【朗読付き電子書籍レーベル YOMIBITO 配信記念】 声優・豊崎愛生さんスペシャルインタビュー。朗読で心掛けるべきは読者の想像力を掻き立てるための役作り

【朗読付き電子書籍レーベル YOMIBITO 配信記念】 声優・豊崎愛生さんスペシャルインタビュー。朗読で心掛けるべきは読者の想像力を掻き立てるための役作り

2022.03.30 - 特集

2022年3月より「Reader Store」にて、朗読付き電子書籍の新レーベル「YOMIBITO」が配信スタート! 3月30日より、その第3弾となる作品が配信されました。

「YOMIBITO」の作品は、名作文学などの電子書籍に朗読音声が付いている「Reader Store」オリジナルのコンテンツ。従来の電子書籍のように読書ができるのはもちろん、オーディオブックのように朗読音声を聴くことが可能で、両方を同時に楽しむこともできる商品となっています。

 

第3弾では、声優の寿 美菜子さん、高垣彩陽さん、戸松 遥さん、豊崎愛生さんが朗読する「クラシック・ミステリー」4作品をリリース。寿さんが『銀座幽霊』、高垣さんが『琥珀のパイプ』、戸松さんが『急行十三時間』、豊崎さんが『金魚は死んでいた』をそれぞれ朗読してくれました。

 

さらに、今回の配信を記念して『金魚は死んでいた』を朗読した豊崎さんにインタビューを実施。朗読を収録してみての感想や「YOMIBITO」の魅力についても語っていただきました。

映像の力に頼らず5人の男性キャラクターを演じ分ける難しさ

──今回、豊崎さんには大下宇陀児作の『金魚は死んでいた』を朗読していただきました。最初に本作を読んだ際には、どのような感想を抱かれましたか?

 

恥ずかしながら、今回が大下宇蛇児さんの作品に触れる初めての機会で、最後まで楽しく読ませていただきました。個性あるキャラクターたちが織り成す、スピーディーなストーリー展開に、短編ながらすっかり魅了されていました。

 

──『金魚が死んでいた』というタイトルは非常にインパクトが強く、思わず手に取ってしまいたくなるような魅力がありますよね。

 

そうですね。本を開く前から、「金魚がどのようにストーリーに関わってくるんだろう?」「そもそも、何故金魚なんだろう」など、色々考えさせられました。ハードボイルド一辺倒な推理小説というわけではなく、思わず笑ってしまうようなコミカルな描写も散りばめられていて読みやすく、共感できる部分も多かったです。最後まで誰が犯人なのか分からず、ひたすら作者の手のひらの上で踊らされていた印象がありました(笑)。

 

──意外性のあるストーリー展開が魅力的な作品でした。豊崎さんは、どのようなジャンルの本をよく読まれるのでしょうか。

 

普段はミステリーやサスペンスといったジャンルの小説をよく読みます。過去には赤川次郎さんのシリーズ作品や、恩田 陸さんの作品も夢中になって読んでいましたね。

──『金魚が死んでいた』は1950年代の作品となりますので、豊崎さんが普段読まれているような現代のミステリー小説とは、また違った味わいのあるストーリーが楽しめる内容となっていると思います。収録はいかがだったでしょうか?

 

今回は6人のキャラクターとナレーション(地の文)の7役を演じさせていただきました。キャラクターの内5人が成人男性ということで、演じ分ける難しさはあったのですが、これもチャレンジだと思い、楽しみながら演技をさせていただきました。

 

──5人の男性キャラクターを演じ分けるには、相当なご苦労があったことだと思います。

 

そうですね。キャラによって声色や声質を大きく変えるようなことはせず、喋るリズムや性格など、キャラクターの感情面にフォーカスした演じ分けを行いました。大下宇陀児さんが描くキャラクター像は、平松刑事を筆頭に、ズル賢いのに憎みきれないといった、人間くさい魅力があるんですね。それぞれキャラが立っているため、演じ分けがしやすい作品ではありました。

 

──なるほど。演じていて、特に印象に残ったキャラクターはいますか?

 

本作の紅一点である、料亭の女将さんです。今風の言葉で言うと、女将さんは「美魔女」なんですよ(笑)。酸いも甘いも経験している大人の女性で、読んでいて気だるい色気が感じられるようで、とても魅力的なんです。「この女性の過去には、こんな経験があったのではないか」と、想像力を掻き立ててくれるキャラクターでもありました。それぞれのキャラについて、様々な背景が浮かんでくるような朗読を心掛けていたので、女将さんは特に演じやすかったですね。

朗読には、聴き手に向けて演者自身の解釈を提示できる楽しさがある

──アニメや吹き替えと比べて、朗読ならではの演技の違いはあるのでしょうか。

 

アニメや吹き替えの場合は、あらかじめセリフの口調や尺が決まっていますので、ある程度の制限がある中で演技をしなくてはいけません。一方で、朗読にはそういった制限がないため、聴き手に向けて演者自身の解釈を提示できる楽しさがあると思っています。

 

──豊崎さんはこれまでにアニメやゲームコンテンツのステージイベントにて、朗読をされた経験がおありだと思います。通常の朗読イベントの際には、演技指導は行われるのでしょうか。

 

