
総合評価
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powered by ブクログ私は夏目漱石さんの文章が好きです。高校の頃に文豪は時代順で読むといいよと国語の先生に言われたのがずっと残っており、夏目漱石さんの前の時代にあたる森鴎外さんの作品を読んでいないなと思いたって読みました。 森さんの文章は淡々としている印象を受けました。登場人物について「〇〇は何年××の生まれで〜」というような説明をしているなぁと思いました。小説というより説明文みたいだなというのが率直な感想でしたが、時代劇として映像化したら絶対に面白いだろうなと感じました。 個人的に好きな収録作品は『鶏』と『かのように』です。 森さんの作品は波が無く、しかしどう終わるのかと気になってしまうものが多かったです。 「人」を観察するのが上手い人なのかなと思いました。 中でも『堺事件』の描写は、本当に目撃したような、目の前で事が起こっているような生々しさがありありと浮かんで、森さんの表現力や想像力に感動しました。ぜひ映像化してほしいです。
0投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログ森鴎外なんていつ以来かと思う。今回は阿部一族を目当てに短編集を購読。殿様が亡くなり、殉死を希望する武士たちだが、殉死にはその殿様の許可が必要。自分に殉じてくれるのは嬉しいが、やりすぎると人材が枯渇してしまう。許されないまま殉死するのは不忠に当たるのだが、おめおめと生き残るなどできぬとばかり死に急ぐ者もいる。純粋といえばそうかもしれないが、馬鹿馬鹿しいプライドで命を捨てることを淡々を描いていて素晴らしい。一方、森鴎外の代名詞ともいうべき舞姫だが、今読むとなんてつまらないんだろうと思った。主人公の言動も最低。まあ、そういう話なのだが。
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ表題作の「舞姫」だけ読んでの感想です。 愛する人とほぼ完全に生き別れに近い状態になるのは狂女になる程の事ですが…その上更になったのは主人公が最初から優しかったことも含め全てが偽りだからだと思ってしまったからだと思います。 お腹の子供が産まれたらエリスは正気に戻る様な気がします(それを望みます)。愛しい人との子供を大事に育てて少しでも穏やかに暮らせて行ければ良いと思います。 エリスと想いあったが故に免職になりながらもエリスを大切にしていたのに最後エリスより復職を選んだのはやはり主人公にとってはエリスはかりそめの相手だったのでしょうか。 エリスにとっては唯一無二の相手だったかもしれません。
0投稿日: 2025.11.05
powered by ブクログ「舞姫」や「うたかたの記」など、9篇を収める。 美濃部伊織とその妻るんの物語、「じいさんばあさん」がいい。「文化六年の春が暮れて行く頃であった。麻布竜土町の、今歩兵第三連隊の兵営になっている地所の南隣で、……」で始まる、簡にして要を得た、しかもリズムのきいた文章。これが堪らない。 その麻布竜土町での37年ぶりの再会とその後の暮らしぶり。なにやら小松左京のSF長篇『果しなき流れの果に』のエンディングを思わせる。
4投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ正直、若いときに読みたかった。 この年齢、この時代、 になってしまうと まず第一に、仕事や勉強ならともかく、脳みそを使ってまで、小説を読む気力が続かない。 第二に、消費コンテンツが乱立している今、時間を割いてまで、無理に読む必然性が薄れる。 第三に、動画は2倍速で、論文や長文はAI要約することに慣れてしまった私は、難しい本をじっくり味わいながら読もうという気概もなくしてしまった。
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ『舞姫』感想 近代の「私」とは。 自由な個人としての「私」を見出し、エリスと恋に落ちるも、それを裏切って日本国家の一員としての「私」を優先するドラマ、と思っていた。 だが、実際再読してみて感じたのは、二項対立的な「私」の葛藤ではなく、「私」という存在の純粋な不安定さであった。 森鴎外は『舞姫』を書くことで、「私」という存在が壊滅的に信用できないものであることを描いた。 男のナルシジズムを感じる部分があるので、星4。
12投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ「舞姫」 1890(明治23)年1月に「国民之友」に発表された森鷗外の最初の小説。短編小説で雅文体(擬古文)で書かれている。ベルリンに留学した青年官吏太田豊太郎の回想という形で書かれている。豊太郎は国家から派遣されてベルリンの大学の自由な空気に触れ、封建的な官僚機構と「家」に縛られた自分の生き方に疑問を持つ。やがて、純粋無垢な踊り子エリスと愛し合うようになると免職される。親身な友人相沢の尽力で日本での社会復帰の機会を得て、出世か愛情かで苦悩するが、豊太郎は帰国を選んだ。それを知ってエリスは発狂する。エリスは妊娠していた。国家や社会・家族など、周囲から期待される役割と近代知識人の自我の目覚めと挫折とを、鴎外自身の青春に重ねながら、豊熟な雅文体で描いた浪漫的作品。 最少限の簡潔な言葉を用いた表現で、当時国家から派遣されてベルリンに留学しているという極僅かなエリートであるという状況から、家族、恋愛、友情など最大限内容の濃い条件設定で、雅文体による最高に面白いものを書くとなると『舞姫』のような歴史的にみて大きな意義のある傑作が出来上がると感じた。さすがに今わざわざ雅文体で表現する人はあまりいないとは思うが、『舞姫』に関しては、雅文体を通して読むと日本の古典の並びの上に世界やヨーロッパが語られるようで不思議な感覚に包まれる感じがする。
18投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ正直難しいから読みづらい だけど読んでると 不思議な深い味わいがある 噛めば噛むほど味があるような 文章も無駄がなくキレッキレなのに 心情が湧いてくるような どれも感じ入る9つの作品 その中で「#鶏」という作品 庶民の強かさを 責めるでも無く皮肉るでも無く 自戒の念と諦め?が混在しつつも コミカルな感じもして 個人的には1番お気に入り
