『誰が、夢を見るのか』配信記念!人気音楽グループ「いきものがかり」のリーダー水野良樹さんがスペシャルゲストで登場!

『誰が、夢を見るのか』配信記念!人気音楽グループ「いきものがかり」のリーダー水野良樹さんがスペシャルゲストで登場!

2020.02.18 - 特集

人気音楽グループ、いきものがかりのリーダー・水野良樹さんが、エッセイ集『誰が、夢を見るのか』の刊行を記念してスペシャルゲストで登場。本書の執筆エピソードから、電子書籍の利用スタイルまで存分に語っていただきました。

Reader Store 特別企画!

「ありがとう」「風が吹いている」など数々のヒットナンバーを世に送り出した人気音楽グループ、いきものがかりのリーダー・水野良樹さん。その傍らで2015年より総合スポーツ雑誌『Sports Graphic Number』にて連載エッセイ「Who is a dreamer?」をスタート。この程、約4年半にも渡る同エッセイをまとめた単行本『誰が、夢を見るのか』を刊行した。スポーツにまつわる様々な出来事に自身の思いを重ね合わせたエッセイには、いきものがかりをはじめとする音楽活動の中で、たくさんの言葉(歌詞)を届け続けてきた水野さんならではの視点や思いがあり、スポーツやアスリートたちへの敬愛が浮かび上がってくる。


今回、水野良樹さんを「Reader  Store」のスペシャルゲストに迎え、単行本『誰が、夢を見るのか』の執筆エピソードはもちろんのこと、普段から日常生活に取り入れている電子書籍のことなど、お話を伺いました。

水野良樹的、電子書籍活用法とは

水野良樹的、電子書籍活用法とは ――水野さんは普段、電子書籍に触れていますか?

紙の本も日常的に買いますけど、電子書籍は時間が空いているときにすぐに読めるという利点あるので、読みたいと思った本で電子書籍があるものは買うようにしています。

――いつ頃から電子書籍を活用するようになったのですか?

電子書籍がスマートフォンと同期できるようになって、一般的になってきた数年前からだと思います。

――時間があるときにすぐに読めるという利点以外に、水野さんが感じている電子書籍の良いところ、活用の仕方を教えてください。

僕が電子書籍でよく使うのは一般教養系や実務的な本が多いです。例えば著作権の勉強ができる書籍とか。そういう本を楽屋で読んでいると周りがザワッとしがちなので(笑)、電子書籍で読んでますね。あとは明治時代などの古典もので、パブリックドメインになっているものは電子書籍で読むことが多いです。リンクが貼られるので関連で読めるのが便利ですよね。2年前に阿久悠さんに関するお仕事(NHKドキュメンタリー『いきものがかり水野良樹の阿久悠をめぐる対話』)をさせていただくときには、予習も含めて阿久悠さんに関連する書物を電子書籍でも集めました。

――子供の頃や学生時代はどのようなジャンルの本を読むことが多かったですか?

大学時代は文系(社会学部)だったこともあって、日常的に勉強や授業に関係する本を読まなければいけないというのもありましたけど、もともと子供の頃から本を読むのは好きな方だったと思います。僕が小学3年生の時に亡くなった母方の祖父が、歴史が大好きだったみたいで。祖父が持っていたくさんの歴史書を形見分けでもらったんです。小学生くらいって歴史上の人物や武将に興味を持ち始める時期じゃないですか。背伸びしたい気分もあって、その歴史書を小学生ながら読んでいたことが、本を読むようになったきっかけになっているんじゃないかと思ってます。

スポーツ選手とミュージシャン、共通するキーワードは「夢」

スポーツ選手とミュージシャン、共通するキーワードは「夢」 ――『Sports Graphic Number』でエッセイを書きませんかというお話を、最初にいただいたときはどんな気持ちでしたか?

びっくりしました。雑誌に文章を書いたことがなくて、しかも音楽の分野の自分に頼むなんて、すごい大胆なことをされるな~って(苦笑)。こんな僕でいいのかな!? って思っていたら、“むしろ別分野の方に書いていただきたい”ということだったので、自分がどこまででできるかは分からないけれどやってみよう、と。

――『Number』で連載が続いているエッセイのタイトルは「Who is a dreamer?」ですが、どのような思いで名付けたのですか?

