
検証・コロナワクチン
小島勢二
花伝社
明らかな誤りが多く含まれています
有用な情報が多く含まれる著書であることは確かです。 しかし、明らかな誤り(簡単に気付けるものから、気付くのが難しいものまで)が複数含まれています。小島氏や出版社がこれらの問題を訂正しない理由を知りたいところです。(両者には既に問題を指摘してあります。) <誤りの一例> 著書における記述:「超過死亡はEurostatに準じて、2015年から2019年の平均死亡者数との差で算出した。多くの国では、コロナの流行が始まった2020年から超過死亡が観察されたが、日本では、2020年には超過死亡はみられず、かえって過去5年間と比較して死亡者数は減少した。日本の超過死亡は、ワクチン接種が始まった2021年から観察されるようになった。」 これに関して、「2015年から2019年の平均死亡者数との差で」超過死亡を算出した場合、2020年における日本の超過死亡はプラスの値になります(人口動態統計 確定数によれば、+36,195)。すなわち2020年にも超過死亡は生じていたことになります。よって、「日本では、2020年には超過死亡はみられず…ワクチン接種が始まった2021年から観察されるようになった」との記載は不正確です。 2020年の超過死亡がマイナスの値になるのは、過去の人口動態の傾向(毎年死者数が約2.2万人ずつ増加する)を考慮した算出方法を用いた場合です。毎年の死者数が増加傾向にある日本のような国については、過去の平均値に基づき超過死亡を算出すると、実態を適切に反映しない結果が得られます。この点は小島氏だけでなく、本著に推薦文を寄せた福島雅典氏のような科学者にとっても自明と思われます。 このような明らかな誤りは訂正されるべきです。
0投稿日: 2023.08.14