10投稿日: 2025.06.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「舞姫」は、こんなひどい話だったのか。文章が難解で強引に読み通した結果、泣けた。なんとなく雰囲気は掴めたんでしょうね。(笑) 豊太郎との暮らしを夢みながら、エリスがお腹の子の為に、産着やオムツを縫っている幸せそうな姿。そこからの最後が辛いし酷いし苦しい。 豊太郎は有能なのだろうが、芯が無く、頼りない。異国に馴染めず、唯一、心を許したのは、年端もいかないエリス。 対照的にエリスは、心が真っ直ぐで美しい。 出世と恋愛。国への大義と異国の少女への一時的な感情。 どちらを選ぶ? そうなるわな。それほどの思いがあるわけでなく…。熱意も無し。妊娠させておいて。 さいごの一文も秀逸。自分の意思と違うんかい!と呆れると同時に、本作を強く印象づけるモノとなった。 あと、印象的だったのは、「阿部一族」。殉死こそが美しいとされる武家社会にあって、殉死を許されなかった家臣一族の話。 好き嫌いとか虫が好かんとかそんな理由でここまでの大事になるとは…。なんでこうなるの?みんな同じ殿にお仕えしていた身でしょう!敵対していたわけではないのに。怒りと共に滑稽さも感じてしまった。命ってそんなモノなのか?武士って何なの?一族郎党を巻き込む事態なんだぞと。武士道に思い描いていた理想とは違う愚かさがそこにはあった。 それにしても、明治と言う時代に、公費で留学し帰国する為に異国の女性を捨てる話や殉死とは何ぞやと疑問を呈する問題を取り上げるとはかなり突っ込んでる。しかも軍医という職に就きながら。軍医としての森林太郎と作家としての森鴎外の思想は随分と違っていたのかもしれない。いやー興味深い。短編集なので、他作品もバラエティに富み、怒りや悲しみ笑い…と、感情が忙しかった。さすが文豪。
22投稿日: 2025.04.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「かのように」が良すぎる。 話の中の哲学的思考も好きですし、父と秀麿の若干の相手の考えの認識違いもありながらストーリーが進んでいくという流れも好きです。 秀麿がラスト父とは妥協するしかねーかーみたいなことを言っているのが、たとえ秀麿が父の考えを時間的に正しく捉えていたとしてもそういった結論になるのかなと思いました。それがいい。 これを読んだ人にはぜひ日本人の信仰についての本や解説書を読んで欲しいです。あと秀麿には本居宣長「古事記伝」を読んで欲しかったと感じました。
1投稿日: 2025.02.28
powered by ブクログ個人的に、「かのように」が最も印象に残った。 神話と歴史の違い、必要性は認めながらもそれらとどう向き合うのか悩む。 自分の思考を父にどう思われるか悩み、どうするか思索する主人公の思慮深さは尊敬できる。
1投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
森鴎外が登場する本を読み、作品が読みたくなって本書を手に取りました。 短編集です。お目当てはタイトルの舞姫と阿部一族。ちょうどタイトルのものでした。 舞姫は文語体だったのでかなり読みにくく、味わう、という心境には至りませんでした・・・未熟(涙)。 主人公の豊太郎は終始ダメな奴だったけど、帰国の手助けをしてくれた友人に感謝しつつも恨む、という、最後まで人のせいにする根性が気に入らなかったです。 きっと彼女の切実な思いにも最後まで理解が至らなかったことでしょう。 こういう人は親や上司の言いなりになって、それにひっそりと不満を抱えながらも順風に生きていくのでしょうね。 阿部一族は、恥ずかしながら初読です。 こちらは読みやすかったですが、悲惨過ぎて哀れ。 生きるも地獄、死して後も家族も不幸になる顛末には、死んでも地獄、というよりほかない。 これは器の小さい殿様によるイジメですね。命が軽く、武士道精神が歪んでみえました。
0投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ程よい長さの短編の集合でどれも読みやすい。 ひどく感銘を受けると言うほどのものは未だ私にはなかった。
0投稿日: 2024.12.04
powered by ブクログ深作欣二監督のTVドラマ『阿部一族』を見て、「え~? 『阿部一族』ってこんな戦闘シーン多かったっけ?」と疑問に思い読み直す。 「なるほど、深作欣二だからこうなったのか」と納得(笑)。 ついでにほかの作品も読み直すが、印象深いのが『堺事件』で、自分らがエラソーに処罰を求めたくせに目の前で切腹され続けると気持ち悪くなってやめさせる、とかフランス人らしい気がする。 あと、『舞姫』、やっぱりこの主人公はひどい男、クソヤローな無責任男だと思う。断然、エリスに同情す。
0投稿日: 2024.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
舞姫 確か初めて読んだのは中学生のとき。 そのときは、豊太郎はなんてクズなんだろうと思った。同じ女性として、捨てられたエリスがかわいそうだと思った。(読書感想文にも豊太郎の悪口を書きまくったように記憶している。) しかし、今、大人になって再読してみると、豊太郎が「ただのクズ」から「理解できるクズ」に変化していた。 位階をとるか、愛する女性をとるか。このチャンスを逃したら、もう二度と故郷での栄達は望めないかもしれない。そんなときに「当然、エリスを捨てて故郷での出世を選ぶんだよね?(意訳)」とまるで確定事項のようにお偉いさんや友人に言われてしまったら(しかもエリスのいない場所で!)、本心はどうあれ、「私はエリスを選びます」と言える人間はなかなか少ないんじゃないだろうか。豊太郎は積極的にエリスを捨てたわけじゃなく、いろんなものに流され続けた結果、エリスを捨てざるを得ない状況に追い込まれてしまったわけだ。 有名な最後の一節「嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡に一点の彼を憎むこころ今日までも残れりけり。」これも以前読んだときは「他責思考の激しいクズ」としか思わなかったけれど、今読んでみるとこう言いたくなる豊太郎の気持ちもちょっと分かる。 自分も大人になったなあ…と少し苦い気持ちになった。 その他、「かのように」などを特に興味深く読みましたが、長くなったので感想は省略。
0投稿日: 2024.02.05
powered by ブクログ20年漬けた梅酒みたいな一冊。よーーーーく味わってみると、たしかに費やされた長い年月に相当する滋味のようなものを感じることができる。 舞姫いいなぁ。古文調だからこその文章の美しさがある。妊娠の事実さえなければ国語の教科書に載りそうなのに勿体無い(何様か) 「余を以て色を舞姫の群に漁するものとしたり。(17頁)」 「貧きが中にも楽しきは今の生活、棄て難きはエリスが愛(23頁)」 舞姫○ うたかたの記× 鶏△ かのように× 阿部一族○ 堺事件○ 余興△ じいさんばあさん△ 寒山拾得△ 森鴎外、それにしても扱うジャンルが広く深い。歴史物、社会科学、ときて本業医者か。普通に天才では?
