Reader Store
ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)
ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)
森鴎外/新潮社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

91件)
3.3
7
22
41
10
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    めちゃくちゃ鴎外やな〜〜という文ですがやはり私はそこまで得意ではありませんでした。整えられすぎて少し作者に距離を感じるからでしょうか。 短い話がたくさんあるような構成なので鴎外の文体が好きな方はとても楽しめると思います。ひたすら鴎外文がたくさん集められた作品な気がします。内容はないようです多分。

    6
    投稿日: 2025.03.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    発禁となった本というのに惹かれ、純粋な興味から手に取った一冊。現代ではあまり使わないような言葉が沢山出てくるので面白い。冷静に淡々と綴られた言葉の数々。なるほど賢いのであろう、知的ゆえに呆気ない。淡白な現実を見せつけられたようだ。温度を感じない文章は物珍しさがある。後は読者の好きなように、といった感じだろうか。中でもとりわけ好きな文章は「僕は先天的失恋者で、そして境遇上の弱者であった」

    0
    投稿日: 2025.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    哲学講師である金井湛による、己の性欲史。六歳のときに目にした絵草紙の記憶から、ドイツへの洋行が決まり筆を置く二十一歳まで、性とどのように接触してきたかが綴られていて、ずいぶん奥深い一冊だった(なんと注釈だけで50ページに及ぶ)。 本書が文芸誌『昴』に掲載された当時は、ポルノグラフィーとして読まれたがために発禁になったというのだから驚きである。 けれど、子どもの性への芽生えや、思春期の性への好奇心って、昔も今もそんなに変わらないものなのかもしれない、などと思った。 〈世間の人は性欲の虎を放し飼にして、どうかすると、その背に騎って、滅亡の谷に墜ちる。自分は性欲の虎を馴らして抑えている。〉 〈只馴らしてあるだけで、虎の怖るべき威は衰えてはいないのである。〉 性欲の歴史だけじゃなくて、その考察も面白かった。

    2
    投稿日: 2025.03.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    難しすぎてよくわからんかった。 自分の性欲の歴史?についての小説らしいけど所々英語が入ったり難しい表現が使われたりとほんっと何も見えてこなかった。めっちゃ悔しい。 だけど性欲を客観的にというか少し離れた位置にあるものみたいな見方をしているのは少し共感できる。自分も性欲を感じる時、自分ではない別の何かに無理矢理動かされる不快感みたいなのをたまに感じる。に主人公の場合は早くに知りすぎたから自分には制欲の成長がないみたいな表現があったけど、それはまわりも影響してるんじゃないか?と思った。 性欲に突き動かされ破滅もしくはうまくいかない人の未来を度々挟み込んでたのも何かよくわからないし、もしかしたらそこに著者のそうなって欲しいという望みでもあんのかな?と少し思った。

    0
    投稿日: 2025.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    明治時代はこれで発禁になるなんて厳しいな。 美男子を襲うのが普通にあるなんて最悪だ。安達かわいそう。

    0
    投稿日: 2024.11.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鴎外の若い頃の経験が、如実に認められた一作に思います。聞き馴染みのないドイツ語などが多用されており、注釈と行ったり来たりしながら読んだので少し疲れました。

    0
    投稿日: 2024.11.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    当時としては斬新だったのかな。哲学者が息子の性教育に使うため、自分の性欲への目覚めや性体験について振り返って本を書くという話。本の内容を追想する形?で話は進む。見合いを急かす母に対して「俺はあんまりカッコよくないし女側にも男を選ぶ権利はあるだろう」と母に談判するシーンが面白かった。また、流れで遊女と寝ちゃって「案外セックスって大したことないな……」と気づくシーンも良かった。「別に、やろうと思って行ったわけじゃないし……喧嘩しようと思って出かけたわけじゃないけど流れで喧嘩しちゃうことあるじゃん?あれと同じだし……」ってなんかめちゃ言い訳してるのも、お母さんに「ずいぶん遅かったわね」ってしっかり遊んできたことバレてるのも面白かった。森鴎外ってこんなおもしろ作品も書くんだなと思った。まあ英語やドイツ語はたくさん出てくるけど、なんとなく話の流れで読める感じ。 めちゃくちゃ前の作品なのに、似たような奴らでつるむから男友達同士で全員童貞のまま学校卒業する感じとかなんかすごくリアル、というか現代と大して変わらない感じがする。 最後の方で「なんだかんだ貞淑ぶってないといけない世の中だからなかなかこれを世に出すのは憚られるな〜」みたいなこと書いてるのもとても素直でよかった。これが発禁になるなんて本当に貞淑な世の中だったんだねえ。ある男の性生活、というだけで全然エロい描写とかはないし、面白く読めた。ところどころ関わった人がどうなったかまで書かれてるのがより味わい深くてよかったな。

    1
    投稿日: 2024.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    そういえば読みたい登録していたなと思いだし、自分のヰタ・セクスアリス書いているなと思って参考がてら読んだ。面白かったし長くないのでするする読めました。大胆な性欲描写が問題となり…とウィキペディアに書いてあるものの、その後に「もっとも、実際に性行為が直接描写されていることは無く、この処分は当時軍医総監という立場にあった森鷗外に対する非難を受けての対応であったともいわれる」という方がまだ理解できる笑。全然これで発禁処分になってたら驚きもいいところだよ…アニーエルノーとか、ミランクンデラとか失神ものだなって思いました。笑 この時代の男女の距離感がこういうところがあったんだろうなと思うと、風俗史をみているようで面白かった。日本人らしい気もするなとか思いました。飼い慣らせる性欲

    0
    投稿日: 2024.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2024.2.22 読了 随分前から手元に積んだままになっていた本。ふと手にとって読んだが、面白いな。近代日本の黎明期の空気感などが、色濃く描かれていて、しかもそれが性欲というフィルターを通して・・・(笑) 環境も状況もまた年齢的にも真っ盛りのはずが、達観してるのか単に淡白なのか、距離を置いた見方をしているのも、なんだか文学者らしい。 当時は発禁図書なんだね。

