
総合評価
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powered by ブクログ面白かった。昔からハンバートハンバートを応援しており、今回朝ドラの主題歌が決まったことで、ドラマを観るようになった。恥ずかしながらも小泉八雲のことはあまり知らず、彼のことが知りたいと思い、読ませてもらった。短編で読みやすく、内容によっては怪奇話に引き込まれることもあった。
1投稿日: 2026.01.20
powered by ブクログ有名なお話から、そうでないお話まで網羅らされている。 アイルランド出身とは思えないほどの堪能な日本語ではある(訳者が実に上手い)が、ベースはやはりヨーロッパ人だなと思われる記述が見られる。 個人的には作品の真ん中ぐらいの278ページ「心中」あたりから、 ラフカディオハーンならではの感想が入ってくるのが、非常に面白く感じる。 それまでは、忠実に昔話を再現しているが、ハーン自身の心情も組み込まれている。 とくに『日本人の微笑』におけるイギリス人と日本人の比較は、当時の日本人がどういう存在であるかを知ることができる貴重な資料のようにも感じる。 日本人として生き、日本の中にいると、当たり前のように感じてしまい、流してしまうものをあえて取り出し、それに対して追求する姿が、読み物としてもとても面白い。 まるで「電信柱がある」のが普通になっている日本人からすると、指摘されて気がつくところにも似ている。 とはいえ、色々な話を集めているので、そちらがメインとなる。 短い文章の中での展開の速さと、簡潔な言い回しが、小説を創作する上での理想的なテンプレートになるような展開の仕方であった。 英語で書かれたものを翻訳した場合、これだけスタイリッシュに余計なものを省き、さりとて、その状況が浮かぶような表現の仕方というものは、決してできなかったであろうと思われる。 と思っていたのだが、実際に書かれていたのは、英語だったらしい。 この訳している上田和夫氏も相当な方でなければ、この表現はできないだろう。 その意味では小泉八雲として、口頭伝承として伝えられ、消えてなくなりそうな日本の物語たちに、改めて息を吹き込んで下さったこと。 翻訳にありがちな、ぎこちなさを、一切感じさせなかった上田和夫氏に対して、 心からの感謝を述べたい。 理性的な合理主義な世の中にあって、何とも不思議な一見、原因結果の繋がらないような世界がある。 その世界においても、全くの無秩序ではなく、怨恨、約束の裏切りなど、一定の法則が描かれる時「一切、関係が無い!」「そんなのは妄想だ!」と、簡単には切り捨てられない霊魂の世界を自然と感じさせる。 全てが単なる空想で妄想でありもしないことであれば、これだけ伝承として残ることはなかったであろう。 何かしら、そうした事件が起こらなければ、実際に言い伝えられることがないからである。 アニメ『日本昔話』を改めてしっかりと見たくなった。
5投稿日: 2026.01.08
powered by ブクログ小泉八雲といえば、怪談話の蒐集だけが有名ではあるが、実はそれが総てではない。此処に紹介されている話の多くは「怪談」ともいえない「ちょっと不思議な話」が多くある。 江戸時代。蔦屋重三郎の耕書堂の店先に展示されている本の数を、絵やドラマなどで確かめると、せいぜい20種類にも満たない。毎月様変わりして行ったとしても、せいぜい100作ぐらいが毎年の刊行著作だったろう。 そのうち、黄表紙滑稽本以外の著作はどれくらいあったのだろうか。 人は常に物語を欲している動物である。 ちょっと怖いけど、なんかスッキリしない、なんか悲しい、なんか心があったまる、なんか腹立たしい、そんな話を聞いて、人はなんか心を整えていったのだろう。人伝に聴いてきた「物語」が、耕書堂の店先の「外」に、無数にあった、はずである。 小泉八雲は、それを蒐集した。 本書は『影』『日本雑記』『骨董』『怪談』『天の川物語その他』『知られぬ日本の面影』『東の国より』『心』「仏陀の国の落穂』『霊の日本にて』から小説とエッセイにわけて刊行順に従って幾つかを載せている。『知られぬー』からがエッセイである。エッセイと言いながら、不思議話に絞って編集されているようだ。全48篇。全て外国で刊行された。 ひとつひとつがとても興味深く、 ひとつひとつにコメントしていると、 恐ろしく長文になる。 でも、幾つかはコメントしたくて堪らない。 以下は私のメモのようなものである(長文ごめんなさい)。 「鮫人の恩返し」(『影』) 琵琶湖の辺り。男が、竜宮でヘマをして追われた鮫人を保護した。男は女人に懸想し、大金が必要になった。その事を話すと、鮫人はサメザメと泣き涙が宝石となった。男は喜び、もっと泣けという。鮫人は怒らず、浜辺に連れていってもらい故郷を懐かしみ泣くと、竜宮から迎えがきた。鮫人は喜び帰り、男も妻を娶った。 ⸺丹後に近い近江国の話ではあるが、あの有名な浦島噺とも違う。浦島別バージョン?道徳的な教訓はあまりない。物事には原因があり、結果があるということは納得する。 「守られた約束」(『日本雑記』) ⸺死んで約束を守るという話のひとつ。出雲国の話で、歴史上人物がウヨウヨ出てくる。悪名高い経久が、実は「その人は無法で残忍な男であったが、他人の誠実を愛する心には敬意を忘れなかった」と文中で評価されている。その記述だけで、いろいろ考えさせる。こんなん、長編でないと、やっちゃいけない物語でしょ。 「破られた約束」(『日本雑記』) ⸺これはかなり怖い怪談話。しかも何故か寝取られた女は、男ではなく罪のない女の方へ向かうという法則にさえ則っている。最後の一言が効いている。 「梅津忠兵衛の話」(『日本雑記』) ⸺不思議な話。最後の1行。「この物語の書かれた当時、(その男の子孫は)まだ出羽国に生きていた」。遠野物語に似た、人伝噺がなんと多かったことか。 「幽霊滝の伝説」(『骨董』) ⸺なんと言っても最後の1行の衝撃!!教訓噺といえばそうなのだけど、その報いならば余りにも酷い。聴いた人たちは、そのように囁きあったことだろう。けれども、世の中には、こういう話がままあるのだ。 「茶碗の中」(『骨董』) ⸺八雲は古い読み本の中に、小径の先の絶壁のように途中切れの作品を発見する。