0投稿日: 2023.02.10
powered by ブクログ舞姫を読みたくて。 舞姫だけ読んだ感想です。 舞姫、高校の現代文の教科書に載っていたなぁ。 「これのどこが現代だ!」と、当時のわたしは思ったものですが、その感想はアラフォーになった今でも同じです。 英文を読むときと同じで、全体を通して読んでなんとなく内容をつかむ、というのが精一杯。 翻訳家でもない私が、英文を一文一文訳そうとするとドツボにはまるあの感覚。全体を通してストーリーをすくいとることができればOK、という低いハードルで読むべき。 「内容を理解できるか」と、いう点では、むしろ英語で書かれたほうがわかるのでは。 肝心の内容・感想について。 堪え性のない私は、もう二度と読むことはないだろうと思うので、自分の備忘録として記しておく。 日本からドイツに駐在・留学している主人公・豊太郎。 日本にいる母からも、上司(上官)からも期待され、期待に沿うように生きようと努力してきた。 豊太郎は、エリスという名の現地の少女と出逢う。その少女は、母と二人で暮らしており、貧しく、劇場の踊り子として働いている。 出逢ったときのエリスの描写が、とても美しい。主人公は道端で、エリスが声を殺して泣いている姿を見るのだけど、主人公がエリスを見て美しいと惹かれたのだろうことがひしひしと伝わってくるのだ。 主人公が思わずエリスに声をかけ、僅かな援助をし、二人の交流が始まる。 貧困ゆえに十分な教育を受けてこなかったエリスに、書や文字を教える豊太郎。 他方で、エリスとの愛に溺れる豊太郎自身の学び、生活は荒んでいく。 そんななかでエリスが懐妊。 豊太郎は、友人相沢から、エリスと別れるように勧められる。このときの相沢の言葉ば妙に詳しく描写されているのが、主人公のズルさ、言い訳に感じた。 「他者に相談するとき、相談者の中ですでに答えは出ていて、期待通りの答えをもらいたがっている」とはよく言われているが、そういう感じなのかな、と。 エリスの愛は失いたくない。でもこのままドイツで自堕落な貧しい生活を続ける覚悟もない。自分では決められない・・・そんな豊太郎の気持ちを汲むように、背中を押す相沢。 宙ぶらりんなとき、相沢が豊太郎に「君のような優秀な男が、いつまで一人の少女に引き止められているのだ。もったいない。俺が上官との間を取り持ってまた復帰できるように取り持つから、さっさと彼女とは別れろよ」なんて言われたら、背中押されるというか、豊太郎には「相沢が勝手に話をすすめ、俺は流された」という言い訳もたつ(エリスからすれば、そんな言い訳はたたないんだけど、あくまでも豊太郎本人の心持ちとして罪悪感が薄れる)。 結果的に、この物語は、「相沢のせいでエリスはおかしくなりました、相沢は良き友ですが、私は相沢に対して憎しみを持ってます」という主人公の感想(言い訳?)で終わっている。 「最後に言いたかったこと、これかよー?!」と、びっくりしたよ。 高校時代の教科書では、抜粋した文章が載せてあったから、どこが最後なのかまで意識していなかったからな。まさかこんな最後の一文とは。 あくまでも、豊太郎自身は最後までなんも悪いことしていない、という認識なのね・・・。 相沢こそ、何もおかしなことや悪いことはしていないんだけどさ。 どうしてこういう時代の小説家さんの自伝的小説って、悪くない友を悪者にするのだろうか(人間失格とか)。 誰かを悪者にして憎まないと耐えられない繊細な心の持ち主が、当時は小説家になっていたということだろうか。 そう思うと、今の小説家さんたちは大人というか、フラットな人が多いなぁと思う。 少し前に読んだ「中野のお父さん」に、「現代の価値観を当時(俳句が読まれた当時)の価値観に当てはめるのは無粋だ」ということが書いてあった。 「舞姫」についても、令和の私の価値観を、舞姫の時代(明治時代)に当てはめるのは、とっても無粋なことだろう。 男尊女卑の時代。日本からドイツに留学するほどの秀才男子が日本でどれだけ期待され価値があるものとされていたのか、現代では想像もつかないほどだ。 ただ、やはりエリスはかわいそうだと私は思う。 現代なら、「私は分不相応で、もともと私が一緒になれるような相手じゃない」みたいに思うのもしれないけど、エリスはきっと、学もなく教養もなく、生きることに必死で、恋愛については子どものように純粋な少女だったのだろうと思う。実際に16,7歳だろう。 そのような少女に、分不相応だと自覚しろというのは無理があるだろう。 現代的価値観の私としては、どんなことがあっても、エリスには赤ちゃんとともに力強く生きていってほしいと思う。 そして、現代においても、10代、20代の若い女性が精神的に不安定になる原因は、男絡みであることが圧倒的に多い、ということ。 明治時代(おそらく明治時代よりもっと前から)から変わらぬその営みが、女性として悲しくもありました。 しかし一方で、若者にアンケートをとると「恋愛、結婚に興味がないです」と回答する割合が増えているらしい。それって、ある意味人類が進化しているのかな、と思ったりもする。 それと、「舞姫」という題名のわりに、エリスが踊っている姿のほぼ描写はないよね。私が読み落としたのかな。 高校生の私は、「舞姫って、劇場で踊る美しい現地の少女の姿を見て、青年が恋に落ちる話」と思っていたのだけど、それは違ったわけだ。 実際に二人が出逢ったのは道端だし。エリスは踊ってたわけではなく門によりかかって泣いてただけだし。 ただ、もしこの本が「舞姫」という題名じゃなかったら明治時代から現在まで読み継がれる名作にはなってないんじゃないかと思う。 それくらい「舞姫」という言葉は、美しくて、人の興味をそそり、耽美的で心を惹きつける力がある。