    0
    投稿日: 2024.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公の金井君の、どこか不器用な人物像に思わずクスッとしてしまった。これは哲学者として名を馳せるようになった金井君が、自伝的に自身の性の目覚めやこれまでの経緯(主に学生時代)について振り返る形で始まる物語。彼の性の自覚は比較的早く、男女の性差に興味を持った幼少期には悪知恵を働かせて、近所の女の子に着物を捲らせて下半身を覗き見る行動に出ている。しかしそのように頭が回ったかと思えば、外語学校に入学し寄宿舎に身を寄せると、自身に好意を抱く男色家の先輩の手管に見事引っ掛かり、危うく貞操の危機に瀕していたりもする。このエリートなんだか、ポンコツなんだか分からないブレ幅のあるキャラクターが良い。 金井君は実際学業も優秀なのだが、性には酷く鈍感なところがあるらしい。堅物、と呼んでもいいかもしれない。年頃の男子達が集まる寄宿舎、先輩と後輩同士で惚れた腫れたの色恋沙汰が起きていても、金井君は基本無関心だ。「そういうことがあるらしい。僕には理解できないが」というように、我々読者に淡々と報告してくる。 なお、その鈍感さは先に述べた学生時代のエピソードもそうだが、ある程度大人になっても発揮されてしまう。とある依頼で新聞に原稿を寄稿した金井君は、その打ち上げの席でなんとハメられ、行くつもりもなかった遊郭に強制連行されてしまう。元々は終了次第、お母さんの待つ自宅にきちんと直帰する予定だったが、それが叶わなくなってしまったのだ。あれよあれよと部屋に上げられ、段取りが整い、目の前に女性が現れる。ここまできて「帰ります!」なんて言えない。そこで金井君は、覚悟を決めて布団に横たわる。「別にその場に流されたわけではない。僕も少し興味はあったのだ」と若干カッコつけながら。 そんな突発的に起きた童貞喪失トラブルの後、自宅でお母さんに「遅かったじゃないの」と出迎えられた金井君が、後ろめたさを感じているのがまた面白い。その後冷静になって「性病にかかってはいないか」と心配する様も。金井君、なんとも愛すべきこじらせ主人公だ。 また金井君はどうやら自身の容姿にコンプレックスを持っているようで、金井君の友人には数名の美少年や美青年が登場するのだが、金井君は彼らの説明をする度、自身の容姿を引き合いに出し、どこか自嘲的になる節がある。 金井君にとって恋愛や性愛というものは、自身とは別の世界線で起きていることのように思っているようで、これがそうした「隙」に繋がるのかもしれない。 熱心な読書家でもある金井君は学生時代に様々な本を読み漁る。しかし恋愛をテーマにした小説に関しては「これは容姿端麗な男女によって紡がれる、夢のような世界の話なのだ(よって、女性に好かれる姿形をしていない自身に縁はない)」と結論付けている。このように、自分への自信のなさから異性との交流、あるいは恋愛に対しても消極的になってしまう人は現代にもいるような気がする。 当時掲載された雑誌は発禁処分となったようだが、正直言って内容はそんなにエロくはない。馴染みのないドイツ語が文中に頻繁に入り混じるために注釈がないと読みにくいのが難点だが、これはエリート金井君の視点で書かれる物語なので致し方ない。(余談だが、ドイツ語にするとどんな下ネタ用語もやたら格好良く聞こえる。幼少期の金井君がワクワクして辞書を捲っていた気持ちがなんとなく分かってしまう。)金井君という、愛すべきこじらせ男子の"青春"を温かく見守ってあげよう。

    0
    投稿日: 2023.12.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    森鴎外らしい小説だが、その中でもチャレンジな作品だったと思う。 明治の近代文学は、まさに動的な時代でもあり、森鴎外もその作風の変遷があるし、それが偉大な作家といわれる所以である。 近代が、個人を見出す時代であるとすれば、特に西欧の哲学も学んでいた鴎外からすると、性を科学的に取り上げることは、ひとつの大きなテーマでもあったのだろう。 主人公が哲学を学んでいる設定としているところも、その意図がより感じられる。(フロイトとか) 鴎外の特徴が、登場人物を、少し離れた場所から、描写するところ。登場人物が、映像のように現れる効果。 詰まり、傍観者的に観ているからこそ、その効果が出てくるのかもしれない。 トーンとしては、理性が欲を律する、ということ。 これが何を意味するのか。 自然派に対する批判なのか。 鴎外の小説の特徴は、”はっきり書かない”、ところ。 それ故に読者が様々な判断を楽しむことができる。 性を通じて、当時の社会風景が読み取れるところも面白い。 男色については、江戸期も含めて、歴史的にみれば、珍しいことではない。 却って、江戸以前の方が、性に対して、オープンで、近代、西欧化が進むことで、それがタブー視されるようになったのではないか。

    0
    投稿日: 2023.09.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    こじらせて性生活がなんか上手くいかん男 自伝体の小説 これが発禁になる世の中むしろ気になるが 私が拾いきれてないだけなのか? よくわからんが文章は最高 きんとん食ってるシーンが好き

    0
    投稿日: 2023.03.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「性的」なものを書く小説は多いけれど、「性欲的」な生活を書く小説は、たしかにあまりなかったような気がする。それが時系列に淡々と語られているからなお不思議な感じがした。

    0
    投稿日: 2022.12.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昭和53年10月30日 46版 再読(全く覚えて無かった。) 1909年 明治42年 発表 哲学講師の主人公が、自身の性欲の歴史をを、幼児期の体験から、淡々と語る。 最初は、発禁処分を受けた作品のようですが、文学的で内容も鴎外が発表できる程度です。 まあ、どんな文豪も経験の蓄積は重要ですよね。ちょっと、ドキドキなところは、学生寮のお話。可愛い男子は、いろいろ大変ですね。腐女子必見。

    4
    投稿日: 2022.01.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生活の中で切り離せず、誰しもがその萌芽を少し思いながら読めるのではないかと。 どこか意固地になるような思いは少しながら共感しつつ、この時代でもよく聞くような自信の持ち方と軽蔑的な視線など面白い。 日本に直接的な表現はないのが、ドイツでの大胆さなど見比べるのも考えさせられるのでは。

    1
    投稿日: 2021.09.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ヰタって何て読むんだろう?から手に取った。正解はウィタ。 アリスも可愛らしいと思ったが、日本語訳はファンタジーの欠片もない「性欲的生活」でした。 鴎外の分身とも言える金井湛くんの性欲との出会いとお付き合いが朴訥と、時にユーモアも交えて書かれている。 文章にはリズムと美学があって、あぁ文芸に触れているという感じ。 これは心地良くて病みつきになる類のもの。 当時は漢詩が身近だったから、文章のリズム感に優れているんだろうなぁ。 坂の上の雲の時にも書いた気がするが、明治の人たちの勉強熱心で自身の哲学を持っている生き様が格好良い。 貧富の差や女性差別の上に築かれた上澄みの部分しか見えていないが、 若者が日本社会と自分の立ち位置を踏まえた上で、世界を見据えている溌剌とした感じが良いなぁ。 題材としては、誰がどう性に目覚めようがそれほど興味はなかったが、 程よい自虐のスパイスが効いた森鴎外史と、当時の日本が垣間見れたのは面白かった。

    2
    投稿日: 2021.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    小さい頃に感じた春画や周りの大人子供たちに関する違和感が成長するにつれ確信に変わっていくことが、私自身も似たような経験があるのでとても共感できました。個人的には、寄宿舎の生活で硬派の逸見が金井を狙うところのシーンの描写に緊迫感があってハラハラさせられました。森鴎外の著書は、高校の時に「舞姫」を少しかじった程度だったので、その時にも感じてはいたのですが、やや読みにくいと感じてしまいました。

    2
    投稿日: 2021.02.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    私自身が十代の終わりを迎えようとして、自分の性のあり方について考えている時に偶然この本を読み始めました。 この中で書かれている価値観のうちのひとつ、「恋愛と性が結びついていない」というものは私が自身に対して思っていたことと同じでした。 なので、男女の差や時代の差はありながらも、共感して読むことができました。 自分と近い価値観を持ちながら年齢的に私よりも大人になっていった金井の姿は、私の中にちいさな不安を残していきました。 私が将来、恋愛と性を結び付けられないまま大人になり、そしてどちらかを経験してしまったらどうなってしまうのだろうか、という将来への不安が出来てしまいましたが、将来のことを考えるきっかけになる作品だなと思いました。

