地底国の怪人(1)
手塚治虫(著)
/手塚プロダクション
作品情報
地球を貫通して疾駆する、壮大な地底列車の計画がスタートした!! 発明者の少年科学者ジョン君は、みずからテストパイロットとなって助手の耳男と共に地の底の旅へと出かけていく。初期SFの傑作、いよいよ登場!
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この作品のレビュー
平均 4.0 (3件のレビュー)
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この本の意義は私が拙い解説をするよりも、手塚治虫本人が珍しく熱をこめて「あとがき」に書いている。よって私の書評では珍しくそのほぼ全文を書き写して解説に換えたい。
世に出た長編単行本の第三作です。し…かし、第一作の「新宝島」は原案が酒井一馬氏でしたし、第二作の「火星博士」(中学時代に描いた「幽霊男」のリメイクです)は、まだ戦前のにおいを残しているので、この「地底国の怪人」が実質的にはいわゆるストーリー漫画の第一作といえます。
冒頭のプロローグをごらんになれば、当時のぼくが、従来の児童漫画の枠をどう覆そうと思っていたか、わかっていただけましょう。
さらに、ラストのアンチ・ハッピーエンドもぼくのストーリー漫画への思い入れをこめたものです。よく、ストーリー漫画は手塚の創り出したものではないと書かれたりしますが、「冒険ダン吉」や「スピード太郎」などのように、ただ話を追っていくだけの物語漫画なら、ぼくの目指すストーリー漫画ではなかったのです。いや、ストーリー漫画という言葉すら、これは昭和三十年ごろにマスコミが勝ってに考えた名前で、それをぼくの作品に押し付けたのも新聞や雑誌です。
ぼくは自分の作品を単に漫画だという解釈をしており、ただ手塚カラーの漫画はこういうものだということを世に問いたかったのです。
内容に哲学的な深さをもたせ、人物の配置や構成に文学的な広がりを加える。かならずしも笑いは必要ではなく悲劇性、カタストロフィーも拒否しないーというのがぼくの主張でした。もちろん現在の劇画ではあたりまえの要素なのですが、それはこの「地底国の怪人」から始まったのだと、あえて申し上げます。
(略)人物のうちヒゲオヤジと耳男は、これも中学生のときに描いた「ロストワールド」の主人公たちの流用です。(略)また、脇役のラムネ、カルピス、ソーダという三人の所員は、これがデビューですが、ソーダだけが落伍して、爾後はラムネとカルピスだけが凸凹コンビとして長らくレギュラーを務めました。同じく脇役のハム・エッグもこれがデビューです。(略)
(以上引用終わり)
作成は昭和22年の年末。冒頭のプロローグは、はっきり当時のハリウッド映画の影響が見てとれる。突然ひこうきが落ちる場面だけで4p、病院に運び込まれる場面、ケンイチくんがお父さんの死に目にあう場面で4p、次第とフェイドアウトして、初めて「地帝国の怪人」とタイトルが出る。
飛行機の落ちる場面の「線」がすごい。私はずっと線の美しさは、手塚アニメの第一人者だった坂口尚が1番だと思っていた。しかし、そのお手本はやはり手塚治虫だったのだ。
地底国人の造形やそれに対抗する人類の発想は、現代からみると少し型とおり過ぎる気があるが、優秀な脳を持つウサギを人口的に人間の脳と同じにして、耳男が誕生。自分が人間だと思い込んでいる耳男の造形(そのために人間から差別される)は、そのあと「メトロポリス」や「火の鳥」で繰り返し描かれるが、小保方研究を受けてますます「現代的な」テーマとなりつつある。その最初のデビューで耳男を「殺して」しまった手塚治虫はつくづく恐ろしい。
2014.6.21読了続きを読む投稿日:2014.06.21
手塚治虫の描き下ろし長編単行本第3作にして、本格的ストーリーマンガの第1号と言われている作品。後に「アバンチュール21」としてリメイクされます。
ウサギの耳男が人間になることを望みながら死んでいくラ…ストシーンは悲しすぎ(アンハッピーエンドで締めくくるところも、発売当時超画期的で話題になったそうです)。名作です。続きを読む投稿日:2010.05.02
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