舞台では、演出家さんからのご指導やディレクションが入る形になります。複数人でステージに立つ場合には、相手のお芝居に合わせて自分の演技を変えるといった、キャッチボールのような形でお話を作り上げていく流れがありますね。今回の『金魚は死んでいた』の朗読では、7人の登場人物を一人で演じ分けする必要があったため、収録の際には頭の中を常に忙しく回転させていました(笑)。キャラクターに強い個性や癖を付随させ、より分かりやすく演じることも可能ではあったのですが、聴き手に想像の余地を残したいという思いがあり。あえてそういったわざとらしさのある演技はしませんでした。あくまでも、聴き手の想像力を働かせるためのお手伝いをするといったイメージですね。

 

──なるほど。「YOMIBITO」全体では、これまでに11人の声優さんに朗読していただいたのですが、声優さんによってキャラクターの演じ方が異なるというのも本企画の面白い部分だと思っています。

 

演じ方ひとつ変えるだけでも印象が全く変わってくるので、いろんな方の朗読を聴き比べてみるのも楽しいと思います。『金魚は死んでいた』の朗読をぜひ聴いていただき、私なりの物語の解釈を気に入ってもらえると嬉しいです。

 

──ありがとうございます。今回は、収録中の模様について、動画撮影も行わせていただきました。撮影はいかがだったでしょうか。

 

カメラを向けられた中で収録を行うというのはあまりない経験だったので、とても新鮮でした。普段の収録風景を皆様に知っていただけるよう、できるだけいつも通りに振舞うよう努めたつもりです。マイク前の立ち方や発声など、収録の仕方は声優さんによって異なりますので、実際の収録現場を見ることができるというのは楽しいと思います。 


「YOMIBITO」が最高の1冊に出会えるきっかけに

──「YOMIBITO」では電子書籍を読みながら、オーディオブックのように朗読音声も聴くことができます。豊崎さんは「YOMIBITO」をどのようなシチュエーションで楽しみたいですか。

 

物語を音声で聴くことができるので、運転中やお料理中など、手がふさがっている時でも気軽に楽しめるのが便利で良いですね。聴き流してしまった部分や、繰り返し聴きたい部分は巻き戻しができるなど、自分のリズムで聴けることも嬉しいポイントだと思っています。私はキャンプに出掛けることが趣味なので、大自然の中でのんびりと「YOMIBITO」を聴くのも楽しそうです。

──確かに、非日常的な空間の中で朗読を聴くというのは、雰囲気がマッチしていることもあり、没入感が高まりそうですね。今回はクラシック・ミステリーの特集となりましたが、今後「YOMIBITO」に取り入れてほしいジャンルなどあれば教えて下さい。

 

夜のキャンプ場で星座に関する朗読を聴くことができるようになると、ロマンチックで楽しそうです。手元に資料がないと空に広がっている星座の名称が分からないので、キャンプ場ではいつももったいなさを感じていたんですよ(笑)。多くの星座はギリシャ神話が元になっていますので、ギリシャ神話の紹介などがあると、天然のプラネタリウムが楽しめると思います。

 

──いいですね、ありがとうございます。豊崎さんが次に朗読をする機会があるとしたら、どんな本を読んでみたいですか?

 

聴き手の想像力を働かせるという点で、「YOMIBITO」はファンタジー小説とも相性が良いと思います。言葉の力だけで広大なファンタジーの世界観を表現するのは難しさがあるとは思うのですが、機会があればぜひチャレンジしてみたいです。また、社会人にとってためになるような雑学を1日5分で聴けるようなコンテンツもあれば面白そうだと思っています。1日1つずつ再生していき、「1年後には雑学王になれる」といった触れ込みで(笑)。

 

──それは面白そうです! ぜひ検討させてください(笑)。最後に、読者の方々にメッセージをお願いします。

 

「YOMIBITO」に興味を持っていただき、ありがとうございます。朗読付き電子書籍ということで、これまでの小説とはまた違った、様々なシチュエーションで楽しめる作品となっています。「YOMIBITO」が、皆さんが好きな小説に出会えるきっかけになれば幸いです。

撮影:冨田 望

スタイリング:國本幸江

ヘアメイク:加藤ゆい(fringe )

取材:長田雄太

文:島中一郎


プロフィール

プロフィール 豊崎愛生(とよさき・あき)
1986年10月28日/徳島県生まれ
ミュージックレイン所属。代表作は『ミュークルドリーミー』、『ゆるキャン△』犬山あおい役、『けいおん!』平沢 唯役など。
「豊崎愛生 コンサート2021〜Camel Back hall〜 Blu-ray」が2022年3月16日(水)に発売。

プレゼント

応募期間を終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。

プレゼント

●プレゼント内容

 ・ 豊崎愛生さん直筆サイン入りチェキ(3名様)

 ●応募期間

 2022年3月30日(水)0:00~2022年4月12日(火)23:59

  ●応募条件

 ・ 朗読付き電子書籍レーベル YOMIBITOの作品をいずれか1冊以上ご購入いただいた方

 ・「Reader Store」のメールマガジンの受信設定をONにされている方。

  ●当選発表

 当選者の方へは、登録されているメールアドレス宛に2022年4月22日(金)にご連絡いたします。

 (当選発表日は都合により、前後する場合がございます)

 落選された方へのご連絡はございません。あらかじめご了承ください。

  ●ご注意事項

 ・お一人様1回のみのご応募となります。

 ・当選した商品の譲渡・転売等の行為は禁止されております。

 ※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当選賞品の発送に遅れが生じる場合がございます。当選されたお客様にはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。何卒ご承知おきくださいますようお願いいたします。

豊崎愛生さんの朗読が聴ける『金魚は死んでいた』(大下宇陀児)

YOMIBITO特設ページはこちら!

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