    0
    投稿日: 2021.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    森鴎外『ヰタ・セクスアリス』を読みました。 題名は「vita sexualis(性欲的生活)」というラテン語・・・ウィタ・セクスアリスから来ています。 日本近代文学の第一人者が谷崎みたいなヤリチン自慢ではなく、どんなふうに自分が性欲に目覚めて性欲と折り合いをつけていったのかという半自伝小説です。 「私はそんなにモテる方でもないから軟派にはならなかったし、性欲に駆られて学業をおろそかにして退学処分をうけることもなかった。まぁ淡白で助かりましたわ。」っという青春時代の話を自虐半分、色恋に冷笑的な立ち位置を持ち続けた俺ってかっこいい、ま、たまに本気だすけどね、っというタッチで書いてある本です。 このご時世、フェミニズムもジェンダーフリーも大事です。対象が男だろうと女だろうと、相手の性指向がどっち向いていようと、性の対象を商業的に消費することに批判は免れません。ですので健全な性の発露、くだけた言い方をすれば「誰も傷つけない正しい下ネタ」って何だろう?という疑問から手にとってみたのですが全く参考にはなりませんでした。 そりゃそうですよね、森鴎外は笑いを取ろうとしたわけではないのですからw 私が面白く読めたのは閉鎖的な寮生活で男色の被害に遭わないように一所懸命な立ち回りだとか、ボスキャラ的な「鰐口」なる男子学生のサディスティックな性向を「犬」に例えて分析するくだりでした。鰐口くんは嫌なやつだけど、彼に間接的な庇護のしたにおかれているせいで男色家に襲われずに済んでいる、ということが結構あっけらかんと書かれているのです。 この作品の掲載誌が発禁処分を受けたという保守的な時勢の割には、当時の人達のセクシャリティというのはほどほどにおおらかだったのですね。 そこらへんの話はアルフレッド・キンゼイ博士がトーマス・ペインターという写真家にインタビューをした経緯を書いているこの記事が参考になると思います。 https://news.yahoo.co.jp/.../16fb53ac2f013e00fa49fd267f01... それと、金原ひとみの『オート・フィクション』がテーマ的にも構成的にも、絶対本作にインスパイヤされていると思うのだよね。そんな解説記事落ちてないかな。

    1
    投稿日: 2020.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    古典的な文章は得意じゃないけど 教養として読んでおこうと思って手をつけた。 何の予備知識もなく読み始めたから、始まりの 「性欲的生活について書き記してみよう」で そういう感じの内容か〜と覚悟したけども ハッキリした描写は一切無く、 欲にありつける環境に身を置かれながらも 頑なな態度を見せる金井君の心情を楽しめた。 文章にドイツ語が頻出するのも独特。 最後の VITA SEXUALIS 表記は 「だからこのタイトルなのか〜」と納得して スッキリした。 個人的には、最後の高橋氏の解説にもあった、 児島君のきんとんのくだりが 一番印象に残っているし好き。

    1
    投稿日: 2020.04.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     実際は新潮文庫版でなく学研から出版されている全集もので読んだ。  森鷗外といえば『舞姫』のような堅牢な文章を操るイメージがあったが、『ウィタセクスアリス』においてはかなり平易な文体で書かれている。内容は草食系男子の性にまつわる体験に関するものだ。性にまつわる体験といいつつ、露骨なものに関しては匂わせつつもほぼ描かれないので安心して読める。  作中で「硬派」と「軟派」の2派が登場するが、読んでいるとどうも「硬派」というのがホモセックス野郎のことを意味しているようでド肝を抜かれた。寄宿舎生活の中で年少者は硬派の先輩の餌食になる。主人公が短刀を持って硬派の先輩から逃げ回り、アヌスの貞操を死守する場面がちょこちょこ登場するが、これが鷗外の自伝的性質を帯びた作品であることを踏まえると、男性読者なら当時の寄宿舎生活の凄絶さに恐怖を禁じ得ないはずだ。尻穴を狙う硬派から命からがら逃げ回る、そう、これはほとんど「ウォーキング・デッド」の世界なのだ。  ところで「金井湛君は哲学が職業である。」という書き出しは端的で内容にスッと入れるいい書き出しだ。「石炭をば早や積み果てつ。」に並ぶぐらいのいい書き出しだと思う。

    2
    投稿日: 2019.11.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大学で哲学を教える男の、性欲的側面から見た自伝的小説。解説を読むと分かるが、この男は鷗外自身に重ねられており、実質的に鷗外の自伝のようになっている。 性欲的側面といっても、生々しいところはまったくなく、ほとんど受け身的に見聞きし体験したことばかりである。鷗外も同じように奥手だったのだろうか。 本書そのものが自伝なのではなく、本書の中で主人公が自伝を書くというメタ的な構造になっている。しかも、主人公は最後にこの自伝をお蔵入りさせる。主人公はお蔵入りさせたが、鷗外は出版しているというところがなんとなく面白い。

    1
    投稿日: 2019.10.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鴎外はかなり読んでいたと思っていたがこれは初めて。こういう時代に、このような身分で生まれてみたかった。

    1
    投稿日: 2018.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    当時、発禁処分になったとのことだが、理由が分からないくらい、性的描写はない本。 森鴎外が、当時流行りだしていた自然主義に対して、賛同?意義?、とにかく挑んでみた作品。 主人公は、森鴎外の諱の一文字を名前に持つ金井澹(しずか)。哲学者を生業として、教鞭をとっているが、ある日、夏目漱石やら自然主義の台頭をきっかけに、自分もこれまでのこしかたを振り返って、自らの性的エポックメイキングな出来事を綴り、芽生えなかった性的欲求の芽生えを探ろうと試みる。 鴎外自身が医者だったからか、さっぱりと描かれており、いやらしい感じはしない。実在のモデルが人でも学校でもすべて存在し、鴎外の人生と重なるので、どこまでが、フィクションなのか気になってしまう作品。 作品の中で、金井が成長、学習する過程で興味を持った書籍やら思考などが紹介されるので、文学史的知的欲求も満たされるし、主人公の澹の考えを通して、鴎外の?思考の流れが分かるようで興味深く、決して性的なだけの著作ではない。 知らなかったのだけれど、その福沢諭吉の学問にたしての姿勢は功利的だったらしい。当時は、その考えが蔓延しており、その中でも澹は「学問の為めに学問をする」という考えの持ち主である。その考えにも共感したし、お見合いをさせられた相手に対して、文句のない相手だし、嫌いではない。だけど、その相手の様な娘は他にもたくさんいて、この娘でなければならない理由がなく、どう決断していいのか悩むところに、主人公の意外な正直さを感じて、共感した。

    2
    投稿日: 2017.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分の性欲の歴史を淡々と、客観的に、時には自分への考察を入れながら振り返っている。そして最後に残ったのは、自分は人生の早い段階で”わかってしまった”故に情熱を失ってしまったのではという悲しい推測。 性欲を抑えられなかった為に退学落第していく中で、自分は順調に進んできたが、どこか冷めているのはそのせいなのかもしれないと。児島もそうなのだろうか。

    0
    投稿日: 2017.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    予てから気になっていた作品。ようやく読むことが出来ました。 軍医であった鴎外がこれを出したら、そりゃあ世間は騒然とするだろうなと当時の発禁も納得。 鴎外の考え方が多分に描かれているため、非常に興味深かった。

    0
    投稿日: 2017.01.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金井という大学講師を通して作者たる森鴎外の半生を追っていく作品かと思いきや、微妙に年代がズレるだけに止まらず段々と創作部分が大半を占めていく。 どこまでが半生でどこまでが創造なのか。注釈からなんとなく判断出来るが読んでいてクラクラした。自伝体小説だけあって現実と虚構が非常に曖昧でした。