それを紹介した。そのこと自体が、いろんな想像を膨らませてくれた。 「常識」(『骨董』) ⸺珍しく「謎解きミステリ」である。 「生霊」(『骨董』) ⸺生き霊の存在を、江戸時代(つい最近!)の商家の手代も主人も生き霊当人さえも、当然のように信じている。千年近く信じられていたのならば、どうして現代は信じられていないのだろう。それとも、形を変えて、現代も信じられているのだろうか。 「死霊」(『骨董』) 越前代官が死んだ後、部下が共謀し代官が不正をして藩の財を獲ったと虚偽の報告をした。突然女中に代官の霊が乗り移り、全てが明らかになる。 ⸺全くもって怖くない話である。スカッとする話である。「(女中は終わると)2日2晩、死んだように彼女は眠った(取り憑いていたものが離れると、取り憑かれた者にひどい疲労と深い眠りが襲ってくるのである)」と、八雲は解説している。とっても親切。 「雉子のはなし」(『骨董』) ⸺全くもって理解不能な話。夫婦のうち、男も突然サイコパスになるし、女の行動はヒステリックだし、地頭の判断は頭の良い判断とは思えない。また、これが「物語」として成立しているのが理解できない。 「土地の風習」(『骨董』) ⸺これは、「怪しいことは疑ってかかる」知り合いの禅僧から聞いたとして、書かれている。実際に八雲が聞いたのかどうかはわからない。旺盛に八雲は聞き込みしていたし、極めて短文だし、聞いたのは事実なような気がする。だとすると、ゾゾゾゾとするのである。 「草ひばり」(『骨董』) 草ひばりという、鈴虫に似た虫が死んだ。女中がサボって餌を与えなかったからである。大きさは、蚊ほど。値段は12セント(現代貨幣価値千円)。 ⸺これ、創作なのか?事実のようにも思えるが、蚊のような鈴虫がいるとは思えない(調べたら本当にいた!)。まるで、古代からの記憶をなぞるような恋歌を毎夜奏でるらしい。最期は自分の脚を齧ってまで歌を歌っていたらしい。小説集と思っていたのだが、最後にこの話で締めるのが凄い。 「耳なし芳一のはなし」(『怪談』) ⸺この話は有名だし、『怪談』も有名なので、あまりコメントしたくないのではあるが、実はこの秋から冬にかけて、眠る前の愉しみにて「芳一」を3回もaudibleで聴いてしまった。 今回「原作?」を初めて全部聴いて、少しも怖くないことに気がついた。何故なんだろう。とつらつら考えるに、芳一が最初から最後まで、ひとつも怖がっていないし、ひとつも不幸になっていないからだろう。「平家物語」の唄と楽曲を、最も聴いて欲しい人々に演奏できて、涙と喝采を貰っていたのだし、耳をちぎられても、彼は結局一言も痛いとは言っていない。しかも耳が聞こえなくなったわけではなかった。しかも、彼の名声は、このことより更に高まった、そして金持ちになったと末尾に書かれることになった。琵琶法師として、此処までの名誉なことがあろうか。 実は、最も哀れなのは、最後まで聴くことができなかった、平家のお歴々(幽霊)だったのだろうと思うのである。 ただ、危険が迫っているのに、無責任にも寺をあけ、尚且つ最後耳に念仏を弟子が書き忘れているところを点検さえできなかった御住職の最終盤の「かわいそうに、芳一」「かわいそうに、かわいそうに、芳一!」という畳み掛ける言葉のみの謝罪が、結局は芳一を有名金持ちにしたのだから、世の中皮肉なものである。 「お貞のはなし」(『怪談』) ⸺このはなしが『怪談』に入っていたのか!6割方は、佐藤正午「月の満ち欠け」。いや、佐藤正午が八雲の話を参考にしたのか?恋する女の生まれ変わりの話である。佐藤正午の場合、たくさんの「仕掛け」を入れ込んだけど、八雲の話は至極単純。でも最後は大きく違った。めでたく結婚できたら、女は全てを忘れてしまったのである。 「むじな」(『怪談』) ⸺『怪談』は有名話ばかしと思っていたら、この題名は知らなかった。読んでゆくと「のっぺらぼう」だった。なあんだ、よく知ってる。ところが、これが東京赤坂通りの紀ノ国坂の話であることを「原作」読んで初めて知った。ラストは勿論蕎麦屋の主人のアレであるが、最後の一文は知らなかった。原作は読んでみるもんだ。 「力ばか」(『怪談』) ⸺『怪談』は短文の話こそ、良いものがあるような気がする。この「りき」という、頭の巡りが悪い男は八雲の近所にいたらしい。蚊帳を焼いて自宅を一軒燃やした時も近所の人達は力に親切だったらしい。暫く見ないでいると、力は死んだらしい。その後のことは何処から創作なのか。兎も角、悲しい終わり方である。 「鏡の乙女」(『天の川物語その他』) ⸺ここに出てくる鏡が興味深い。基本、井戸から鏡が出てくるのは珍しくはない。その謂れを明らかにするのは難しい。 よって、物語にして無理質理説明したのだろうが、一応筋が通っているのが興味深い。 即ち、奈良時代、百済制作の鏡であり、斉明天皇から代々受け継がれ、平安時代保元の乱で井戸に落とされたという。多分本当は、平安時代の渇水を鎮めるための祀りのために献納された可能性の方が高いだろうが、室町時代のこの頃ではそういう謂れはなくなっていたのだろう。ただ、鏡自体は、この頃でも未だ霊験新かな力を持っており、洪水を予見したりするのもそのひとつ。 そういう謂れの文書が300年経って、八雲のもとに届いたのだと思うと感慨深いものがある。 「弘法大師の書」(『知られぬ日本の面影』) ⸺所謂、弘法大師伝説の聞書である。というわけで、この『面影』からはエッセイではあるが、編者の意図は未だ『怪談』の続きを紹介しているのかもしれない。面白いのは、この話をしてくれたのが真鍋晃(「ばけばけ」では吉沢亮が演じている)であること。彼を「友人」と言っている。因みに、『面影』は、ハーンが八雲になる前に書かれた初めての日本についての著作である。因みに、『面影』は一冊の本として別に買っているので、これ以上はコメントしない。 「駐車場にて」(『心』) 巡査を殺して脱走した犯人が捕まり、熊本駅に護送されるを聞いた八雲はそれを見物する群衆の1人となった。八雲は衆人暴動や犯人が暴れることさえ予想していたが、意外なことが起きる。捕まえた巡査が、殺された巡査の幼な子に犯人の顔を見せたのである。幼な子は泣きじゃくる。そして犯人は泣いて子供に謝った。そして、衆人も巡査も泣いた。