5投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『舞姫』では、主人公の太田は恋人のエリスを思うがゆえに彼女を裏切る決断ができず、取り返しのつかない状況に陥ってしまう。太田の心の弱さが際立つように書かれているが、私は「辛いけど分かる」と心を傷めながらページをめくっていた。 『舞姫』発表後、森鷗外は方々から非難され、妻との別居や文学活動の停止を余儀なくされたらしい。そうなることは発表前に予想がついていただろう。にもかかわらず、この悲しいだけの恋を執筆し発表した。ここに森鷗外の苦しみ・誠実さが垣間見える。エリスを忘れられず、かといって忘れたくもなく、書いて形にしなければ自分が壊れてしまうような、相当の後悔の果てに生まれた作品なのだろう。 太田は心の弱さゆえに酷いことをしたヤツだと当然思うのだが、私はそれを責める気にはなれない。程度の差はあれど、自分にも太田のような一面があるし、心の弱さと誠実さは表裏一体だからだ。
0投稿日: 2022.08.26
powered by ブクログ初めて森鴎外の作品に触れた。 舞姫。途中はがんばれ青年、と応援したのも束の間、最後はなんとも愚かな結末であり、その時代背景もあるだろうが、なぜそっちにいってしまったんだ、ともどかしい気持ちを抑えられなかった。 阿部一族は、ああ自分は絶対阿部側の人間だな、と思った。でも、子どもらに迷惑かけたくないから名誉なき自死はしないで自分だけ苦しもうとなるかもしれない。それで病むんだろうけど。自分だけ。 そのほか、「かのように」の葛藤も、「鶏」の滑稽さもとてもおもしろかった。こんな作品を書いているんだと正直驚いた。歴史ものはちょっとよくわからんが、森鴎外といえばドイツ、または医学、みたいなイメージを勝手に持っていたので、沢山の歴史ものがあることにそもそも驚いた。
3投稿日: 2022.03.08
powered by ブクログ昭和54年8月15日 24刷 再読 そして、たぶん、これで読了なので覚書多め 「舞姫」 1890年 初期の代表作 ドイツ三部作 前途有望な日本人青年がドイツの踊り子の美少女と恋に落ちる。恋に落ちると同時に彼の生活も荒んで行く。友人に手を差し伸べられ、妊娠中の彼女をドイツに残して帰郷し、自身の生活に決着をつける。 今でもありそうな恋愛小説。若い頃は、女性を捨て生活を立て直すのも鴎外様だから仕方ないかなと思っていたけど、実際は、日本まで追いかけて来た彼女を、厳しいお母様に叱られて追い返したらしいというちょっとガッカリ感ありでした。 「うたかたの記」 1890年 ドイツ三部作一部 これは読むのが難しくて現代語訳で。 日本の画学生が、美しく成長した昔会った花売り娘に再会。愛を確かめるも、国王まで巻き込む湖の事故で彼女は没する。 悲恋の短編ですが、国王絡みの設定が、思い切りがありすぎて、戸惑う。 「鶏」 1910年 自身の小倉での経験から 軍人の小倉での、ご近所物語でいいのかしら。 ひょうひょうとした主人公と、その回りを取り囲む小倉の人達。 「かのように」 神話と歴史 の分離について思考する青年(鴎外さんですよね) 難解ですが、興味ある主題。文庫だと読みにくいので後日、読み直し。 「阿部一族」 1913年 『阿部茶事談』下敷 歴史小説 乃木大将殉死の批判に対する鴎外の著述 熊本藩主細川忠利の死去の殉死を認められなかった阿部一族の反旗、絶滅を描く。 主従関係の重みだけでなく、殉死によるその後の一族の優遇措置、殉死への許可等、現在では理解し難い内容。 「堺事件」 1914年 幕末の堺事件を元とした歴史小説 フランスの水兵の暴挙に対抗した土佐藩歩兵隊。撃ち合いとなりフランス人に死者を出し、その罪を問われる。理不尽な処分に異議を申し立て切腹の許可を得る。くじ引きでの処分者の決定、切腹後の家族への恩恵など、混乱期の日本人の悲哀であるが、日本人・武士としての生き様がある。 鴎外の当時の西欧強国への批判なのかと思う。 「余興」 懇親会へ出向き、浪花節などの余興を楽しんでしんいるふりをする。盛大な拍手までする。そして、憂鬱になる。 ちょっと、気持ちがわかる。 「じいさんばあさん」 1915年大田南畝の随筆「一話一言」より歴史小説 年配の夫婦『じいさんばあさん』今は二人穏やかに隠居生活を送っている。 しかし、過去37年間、夫は罪を犯し越前へ。妻は一人家族を守り、武家奉公を続けていた。親をおくり、息子を亡くし、信仰を続けた妻。その人生の最後は、夫と穏やかに暮らす。 かくありたいという、ばあさんでした。 「寒山拾得」 1916年 寒山拾得縁起 これは高校現代国語の教科書で扱っていて、その縁起のラスト「パパアも文殊なのだが誰も拝みに来ないんだよ。」に、混乱した思い出がありますね。懐かしい。たぶん、この作品から森鴎外を、多少無理して読みましたね。年齢を重ねて、無理して読んでみるっていうのも若さの特権かと思います。
9投稿日: 2022.01.17
powered by ブクログダイヤモンド・オンラインに書評を書きました。→ https://diamond.jp/articles/-/275100
1投稿日: 2021.06.27
powered by ブクログ「舞姫」 作者のドイツ留学体験をベースにした作品 主人公は自らの意志によって人生を切り開こうとするのだが 結局は、故郷のしがらみを捨てきれず 愛した女を裏切り、ついに発狂させてしまう そのことで自分を責める彼は 例えばそれを「新生」などと言って居直ることもできぬまま 助けてくれた親友のことを密かに恨みつつ 帰国の途につくのだった 良くも悪くもサムライというかな 「うたかたの記」 過去の出会いが運命的な恋となって まさにいま成就しようとした、そのとき さらに過去から不幸の使者が甦り すべてを水の泡に帰す なお、日本における言文一致運動はすでに進んでいたのだが ここまでのロマン主義的なアイロニーは すべて文語調で書かれている 鴎外じしんは、坪内逍遥との没理想論争を経て アイロニーを脱するようにも思われたが 形としては現実に屈していく 「鶏」 日清戦争が終わって九州小倉に赴任してきた参謀の話 変わり者の個人主義者である 生活のことを下男下女に丸投げしており 米だの味噌だの卵だのを着服されてるにもかかわらず