    0
    投稿日: 2016.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     哲学の先生である金井が自分の性欲の歴史を書く、というお話。性への目覚めや性欲の萌芽、初体験などを冷静に見つめ考え、淡々と描いている。それには現代の人々となんら変わらないような体験もあれば、明治の性風俗ならではの体験もあり、とても興味深かった。特に、軟派と硬派に分かれていた話や男色の話が私には馴染みのない新鮮さがあり、面白い。

    0
    投稿日: 2015.12.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本書裏表紙のあらすじより 「哲学講師の金井湛君は、かねがね何か人の書かないことを書こうと思っていたが、ある日自分の性欲の歴史を書いてみようと思いたつ。六歳の時に見た絵草紙の話に始まり、寄宿舎で上級生を避け、窓の外へ逃げた話、硬派の古賀、美男の児島と結んだ三角同盟から、はじめて吉原に行った事まで科学者的な冷静さで淡々と描かれた自伝体小説であり掲載紙スバルは発禁となって世論をわかせた」・・・と書いている。確かに発禁となっているが、何故発禁となったのか読了後に考えてみたけれど、理由がわからない。勿論巻末の解説にも書かれていない。 明治期の性風俗のモラルについての嫌悪感があるかもしれないが、性描写や性欲描写の文言も出てこない。 「ヰタ・セクルアリス」が執筆された時期は、鴎外の全盛期で、尚且つ多作、前後の作品を検討してみないとその真価がわからないのではないか。おそらく鴎外文学の魅力は、生への軽蔑と生への愛情との不思議な混淆にあるといえる。この作品は、それらが如実に現れているのではないかと思う。

    1
    投稿日: 2015.06.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    文豪としては珍しく、性について書いてある本です。 当時の性への考え方、社会状況が分かる本です。 当時はデリケートな内容のため発禁になったようだ。

    0
    投稿日: 2015.04.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ある男の少年から大人になるまでの、「性について思ったこと雑記帳」。 これを掲載したことで発禁処分になったなんて、明治の世は、厳しかったんだなぁとつくづく思う。 直裁な表現はないけれど、漂い漏れてくる当時の様子は、性に対して大らかな感じがするのに。 今よりずうっと、“秘め事“だったんだなぁ。

    0
    投稿日: 2015.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    おもしろかった! 性(性欲)というのは幼少期から欲求と共に探索されてきたもの。でも他方、性の発見や自覚はつねに不快感を伴うものでもあった。本書ではこの欲求と不快感っていうアンビバレントな感情が素朴に描かれていて、それが微笑ましくもあり、巧いなあと思った。 とはいえ、あくまで男性目線での性(性欲)なのだけど。

    0
    投稿日: 2015.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【本の内容】 哲学講師の金井湛君は、かねがね何か人の書かない事を書こうと思っていたが、ある日自分の性欲の歴史を書いてみようと思いたつ。 六歳の時に見た絵草紙の話に始り、寄宿舎で上級生を避け、窓の外へ逃げた話、硬派の古賀、美男の児島と結んだ三角同盟から、はじめて吉原に行った事まで科学者的な冷静さで淡々と描かれた自伝体小説であり掲載誌スバルは発禁となって世論をわかせた。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

    0
    投稿日: 2014.10.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    これは、雰囲気は大分似てるけど、でもやっぱり表紙が違うわー。 これもはるか昔に読んだ本の読み直し。 ヰタ・セクスアリス とは、vita sexualisで、要は、性欲的生活のこと。 なんか、ドイツ語やら英語やらを混ぜ混ぜ文章を書いているのが面白い。 舞姫と違って、全部現代語に改められて書かれていた。 元の語調が分からないのはつまらないとも少し思ったけれど(舞姫の時の感動をもう一度味わいたかった)、でも同時に、当時の人の気持ちに少しなって読むこともできたので、それはそれでよしとも思った。 (なんか、ちょっと、言葉遣いが影響を受けつつあることを自覚 笑) 自分が人生においていつ性欲を感じてきたのか。その歴史を書くのは……非常に難しいな、と。思いました。 それをこんだけつぶさに書いた「金井さん」は偉いっすょ(笑)。 ていうか、超新しい。。。 吉原の位置とか、昔のいろんな遊郭のあった位置が、意外と知らなかった場所だったりもして面白かった。あそこってそういう場所だったの!的な。

    0
    投稿日: 2014.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    森鴎外、唯一のポルノグラフィティ…だとか。 森鴎外と言えば、中学の時、授業で読んだ「舞姫」が超衝撃的だったことと、その時の国語の授業のろくでもなさを思い出します。 性教育で噛みながら話す教師の授業を受けさせるくらいなら、この本を読ませてわからないこと何でも教えてあげるくらいの教育が、ゆとり後、には良いんじゃないかと、ゆとり世代の私は思います。 発禁の理由がわからん。優良な哲学書だよコレ。

    0
    投稿日: 2014.05.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    愛とか性欲とか自然主義とかは、よく分からないから、この本に対して、たいした感想は書けないけど、気になることが一つ。 この時代の十代は、酒や煙草を飲んでも罪にならないのか?

    0
    投稿日: 2014.02.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「自分は少年の時から、余りに自分を知り抜いていたので、その悟性が情熱を萌芽のうちに枯らしてしまった」「恋愛を離れた性欲には、情熱のありようがないし、その情熱のないものが、いかに自叙に適さないか」 短い小説だが一文に味のある良作。

    0
    投稿日: 2014.01.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公が幼年期から青年期にかけての性的な体験を冷静に考察しています。といってもあまりエロくはないです。短いので森鴎外を読んだことない人にもオススメです。 九州大学 ニックネーム:山本五朗

    2
    投稿日: 2013.11.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    たしか自らの醜悪な性を暴露する自然主義に対抗して書かれた作品と聞いた。これで発禁ものなら、自然主義って……露骨なところの無い、淡々と性体験を書くことで反自然主義を掲げたのかな。

    0
    投稿日: 2013.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    森鴎外が金井君の回想を借りて性欲や愛とは何かを考え続ける作品。 描写も発禁になるほど扇情的ではなく、むしろ美文だと思う。 時折自分も共感するところがあって、森鴎外の手助けを借りて自分についても考えることができたような気がする。 また当時の知識人の生活なども詳しく描かれていて、知見を広げることができた……かな? ただ正直言ってストーリーは全く面白くない。というよりもストーリー性がない。文学作品にもある程度の面白みを求めてしまう(例外も多々あるが)自分としては、途中から趣味ではなくて勉強本のつもりで読んでいた。

    1
    投稿日: 2013.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    金井君という哲学者の青年が、年齢順に性や恋の記憶を語る小説。モデルは森鴎外先生自身と言われ、性の目覚めと思春期の記憶について赤裸々に語っている。 この時代、フロイトの性についての理論が日本に入ってきた。キリスト教文化の西洋においてはもちろん、文明開化を遂げた日本でも、性に触れるのはタブーという世の中であった。 抑圧されたものが一気に噴き出るように、人の行動を何でも性エネルギーに関連付けることが行われたのもこの時期。三島由紀夫の「音楽」を読んでも、こういった現象がみられる。 この本は発売当初発禁処分になったらしい。今のご時世から見ると、村上春樹なんかよりよっぽど爽やかで健全な内容。