ここに、八雲は「日本の魂」を見たのである。 ⸺「すべてを理解し、すべてのことに感動し、悔恨と恥じらいに満足し、人生の困難と人間性の弱さとをすなおに深く経験しているがゆえに、怒りではなく、ただ罪に対する大きな悲しみを抱いている大衆がいたのである」 八雲は、幼児だからあり得たことだと分析する。そして、そういう日本人は外国人と違うと言ってくれた。そして、そういう日本人を愛してくれた。 「哀れ」というキーワードや、日本人の判官贔屓という性格を知ってか知らずか、私は八雲の分析はとっても鋭いと思う。現代ではこういうことは起こり得ないけど、怒りで炎上している大衆が、一転もし変化するとしたら、やはりこういう事に似た場面に遭遇する時ではないだろうか?もしかしたら、最近では、その典型例が兵庫県知事選挙だったのかもしれない。しかし、それは不幸な典型例だった。 そして体験に基づいたエッセイであっても、極めてドラマチックに筆を進める八雲の文は凄いと思うのである。 「人形の墓」(『仏陀の国の落穂』) ⸺八雲の家に住み込んでいた子守の身上話らしい。4人の兄弟を残して、両親が一年のうちに亡くなる。その時はもうひとつ「人形の墓」を建てなければもう1人亡くなると信じられているという。しかし結局、金が無くて建てなかった。実際に、そうやって大黒柱の兄を亡くし、そして家は絶えたらしい。その後、八雲がその娘(11歳)にしたことは、なんと優しいことか。是非、これは朝ドラでもやってほしい。 ⸺⸺八雲は松江に1年と8ヶ月だけ居た。寒気のため生来の弱視がますます悪化することを恐れたらしい。勧められて熊本に移転。しかし、これは失敗だった。案外寒く、気風が荒く、外国人慣れしていて敬意が払われなかったからか?と解説者は考える。もう一つは、ちょうど松江に着いた頃(明治23)、教育勅語発布年、22年は明治憲法発布年だった。自由民権は後景にいき、排他的な国権主義へ移行しつつあったと解説者は言う。そして、神戸へ、そして東京へ。そして旺盛な著作を毎年ものにするのである。 熊本にあった漱石邸はお屋敷であるが、八雲邸は日本に一般的にある小さなあずま屋だったと、2年前熊本に行ったとき私は見た。 八雲はさまざまな日本に移り住み、多くの場所へ(倉敷にも来ている!)旅をした。そして、日本のことを常に褒めた。今や、彼の見た日本は滅んだ、彼の言は誉めすぎだ、という人が多くいるらしい。 しかし、私はざっと読んだだけだが、彼の描き出した日本は未だ残っているし、誉めすぎとも思えなかったのである。
128投稿日: 2025.12.24
powered by ブクログ朝ドラばけばけ、楽しんでいます。 八雲の怪談はとても切なく、そして、日本人らしく、もしくはそれ以上に日本の情緒を細やかに表現されており、とても美しいと感じました。
16投稿日: 2025.11.26
powered by ブクログ小泉八雲文学忌、八雲忌 さてと、今年の新潮文庫の100冊に何故か 小泉八雲集。 きちんと分類された短編集で、久しぶり再読の短編もあり、全くの未読も多々あり。 印象的な作品は、日本人の微笑について書かれたもの。決して、日本人の微笑を卑下することなく 悲しみも微笑で表す繊細な状況を理解している。 せっかくなので、再読しなくて良いように覚書多めとなりました。 「影」1900年(明治33年) 今昔物語や御伽百物語に題材をとる。 ⚪︎和解(京都) 困窮した若侍は妻を捨て、新たな妻と伝地へ向かう。やがて別れて戻ると、そこは屍の家となっていた。 ⚪︎衝立の乙女(京都) 恋い慕った衝立の絵の女が、現実にやって来る。 ⚪︎死骸にまたがる男 離縁された男の復讐心により、死んで待ち受ける女。陰陽師の指示は「死骸にまたがること」であった。 ⚪︎弁天の同情(京都・大通寺弁天堂) 良縁を願う女のため、弁天の導きで生霊との邂逅が起こる。 ⚪︎鮫人の恩返し(近江の国) 鮫人を助けた者は、涙の宝石による恩返しを受ける。 「日本雑記」1901年(明治34年) 奇談集。『雨月物語』や仏教百科全書、『夜恋鬼談』などを題材とする。 ⚪︎守られた約束 播磨国 義弟とともに出雲の国へ帰ることを約した男。 果たせぬまま切腹し、霊となって約束を守る。 “男心と秋の空”という表現があり、女心よりも古い用法であったらしい。 ⚪︎破られた約束 死後もなお夫を束縛しようとする妻の怨霊。 ⚪︎果心居士 京都北辺 信長家臣・荒川、果心居士の地獄絵図を奪うため殺すも、殺せず。絵は白紙となってしまう。 ⚪︎梅津忠兵衛のはなし 出羽国 若く強い侍・忠兵衛は、赤子を預かる。重くなる赤子を守り抜いたことで、氏神から礼を受ける。 ⚪︎漂流 随筆「ここかしこ」より 焼津からの船で漂流した者たち。 その中で生き残った男の話。 「骨董」1902年(明治35年) 怪奇文学作品。日本各地に伝わる伝説・怪談を収める。 ⚪︎幽霊滝の伝説 鳥取 肝試しに滝壺へ。賽銭の代わりに赤子の首が投げ込まれる。 ⚪︎茶碗の中 未完 江戸・白山 茶碗に浮かぶ生霊。飲み干して敵討ちとなるのか。 ⚪︎常識 博識な和尚の説よりも、猟師の経験に軍配が上がる。 ⚪︎生霊 江戸・霊岸島 才覚ある若い手代を、その能力ゆえに憎む主人の妻。やがて暖簾分けでめでたし。 ⚪︎死霊 越前国 代官の死後、下役の悪事を霊となって暴く。 ⚪︎おかめのはなし 土佐 死後も生きたままのように、夜ごと夫の元へ通う妻。 ⚪︎蝿の話 京都・寺田通り 孝行娘が蝿となって戻ってくる。 ⚪︎雉子のはなし 尾州・遠山 死んだ姑と思われる雉子を夫が殺す。 助けた妻が幸せになる。 ⚪︎忠五郎のはなし 江戸・小石川 足軽・忠五郎が毎晩通った女は、実はガマであった。 ⚪︎土地の風習 死んだ檀家が木魚を叩くという。 ⚪︎草ひばり コオロギ科の虫。餌がないと自分の足を食べる。 「怪談」1904年(明治37年) 『夜恋奇談』『仏教百科全書』などを題材とする。 ⚪︎耳なし芳一 下関 八雲代表作。琵琶法師・芳一の身に起こる怪異。 ⚪︎おしどり 陸奥国 仲睦まじいおしどり。雄を殺したために、雌の恨みを買う。 ⚪︎お貞のはなし 越後 病死した婚約者の生まれ変わりを待つと誓うが、別の嫁を取り不幸が続く。 旅先で生まれ変わりを見つけるまでの執念。 ⚪︎乳母さくら 伊予 病の子の身代わりを願い、乳母が桜の木へと転生する。 ⚪︎かけひき 死後の怨念と、死の直前の怨念が入れ替わる。八雲作品の中でも有名な一篇。 ⚪︎食人鬼 美濃国 村人の死体を食らう僧侶。 ⚪︎むじな 赤坂 お堀ではなく、お女中の顔が。蕎麦屋で再び顔が! ⚪︎ろくろ首 九州・菊池 山中の庵にて、首が飛び回るタイプのろくろ首。 ⚪︎葬られた秘密 丹波 箪笥に隠された恋文を、処分させたいと願う死霊。 ⚪︎雪女 武蔵 吹雪の夜の雪女。年寄りは殺し、若者と結婚する。 ⚪︎青柳のはなし 能登 山中で出会った美女・青柳と結婚。 ⚪︎十六さくら 伊予 陰暦1月16日だけに咲くという桜の話。 ⚪︎安芸之助の夢 大和 一瞬の夢の間に23年の治世。実は蟻の国の出来事。 ⚪︎力ばか 「良い家に生まれ変わりたい」と願い書いた“力ばか”。言葉の通り、困った生まれ変わりに。 「天の川物語 その他」1905年(明治38年)没後 『アトランティク・マンスリー』に掲載された作品 ⚪︎鏡の乙女 南伊勢 悪竜に囚われた井戸の中の鏡の精。これを助けた神官に、乙女は恩返しをする。 「知らぬ日本の面影」1894年(明治27年) 八雲による日本滞在初期の印象記。随想・考察を収める。 ⚪︎弘法大師の書 弘法大師にまつわる逸話を集める。 ⚪︎心中 日本人の心中についての考え方。来世を恐れず、現世の情を優先する日本人の在り方。 ⚪︎日本人の微笑 日本人の微笑が持つ意味を考察。宗教的な煩わしさがなく、西洋文明への同化に疑問を抱きつつも、西洋道徳への憧れは持たない。 「東の国より」1895年(明治28年) 日本滞在記の一冊。習俗や事件を題材とする。 ⚪︎赤い婚礼 日本の心中事件を描く。幼なじみ同士の線路自殺。 「心」1896年(明治29年) 日本人の精神や生活感情を描いた随想集。 ⚪︎停車場にて 犯人の後悔、日本の警察の涙、日本人の子供に対する愛情。 ⚪︎門付け 盲目の田舎女が三味線を弾き歌う。 自らの境遇を不幸とは思わない姿。 ⚪︎ハル 日本の女性は、夫の決定を超人的に無視するように育てられている。 ⚪︎きみ子 母と妹を助けるため芸者となり、好きな男からも身を引く。最後は阿弥陀に迎えられる。 「仏陀の国の落穂」1897年(明治30年) 東洋思想や日本の民間信仰に材をとる随想集。 ⚪︎人形の墓 不幸が続く少女の話。家族が二人続けて亡くなると、墓は三つ作らねばならない。 「霊の日本」1899年(明治32年) 日本の霊的観念や仏教的因果をめぐる随想集。 ⚪︎悪因縁 牡丹灯籠 有名な牡丹灯籠の怪談を題材とする。 ⚪︎因果ばなし 死にゆく奥方が、若い女の乳房を掴んで離さない。どんなことをしても離れぬ執念。 ⚪︎焼津にて 焼津での思い出。お盆にまつわる話。
101投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログ【一言感想】 曖昧なモノゴトに対して目を向けていくと 感性が成長していく 恐怖の裏にある日本古来の道徳観や教訓、文化、情念などが含まれる怪談に興味を持ったギリシア人から帰化して日本人となった小泉八雲氏が記録・世界に紹介したものの中の代表作を収録された一冊 小泉八雲氏は西洋の利己的な側面が強いことを嫌っていたらしく、物質主義に傾倒しすぎると自分や他人を型に嵌めたがってしまい、感情に対しては薄情となり、道徳観や幸福感も低下してしまうと本書の中でも指摘をしていました("日本人の微笑") 曖昧なモノゴトに対して目を向けていくことで、一つの型に当て嵌めようとはせずに、捉え方の幅を持たせていくことで、感性が磨かれていき想像性が磨かれ素朴な出来事に対して喜びを感じることに繋がるのかと思います 目に見えるモノゴトに対して重きを置くのではなくて、目には見えないモノゴトにも注意を向けていくことも大切では無いのかと本書を読んで思いました 怖がらせるだけの"怪談"は今となっては娯楽の一つでしか無いけれども、日本独自の感情や考えが込められている日本古来の"怪談"を読むのはなかなか面白かったです
2投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログ私たちからしたらわりと当たり前な、例えば鏡に魂が宿るようなことを事細かに説明されるのが不思議な感覚。うんうん、そうだよと思いながら読み進めつつ、唐突なポンドヤード法にびびる。 1話数ページなので読書リハビリに良かった。 気に入った話はいくつかあるけれど、現代怪談と違って「いまいち由来や因縁がわからない」「唐突にバイオレンスをお見舞いされる」もの、または「深い情念(主にロマンチックな)から悲劇的な結末を迎えてしまう」ものが自分の好みかも。 現代怪談は小難しくていけない。
2投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログ短編集なので、合間合間に読みやすかったです。 "耳なし芳一"以外、詳しく知らなかったし、少し解釈しにくい部分もあったけど全体的に楽しめました。 昔は仏教がメインだから和尚や坊さんが今より別格な扱いに感じた。施餓鬼という言葉もはじめて知った。亡くなった人の霊や魂を信じているところが日本らしい考え方だなと思った。 --------------------- ↓以下、印象に残ったもの↓ ・死骸にまたがる男 ・果心居士のはなし ・蠅のはなし ・むじな ・ろくろ首 ・雪おんな ・人形の墓
18投稿日: 2025.09.19
powered by ブクログ小泉八雲の本を読むと 言い知れぬ女心が、殿方たちを恐れへと 誘っていたのかな。。。 などと、人の心の恐怖へ誘われるけど。。。 本当は日本女性の純粋さ 想い人を遺して先立つ哀れさ 儚い約束を信じて旅立つ哀れさ その切ない念が小泉八雲を通じて 悲しい運命の女心が切々と綴られていたのが なんとも心が締めつけられる思いだった。 時代背景から心中が多かったこと。 その理由もこの本から知ることができた。 だから、明治以降の文豪たちの作品には 叶わぬ恋ゆえの悲哀が多いのかな。。。 小泉八雲さん 日本は随分と変わりましたよ。 現代の日本人を、どう書き残してくれるかな。。。 どんな神々の音楽を聞くことができるかな。。。
