【春のブックフェス2020 特別企画】「モデル×プロ雀士」という異色の二刀流アーティスト“岡田紗佳”、自ら原作を手掛けているマンガ『ゴールデン桜』に描いている未来とは!?
2020.03.03 - 特集
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トップバッターを飾るのは、「モデル×プロ雀士」という異色の二刀流アーティストの岡田紗佳さんです。
Reader Store 春のブックフェス2020 特別企画!
モデルとプロ雀士、対極にある2つの肩書きを持つ岡田紗佳さん。他にもグラビア、タレントなど幅広く活躍し、さらに最近では漫画『ゴールデン桜』の原作や「近代麻雀」でコラムも執筆。昔からオタク気質なのもあり守備範囲は漫画から海外ミステリーまで、本との縁も非常に深いとのこと。そんな岡田さんにこれまでの読書体験にまつわる思い出についてアレコレ聞いてきました!
中学時代は半年で100冊読破して、図書館にある本もほとんど読んだ
――岡田さんは現役のモデルですが、月にどれくらい雑誌を読みますか?
最近はファッション誌よりも美容誌を読むことのほうが多くて、月に4~5冊くらいですかね。雑誌を読むときはいつも電子書籍を使っています。
――雑誌を読む場合は電子書籍派なんですね。
そうですね。1度にいくつかの雑誌を読むとなるとどうしてもかさばるので、ロケバスとかの移動中のときは電子書籍のほうが便利なんですよね。それに雑誌だと「あの服どんなだっけ?」って後から見返すときも多いじゃないですか? 電子書籍だと気になったときにすぐに見たいページにとべるのは大きなメリットですよね。
――電子書籍でよく読むジャンルは?
もう何でも読みますよ。だけどちょっとしたこだわりがあって、小説だけは紙の書籍で買っちゃうんです。雑誌と漫画はもっぱら電子書籍なんですが。
――読むジャンルによって電子書籍と紙の本を使い分けているんですね。
もともと本を読むこと自体は好きだったんです。とくに中学生の頃はラノベにどハマりしていて、半年で100冊の本を読みました。まぁ、でもその大半がラノベだったんですが、仕事をし始めてからは読む機会が昔より少なくなっちゃって。今は仕事が忙しくてちゃんと手をつける暇がないのですが、スケジュールが落ち着いたらまたゆっくり本を読みたいなと思います。
――本好きとはいえ半年で100冊読破とはすごい! 当時の読書に纏わるエピソードがあればお聞かせいただけますか?
中学時代はとりあえず授業1時間のうちに1冊ラノベを読む、みたいなことをやっていました(笑)。私、読むのがすごく早いんですよ。しかもラノベだとものによっては効果音ばかりだったり、挿絵も多いので本当にスイスイ読めちゃって。授業中なのに普通に机にラノベを積み上げてわりと堂々と読んでいましたからね。懐かしい~(笑)。
――授業の思い出はラノベの思い出というか。
ですね。ラノベを読むのに夢中で授業は全然聞いていませんでした(笑)。それとラノベ以外でも図書館にある本はほとんど読みつくしたと思います。
ラノベが今の私の土台を作ってくれた
――もともとかなりの読書家なんですね。オススメの書籍はありますか?
いろいろありすぎて(笑)。西尾維新さんがすごく好きでとくに『化物語』(西尾維新(著)、VOFAN(画)/講談社)や『刀語』(西尾維新(著)、竹(画)/講談社)はハマりましたね~。ラノベは他にも挙げたい作品がいろいろあるんですが、本当に読み過ぎていて最後に手をつけたのがだいぶ前だと「あれ、何だっけ?」ってタイトルも忘れちゃって…。でも今の自分を作り上げたのは間違いなくラノベで1番はやっぱり『化物語』かなと思います。ちなみに私にラノベに入るきっかけをくれたのは『涼宮ハルヒ』(谷川流(著)、いとういのぢ(画)/角川書店)。当時は電撃文庫も読み漁っていました。
――漫画のほうは?