    1
    投稿日: 2013.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    2013.6.16読了 青空文庫 金井君の性の目覚めまでを語る自叙伝という形式。結局目覚めてないし(笑) 名作は私には高尚すぎてわかんないのかな…

    0
    投稿日: 2013.06.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『性欲的生活=ウィタセクスアリス→ヰタセクスアリス(独語)』 本作品は、哲学の教授である金井湛君の人生における性的生活について、鴎外本人の実体験を織りまぜ、書かれている。 性欲のことについて書かれている、しかもこの小説が載った雑誌は発禁になったと知ると、途端に興味がわいてくる。際どいことを述べている部分も確かにあるが、不愉快ではない。 日本語表現の幅が本当に広く、思わず惚れ惚れしてしまった。 選ぶ言葉のひとつひとつが繊細で美しい。その言葉のかけらが鎖となって繋がるとき、フレーズはひとつの芸術にもなり得る。日本語の美しさをあらためて感じることができ、大変うれしい。

    3
    投稿日: 2013.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ヰタ・セクスアリス=Vita Sexualis。ラテン語で「性欲的生活」の意味。 大学の哲学講師・金井が自己の半生を振り返って書く、「性欲」に関する記述に特化した回顧録という体裁をとっている。大筋では鷗外の体験に基づき、事実と虚構が混淆となって描かれた作品である。 あえて一言で言えば“童貞日記”。が、金井の手にかかれば、童貞にありがちな、妄想に耽る悶々とした日々……というのはどこ吹く風である。金井(=鷗外)は、ただ淡々と、自らの性欲的生活を客観的かつ科学的に記述していくのみである。そこにこの小説特有の諧謔があって笑える。当時の書生の習俗も垣間見られて興味深い。 鷗外の精神構造が金井のそれと同じだというならば、鷗外が『舞姫』のような、女性への慈愛の感じられない作品を著したのも、うなずけるというものだ。 文体は鷗外の美文ときた。短いが“珠玉”と称するにふさわしい優れた小説だった。

    0
    投稿日: 2013.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    森鴎外の文学は古典文法を用いていて読みにくいイメージを勝手に抱いていたのですが、この本はとても読みやすい。現代文学を読んでいるかのようにすらすらと読めて驚いた。内容は至ってシンプルで、哲学者が自分の性欲の歴史を六歳の頃からめぐって書いていくもの。その筋の単純さがまた読みやすさの理由かと。また、手記の内容自体がとても面白く、当時の日本の学生の様子や民俗のあり方などが事細かに書かれていてとても興味深い。作中の哲学者は明らかに森鴎外が自身をベースに書いているとは思いますが、学生時代のその勉学の励み方たるや、本当に頭が下がる思いがした。シンプルで単純な仕組みの本ですが、だからといって森鴎外の思想までもが単純なわけではなく、この本の裏に脈々と流れるのは、人生は性欲だけではないという思想であり、最後まで読むとやはりといっては失礼ですが、その力強い表現力に圧倒される。愉快でとっつきやすくとても不思議な本だった。森鴎外という大文豪の名前から敬遠しがちだったけれども、これからは古典系にも挑戦してみようかなと思います。

    0
    投稿日: 2013.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    金井くんが小さい頃に近所の母子が嫁入り前に、と眺めていたエロ本?が見えた経験に始まり、性にまつわる体験?とかを書いたもの。別に、際どいことも書いてないし、正直、現代からするとたわいないことなんだけど、どうやらこれが載った雑誌は発禁?になったらしい。昔も今もあんま変わらないんだな〜なんて。 ただ、金井くんは鴎外をモデルにしてるっぽいけど、どんだけ神童やねん‼って突っ込みたい(笑)

    0
    投稿日: 2013.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「ユーモア小説だったの?」 哲学者の金井湛(しずか)君は、人の書かないものを書こうと、自分自身の性欲に関する歴史を綴ることを決意する。6歳の時、故郷である家の後家さんに「人物の姿勢が非常に複雑になっている」絵を見せられた体験に始まる、幼年期から青年期にいたるまでの、文字通り抜き差しならぬ性体験。 当時の掲載紙「スバル」は発禁となったとあり、もっと思いつめた話なのかと思っていましたが、さにあらず。地元の学校の木戸の番所のじいさんに「あんたあ お父さまとおっ母さまと夜何をするか知っておりんさるかあ」と冷やかされるとこなんか、夜の父母には何か秘密があるらしいと感じながらも、子供心にそこには触れていけない何かを感じ「そんなことを言ったじいさんが非道く憎い」と憤慨する、湛くん(実は鴎外くん?)です。 まあ今の感覚からすれば健康的で全うな性的成長の記録に思えるわけですが、東京の学校の男子ばかりの寄宿舎では、うぶでおとなしめの彼は、当時はまだ珍しいことではなかったかもしれない男色系の学生に穴(ケツ)を狙われ布団に押し込められたりしています。彼がこのことを父親に話すと、びっくりするかと思いきや「うむ。そんな奴がおる。これからは気を附けんといかん。」-て。さすがは江戸時代生まれのパパだ…。 肝心の湛くんの初体験はといえば、女というものを知らぬままとうとう20歳を迎え学校を卒業します。新聞に原稿を寄せたお礼にと招かれた宴席のあと、お約束のように人力車で吉原へ運ばれる。一度は逃げることを試みるも失敗し、妙な負けじ魂が働いてついにかの不夜城の門をくぐることになります。いよいよ女を目の前にして要領を得ない湛くんは、妓楼の婆さんの巧みな誘導でさっさと足袋を脱がされ床に横たえられる… で、どうだったか?興味は尽きませんが、これ以上は語られていない。これは片手落ちというものでは~?やはりこれ以上を書くことは時代が許さなかったのか。思えば湛くん、恋愛というものを経験していません。このあたりの感情を抜きに書いていくと、性欲というのは純粋にその行為や言動だけが浮かび上がってきて、妙にユーモラスなものになっちゃうんですね。

    0
    投稿日: 2013.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これがポルノか否かは読み手の判断に委ねられる様に思う。そんな表面的な事よりも、明治から現在の平成に至る移り往く世情に焦点を當てると興味は尽きない。歴史に意思は無く、作為の下歴史は生まれる…言葉一つとっても日本人の参考書的意味あいを強く感じた。

    0
    投稿日: 2012.10.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子供の頃みた春画、寄宿舎での男色、覚えたての自慰、親友の継母の不倫、女に入れ込んで学校を去る旧友、初めての遊郭(と童貞喪失)……とまさにvita sexualis=性欲的生活。ここれだけセックスの話が書かれていれば発禁処分にもなるのもいたしかたなし。 しかし、セックスを話題にしながら、鴎外は決してそれを特権化しない。セックスを取り上げるとき、多くの場合、セックスになんらか特別な意味を込めすぎるか、あるいは特別なものではないとこれ見よがしに描写するかのどちらかになる。セックスが自意識と密接に関係している以上仕方のないことではあるが、いずれにしてもそれはセックスを特権化してしている。 それに対して、鴎外はセックスに対してどこまでもニュートラルでありつづける。これは鴎外が医者であったことも無関係ではないだろう。その姿勢は自然主義に対する極めて強力な対抗になり得た。100年が経った現代でさえ多くの文学においてセックスが今も特権的な存在として扱われることを考えれば、鴎外の態度のほうがよほど現代的ですらある。