25投稿日: 2025.09.17
powered by ブクログ啓光図書室の貸出状況が確認できます 図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50042819 他校地の本の取り寄せも可能です
0投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログ怪談系の話は好みなものがちらほらあったが、人物像に関しては、よく日本を理解してて凄いなぁと思いながらも読むスピードが遅くなってしまった。
1投稿日: 2025.09.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昨今のエセ日本通よりちゃんと日本をわかっている。 角川の「怪談・奇談」とほぼ同じ。 「怪談・奇談」は四十二編で、こちらは四十八篇。
2投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログ耳なし芳一など怪談で有名なラフカディオ.ハーンこと小泉八雲の作品集.予想していたものより人間の残酷さや心理などが描かれ、日本的な刹那的なく作品だと思う。「影」「日本雑記」「骨董」「怪談」までは読みました。「天の川物語その他」など後半は、また今度にします。 2025年7月30日読了
1投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログかつての国語の教科書に載っていたのっぺらぼうや耳なし芳一、ろくろ首しか読んだことがなかったから、先日川越の紀伊國屋書店でやってるフェアの平台にこの本が置いてあったのをみて、借りて読んでみた。 所謂怪談だけではなく、古来日本を実体験しながらの考察による紀行文のようなものまで収められており、なかなかに面白かった。 ハーンさんが、いや、八雲さんか。この人が明治以降の日本を嘆き古来日本の良さを失ってはならぬと思っていたのを知って、自分が、古来中国と今の彼の国を思うにどうしてこんなに変わってしまったように思えるのだろうと、同じようなことを考えていたのには驚いた。まぁ自分は市井の一庶民だし、ただただ浅い知識と洞察に依ってそう思っているに過ぎず、八雲さんとは全然違うと思うのだが…
1投稿日: 2025.07.13
powered by ブクログ怪談と奇談を中心にした作品集。改版和訳がとても読み易かった。知っているつもりの話もワクワクして読めた。
32投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログ小泉八雲のら名前は知っているが、実際に手に取ったことがなく、初めて読んでみた。 海外の目線ならではの日本の怪談の不思議、ひいては日本文化自体の不思議を平易な内容で描かれている。日本人としては日本を見つめ直すきっかけになりそうな作品集。
1投稿日: 2025.04.20
powered by ブクログ昨年12月の寒い日に松江を旅行して小泉八雲の記念館を訪ねた時の印象が残っていてこの本を読みました。小泉八雲と言えば怪談、というイメージ通りの短編の数々(特に「破られた約束」「幽霊滝の伝説」は怖くて、気の毒でした)、それに今は亡き昔の日本人のイメージ(たとえば「日本人の微笑」で自害する老武士が印象的でした)、そういったものが思っていたよりもずっと豊かな印象を残す本でした。
1投稿日: 2025.03.27
powered by ブクログ朝ドラばけばけの主役になる前に読む。怪談を集めるのが好きだったのはわかる。ろくろ首や耳なし芳一がどういうふうに英語文化圏に紹介されたのかをみれます。日本人は不思議にも思わない表情に着目した比較文化論’’日本人の微笑’’の出来が出色
1投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログ小泉八雲が外国人だったと最近になって知った。 内容は日本なのに文体が訳書なところが、「外国人が日本を舞台にして作ったゲームに感じる違和感」に似て趣があるというか、独特で面白い。 私は「茶碗の中」が特に好き。 ミステリー的な面白さがありながら、丁度続きが気になるところで尻切れ蜻蛉…前につんのめるような感覚。茶碗の中の男が何者なのか、何が目的なのか…何も分からないまま。 今の時代「分からなさ」を「分からなさ」のままにしておくことはあまり歓迎されず、明快であることが大きな価値基準とされている。それはそれで良いのだが、こういった「どうにも消化できない澱」というのは忘れ難く好ましい。 電灯の届かない不気味な暗渠をまざまざと見せつけられる機会は、現代において貴重なものだと思う。 もちろんあの続きを自由に空想するのも面白い。
1投稿日: 2024.08.10
powered by ブクログ日本大好きな小泉八雲(ラフカディオ•ハーン)さん。 1890年39歳のときアメリカ雑誌社の通信員として横浜に上陸。その後島根での生活を通して知った、日本の怪談、民話、文化、生活習慣、様々なものに深く心奪われる。 日本人女性と結婚。 日本に帰化し、日本で生活した14年間を英語教師として過ごす一方で、日本の怪談や日本文化などをアメリカ向けに紹介する本を書かれる。 約130年前来日した八雲さんは、日本をどんな風に紹介し、日本での生活をどんな風に感じていたのか興味津々で手に取った。 小泉八雲集は、ほぼ日本の怪談や奇談の作品集。 有名な日本の怪談もいくつかあり、雪女、耳なし芳一、ろくろ首など改めて読んで、こんなお話だったんだぁとちょっと驚いた。 「日本人の微笑」は八雲さんの論文で、 正直、理解できない箇所もたくさんあったけれど、その中でも印象に残ったのは西欧と日本の微笑むタイミングや意味や習慣の違いから、日本人が誤解され解雇や殺人につながってしまった事件があった事。八雲さんが日本をどれほど愛して理解しようと努力されていたかが伝わってくる。 日本を愛してくれてありがとうと伝えたいな。 あと、すごく不思議だったのは、 好きな人に恋焦がれ、想いが報われず病になり命を落とす幽霊はほぼ女性だったこと。 これって、女性の恨みは恐ろしいってことなのかなぁ…(・・?)うーん、不思議。