まるで気にとめようともしない 彼にとっては、人も馬も鶏も同じく他者なのだ それは恐らく国家主義への屈従がもたらす一種の諦念であろうが 「かのように」 例えば、神の存在証明を科学的に行うことは不可能である しかし人間は あたかも、神が存在する「かのように」ふるまって生きている そのことがむしろ社会を円滑に廻しているのであれば 嘘でも神を信じることは正しいのである 人は白黒つけたがるもので 神がいるかいないかという議論にこだわり いらぬ争いを生み出したりもするが あたかも~である「かのように」生きる姿勢が普遍なら 平和は守られるのだ そんな思想を抱いてドイツ留学から帰ってきた主人公は しかし、他者との軋轢によって平和が壊れることを恐れるあまり 茶番のような人間関係しか築けないのだった 「阿部一族」 あまり気の利く家臣を持つと なんだか馬鹿にされてる気がして、つい反発心を抱いてしまう それこそ甘えというものだが 殿様に対してはそれを諫める者がいない それでまあ その家臣が家中全体のスケープゴートを担わされてしまうわけだ 乃木大将の殉死事件に触発された作品とされているが 実のところ、これはイジメの話である 読後感は非常にやりきれない 「堺事件」 幕末のころ、堺の町にフランス船員が上陸し 狼藉を働いたことがあった 土佐藩の兵士たちがこれを取り押さえようとして銃撃戦を行い フランス人が何人か死んだ 当然、重大な外交問題へと発展して 銃撃にかかわった兵士たち二十人が切腹することになった 切腹の当日は酒を振る舞われ 会場となった寺の見物を楽しんだ後、夕方から順番に腹を切っていった 立ち合いのフランス公使は 集団自殺の凄惨な現場に耐えかねて逃げだした 爽やかなユーモアのある話ですね 「余興」 語り手は人に群れるのが嫌いな男 しかし、つきあいでやむなく同郷人の会合に出ていった するとその余興に、いま売れてる人気の浪曲師が出てきたのだが 語り手には教養人としての誇りがあるもので 聞きながら粗ばかり探してしまった それでも、終わったら周りに合わせて拍手をしている そんな自分は大人だなあ、なんてことを思って安心していたら 宴会中、酌の芸者に馬鹿にされているような気がして 大人げない態度をとってしまう 「じいさんばあさん」 隠居屋敷の老夫婦は年甲斐もなく仲むつまじい なぜそんなに仲がよいのだろうか 小説は過去をさかのぼり 二人の若い頃から現在に至るまでを俯瞰していった 「歴史離れ」のロマンスである ここにきて、初期のロマン主義に折り合いがついたとも言えよう 意地の悪い見方をすれば 互いに互いの姿を見ているのではなく ひとつのロマンを並び見ているわけだが 「寒山拾得」 現世に姿をあらわした文殊菩薩と普賢菩薩は それぞれ乞食坊主の姿をしていた つまりどういうことかというと 軽蔑こそすれ、信仰の対象にはならないということである しかし、社会規範では仏を測れないし またそうであればこそ奇跡もおきるのであろう
1投稿日: 2020.10.08
powered by ブクログ日本語がうまい。無駄口がない。単純なものへの蔑視と憧れがないまぜになっている。歴史物のクールさも良いが、「かのように」や「余興」のようなエッセイに近いものも面白い。
1投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログ数十年ぶりの舞姫、懐かしい。内容もちゃんと覚えていた。あまりにも人の命が軽すぎると思うが、阿部一族などの歴史物も非常に興味深かった。思うのは、鷗外はこれらの史実を書いて何を言いたかったのだろう。鴎外の思想はどこにあったのだろう。まさに"これぞ美しい日本文学"だと思うが、主題が見えない。ただ単に自分の力不足か。
1投稿日: 2018.07.31
powered by ブクログ高校の教科書にあった「舞姫」はなつかしい。テンポよい語感であるが終盤腑に落ちぬところもあった。他短編が収録。2018.7.5
1投稿日: 2018.07.05
powered by ブクログ削ぎ落とされた文体、本当に美しいと感じます。 実は昭和25年発行、32年印刷版(旧仮名、旧字体)を実家の棚から見つけて読みました。直ぐに頭の中で変換できないせいかゆっくり読むこととなり、却ってじっくり味わうこととなりました。作家が書いた筈の文字で読む体験、貴重かもしれないと実感。
2投稿日: 2016.05.11
powered by ブクログ僕にはまだ早かったようです・・・。 難しい・・・。 数年後に読み返せばまた感じ方は変わってくると思う。
1投稿日: 2016.03.02
powered by ブクログ森 鴎外「阿部一族・舞姫」読了 「舞姫・うたたかの記」と、いかにも 高木兼寛 との対立を予感させる、ナルシスト・高ピーに眉を顰める事になったが、それ以外は‥「流石です‥」(ケンちゃん風‥)
0投稿日: 2014.10.01
powered by ブクログ【印象】 日本からドイツへ留学する青年と金髪碧眼少女の愛、辛苦。 武士たちの死の連鎖と社会的圧力。兵たちの数奇な運命と時代の変わり目。 神話と歴史の分離において自身の立場に苦悩する若者。盲目性と仮定。他。 【類別】 小説。短編集。 ロマンス等。史実を題材とするものも。 【構成等】 短編としてしっかりと纏まっているものが多いように感じました。 【表現】 文語体のものもあります。 短編によって地の文の形式が異なっています。一人称視点のもの、三人称視点のもの、そのふたつが混じったようなもの。 【備考】 本レビューは1968年発行1985年改版の52刷を読んだ後に書かれました。
1投稿日: 2014.09.07
powered by ブクログ「舞姫」以外は初読。時代的なものなのか、よく分からないというか納得いかないのが「阿部一族」「かのように」の2つ。「うたかたの記」は本当に狂ってるのは誰だろう。「鶏」「余興」は少し笑った。「寒山拾得」は何故2人は笑ったのか。個人的には「余興」「じいさんばあさん」「かのように」が良かった。