スポーツ選手と僕らのようにステージに立っている音楽の人間には、どこに共通するものがあるのかとを考えたときに、いろんな世代の多くの方に見ていただけることなんだなと思ったんです。そして、応援していただいたり、もしくは批判を受けたりすることもある。プロ野球選手を夢見ていた少年が、プロ野球選手になれて良かったね、夢が叶ったねって言ってもらえるように、うちの吉岡(いきものがかりのボーカル・吉岡聖恵)も歌い手になれて良かったねって言われる。でも、実際に夢だった場所の真ん中に立ってみると、良かっただけではないこともあるんじゃないかというか……。

――それこそプロ野球選手はずっとヒットを打ち、結果を出し続けなければならないし、吉岡さんもいい歌を歌い続けていかなければいけないというようなプレッシャーを抱え続けているのかもしれない。

まさにそうで。僕はいきものがかりの人間として、夢の真ん中にいるからこそ見える景色のそばにいたので、自分とは別分野のことで頑張られているスポーツ選手、僕らとは全く違う景色を見ているアスリートの方たちのことを、外から書いてみたいと思った。夢が叶った姿だったり、その後の姿だったり。夢を叶えた人たちのことを観客の人たちはどう見ているのかというところにも興味があったので、「夢」をキーワードにして書いてみたいというのもあって、タイトルを「Who is a dreamer?」にしました。で、今回書籍化するにあたりタイトルを日本語にして、『誰が、夢を見るのか』にしました。

時間経過、憧れ、本音が詰まった4年半という歳月

時間経過、憧れ、本音が詰まった4年半という歳月 ――もともと水野さんは野球少年でしたし、いきものがかりの代表曲「ありがとう」が2011年春の選抜高校野球の開会式の行進曲に選ばれたり、「風が吹いている」が2012年ロンドンオリンピック・パラリンピックのNHK放送テーマソングに起用されるなど、これまで何かとスポーツと縁がありましたが、あらためてこの4年半のその時々の思いをつづった『誰が、夢を見るのか』を読み返してみて、どんなことを感じましたか?

連載がスタートした2015年からの4年半の間には、自分が憧れていたイチロー選手や自分と同い年の北島康介選手が引退されたりして、自分の印象に強く残る出来事がいくつもあったんだなと思いました。あと、アスリートの方々に対してHEROを見るような気持ちというか。やっぱり自分はスポーツ選手に対する憧れが強いんだなって、あらためて思いましたね。

――いきものがかりの「放牧」と「集牧」、デビュー10周年など、いきものかかりにまつわる出来事についても書かれていますね。

いきものがかりにとっても、自分にとっても、ひとつの区切りを迎える時期と重なっていたので、この連載にはいきものがかりの人間というよりも、水野良樹一個人の本音に近いところで吐露するような話が多かったんだろうなって思いました。

――ところで、普段の楽曲作りにおいても締め切りに追われることが多いと思いますが(笑)。この連載の締め切りはどう乗り越えてきたのですか?

あっという間に次の締め切りがやってきちゃうので、それこそ締め切りが近づいているのになかなかテーマが見つからないときは、やたらとスポーツニュースを見てました(笑)。僕は文章と曲は一緒のモードでは作れないので、モードを切り替えるのがいちばん大変でしたね。楽曲作りには譜割りとかの制約が何かしらあるけれど、なんでも好きなことを書いていいエッセイが気分転換になったり、逆にエッセイで煮詰まっているときは楽曲作りがリフレッシュになったりしてました。エッセイは近所の喫茶店で書くことがほとんどだったので、お世話になった喫茶店に『誰が、夢を見るのか』を寄贈しないと(笑)。

村田諒太、高橋尚子から受けた刺激

村田諒太、高橋尚子から受けた刺激

――『誰が、夢を見るのか』には35本のエッセイの他、プロボクサーの村田諒太選手との対談、シドニーオリンピックの女子マラソン金メダリスト・高橋尚子さん、吉岡聖恵さん、水野さんの鼎談が収録されていますね。

とても楽しかったです。村田選手はアマチュア時代に一度引退されたりして、何度もボクシングをやめるタイミングがあった。そんな中でいろんな偶然とご本人の意志で再びボクシングの世界に戻ってきて、世界チャンピオンであり続けているそのすごさと、そこにご自身の意志があるというところに、まわりは勇気をもらえるんだなと思ったし、何事に対しても、自分も自分の意志を貫いてやり続けていこうと思いました。

――高橋尚子さん、吉岡さんとの鼎談はいかがでしたか?