27投稿日: 2024.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作者である小泉八雲先生が残した作品集から選び抜かれた作品がまとめられた今作。日本の19世紀の日常の生活や民族習慣、民話や伝説さらには怪談など様々なものが描かれている。 怪談話には、聞いたこともある話がたくさんあり、そのモチーフや最初になった作品なのかな、とも思えた。 また、「日本人の微笑」はとっても興味深い作品であった。これは、小泉八雲が感じた日本の習慣や良いところ、国民性を描いているエッセイみたいなものだった。その中で欧米の価値観である人権の意識や資本主義が導入されると日本人の伝統的な価値観が失われ、貧者への圧倒的な義務を課す社会となるだろう、と予言しており、実際にそのような社会になっている今の日本を鑑みると、ほんとにすごい洞察力をもった作者なのであろう。
5投稿日: 2023.04.16
powered by ブクログ知ってる知ってる この怪談 映画「怪談」の原作だったのか。 浅田次郎のエッセイに 海外旅行で読むべき本は小泉八雲の本 とあったので読んでみた。 理由は忘れたけど、なんとなくわかるような気がした。 昔の日本人が持っていた 男女の愛の深さや 執念、因果、精神的な強さなどが表現された短編。 現代の日本人には理解できないだろうな
1投稿日: 2023.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
和解 京都 衝立の女 死骸にまたがる男 大宿直村(おおとのい) 弁天の同情 京都 大通寺 鮫人の恩返し 近江の国石山寺 瀬田の長橋 三井寺 守られた約束 播磨の国加古の村 富田城 破られた約束 果心居士のはなし 信長 清水寺 近江八景 梅津忠兵衛のはなし 出羽の国横手 漂流 焼津新屋地区 紀州の九鬼 荒坂 金毘羅さま 小川の地蔵さま 骨董 伯耆の国黒坂村 幽霊滝 茶碗の中 江戸本郷の白山 常識 愛宕山 生霊 江戸の霊岸島 死霊 越前の国 おかめのはなし 土佐の国 名越 蝿のはなし 京都島原街道寺町通 雉のはなし 尾州の国遠山の里 忠五郎のはなし 江戸の小石川 土地の風習 九州 草ひばり こおろぎ 耳なし芳一のはなし 下関海峡 赤間が関 おしどり 陸奥の国田村の郷 赤沼 お貞のはなし 越後の国新潟の町 伊香保 乳母ざくら 伊予の国温泉郡の朝美村 西芳寺 かけひき 食人鬼 美濃の国 むじな 東京の赤坂通り紀ノ国坂 ろくろ首 甲斐の国 信濃の諏訪 葬られた秘密 丹波の国 雪おんな 武蔵の国 青柳のはなし 越前の国 十六ざくら 伊予の国和気郡 安芸之助の夢 大和国の十市 力ばか 鏡の乙女 南伊勢の大河内明神 信州の鳥井の池 弘法大師の書 高雄山 五台山 美福門 皇嘉門 心中 灘町 妙興寺 日本人の微笑 赤い婚礼 停車場にて 福岡相撲町 熊本 門づけ ハル きみ子 人形の墓 悪因縁 江戸牛込 新幡随院の墓地 因果ばなし 焼津にて
0投稿日: 2022.12.09
powered by ブクログ怪談が有名な著者だけど、日本人観・日本文化観は日本人として頷けるところが多かった。 悲しいこと、辛いことがあっても、他人にはつとめて笑って見せるその何とない仕草。 急速に変わっていく現代でもみられるこの仕草、八雲が指摘しているような、文化や価値観、日本人の根底から根付いた反応。 これが廃れるのは、おそらくもっと先だろう。
1投稿日: 2022.09.01
powered by ブクログ何度読み返しても素晴らしい。上田和夫の訳も好きだ。「影」「日本雑記」「怪談」などの短編集から選ばれた作品集である。英国人だった八雲は妻の節子から怪談話を聞き、それを英文の本にまとめた。その意味で彼は小説家ではなく翻訳家であって、ほとんどの話に出典があり、他の作家の話を文章に書き起こしているものも多い。有名な「耳なし芳一の話」も元ネタはあるが、似た話は西日本に多く残る昔話で柳田國男は徳島の「耳切り団一」の話として書いていた。私が好きな話は、未完で終わるが故に謎と恐怖が最高潮のままで余韻を残す「茶碗の中」と微笑む日本人の謎について語るエッセイ「日本人の微笑」でしょうか。
2投稿日: 2021.03.10
powered by ブクログ怪談だけではなく、外国人から見た日本人についての考察も書かれており興味深かった。〝日本人の微笑〟を読み、現在の日本人を見て彼は何を思うだろうか?と…。
6投稿日: 2021.03.03
powered by ブクログ怪談話と日本論、48の話しをまとめた1冊。 怪談話では「耳なし芳一」、「雪女」など1度は聞いたことのある話が多数存在。 日本論では作者の古き日本に対する鋭い考察と共に良し悪し含め、日本への深い愛情を感じられる。 現代の日本が昔に置いてきてしまった古き日本への哀愁を掻き立てられる。
1投稿日: 2020.10.04
powered by ブクログまだ暑いうちに怪談を、と駆け込みで読了。怪談話だけではなく、昔話や日本文化の考察などもあり、怖さで涼むという目的とはちょっと離れてしまいました。 明治に来日し、やがて帰化した八雲の視点がなかなかに興味深く、独自の立ち位置が特に注釈によく表れているように思われます。今の日本人にも当たり前に通じる言葉や当時の日本人の価値観を当時の西洋人にも分かりやすく説明していたり、ギリシャ神話に関しては全く注釈が無かったり。八雲から見た「消えつつある日本人の美徳や気質」については現代の感覚からすると首をかしげるところもあり、時代や文化を比較する面白さがありました。
0投稿日: 2020.09.24
powered by ブクログ怪談があまりにも有名で、民話や日本人、日本文化の論考が集められた本だったことにまず面食らった。年譜も興味深い。ギリシャに生まれ、米その他転々とし、日本に帰化。松江で結婚したものの1年余しか暮らしておらず、熊本、神戸、東京に移った。もともと一つ所にじっとしていられない性格のようだ。東大の英語講師を勤め、後任が漱石だったらしい。2020.5.5
