
あの日
小保方晴子
講談社
小保方さんがどういう人なのかが理解できる本
「STAP細胞」騒動の中心人物だった小保方さんの手記。 事件の真相よりも小保方さんの人物像が良く見える本です。 この本に書かれていることは、彼女にとっては、「真実」なのだと思います。 もうひとりのステークホルダーである、若山さんの言い分も存分に聞きたいところ。 もし関係者全員が手記を出したら、芥川龍之介の「藪の中」みたいになったりして。 「STAP細胞」騒動は、間違いなく日本科学史に残る大事件なので、資料的価値は高い本なのかもしれません。
48投稿日: 2016.01.28
わたしの日々
水木しげる
ビッグコミック
著者いわく「屁のような人生」
水木先生が91歳の時に連載開始し、事実上、遺作となった作品です。 普段の何気ない日常から、少年時の思い出、壮絶な戦争体験まで、様々なエピソードを綴っています。全編カラーです。 南方に出兵して、部隊が全滅し、片腕を失い、ひとり生還したら「他の仲間と同じように死ね」と上官に言われたなど、 壮絶な戦争体験をされた著者ですが、晩年は本当に毎日を楽しまれていたのだなと。 自由気ままでユーモアを忘れない、こんな年の取り方をしたいなと思いました。 相撲を観に行ったときの京極夏彦とのやりとりと、最終話の便秘の話が個人的にはツボでした。ブリブリーのブリーッ!
5投稿日: 2015.12.02
東京喰種トーキョーグール 14
石田スイ
週刊ヤングジャンプ
久々に感情が高ぶった・・・これはヤバい
怒涛の展開の「東京喰種」。 最終巻・・・?なのか・・・? あんていく掃討戦が、どんな結末を迎えるのか、待ちに待った14巻でしたが、展開は想像を超えました。 多くの伏線を残したまま、物語はひとつの区切りを迎えます。続編が楽しみでならない。 今、もっとも面白いコミックだと思います。
1投稿日: 2014.10.17
ワールドトリガー 7
葦原大介
週刊少年ジャンプ
VS.ネイバーのトリガー使い!!
とうとうネイバーのトリガー使いが参戦!! 桁違いの戦力をみせるネイバーに対し、ボーダーたちはチームで対抗します いやー熱いですね 個人的に、トリガーオンして戦闘体になった小南さんがツボでした
5投稿日: 2014.10.03
地獄先生ぬ~べ~ 1
真倉翔,岡野剛
週刊少年ジャンプ
当時の子どもたちにトラウマとお色気を提供した名作
「鬼の手」をもつ小学校教師ぬ~べ~(鵺野鳴介)が、生徒たちを闇の存在達から守る、学園ホラーコメディです。 トイレの花子さんや人面犬など、いわゆる学校の怪談や都市伝説系の妖怪たちが出てきます。 基本的にほんわかした感じの画ですが、油断をしていると突然気持ち悪い描写の画が出てきたり、 当時の子どもたちに多大なトラウマを植え付けたに違いないです。 また、妙になまめかしいお色気描写など、これまた当時の子どもたちに、もやもやした感情を植え付けたことでしょう。 妖怪ブームの今だからこそ読み返したい名作です。
2投稿日: 2014.09.12
火ノ丸相撲 1
川田
週刊少年ジャンプ
相撲ブームくるか?!