基本的にグロめな作風が好きなので『惡の華』(押見修造(著)/講談社)は推しですね。「別冊少年マガジン」に一時期ハマっていたので『進撃の巨人』(諌山創(著)/講談社)も読んでいましたし、「週刊少年ジャンプ」なら『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦(著)/集英社)や『NARUTO –ナルト–』(岸本斉史(著)/集英社)ももちろん通っています。でも漫画のほうも他にも好きなのがいっぱいありすぎて本当に選びきれない…。
――挙げていらっしゃるのは少年漫画が多いですが、少女漫画は読まないんですか?
読まないです! 正直胸キュン系は興味ないですね~(笑)。あ、でも少女漫画だと『カードキャプターさくら』(CLAMP(著)/講談社)だけは小さい頃から好きで全巻持っています。『NARUTO –ナルト–』や『カードキャプターさくら』は幼少期にテレビアニメで観ていて、それが自分のルーツとして根付いているので、そういった作品は大人になっても変わらず好きなままなんですよね。
――“推し”の小説はありますか?
小説ならミステリー系ですね。辻村深月さんや東野圭吾さんの作品は一通り読んだと思います。あと海外の小説になるんですが、『バーティミアス』(ジョナサン・ストラウド(著)/理論社)という作品が自分的に読みやすくて好きですね。というのも『バーティミアス』って本文と注釈で上下2段に分かれていて、そういったレイアウトの書物がもともと好きみたいなんです。『化物語』もそうなんですが注釈が小話みたいな感覚で読めるのが良いんですよね。『バーティミアス』って本自体はすごくぶ厚いんですが、注釈の部分だけをバーッと読むのも面白くて、そういう変わった読み方をするのもお気に入りです。
漫画の仕事ではネタをどう料理するかに苦戦中
――岡田さんと本の繋がりといえば、『ゴールデン桜』(前川かずお(画)/竹書房)で漫画の原作も手掛けていらっしゃいますよね。
もともと「近代麻雀」(竹書房)でコラムを書いていたんですが、編集長から「漫画の原作とかやってみない?」とお声掛けを頂きまして。それで最初は女流プロの現状の話をベースにファンタジーな要素も少し絡めて描いていこうかなと思ったんですけど、ちょうどその頃Mリーグが始まって麻雀界の状況が変わってきたんですね。そういった事情もあって話を一度練り直すことにしたんです。それで最終的に男の子が女の子のふりをして女流プロを目指すという内容になりました。
――周りからはどんな反応がありますか?
Mリーグのチェアマンである藤田晋さんからは「あの漫画、1番面白いね」と言ってもらえたのが嬉しかったですね。麻雀を知っている人ほどハマって読んでくれているみたいなので、反応をもらえるのはすごくやりがいを感じます。
――モデルやプロ雀士の仕事をしながら漫画を考えるのって大変じゃないですか?
私自身が現役のプロ雀士として活動しているので、正直ネタはけっこうあるんです。でもそれをどう料理するかが問題なんですよね。編集部から「もっと展開早くして!」とか言われたりすることもあるので、そういうときはどうしようか悩みます。
――――岡田さんと麻雀の出会いはいつだったんですか?
6歳のときに中国のおばあちゃんの家に住んでいたんですが、そこには雀卓があって近所の人が集まってしょちゅう麻雀を打っていたんです。だから私も見様見真似で麻雀を始めて…という感じですかね。
――6歳で麻雀をマスター!?
向こうの麻雀って日本で例えるならトランプみたいなものなんです。中国と日本だと麻雀のルールも全然違うし、あっちだと絵柄合わせ的な誰でもできるゲームって位置づけなので。
――そうなんですね! でもそこからプロ雀士になるまではどんな道のりを?
今所属している団体から「勉強会に参加してみませんか?」と声を掛けてもらったのがきっかけなんですが、日本に来てからは麻雀をする機会もなくてルールも忘れていたし、気づいたら10年くらいブランクが空いちゃっていて。なので、また1から麻雀を勉強し直してそこからプロ雀士になりました。
――女流雀士で仲が良いのはどなたですか?
高宮まりさんが1番仲良いですね。あと石田亜沙己さんも仲良くさせてもらっています。
――女流雀士仲間といるときはどんな話題で盛り上がるんですか?
試合の後に会うのがほとんどなので、麻雀の話題が1番多いですね。あとは普通の女の子と一緒で服のこと、美味しい食べ物のことあと…恋バナも一応。けど、女流雀士の友達といるときは恋バナってあんましないかも(笑)。やっぱり麻雀打つ女の子ってサバサバしている子が多いので。
いつか好きな声優さんを揃えて『ゴールデン桜』をアニメ化したい!
