自分の心への取材(りゅうおうのおしごと!)

自分の心への取材(りゅうおうのおしごと!)

2017.05.22 - 特集

シミルボンに投稿された要注目記事をピックアップ!
今回はを東雲長閑さんのコラムを取り上げます。

自分の心への取材

玄関を開けると、JSがいた――
「やくそくどおり、弟子にしてもらいにきました!」
16歳にして将棋界の最強タイトル保持者『竜王』となった九頭竜八一の自宅に
押しかけてきたのは、小学三年生の雛鶴あい。きゅうさい。
「え? ……弟子? え?」
「……おぼえてません?」
憶えてなかったが始まってしまったJSとの同居生活。ストレートなあいの情熱に、
八一も失いかけていた熱いモノを取り戻していく――

『のうりん』の白鳥士郎最新作! 監修に関西若手棋士ユニット『西遊棋』を迎え、
最強の布陣で贈るガチ将棋押しかけ内弟子コメディ、今世紀最強の熱さでこれより対局開始!!
※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください

プロ棋士や書店員から絶賛の声、続々!!

軽快な筆致ながら、情熱漲る若き竜王と女流棋士志願のひたむきな少女との交流を通じて、
勝負の厳しさそして将棋の魅力を伝える斬新な作品が誕生したことを嬉しく思う。(加藤一二三九段)

萌えまくる将棋界! 棋士がみんな変態じゃないかー!
弟子をとるなら、素直で可愛い料理のできる小学3年生かなー。
笑いながら読んじゃいました、最高です!!(竹内雄悟四段〈西遊棋〉)

『ライトノベル』というフィールドでは中々扱いが難しい
「将棋」というテーマでこれほどの演出が出来るとは想像以上だった。
緊迫感あふれる対局シーンはもちろん凄いが、笑いあり、感動ありの白鳥先生らしい
エンタメ作品に仕上げているのは見事としか言いようがない。感服です!(アニメイト仙台 遠藤)

『りゅうおうのおしごと!』(白鳥士郎著、GA文庫)は「このライトノベルがすごい!2017」で文庫部門第1位を獲得した、今一番熱いライトノベルだ。史上最年少で名人と並ぶ将棋界の最高タイトルである「竜王」を獲得した16歳の天才棋士九頭竜八一。だが竜王獲得後はスランプに陥り、連敗記録を更新していた。そんな八一の元に、女子小学生、雛鶴あいが住み込み弟子にしてくれと押しかけてきたことから物語が動き出す。


白鳥氏と言えば綿密な取材を元に勘所だけ残してライトノベルに落としこむ職人的な作家。農業高校を舞台にした前作『のうりん』でもパロディネタ満載のドタバタコメディーでありながら、現代の農業問題に関する真剣なメッセージも含まれていて考えさせられた。
 将棋界に舞台を移した本作でも、しっかりものの女子小学生とツンデレ女子中学生が主人公を巡って恋の鞘当てを演じ、鈍感な主人公だけ気づいていないといういかにもライトノベル的な設定で読者を楽しませつつも、「棋士のズボンには、利き手の側だけ膝に皺が寄る」といった勝負の世界の核心をつくエピソードをきっちり入れてきて、将棋ファンも楽しめるという重層的な面白さになっていて、感心しながら読んでいた。
 だが、本作が真にすごい小説に化けるのは3巻からだ。


まぎれもない天才である八一やあいに対し、3巻の主役とも言うべき清滝桂香や、八一の前に立ちはだかる難敵、山刀伐尽は天才ではない。将棋界は弱肉強食の厳しい世界。弱い者は去らねばならない。そんな中で、才能のない二人が、持てる力を総動員して天才に挑む姿に、魂が揺さぶられた。
 あとがきで作者はこう書いている。
 この作品は、「これが書きたい!」と心の底から思って書いた作品です。特にこの三巻は、自分がなぜ物語を書いているのか、どうして生きているのか、その理由を問い直すために書いたと言っても過言ではありません。
 魂の叫びを実感を持って描くには自分の心に聞くのが一番。一番取材すべき対象は自分自身だったのだ。


将棋ファンはもちろん、魂の震える戦いを、生き様を読みたい全ての人におすすめの小説だ。(東雲長閑)



『りゅうおうのおしごと!』シリーズ

『りゅうおうのおしごと!』コミカライズ

白鳥士郎作品

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