0投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日本人に帰化した作者が、英語圏読者に向けて日本のエキゾチズムを紹介した文を、英語を学んだ日本語話者が翻訳したものを、日本語で読む。それも100年越しに。 この面白さ。 (円城塔が「ミミ・ナシ・ホーイチ」と訳して、当時の英米人の抱いた感触を再認識させてくれる翻訳をしている、というので……今後手を伸ばしたいところ。) さて小泉八雲といえば怪談の人、漱石の前任者。 熊本や松江といった私の仕事圏に頻発する人で、いずれぜひと思っていた。 本書は怪談だけではなく、聞き書き、エッセイ、論考、小説っぽいもの、などなどバラエティ豊か。 来日以後の作品を8割がた網羅している。 そして編集の妙。時系列順ではない。 前半に並べているのは、1900年から1905年。 後半に、1894年以降のものを、と逆転させている。 そのため一番最後に「焼津にて」が来る。本書全体のエッセンスのような作品だ。 全体としては怪談の乱れうちのリズムが快かったり、いい話と残虐でエグい話が混ざる割り合いもよい。 個人的に最高傑作だと感じたのは「草ひばり」。 1850-1904年。54歳没。 ■『影』1900(Shadowings) 和解(The Reconciliation) 衝立の乙女(The Screen-Maiden) 死骸にまたがる男(The Corpse-Rider) 弁天の同情(The Sympathy of Benten) 鮫人の恩返し(The Gratitude of the Samebito) ■『日本雑記』1901(A Japanese Miscellany) 守られた約束(Of a Promise Kept) 破られた約束(Of a Promise Broken) 果心居士のはなし(The Story of Kwashin Koji) 梅津忠兵衛のはなし(The Story of Umetsu Chubei) 漂流(Drifting) ■『骨董』1902(Kotto) 幽霊滝の伝説(The Legend of Yurei-Daki) 茶碗の中(In a Cup of Tea) 常識(Common Sense) 生霊(Ikiryo) 死霊(Shiryo) おかめのはなし(The Story of O-kame) 蠅のはなし(Story of a Fly) 雉子のはなし(Story of a Pheasant) 忠五郎のはなし(The Story of Chugoro) 土地の風習(A Matter of Custom) 草ひばり(Kusa-Hibari) ■『怪談』1904(Kwaidan) 耳なし芳一のはなし(The Story of Mimi-Nashi-Hoichi) おしどり(Oshidori) お貞のはなし(The Story of O-Tei) 乳母ざくら(Ubazakura) かけひき(Diplomacy) 食人鬼(Jikininki) むじな(Mujina) ろくろ首(Rokuro-Kubi) 葬られた秘密(A Dead Secret) 雪おんな(Yuki-Onna) 青柳のはなし(The Story of Aoyagi) 十六ざくら(Jiu-Roku-Zakura) 安芸之助の夢(The Dream of Akinosuke) 力ばか(Riki-Baka) ■『天の川物語その他』1905(The Romance of the Milky Way and Other Studies and Stories) 鏡の乙女(The Mirror Maiden) ■『知られぬ日本の面影』1894(Glimpses of Unfamiliar Japan) 弘法大師の書(The Writing of Kobodaishi) 心中(Shinju) 日本人の微笑(The Japanese Smile) ■『東の国より』1895(Out of the East) 赤い婚礼(The Red Bridal) ■『心』1896(Kokoro) 停車場にて(At a Railway Station) 門付け(A Street Singer) ハル(Haru) きみ子(Kimiko) ■『仏陀の国の落穂』1997(Gleanings in Buddha-Fields) 人形の墓(Ningyo-no-Haka) ■『霊の日本にて』1899(In Ghostly Japan) 悪因縁(A Passional Karma) 因果ばなし(Ingwa-Banashi) 焼津にて(At Yaidzu)
4投稿日: 2019.12.25
powered by ブクログ過去の読書会課題本。小泉八雲による代表的な短編を、短編集ごとに整理して、ほぼ発表順に並べたもの。仏教説話や怪談噺を紹介したものだけでなく、日本文化について論じているエッセーも収録しているので「小泉八雲入門」にうってつけと言える。全部で50本近く収録されている。一部で評判のエッセーだが、個人的には明治以前の日本を極端に美化されているような居心地の悪さを感じて、あまり楽しめなかった。
0投稿日: 2019.10.23
powered by ブクログ短編の後のエッセイには小泉八雲の人柄が表れていて興味深い。 灯篭が流れるのを邪魔しないように平行して泳いだり、不幸な少女の不幸を肩代わりしようとしたり。
0投稿日: 2018.10.13
powered by ブクログ新潮社の文庫は有名な作品などを抜粋して美味しいどころ取りみたいなまとめ方をしてくれるので入門には良いですね。(これで気に入ったら個別の正式の作品集を手に入れるので、まずはお試し版みたいな……) 『影』『日本雑記』『骨董』『怪談』『天の川物語その他』『知られぬ日本の面影』『東の国より』『心』『仏陀の国の落穂』『霊の日本にて』それぞれから数編ずつ抜粋収録。 耳なし芳一はじめとする怪談話以外にも、『知られぬ日本の面影』など日本人論も収録されてて、八雲=怪談の人だけではないんだな、というのがよく分かりました。
0投稿日: 2018.01.16