――モデルと麻雀のお仕事の比重って、それぞれどのくらいなんでしょうか?
麻雀のお仕事の中にはコラムを書いたり、漫画のことも含まれているのでそう考えると、モデル2割、プロ雀士8割って感じですね。試合に出る以外にも、ネットやアプリでも麻雀を打たなくてはいけなかったりするので、毎日何かとやらなきゃいけないことが多いです。
――そうするとプライベートの時間ってほとんどないような…。
ん~。空き時間にスマホでちょっと動画を見るくらいですね。YouTubeやニコニコ動画でゲーム実況や好きなお笑い芸人さんの動画をよく見ます。私の趣味って麻雀や少年漫画など完全に男性寄りなので、普通の女子が好きそうなものはあんまり詳しくないんですよ(笑)。実は私自身が『ゴールデン桜』の主人公で…って冗談ですけど、でも好むものは本当に男性に近い感じです。
――ものすごいギャップですよね(笑)。
しかも家の中なんてフィギュアだらけですからね。『ラブライブ!』『化物語』『アイドルマスター』『魔法少女まどか☆マギカ』のフィギュアがたくさん飾ってあります。昔はアニメイトにもよく行っていました。
――実はオタク的な要素もあるというか。
というより完全にオタクでしかないです(笑)。買い物も基本ネットだし休みの日はどこにも行かない。家で全部済ませちゃう派だし食事はUber Eats頼み。料理は相当気が向いたときじゃないとしないかも。一応モデルをやらせてもらっているのに中身は全然キラキラしてないっていう(笑)。
――えぇ、意外です! ではそんなオタク要素を活かしてこの先、興味のあるお仕事ってありますか?
『ゴールデン桜』のアニメ化はいつかされたらいいなとずっと思っています。好きな声優さんにお会いしたいので、もし本当にアニメ化されたら作者の権限を使って憧れの人にお願いできたら最高だなと(笑)。さらに贅沢を言うなら自分もひと言セリフを話す程度の超雑魚キャラ役で出演してみたいです。
――どんどん夢が膨らみますね。ちなみに声優をお願いするならどなたに…?
絶対に無理と分っていますが、主人公の早乙女卓也の役は緒方恵美さんに是非やってほしいです。あと『ラブライブ!』ファンなので徳井青空さんにも出てほしいな~。けど『ゴールデン桜』でそらまるさんに適したキャラがいない…。ロリっぽいキャラが合いそうだからどうしよう?
――そういったキャラはこれから出す予定はあるんですか?
まだ分からないです(笑)。でもそこは作者の腕次第なので、いつかアニメ化されるように『ゴールデン桜』をもっと面白く展開していきたいです!
取材・文/近藤加奈子
撮影/森崎純子
【profile】
岡田紗佳(おかだ・さやか)
生年月日:1994年2月19日
出身地:東京都
血液型:O型
サイズ:B85 / W58 / H83 / S24.5 / T170
趣味:ショッピング、メイク、歌
特技:上海語、北京語、英語、中国のお琴(古筝)、クラリネット
2011年に、第43回non-noモデルオーディションでグランプリを受賞し、2012年2月号から『non-no』の専属モデルとなる。2017年4月から日本プロ麻雀連盟に所属する女流プロ雀士となる。
2018年3月20日発売の5月号を最後に『non-no』の専属モデルを卒業し、2019年のMリーグで、新規加入のKADOKAWA サクラナイツからドラフト指名されてMリーガーとなった。現在、竹書房「近代麻雀」岡田紗佳 原作のゴールデン桜 2019年2月号より連載中。2nd写真集「secret trip」(彩文館)が発売中。
麻雀プロって稼げるの……⁉
実力はあるがまったく無名・低収入のプロ雀士・早乙女卓也は同棲していた彼女にダマされ借金500万円を背負うことに。
勘当された両親をはじめ、頼れる身内・知人のいない早乙女は行きつけのゲイバーのママ・ナベの「女装して女流プロになりなさい!」という突拍子もない提案を受け困惑する。
だが…後のない早乙女は同棲していた彼女への…そして麻雀界への復讐のため、女流プロ雀士として稼ぐことを決心する!