1投稿日: 2014.03.30
powered by ブクログ阿部一族 又七郎が阿部家と懇意にしていて妻を見舞いにもやりながら討ち入りには自ら猪一番に飛び込んでいくという観念がわからない。 また弥五兵衛も飛び込んできた又七郎と相対して当然としているのがわからない。 お上に忠実であるならば匿う必要もないがわざわざ自ら討ち入らずとも黙っていてもよかったと思う。 しかしわからないと感じるのは時代が違うだけのこと なぜか納得できてしまうこの感覚はやはり日本人だからか 堺事件 これもまた日本人だからか もちろん切腹できるはずもなく、さらに大網を引っ張り出すなんてもってのほかだけれどもこの盲目、妄信、神風の思想は日本人そのものであると合点する しかし当然自分たちも腹を切るつもりの九人が切らせてもらえず、流刑になり、士分にも取り立ててもらえないままに死んでいくのを可哀想と思うのはおかしいだろうか かのように 最後の議論がいい まったく違う二人が誇張も冷笑もなく互いを認めながら真剣に戦わせる様は美しい
1投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ高校の授業以来数十年ぶりの「舞姫」再読。青空文庫で読むのは断念して本棚から文庫を探して読んだ。適度にフリガナがありこちらでは読めた。こうして見ると内容はともかく「舞姫」「うたかたの記」の文体は結構クセになりそう。好きな作品は「じいさんばあさん」、意外な純愛ものと「寒山拾得」。「阿部一族」「堺事件」は読みづらかったけど印象的。どの作品も、私のレベルでしか咀嚼できないけれど鴎外見直しのいいきっかけとなりました。私の古い文庫の表紙はブランデンブルグ門だった。感慨深い。
1投稿日: 2013.06.13
powered by ブクログ先日興味深い話を聞いて検証してみようと思った♪ 【舞姫】の描写の中に宅内の様子が描かれるがその間取りに矛盾が生じるとか♪ 読み終わったら図面におこしてみよう♪
1投稿日: 2013.04.05
powered by ブクログ阿部一族が痛ましい。 武士社会と言うものの、命の軽視。 森鴎外の、「心を描かぬ」手法それもまた、痛ましさを覚える。 野蛮といえば野蛮だが、その精神の独自性と忍耐強さは、私たちの過去とは思われぬほど。
1投稿日: 2012.12.22
powered by ブクログ久しぶりに読み返してみた。「鶏」の石田小介、旦那に似てる。 鴎外は言文一致よりも古めかしい文語チックな文体のほうがつやっぽくて好き。
1投稿日: 2012.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校生の時に課題図書として全部書き写した61ページ、文字数25000程度の作品。当時は書き写しで疲れて内容は全く読んでいなかったので、ずっと気になっていたので読んでみる。主君に切腹を許されなかった阿部弥一右衛門とその一族の話。読んでみて高校時代では理解も共感もできなかったと思う。阿部弥一右衛門が主君とソリが合わないところが現代サラリーマン生活とすごく相似する内容(切腹まではしないけど)。
1投稿日: 2012.10.17
powered by ブクログじいさんばあさんが良かった。二人の初々しさの理由が最後にわかって、気が付いたら何度もうなずいていました。 他の話は少々読みづらかった。
1投稿日: 2012.06.08
powered by ブクログ中学以来、再び手にとってみた一冊。 ただ、感受性はあまり変わってないようで、「舞姫」については、未だにどこが名作なのか、さっぱり分からない。 中学時代から読解力が変わっていないという現実をつきつけられてしまった。 「阿部一族」は再読した現在でも、恐ろしい小説という感想。 武士社会において、「時代の精神」とどう折り合いをつけて生きて行くかという命題を、迫力のある筆致で突きつけてくる。 正直、中学時代も今も同じ様にビビりました。 夏目漱石の「こころ」と同じように「阿部一族」も明治天皇の崩御と乃木大将の殉死というのをモチーフにしているように感じた。 「阿部一族」は主君への個人的な忠義を殉死という形で表現する武士たちと、殉死を賛美する価値観が覆った社会の中の息苦しさをリアルに描いている。 特に、日本人が内包している問題のひとつである、「空気に流されやすさ」を物語の核としながら、それ自体が持つ狂気を読者に突きつけている。 「こころ」は殉死をカタルシスとして捉えているのに対し、「阿部一族」では、次から次へと死を誘う、空気の魔力といったものを感じさせる。 また、殉死というものをどう捉えるかということに対しても、漱石と鴎外では対照的で、「こころ」では古い時代の清算を通して、若い世代に対する新たな時代の創造を促しているのに対し、「阿部一族」では、過去の武士社会にその精神の根源を遡ることによって、日本人の精神構造自体を露にし問い直させていると感じた。 漱石は時代の終焉を描き、鴎外は継続して持ち続ける武士精神を問い直している印象である。 個人的には、鴎外の描く日本人の精神についての記述の方が深く胸に響いた。 また、本書に収録している「かのように」は神話と歴史に対する日本人の曖昧な意識に対して、婉曲的に批判した野新作。 「鶏」は落語のような滑稽な人間ドラマ。 「じいさんばあさん」は非常に短い小説ながら、ドラマのギッシリ詰まった厚みを感じる作品。 どれもオススメです。
1投稿日: 2012.05.03
powered by ブクログ馴染みは薄いはずの言葉なのに、 エリスの麗しさ、エリスへの止められない気持ち、決断できない人間らしい弱さ、最後の文にこめられたどうにもならない思いの丈が、現代語以上にビシビシ伝わってくるのが不思議です。 少ない分量に濃厚な内容もさることながら、「日本語」を再認識できる作品だと思いました。
1投稿日: 2012.04.19