鼎談をする現場に高橋さんが入ってきた瞬間、そこにいる人がみんな笑顔になったんです。オリンピックや競技人生の中で大変だったことも笑ってお話しされるので、こちらも自然と明るい気持ちになってしまって。この人に言われたらついて行っちゃうな、何かしてあげたくなっちゃうなって、みんなが思ってしまうんだろうなって思いました。いい意味で周りの人を巻き込んで、アスリートの高い位置で成果を出されてきた高橋さんと吉岡がお話できたのは、僕らにとってとてもよかったと思いました。

――では、『誰が、夢を見るのか』を手に取ってくれた方、これから手に取ってくれる方にメッセージをお願いします。

この本の中に4年半という時間経過があるということが、楽しんでいただけるところでもあると思っています。僕、スポーツって、今自分が生きている時代やそこで起こった出来事を共有できるところがいいなと思っていて。あの選手が金メダルを獲ったときって自分は学生だったなとか、あの時代ってこういう雰囲気だったなとか。それこそ恋人や家族と試合を観に行ったなって、自分の生活のすぐそばにあった出来事が、スポーツを通して思い出せる。4年半って長いようで短いし、短いようで長いけれど、それぞれの人に、それぞれの4年半があるんですよね。この本の中にあるあの時の、あの日の自分を感じていただけるとうれしいです。

インタビュー・文:松浦靖恵
撮影:荻原大志
ヘアメイク:長谷川亮介

【profile】

水野良樹(みずの・よしき)

1982年12月17日 神奈川県生まれ。
ソングライター。1999年に、吉岡聖恵、山下穂尊といきものがかりを結成。2006年にメジャーデビュー。作詞、作曲をした代表作に「ありがとう」「YELL」「じょいふる」「風が吹いている」など。国内外を問わず、様々なアーティストに楽曲提供するほか、雑誌、ウェブでの連載執筆など幅広い分野で活躍している。自身が立ち上げたウェブサイト『HIROBA』でも様々なコンテンツを発表している。

【profile】

【水野良樹さんオススメ書籍ご紹介】

【水野良樹さん推薦コメント】

不老不死が実現すると若い人があふれかえってしまうため、100歳になったら自動的に安楽死するという法律ができた社会を描いたSF小説です。読み応えがありましたね。よくこんなことが思いつくなって感心しながら読み進めました。SF的な夢物語ではなくて、現実的な官僚世界や政治がどう動くかとかを、リアルに感じさせる作品でした。

【水野良樹さん推薦コメント】

『キングダム』は何度も読み返しています。何千年も前の中国の話なのに、なぜか自分に重なるという不思議な感じが毎回ありまして(苦笑)。現代社会に紐づけられる話がたくさんあって、それがたまらず共感するし、燃えてしまう。いちばん好きなキャラクターは蒙驁(もうごう)です。武将としては天才ではないのかもしれないけれど、こつこつと実績を積み上げていって、最後は最大のライバルに勝つ。その生き方がカッコいいなって。原先生に初めてお会いした時には、色紙に蒙驁を描いていただきました(笑)。

『無理難題「プロデュース」します――小谷正一伝説』(早瀬圭一 /岩波書店)

【水野良樹さん推薦コメント】

野球のパシフィックリーグ設立に関わったり、日本初の民間ラジオ放送の立ち上げに携わっていたりと、今の言葉でいうプロデューサーのようなお仕事をされていた小谷正一さんの伝記です。世の中にはあまり知られてない方かもしれないけれど、今のエンタメビジネスの基本になるインフラを立ち上げた小谷さんがどんな無茶ぶりでも、それを全部叶えていくエネルギッシュさ、諦めない姿に感動しました。世の中を動かすときって前に出ている人が何かを決めていると思われがちですけど、既存の仕組みにアクションを起こすことが大事なんだなってことを学ばせてもらいました。

※『無理難題「プロデュース」します――小谷正一伝説』は未電子化作品です。

※『メディアの河を渡るあなたへ 小谷正一物語』は小谷正一の人となりを知れる1冊。
※井上靖の芥川賞受賞作品『闘牛』は小谷正一をモデルにしている。

【水野良樹 関連書籍】

『Number(ナンバー)』

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