あなたは知ってる?「発達障害」この機会に本で学ぼう。
2018.08.10 - 特集
近年「大人の~」として耳にする機会が増えた「発達障害」。理解が進むのと同時に「空気の読めない人」を「アスペ」と称してバカにするなど、悲しい使われ方をされることもあるようです。
「お父さんの名前だけ漢字で書けない…」「大きな音を聞くと体が痛くなる…」「言われた通りにしたのに叱られた…」これら発達障害をもつ人の実際の声に、耳を傾けてみましょう。それぞれに違うことを「そっか、君はそうなんだね」から始めてみませんか。
発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由/栗原類
8歳で発達障害と診断された僕が、なぜ自分の才能を生かす場所をみつけて輝けるようになったのか。母、主治医、友人・又吉直樹氏のインタビューも収録。誰もが輝けるヒントがみつかる!
「わたし、発達障害なの」(書店員コラム)
8歳で「発達障害」と診断された著者が小1での留年、不登校や受験の失敗などを乗り越え、羽ばたくことができるまでの道のりをマンガで構成。ストーリーマンガ形式で、当時どのような気持ちで、どう壁を乗り越えたのかがよくわかり、ポイント解説で、羽ばたくことのできた理由を、わかりやすく知ることができる。母、主治医のコメントも収録。スマホの活用方法や、現在の発達障害の支援環境についてなど、参考になる情報も加筆。
栗原くんの発達障害に関する本は複数あるが、本作は視点のバランスが私好みだった。本人だけでなく、母親である泉さんの試行錯誤、主治医や友人の又吉直樹さんへのインタビューなど、身近な人の目を通して、彼の人間性、障害が浮かび上がっている。 障害を才能でなく「できないこと」としてはっきりと描き、「できないことを自覚したその上で、どうやって生きていくのか」を親子で真摯に探る姿は、障害がなくても考え方から見習いたい姿勢だ。本人や親やもちろん、「自分/あの人は、どうしてこうなんだろう? どうしたらいいんだろう?」と思う人がいたら、ぜひ読んでほしい一冊である。 |