小説のみで完結するなら(映画を観る予定なし)★4つでしょうか。きっと、映画を観た後で本小説を楽しむなら★5つ(ここは想像ですが)になるのでしょうね。 前半、田舎の丁寧な描写でノスタルジーを感じさせつつ、時、場所を超えたつながり、そしてすれ違いが描かれていて、後半はそこにディザスターパニックとまではいかないものの、SF的な要素が入ってきます。 ストーリー構成の面白さと、好感の持てる主人公の三葉と瀧君に惹き込まれながら、一気読みしました。 次の展開への伏線が散りばめられている点や、繊細な心の動きなど、読み返して楽しめる点も良いと思います。 一つさげた理由は、私がしばらく映画館に行く予定がなく、小説完結で評価したからです。これはやはり、とにかく映像への期待が高まる作品です。その分、物足りなさは感じてしまいました。映画を観たいという気持ちが高まる点では、最高の宣伝ツールですね。
0投稿日: 2016.10.27
いすゞ鳴る
山本一力
文春文庫
粋で人情味あふれるメンバーをツアコン「恩師」が導くお伊勢参り
江戸のツアコン「恩師」を軸に、お伊勢参りに始まる江戸の住人と土佐の住人の交流が描かれています。山本一力さんらしい粋で魅力的で個性あふれる登場人物と、その登場人物に助けられながら成長していく、本小説の鍵となる「江戸の子供」。「江戸の子供」に知らず知らずに導かれ、遠く離れた土地の人々が繋がりをもつ過程は楽しめます。後半は土佐のクジラ組を背景に話は進みますが、以前「鯨組」を読んでいたので情景が浮かび、読みやすかった印象です。
0投稿日: 2016.10.17