powered by ブクログ明治の文豪の小説を読むことは伝統の価値観と新たな価値観(当時は西洋文化)の狭間の中での葛藤や考察や思想に接すること。 それは現在社会、特に3.11以降、現代人も同じ立場に置かれていると思う。 武士の美学を学ぶのならば「堺事件」、「阿部一族」が必読。 明らかに乃木希典の自害に影響を受けた作品で、日本人のアイデンティティでもあった「死」の意味を提起している。 上述の新旧価値観のぶつかりから、鴎外が求めたものは日本の歴史であり、歴史小説であった。これを現代人も学ばざるを得ない。 一番、心に残った小説は「かのように」。 日本人とは、合理的に説明できるものではなく、文化、歴史に根着く「かのように」を土台に生きている、としている。 解説によると、この小説は山縣有朋からの依頼により保守主義、支配階級がどうあるべきかを書いたものであるらしい。 しかし、「父」が皇室であるとすれば、最後の友人の綾小路の「駄目、駄目」は権威主義への否定にもなり、この小説の奥深さを感じる。 以下【引用】 「かのうように」 ・そうして見ると、倅の謂う、信仰がなくて、宗教の必要だけを認めると云う人の部類に、自分は入っているものと見える。 いやいや。そうではない。倅の謂うのは、神学でも覗いて見て、これだけの教義は、信仰しないまでも、必要を認めなくてはならぬと、理性で判断した上で認めることである。 ・そうして見ると、人間の智識、学問はさて置き、宗教でもなんでも、その根本を調べて見ると、事実として証拠立てられない或る物を建立している。即ち、かのように、が土台に横たわっているのだね。
1投稿日: 2011.12.23
powered by ブクログ難しい難しい。舞姫は高校生のときに読んだのだけどなぁ。 宗教談義の「かのように」と倹約家の日常「鶏」は普通に読める…気がする。歴史物は切腹とか忠義とかよくわからない。 三メートルのパーパットみたいな感じ。難しいラインをしっかり読み切って落としていってるんだろうけど、素人が見ちゃうと「普通じゃん」と思っちゃうみたいな。
1投稿日: 2011.11.24
powered by ブクログ図書館より。 『舞姫』『うたかたの記』は擬古文で書かれているので、とっつきにくいのですがリズムがよいのでその分では読みやすいかな?といっても現代語訳がないのがつらいところ…『舞姫』はエリスの存在がとてもかわいらしくいじらしいです。 現代語で書かれた作品では始めのうちはセリフのない場面での一段落が長くて苦労したのですが、慣れてきてからはあまり気にならなくなりました。殉死を描いた歴史小説『阿部一族』『堺事件』が印象に残りました。
2投稿日: 2011.08.23
powered by ブクログベルリン留学中の若いエリート・太田豊太郎は、街で出合った美しい踊り子・エリスの危機を救った。やがてふたりは魅かれ合い、豊太郎は友人の中傷により免官となる。いったんは栄誉を捨て、エリスとの愛を貫こうと決意するが…
1投稿日: 2011.06.08
powered by ブクログ舞姫は歴史的仮名遣いの漢文調で読み難く、ゆっくりと読み進めて行ったが。鴎外は西欧かぶれだったのかなあ。 歴史小説的なものは事実が淡々と語られ、何が面白いのかよく分からなく退屈になってきてしまうが、退屈な部分を過ぎると話がすすんでいく。 あとで解説を読んで知ったが、鶏は自分の孤高さを表現したものらしい。でも滑稽さというか、ちょっと抜けているように見えるのもわざとなのだろうか。 あまり鴎外の面白みがわからないまま読み終えてしまったが、あとで解説を読むとなるほどなあと思い、他の作品も読んでみたくなった。
1投稿日: 2011.06.07
powered by ブクログ室岡さん所有 →11/01/30 浦野さんレンタル →日付不明 返却済(12/10/20本人確認)
1投稿日: 2011.01.31
powered by ブクログ阿部一族のみ。iPhoneにて完読。 恥をかくことをもっとも嫌った侍たちとそのことを理解し従った妻たちの話。 昔の日本にはこんな人々がきっと居たのだろう。文体は比較的読みやすい。
1投稿日: 2010.11.18
powered by ブクログ高校の教科書に載っていた『舞姫』 それ以来、初めて読み返してみたのですが、当時の思いと全く異なっていたのに驚きました。 こんなにも、最低な男だっかのか? 『阿部一族』『堺事件』『じいさんばあさん』はぐいぐいと読んでしまった。 『舞姫』にかかった時間の半分で読み終わったくらい。 それくらい、読みやすい。 きっと映像化したら、海外でも人気が出そうな気がする。
1投稿日: 2010.08.25
powered by ブクログ・阿部一族 男ってやつは・・・!!! なんですかね、この小説。女の人が入り込む隙が一瞬たりとも存在しません。女の意思がまったく介在しない男としての「格好つけ方」を最大限に格好良くつづったお話。任侠映画のようなそのストイックさにころっと参りました。 「義」を通すことに躍起になる登場人物たちをさんざん葛藤させておいて、いつでもラストはとってもあっさり。でも実際、封建社会というのはそんなモンだったんだろうなあ。男って言うのはいやはや、しょうがないねえ。 自分の生に恥辱を感じる男の人の単純でストイックな姿は見ていておバカさん!好き!ってな具合に愛おしくさえ思える。反面、自殺も切腹も殉死も、死んだら一緒だよ。おしまい!っていうあっさりさが残酷ではあるけど面白かったです。 読み終わった後の一番の感想は「鴎外やれば出来るじゃん!」
1投稿日: 2010.07.15
powered by ブクログ舞姫が好き。 文語体で難しかったけど、そういうところにもロマン?を感じてドキドキしながら読めた。 鶏も面白い。
1投稿日: 2010.07.04