    0
    投稿日: 2012.09.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    物語的でなく話がつまらない上に注釈責めにされて、読むのがしんどくなってしまった。 なんとなく、古文の模試を思い出した。冊子をぴらぴらさせて読む面倒臭さ! しかし装丁がとても素敵で、勢いで買った後悔も抑えられます。

    0
    投稿日: 2012.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あらゆる事に自覚的な主人公が性に関するこのに掛けては自覚的になれない(他の多くの者とは反対に働いてはいるけれど)というところが面白い。 彼は性的なものに特別惹かれることはないが、不意に訪れた性欲に呵責を感じないとも書いている。 主人公は性的なものに対する評価を不当に低くしているように思うが、それが逆説的に多くの人が性的なものに与えている価値が高過ぎるのではないかという思いを促す。 性に関する価値の再評価という意味ではとても面白い作品だと思う。

    1
    投稿日: 2012.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全然エロくはなかった。 前〜回想〜後という構成で、前で何気なく使われている「性欲」という言葉がどんどん肉付けされていく。そもそも性欲というのも漠然とした言葉だ。 基本的には常に対象に到達しない。どこかずれているし、行為に及んでもそれは何も書かれず、何となく焦点がない印象がある。だがそれがまたひとつの切り口ということなのだろう。

    0
    投稿日: 2012.05.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいたら分からなくなった。 性への欲に対して疑問を持つ事はしばしば私自身にも起きることで、それを人間だから、本能、快楽、nature、で片付けることも フロイトのように極端に結びつけることも私にはまだよく分からないのだ。 そして実生活でも、性や異性への何某の話題を餌にして、ぴーちくぱーちくお喋りすることに対して少々?潔癖で、果たしてそれは異常なことなのだろうか 読み終えた今とても混乱している。 自分の中で何かを掴めたら、掴めそうになったら、再読する。

    0
    投稿日: 2012.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    この時代の生活はこんなだったのでしょうか。 興味深いです。 「自分の性欲の歴史」がとても理性的に淡々と語られるので、 なんだか可笑しみを感じます。 面白い表現が多々ありました。 「体の恐ろしく敏捷に伸屈をする男」 「橘飩の栗が一つ一つ児島の美しい唇の奥に隠れて行くのを眺めていた」

    0
    投稿日: 2012.04.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    哲学者の金井湛(モデルは森鴎外自身)の性欲の歴史。 春画、男色、三角同盟、吉原、見合い、結婚…。 主人公は様々な『性欲的生活(ヰタ・セクスアリス)』の中で自問自答を繰り返す。 時代背景が異なるだけで、今も昔も『性』について考えることは同じだと思った。 また、たったこれだけの内容なのに(少なくとも私は全くエロさを感じなかった)、ポルノグラフィティ扱いされ、発売禁止されてしまうなんて、当時の人々の純情さに驚いてしまった。 禁止にされたことでこの美しい文章が当時世の中で注目を浴びることがなかったのかと思うと、純情はときに残酷なものだと思わざるを得ない。

    1
    投稿日: 2012.02.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    課題図書。自然主義との対比としての課題だったので、アンチ自然派小説としていえばそう訴えたいのはわかるけれど、そこまで捻くれて回りくどくせずにもっと正面切って主張していいんじゃないかと思う。

    0
    投稿日: 2012.01.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    もっと過激な描写を期待していたので あっこんなもんか…という安心とも残念ともつかない言葉にしづらい感想が。 というかこの描写で発禁処分になる当時と現代の差にふむふむと思うとこありました。

    0
    投稿日: 2011.12.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    漢字とかドイツの哲学者の名前だったり、髪の毛の結い方の名前とか、ギリシャ神話、着物の名前など、かなりのキャパオーバーな感じでしたが、文自体はさすがに有名な人だけあって読み易かったです。 時代背景も明治40年ごろの話らしく、自分には予備知識ほぼゼロの未知の時代だったので、そのへんも楽しめました。 まぁ、ストーリーは、金井って主人公が幼少時代から大人になるまでに体験したエロを、あの時はあんなエロいことがあったんだよって回想してくってだけの話なんだけど、不思議とまったく内容はエロくないという面白い小説でした。

    0
    投稿日: 2011.12.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    まず感想を先に言えば、自分は作者の性に対する姿勢に共感した。けれど、だから自分にはこの小説が特別面白くはなかった。むしろ現代人の性意識からいけば、これくらい固い人間はかえって面白いのかもしれないが。出だしは面白かった。淡々としていて、摩擦がない。けれども、哲学的な小さな視点も発展しないし、また、筋という筋もないので物語的な面白さも薄い。全体としては、余り面白くなかった感が否めない。自然主義的私小説の流行り初めだから、鴎外も書きたかったのかな。これだけ読んでも分からないから、先行研究に当たろう。 ところで、高橋義孝は巻末の解説でこの作品がフモール(ユーモア)に富んでいると言うが、これは正確でないと思う。ヰタ・セクスアリスの諧謔性はむしろ、ロマン的イロニーだと思う。つまり、作者は現実の苦痛に耐える自己を蔑視することで、そうすることのできる自己を一つ上に上げて誇っている。その証拠に、103pには《しかし自分の悟性が情熱を枯らしたようなのは、表面だけの事である。永遠の氷に掩われている地極の底にも、火山を突き上げる猛火は燃えている。》と書いて、性欲が理性の支配下にありながら、それを上回り得る力を秘めていることを告白している。ユーモアとは、フロイトに依れば、自我の苦痛に対して超自我がそんなことは何でもないと激励するものだ(「ユーモア」『フロイト著作集』第三巻、人文書院)。鴎外の態度はユーモアの側ではなく、衒学的なイロニーの側にある。高橋義孝がこれをユーモアと感じたのは、恐らく氏の精神性がヰタ・セクスアリスに親近的なものだったからだろう。そのため、イロニー的不快感を覚えなかった。イロニーはその内側ではユーモアになり、外側の読者によって初めて発見されるという宿命を持っているとも言えるだろう。確かに主人公は周囲に対してユーモアの視点から眺めている。けれど、回想する自分自身については、やはりユーモアに徹し切れず、イロニーの側に転倒してしまった。ここに鴎外の人間性というか、他の作家との差違とでも言いたくなるものを見ることが出来ると思う。

    0
    投稿日: 2011.11.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本題はラテン語で「VITA SEXUALIS」(性欲的生活)とのこと。森鴎外の前半生の性欲体験を小説に託し自伝体的に描いたもののようだ。これを収載した雑誌「昴」は風俗を乱すかどで?発売禁止になったとのこと。 男なら誰でも体験するような性欲の芽生え(!)について、自らの体験?に基づき赤裸々に描いているのに驚かせる。 ただ、本書の最後にもあるように中途半端さ感は否めず、その描写にしても大体スルーしているので、エロティックなところは全くなく、逆に物足りなさが残った。(笑)あまりにも淡々とした思い出の羅列のような記述で、あるいは微笑ましくもあり、いまひとつ入り込む余地がないまま終わってしまった感じだ。もっと言えば、むしろストイックなのではないかという内容であり、「性欲的生活」の逆説的物語だったのではないだろうか。

    14
    投稿日: 2011.10.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    10月6日読了。題名はラテン語で「性欲的生活」の意味、哲学者の金井(鴎外自身がモデル?)が自らの性欲の芽生えを振り返る自伝的小説。発行当時は大いに物議をかもし発禁処分にもなったというが、今だって決して幸せなすばらしい時代とは思わないが、この程度の自己認識も文章で発表できないこの時代(1909年)よりはずっとマシだな。他人からどう見られているか・によって自分の振る舞いを決定付けるような思春期のもどかしいような自己愛は現代にも通ずるものがあるが、男色の硬派・女色の軟派が互いに競い合い、膂力のない男子学生が硬派の襲撃を恐れるという当時の学生の風土は現代ではありえないな。(いや、今もそうなのか!?)