弱小の部活に主人公が入部したことがきっかけで物語が動き始めるという王道の展開ですが、題材はなんと相撲。 本当に鍛えてるのか?といいたくなるような、線の細い登場人物ばかりがでてくる作品と違い、ガチムチがいっぱい出てきます。 王道でありながら、異色の作品に仕上がっていると思います。 世間が「若貴ブーム」に湧いていたころ、ジャンプでも若貴の漫画をやってましたよね。 今度は逆に、マンガから本物の相撲に波及するようなブームを巻き起こしてほしいです。
6投稿日: 2014.09.05
キングダム 34
原泰久
週刊ヤングジャンプ
トーントーントーン
はたして、羌カイの復讐は果たされるのか?信たちのもとに戻れるのか?が前半の山です。熱いオンナの戦いが展開されます。 後半は、政の弟・成キョウのお話し。史記をしっていたので、前巻までの成との協力体制を見ていて「どうやって史記のように持ってくるんだ?」と思っていましたが、そう来たかと。 歴史物は、改変できるところと改変できないところがあって、この後の成キョウの運命は改変でいないところだと思うので、興味深いですね。 次の巻が待ちきれません。
2投稿日: 2014.07.29
東京喰種トーキョーグール 12
石田スイ
週刊ヤングジャンプ
ぐーるぐるぐる
登場人物たちの背景がだいぶ見えてきましたね ゆえに、喰種側にも、CCG側にも一方的に肩入れできないもどかしさというか、いずれにしても悲しい方向に話は進んでしまうのかな…と… 今後、小説家の高槻は、どう絡んでくるのでしょうか??楽しみです。
1投稿日: 2014.07.29
Self-Reference ENGINE
円城塔
ハヤカワ文庫JA
最近、脳みそを揺さぶられていない人へおススメ
大人になると、感動というか、脳みそが揺さぶられる体験って減りますよね。 今朝、私の息子(6歳)が「パパ!でっかい鼻くそが出た!」と目をキラキラさせながら教えてくれました。 私は「おお!すごいな!」と一緒に感動したそぶりをしたのですが、でっかい鼻くそごときで、ハイテンションに感動できる息子がうらやましいと思いました。 歳を重ねるということは、どんどん不感症になるということなのだなあと感じる、今日この頃です。 さて、この円城塔著「Self-Reference ENGINE」は、そんな不感症な大人たち、最近、脳みそを揺さぶられていない人たちにおススメの一冊です。 一見すると不条理で奇想天外な小説、その実はハードSFです。とある「イベント」の影響で時間やら次元やらがコンガラガッテしまった宇宙での出来事が、短編集という形でまとめられています。 冒頭から読む人を拒絶する難解さで攻めてきますが、文章自体はきれいで読みやすく、不条理さから生じる「笑い」の配分も絶妙で、その独特の世界観が心地よくなってきます。 わけわからなくなりながら、こういうことかな?と解釈してみるけど、それ以上のスケールで覆されて話がすすんでいく……みたいな、とにかく想像の上をいく、文字通り次元が違うストーリーが展開されます。 個人的にはフロイトが畳の下から22体のお話と、アルファケンタウリ星人襲来のお話がお気に入りです。 さあ、みなさんも脳みそを揺さぶられましょう。
9投稿日: 2014.03.26
神聖モテモテ王国(1)
ながいけん
少年サンデー
ジークナオン
15年以上前の作品ですよね…。電子化されているのを発見したとき、本当にうれしかったです。 ちょうど私がモテモテ王国にはまったのは、大学生のときでした。 当時の私の座右の書は、村上春樹『風の歌を聴け』と『神聖モテモテ王国』でした。 20歳前後の、大人への最後のステップ段階で、もっとも影響を受けたのが村上春樹と『神聖モテモテ王国』。 ・・・どうなんでしょう。 脳みそがとろけ出すような感覚を味わえるギャグ漫画。それが『神聖モテモテ王国』です。 ハイテンションで展開されるセリフのひとつひとつ、言葉のひとつひとつは、一読すると、ただメチャクチャなだけに思えるのですが、 繰り返し読むと、実は大胆かつ緻密に練られた結果なのだと感じてきます。一度味わうと癖になる。非常に気持ちのいい漫画です。 とにかく現実逃避したいときにおススメです。 ただ、人を選ぶ作品であることも事実です。その辺はご留意ください。 できれば、しっくりこなくても3巻ぐらいまで我慢して読んでいただきたいところですが・・・・。
1投稿日: 2013.09.27