powered by ブクログ舞姫以外はどれも面白かった。森鴎外、意外と読みやすい。 「うたかたの記」は画家の卵と花売り娘の運命の出会い、偶然の再会、嵐の中の告白に悲劇的な死という怒涛の展開に狂王ルードヴィッヒ2世の謎の死の真相まで絡めて30P足らずでまとめてるし。凄すぎる。 「鶏」の石田少佐は今なら萌えキャラ。堅物の軍人のくせに、仕事帰りに「内が近くなると雛の事を思い出す」ほどヒヨコを可愛がってたりする。鶏が庭を荒らすと苦情をいう隣家のおばさんを、腹話術の人形見てるより面白いとか考えながら相手してる性格もいいし。最後は「雛なんぞはいらん」と言ってるけど、きっとその後も雛の面倒をみていると予想します。
1投稿日: 2010.06.20
powered by ブクログ言葉遣いがだいぶ難しい。日本語なのに理解できないという悲しさ。なので、楽しむというよりは必死に理解するので精一杯でした。現代語訳で読むべき。 2009/11/23
1投稿日: 2009.11.23
powered by ブクログ舞姫再読して、昔よりすらすら読めたことに感動した。木戸書簡集で鍛えた成果が…!笑 鷗外の「お前らわかんねぇだろ」と言わんばかりの独語伊語仏語オンパレードで、ちょっとした性悪さがにじみ出ていて笑える。 別に厚い本ってわけでもないのに、注釈は何と70ページ超。すごい。まあ歴史モノの注が大部分だけどね。 堺事件に関しては醒めた炎を読んだ直後だったんで予想外に事前知識があってわかりやすかった。なにかしら、何か大いなる力に呼ばれたのかしら。 舞姫って、もっと結果を悪化させると鷗外の実体験になって、ハッピーエンドにすると青木周蔵物語になるよね。
1投稿日: 2009.11.08
powered by ブクログ江戸時代に存在した「殉死」制度。使えていた主君の死に対し、許可をもらって後追いで自害することだ。主従関係を絶対とする封建制度を象徴する行いだが、必ずしも、主君を慕ってのことばかりではなかった。殉死によって一族の地位を高めるという打算や殉死しないことで人から後ろ指を指される恐怖などの感情も入り交じっていた。 そんな殉死を主君から認められなかったことをきっかけに、滅亡の道へ進んでいった阿部一族の悲劇がドキュメンタリーのような淡々とした文体で描かれている。 殉死についての著者、森鴎外の意見が書かれていないのは、残念だ。「自己の死」より重いものが多くあった武士道の時代を理解することはなかなか難しい。江戸時代はともかく、著者が生きた明治時代でも、死して子孫を助けるという考え方があったのだろうか。
1投稿日: 2009.05.17
powered by ブクログ「舞姫」と「うたかたの記」は擬古文のため、内容をあまり理解できなかった。再読の必要あり。 ※「舞姫」「うたかたの記」「鶏」「かのように」「阿部一族」「堺事件」「余興」「じいさんばあさん」「寒山拾得」の9編を収録。
1投稿日: 2008.06.27
powered by ブクログ当時の書生たちは揃って「エリス萌えー」と叫んだに違いない。よし、今度のスピーカーは文語体で解説文を書くことにしよう。男子たるものそれくらいのサービス精神と遊び心を持っていて当然だ。
1投稿日: 2008.04.25
powered by ブクログドイツの留学中に知り合った女性への恋情を振り切って官途を選んだ主人公を描いた自伝的色彩の強いロマン『舞姫』ほかを収録。 『舞姫』では漢文調の文章の中に漂う情緒溢れる異国の雰囲気に酔います。
1投稿日: 2008.02.18
powered by ブクログ許されぬ殉死に端を発する阿部一族の悲劇。 ドイツ留学中に知り合った女性への恋情をふりきって官途を選んだ主人公を描いた自伝的色彩の強いロマン『舞姫』『うたかたの記』『鶏』『かのように』『堺事件』『余興』『じいさんばあさん』『寒山拾得』を収録。
1投稿日: 2007.09.19
powered by ブクログ中学か高校の頃、模試で抜粋された部分を読んでから猛烈に気になっていた『阿部一族』。そこ以外読んでませんが…。
1投稿日: 2007.09.13
powered by ブクログ「舞姫」の文章とか空気感とか、大好き。 何度読み返しても飽きないし。 でも「阿部一族」は映画の方が面白い・・・。
1投稿日: 2007.06.10
powered by ブクログ舞姫は高校の時に取り扱いました。独裁帝国主義の崩落、自我の芽生え、様々な煩悶で苦しんだ天才軍医・森鴎外の内面に迫る小説です。擬古文なので非常に読みづらいですが、一度読みきった後に再度「石炭をば、はや積み果てつ」を読み返すと、溢れる涙を堪え切れません。この感動は、現代小説では到底成し得ないものです。
1投稿日: 2006.12.13
powered by ブクログ舞姫は高校の頃教科書で読んだことがあったけど、かなりうろ覚えだった。やっぱりなんかちょっと苦手だなぁ。
1投稿日: 2006.12.12
powered by ブクログ友達が高校の授業でやって二人で話をしてたので。負けるかっ!ってことで買って読みました。さすが、国語で取りあげられるだけあっていいです。感動です、エリスに涙しました。
1投稿日: 2006.07.24
powered by ブクログ舞姫:欧州留学中にみすぼらしい少女と恋に落ちてしまう高級官僚の姿を描いている.欧州のかの地で今まで勉学一筋だった青年が恋に落ちるという設定がなんともロマンチックだ.留学が現代ほど一般的ではなかった時代にはずいぶん驚かれたのではないだろうか.ただ,文体を「石炭をばはやつみはてつ」のように敢えて古典的に書いてあることで,日本の文明開化をになった人々の中にもこのようなロマンスがあったということが逆に新鮮にうつった. 阿部一族:解説を読むと「封建的権力への反抗を歴史小説を題材として描いた」とあり,「なるほど」とは思う.解説がないと,単純に「お殿様の殉死で不遇にされた家臣の一族が結局お殿様一家に逆らって成敗された物語」になってしまう.少し救いのないお話である.
1投稿日: 2006.06.03
powered by ブクログ阿部一族より舞姫を読んで欲しい!!舞姫のロマンチックさはいいよ。古典派の代表作では?クラシックなロマンチックな…
1投稿日: 2006.05.07