    0
    投稿日: 2011.10.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まずこれが100年前に書かれたものとは全然思えません。 小さな頃にエロ本をチラッと見たり、女の子の股を見ようとしたりする経験は100年前も今も変わらないんですね。また、最近の若者の性の乱れとかなんとか言われたりしますが、100年前の若者たちも軟派なものもいれば硬派(同性愛者が多かったようである)もいたようです。 この小説を載せた雑誌が当時発禁になったそうですが、わたしは18禁だと思います。自分の性欲との付き合い方は、若いうちにもがき苦しみながら自分で探さなければならないものでしょうから。

    0
    投稿日: 2011.09.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    哲学者金井湛なる人物の性の歴史。六歳の時に見た絵草紙に始まり、悩み多き青年期を経ていく過程を冷静な科学者の目で淡々と記す。

    0
    投稿日: 2011.04.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まだ途中だけど性の目覚めに対しての考察が生真面目で固くて新鮮。ドイツ語や英語をちょいちょい本文に挟んでくるのでいちいち巻末の脚注読まなきゃ意味がわからなくて少々面倒。男子寮で先輩に狙われる描写とか軽くやおいでアゲ。しかも色白紅顔華奢の美少年タイプより骨太ガッチリ醜顔(本人曰)タイプの主人公(おそらく鴎外がモデル)のほうが好まれるとかリアルでアゲです。

    0
    投稿日: 2011.03.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冷静すぎるほど冷静な目線で性を描いている。だからかな、様々なセックスのシーンもいやらしく感じなかった。それから、日本語の美しさがすごく強調されて感じました。

    0
    投稿日: 2011.02.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私小説だろう 少年・青年期の性の目覚めから性生活が書いてある そんな事全く意識せずにとった本だったから 少しビックリしてどんなにエロい表現が出てくるのかと思っていたら そんな事もなくありきたりのない感じだった

    0
    投稿日: 2010.10.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    序盤に夏目漱石のことに触れたとこで笑いました。 さて、本編については、劇中劇の様な感じ。 主人公のこれまでの性生活を詳細に思い出して書き出している本。 といっても、最近巷に溢れる様な過激表現はなく、 昔の人の生き様がよくわかり、とても面白い。 主人公がドイツに国の費用で留学しているのだけど、 これは森鷗外自身のことを書いているのか、 そこんとこ、どうなのか気になった。

    0
    投稿日: 2010.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    *ブログ感想あり* http://blog.livedoor.jp/marine0312/archives/51777939.html

    0
    投稿日: 2010.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鴎外の性生活をその芽生えから青年期まで綴った自伝的小説。 当時発禁になったというだけにどれほどエロいのかと思いきや、全然普通で健全。 この時代の人も辞書でエロワードを引いていたという所が妙に笑えてしまった。 いつの時代もお約束としてやっているのだなと。 また見合い結婚が当たり前の時代に「俺みたいな醜男と誰が好き好んで結婚などするのか」と自覚してしまう鴎外の卑屈さは作家として信頼をより深めてくれた。 男尊女卑の時代なんだからそこはもっと自信持って良いだろう、とこっちが励ましたくなった。 早すぎた喪男。 鴎外は文理において優れた功績を残した秀才として見がちだけど、妙な俗っぽさがあってそこに惹き付けられるのだなと思う。 最後の言葉が「馬鹿馬鹿しい」だったという、その俗物さうかがわせるエピソードも魅力的に感じてしまう。 結局満たされなかったのかどうかは知る由もないが、これだけの人物が満たされなかったと思うと我ら凡人も諦めがつくというものだ。 男の根底にあるものを理解するなら鴎外を読むのが手っ取り早いだろう。 そして現代の理系博士全員に性的な小説を書いて欲しくなるのだ。 小谷野敦だけに独占させておくには勿体無い(小谷野は文系だけど)。

    0
    投稿日: 2010.09.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    或男の性に関する備忘録。 これは確かに衝撃的だったろうなぁ。 独特の日本語表現は美しいがちょいちょい入ってくる横文字に疲れます。バイリンガルな作家って難しいな…

    0
    投稿日: 2010.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    近代日本の文化が色々わかって面白い。 考え方の面でも現代とはかなりギャップがあるように思う。 金井くんの約20年間に渡る性的な体験がつらつら書かれているが、特に過激な描写などはなく、冷めきった金井くんがかっこいい。

    0
    投稿日: 2010.07.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    森鴎外の私小説。 難しい単語も多かったが、なかなか刺激があった。 まず、最初に。 この人やたら頭いいわ。 インテリゲンツィアやな。 と読みながら思った。 言葉の言い回しとか、引用とか。 お医者様なのでドイツ語に堪能なのはわかるが、当然のように英語、漢学、なんかの知識まで豊富。 すごいわ。流石、鴎外さん。 内容としては、、、 最近の自然主義は性描写を多くし、さらにそれこそが人間だ、人生だと持て囃される。 鴎外はそれに疑問を抱く形でこの作品を進めている。 この疑問には確かに僕も同調するところはある。 最近の文学、というのはやはり性描写がつきもののように感じる。 私はこんな人間に恋をして、愛して、こんなセックスをして。 そんな話が感情見豊かに、描かれる。 そして「現代の女性の感情を豊かに描いている」とか、評されるんだ。 いや、全然それが悪いと言っているわけではないけれど。 でも鴎外のこれはどちらかというと伝記っぽいのかもしれない。 これぞ「私小説」って感じか。 でもこういう物を書くのってそうとう勇気いりそうだなあ。

    1
    投稿日: 2010.06.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「僕は先天的失恋者で、」という文句、さすが鷗外。 きんとんのエピソードがかわいらしい。 ずっとIt's a sexualismだと思っていたけれど、ラテン語でした。

    1
    投稿日: 2010.04.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ようやく読み終わりました 多分4ヶ月くらい読んでたんじゃないだろうか 内容は主人公の性の歴史をつらつら書き連ねたもの タイトルのヴィタ・セクスアリスっていう言葉がそもそも性欲的生活っていう意味なんだけど ひどく性的欲求に淡白な主人公が、性欲に重きを置く風潮というか人間たちに疑問を持ち、 自分の人生における自分の性の歴史を振り返り、小説として書き記す 初めて性に興味を抱いたとき、初めて吉原に行ったとき、初めて遊女を抱いたときの状況、心境を仔細に書き記し、「だがしかしこれは性衝動によって行われたものではない。~が~だったからである」としめる流れが延々続く(印象) 率直的な感想としては衒学的だし自己肯定というか言い訳がましいし、虚栄心が顕著だしいかにも?外って感じた しかしあの時代の風俗を知るには?外の小説ってすごく参考になると思う、多分当時でも変わった人間だろうしブルジョアだから言葉遣いや価値観とかそこまで参考になるかは分からないが 印象に残るフレーズや場面は多くあったけど、個人的にひどく好みだという作品ではなかったので感想はもう書かない あまり覚えていないから

