【朗読付き電子書籍レーベル YOMIBITO第5弾配信】声優・天﨑滉平さんインタビュー。 収録の裏側がわかる映像にも注目してほしい
2022.08.26 - 特集
「Reader Store」の朗読付き電子書籍レーベル「YOMIBITO」。第5弾は世界の名作「怪談」で、2022年8月26日(金)より配信!
第5弾では、声優の天﨑滉平さんが『世界怪談名作集 幽霊の移転』を、永塚拓馬さんが『世界怪談名作集 鏡中の美女』を朗読。
現代の“怪談”とはひと味違う、幻想的な物語世界へと皆さんを誘います。そこで今回の配信を記念し、天﨑さんに『幽霊の移転』の見どころ、朗読の聴きどころについて、お話を伺いました。
怪談だけど怖くない、最後までどんどん読み進められる作品
――今回、天﨑さんには『世界怪談名作集 幽霊の移転』を朗読してもらいましたが、自身で読んでみていかがでしたか?
最初にこのお話をいただいたときは、怪談の朗読と聞いていたので、『百物語』のような背筋が凍る怖い話を情感こめて読むのかなと思っていたんです。ただ、台本をもらって読んでみたら、そういう感じじゃないなと。怪談は怖くて読めないという人でも安心して読むことができると思うので、よかったですね。
――幽霊は出てきますが、怖い話とはまた違いますよね。
実は先日、SNSで「天﨑の朗読は聴きたいけど、怪談は怖いかも……」という声を見かけ
たんですよ。なので、全然怖くなんかないよってアピールしたいです。
――天﨑さん的に、こういった怖くない怪談はどうでしたか?
個人的には大好きな内容でした。主人公には好きな女性がいて、その女性の叔父にそっくりな幽霊にその恋を応援してもらうという、とても奇妙なんですけど、聴けばみんな楽しんでもらえると思います。
――たしかに、恋愛の要素が強いお話でしたね。
あと、この作品での幽霊の解釈もとても面白かったです。幽霊の世界ってそういうシステムだったんだって(笑)。日本人にとっては斬新な設定なので、読んだら面白いって思ってもらえるでしょうし、個人的には幽霊視点のお話もあれば読んでみたかったですね。
――そういう意味では、『幽霊の移転』というタイトルも斬新ですよね。
そうですね。最初にタイトルを見たときは「“移転”ってなんだ?」って思ったんですけど、読み進めていくと「そういうことだったんだ!たしかに“移転”だ」って納得しました。正直、僕はたくさん本を読むタイプではないので、読み始めたときはしんどそうだと思っていたんです。でも、タイトルとか話の内容が気になって、結局、最後までどんどん読み進めちゃって、収録でも楽しく朗読できました。
――喜んでくれてよかったです。楽しく収録できたとのことですが、主人公と幽霊が会話する場面は、主人公が感情的になったりと、収録では特に印象的でした。
主人公が感情的になる場面では、僕自身、感情を乗せすぎてしまったんですけど、普段の落ち着いた性格から離れすぎないようディレクションをいただいたので、よりよくなったと思います。
――いっぽうの幽霊は、声や演技も印象的だったと思うのですが。
幽霊の演技は考えましたね。別に悪くもなければ、おどろおどろしいわけでもなく、ヒロインの叔父であるジョン・ヒンクマン氏と瓜二つの姿をしているけれど、ジョン・ヒンクマン氏ではない……。ややこしい存在ではあったんですけど、作中でジョン・ヒンクマン氏は喋っていなかったので、ある意味、自由に考えて演技できたんじゃないかなと思います。
――ヒロインのマデライン嬢はいかがでしたか。
マデライン嬢は主人公や幽霊との差別化を考えつつ、女性であることを前面に押し出しすぎず、語尾のニュアンスとかで女性っぽさを出すようにしました。
YOMIBITOはあまり本を読まない人にも利用してほしい
――今回は、天﨑さんが朗読する様子を映像で撮らせてもらいました。ブースに入るところからの撮影は珍しいかと思うのですが、いかがだったでしょうか。
最近だと、「THE FIRST TAKE」みたいにレコーディング風景が見られる映像もありますけど、歌う直前の様子だとか、ただ音楽を聴いているときにはわからない裏側が見られるのはワクワクしますし、僕自身もそういうコンテンツは好きなので、いいなと思いました。ただ、僕自身が撮影される側になるとは思っていなかったので、ありがたいです。
――持っているものにも注目してもらいたいですね。特に、自身のヘッドフォンを持ってこられたのはYOMIBITOでも天﨑さんが初めてだったので、ぜひ確認してもらいたいです。
そうなんですね。今回は自分が使っている道具とかを持って行ってますし、普段はこんな感じで収録しているんだなと皆さんに見てもらえたら嬉しいです。
――ステージ上での朗読でも撮影などはあるかと思うのですが、ブースの中だとまた違いますか?
ステージ上では観客に見られているのを意識して読んでいるんですけど、収録では自分が読みやすいよう顔を作ったりしていて、時々変な顔になっていることもあるんですよ。なので、今回の撮影ではそこが気になりましたね(笑)。
――YOMIBITOでは、今回収録した『幽霊の移転』の電子書籍を読めると同時に、天﨑さんの朗読音声を聴くこともできます。天﨑さんはYOMIBTOをどういった人に利用してもらいたいですか。
僕のような本をあまり読まない人のなかには、興味のある本があっても、読むのに時間がかかって後まわしになっている人もいると思うんですよね。そんな人には、YOMIBITOが本に触れるきっかけになってくれるんじゃないかなと。
――天﨑さん自身はどういった場面で利用したいですか。
自分がやっているような仕事だと、アニメとかの原作本を読む機会が多いので、YOMIBITOの作品がさらに増えて、チェックしておかなければいけない作品を気軽に聴けるようになると本当にありがたいですね。
――たしかに、作品数が増えると、そういった利用の仕方もできそうですね。今回は怪談作品の朗読をしてもらいましたが、次回朗読してみたいジャンルの本はあったりしますか。
コメディタッチの作品を読んでみたいです。朗読したら楽しいでしょうし、今回は落ち着いたトーンの作品でもあったので、次は逆に振り切った内容のものがいいですね。
――ちなみに、今回のような怪談作品は過去に朗読したことがあるんでしょうか?
『百物語』シリーズをステージで朗読したことはありますし、番組では怖い話や都市伝説を読んだこともあります。ただ今回朗読した作品は怖くはないので、同じ怪談でもテイストが違いますね。
――怖い怪談だと、また読み方も変わってきそうですね。
はい。あと、朗読は地の文もあって、演技とは違って読みの甘さとかが如実に表れるんですけど、今回朗読した作品は、それに加えて普段言わないような昔の言葉もあって、難しかった分、挑戦しがいのある作品でもありました。
――では、最後に読者の方々へメッセージをお願いします。
これを読んでいる皆さんには、ぜひ僕が朗読した『幽霊の移転』をぜひ読んでいただきたいですし、YOMIBITOに初めて触れるという方は、ほかの方々が読まれた朗読作品もありますので、今回をきっかけに、ほかの作品にも興味を持ってくれると嬉しいです。皆さんがYOMIBITOを盛り上げてくれると、今後いろんな展開が待っていると思うので、応援をよろしくお願いします。
プロフィール
10月22日/大阪府生まれ
アイムエンタープライズ所属。代表作は『ヒプノシスマイク』山田三郎役、『薔薇王の葬列』エドワード王太子役、『ダンス・ダンス・ダンスール』安田海咲役など。
※音声はAndroid/iOSの"Reader"アプリでお楽しみください。