    0
    投稿日: 2010.04.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鴎外の中でずば抜けてこれが好き。 別に言っちゃえば内容なんてないけどさ、こうこういい意味での内容の無さっていうのもあるよ!小説だもん。 ヰタ・セクスアリスって言葉はラテン語なのだそうですが、すごく美しい言葉じゃない?声に出して!「ヰタ・セクスアリス!」ほら素敵。 まず思春期の男の子のギムナジウム的閉鎖性って、女の子みんな好きだと思うの。そこに出てくる登場人物が概ね醜男っていうのがまたいいよね!わくわくしちゃう。 森鴎外の書く女の人がそもそもあんまりタイプじゃないから、こういう話はすごく嬉しかった。なんて性的で、なんて耽美な童貞文学。女好きを「軟派」男好きを「硬派」って呼んじゃうとか、可愛すぎる。

    5
    投稿日: 2010.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    1909年(明治42)7月号の『スバル』に発表された短編小説です。 題名は、ラテン語で「性生活」を意味します。 主人公の金井湛が、幼時から25歳の結婚時に至るまでの性欲史をつづったものです。 性欲中心の自然主義文学に刺激された鴎外が、自分を材料とした自伝的作品です。 自然主義とは違った、いかにも医学者らしい、突き放した性の叙述に特色があります。 情緒的な自然主義に突きつけた知的作品ですが、この作品を掲載した雑誌は、 発売禁止となり、陸軍省医務局長森鴎外は、陸軍次官から譴責処分を受けました。

    0
    投稿日: 2009.11.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    百物語と同じで、適当に書き散らかして飽きたら終わりみたいな展開でした。 唐突に終わるのでびっくりします。

    0
    投稿日: 2009.05.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    禁止発売された連載である。 それだけで面白みある。 買った時ただ変わった外語の題だねと考えて、何か新潮なものでも書いてあるみたいな心持。 マア読み始まったら、私欲の生活のラテン語だっと知ってちょっぴり冷えてしまった。 幸い鴎外先生信じたる者だし、この事も滅多に書かないんだし、また張り合い有って読んだ。 性欲で題にしても欲と言う成分がかなり薄く感じます。 むしろ人の成長必然に随って、特別な課題として性に対する認識の更新、成り行きを冷淡に観察とゆような作品です。 近頃鴎外先生に敬愛の折折文献を調べたら、陸軍に勤めていた時分に随分厄介な事を起こして、医療衛生に関るものなので人々の命を奪うほどな悪影響も与えたそうです。 実に残念の極まりだ。 如何してこんな酷い過ちになるのかしらと考える最中、恰もこの本を見て案外とその意気地を理解してみてしまった。 人生は自己弁護であるんだ。 負けじ魂はいかなる罪悪の深みへ落しかねない . . . 僕もこの負けじ魂のために、行きたくもない処に行くことになったのである。 折れないプライトでもあれば、自ら持っている自信心に賭けるのでもあるだろう。 ですからその遣り方は認めなくても考え方だけは確かに少なくとも解しえることになった。 そしてやはり鴎外先生の硬く弾けない生き方に敬仰しかねない。 情熱が誰かに見えなくても、衒学だの、自己弁護だの、雑報にも劣れてると云っても惚れたものは惚れたのだ(笑) その冷徹な精神の運び方に、その生への軽蔑と生への愛情の混淆に呼び返される我が涸れて行ったこころ。

    0
    投稿日: 2009.04.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんか激昂しながら読んでた気がする(なにそれ) ドイツで鴎外博物館行って来たけど、すごいいいところでした。あの書棚がたまらんでした。 かたかった。 もしかしたらすといっくとかんちがいしてる。や、ストイックってその部分むしろフィーチャーしてる上での名称だと思うから、もしそれだったらストイックでいいのか。どうでもいいけど。(わからんだけじゃの!BAKA!)とにかく文体とか文章とかがかたいって印象がいい。

    0
    投稿日: 2009.01.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    当時発禁処分まで受けた問題作ですが、内容はいたってシンプル。 どちらかというと淡白ですな。 内容よりも語り口の美しさが素敵。 08.09.22

    0
    投稿日: 2008.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本人の性生活の歴史を赤裸々につづった本。ところどころおもしろい部分もあったが、読み終わった後何も心に残らなかった。つまらん。

    0
    投稿日: 2008.08.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    父の蔵書の全集から室生犀星の『性に目覚める頃』なんてのを、こっそり読んだものだ。こちらは、自分で買って読んだ記憶。いくつかのエピソードは記憶に残っている。性に目覚める頃は、ブンガクに目覚める頃でもあった。

    0
    投稿日: 2008.02.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    哲学を教えている主人公が、自身の性に関する成長を顧みて自伝を書く形で進んでいくお話。性の萌芽から、硬派としての書生時代、そして吉原での出来事などを書いてしまった後に、自身の洋行中に起こったことを書く前に筆を止めてしまう。 この話はとてもおもしろかったです。うん、共感できるところがたくさんあった。男性としてかならず避けて通れない道を赤裸々に語ってくれます。性欲、それは永遠のテーゼなんですね(゚∀゚)ちなみにこの作品は当時、その内容が過激すぎたため連載していた雑誌が発刊禁止処分を受けました\(^o^)/

    0
    投稿日: 2008.02.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    性について自伝的に書かれた、当時の発禁本。しかしながらそんなにエロス!!というほどではないのですが、当時の文化なんかがうかがえてすごく面白かったです。 軟派・硬派だとかは以前漫画で読んだことがあったので、あ・これのこと!って思いました。本当にあったんですね…!

    0
    投稿日: 2007.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんか明治当時の衆道文化に妙に詳しくなってしまった一冊。書生間とか。なぜタイトルに「新潮文庫」がついているのか…?

    0
    投稿日: 2007.03.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    森鴎外の性についての自伝的小説。といっても特に官能的なことが描かれているわけではなく、客観的・分析的な目線で淡々と綴られている。どちらかといえばアンチエロティシスムな作品であると思われる。

    0
    投稿日: 2007.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2006. 10月頃 なんだかオーガイ先生の文壇復活作品だそうで 気負って書き始めるも、途中から息切れした雰囲気がします。 これが発禁になるなんて、当時はさぞおカタい世の中だったようで。

    0
    投稿日: 2006.12.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    こんくらいで発禁だなんて時代を感じますね。 愛って言葉が出来る前、ラブの概念は忠だったから男色が珍しくもなかったんでしょうね。

    0
    投稿日: 2006.08.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    性欲とは、人生において重要なのだろうか?幼少時からの幾つかの経験を通して、著者は愛の情熱がなければ性欲は無意味だと示すために筆を執る。

    0
    投稿日: 2006.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    性に関する経験の履歴を綴ったとかなんとかいう出だしですが、大丈夫か鴎外。当時は問題作とされたようですが、昔ってすごいな

    0
    投稿日: 2006.05.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この作品は、鴎外の作品の中でもあまり知られていないものなんだけど、性への目覚めを、自然主義小説風に(鴎外は自然主義には反対の立場です)自分の学生時代の体験を振り返る形で描いています。当時はとってもセンセーショナルな内容だったのでしょうが、今読むと、正直で純情な学生さんの悩みが、微笑ましいほどです。

    0
    投稿日: 2005.09.24