powered by ブクログ古き良き日本を記録した八雲の業績の素晴らしさを実感した。江戸の人々は狐狸妖怪と隣り合って生きていた。そして、八百万の神々とも生きていた。前半は、不可思議な出来事に畏敬の念を抱いて語り継がれた話。有名な「耳なし芳一」が八雲によって保存されたことを再認識した。『日本人の微笑』の中で引用された鳥尾子爵の論文は、今の日本人に忘れられた、日本人のあるべき姿のような気がしてならない。編集の妙もあろう。結びの『焼津にて』は、八雲の言わんとしていることが凝縮されていたように感じた。機会を作って八雲の作品を読もうと思う。
2投稿日: 2017.09.06
powered by ブクログ2016年、32冊目は、小泉八雲。主に、隙間読書で読んでいたもの。 明治23年、39歳で来日したラフカディオ・ハーン。彼が記し、日本を欧米に紹介した作品の、音楽で言うベスト盤的もの。 小泉八雲と言えば、「耳なし芳一」と言われるような、民話などに根ざした怪談系の前半。日本(人)の精神性、宗教感や風習、等を独自検証を交えた後半といった印象。 近代化の中で、その後の高度成長期によって、現在では、絶滅危惧種と化した、彼の心を動かした「日本的」なもの。その復興、復活を声高に言うつもりはありません。しかし、歴史の流れを切り取ったものとして、西洋人ではなく、現代人に紹介したものと考えて読むコトも出来ます。 そして、巻末の解説で彼の幼少期のコトを初めて知りました。彼の根底にあるのは……。それを思うと、深みが増します。
0投稿日: 2016.10.06
powered by ブクログ背筋がぞっとする作品は勿論、摩訶不思議や儚い美しさ、無情、侘、寂、道徳観まで、余韻を残す色彩豊かな48作。怪談のイメージが強かった作者でしたが良い意味で裏切られました。印象的な作品を簡単に。 「衝立の乙女」 一生のあいだ“無情なこと”をしない男など滅多にいない、という皮肉のきいたラスト。 「破られた約束」 男を愛しすぎたゆえに歪んだ怒りの矛先。凄惨な描写は恐ろしいの一言。 「梅津忠兵衛のはなし」 武士たるもの二言なし。約束を順守した律儀な武士に授けられた世代を越えた不思議な力。 「常識」 大切なのは、生きる知恵と確かな常識。IQの高さと信仰心の高さは二の次である。小気味良く効いた毒。 「雪おんな」 監視するために近付いたのか、それとも…? 「心中」 地獄絵図を横切る白い亡者たち。その表情は絶望だけではない。 「日本人の微笑」 謝罪の時、死を前にした時でさえも笑顔を見せる日本人。西洋にはない、と断言した不可解な“微笑”のルーツは何なのか。かつて八雲が来日した際に見た全てを包み込むような柔らかい日本人の微笑を、現代を生きる私たちは残せているのでしょうか…。
8投稿日: 2016.07.13
powered by ブクログ新潮文庫の分類は、大きく「日本の作品」「海外の作品」に分けられてゐます。かつては「草」「赤」「白」などと、岩波文庫同様に帯の色分けで分類されてゐました。トップナムバアの「草1A」は、長らく『雪国』(川端康成)であつたと記憶してをります。 同じく「日本の作品」とされてゐる小泉八雲なる御仁は、元元ラフカディオ・ハーンといふギリシャ生まれの英国人でしたが、来日以後、どうやら日本を気に入つたやうで、日本人女性と結婚し、さらに日本国籍を取得、「小泉八雲」と名乗るに至りました。 しかし彼はその著作を日本語ではなくイギリス語で発表してゐます。その内容も、未知なる日本といふ国を、西洋に紹介せんとする意図のものが大半なので、海外の作品の方がしつくりくるのであります。デビッド・ゾペティさんや楊逸さんのやうに、日本人を対象にして日本語で発表する場合は構はないでせうが。 まあいい。実はそれほど拘泥してゐる訳ではありませんので。『小泉八雲集』が面白ければ問題ないのであります。 小泉八雲は来日以来、多くの著作を精力的に発表してきました。それらの美味しい部分を集めたアンソロジイですので、詰まらない訳がございません。即ち『影』『日本雑記』『骨董』などから、日本各地から集めた怪談話が披露されてゐます。 特に『怪談』は「Kwaidan」として、映画にもなるなど、有名な存在ですな。あの「耳なし芳一のはなし」も収録されてゐます。ああ痛さうだ。ただし、映画版は、『怪談』以外からもエピソオドが選ばれてゐます。 『知られぬ日本の面影』からは、「日本人の微笑(The Japanese Smile)」が収録されてゐますが、いやまつたく、秀逸な日本人論であります。面白い。当時は英国人の生真面目さに比して、日本人の軽さが外国人を惑わせてゐたらしい。戦後の高度経済成長期の日本人こそ、勤勉で真面目と言はれましたが、明治期の日本人は不気味な笑顔をふりまく得体の知れぬ存在だつたのでせう。小泉八雲は、日本人の微笑を分析するには、上流階級は参考にならない、古来からの民衆の生活を知らないと理解できぬと指摘してゐます。昔から日本人は意味もなく(でもないけど)、へらへらと笑つてゐたのですねえ。 日本の庶民を愛した小泉八雲ですが、当時の日本は文明開化から間もない、大いなる過渡期でした。西洋に何とか追ひつかうと、庶民の生活や意識も劇的な変化を遂げる、まさに真最中と思はれます。当時の若い層を中心として、西洋に学ぶ一方、古来の日本らしさを軽んずる風潮を、小泉八雲は苦々しく思つてゐたやうです。 2016年に生きる我々にも、参考になり勉強になる一冊と申せませう。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-627.html
3投稿日: 2016.05.02
powered by ブクログ松江と言えば、小泉八雲。じつは今まで読んだことがなかったんだよね。旅行の前に目を通しておいてよかった。とぼけた味わいで思わず笑ってしまったり、涙が出そうになったり。短くも美しい怪談話にすっかり魅了されました。
0投稿日: 2016.03.01
powered by ブクログはじめてちゃんと読んだ小泉八雲。明治の日本に骨を埋める外国人。他の作品も読みたくなる。日本人がもっと日本人らしかった面白い時代、外国人には日本人がどう見えたか。ペリーに同行した人の話とか本になってないんかな、関係ないけど読んでみたくなった。
0投稿日: 2015.12.02
powered by ブクログ雪女、耳なし芳一・・・。松江に住んだラフカディオ・ハーン、馴染むまでに時間のかかる排他的な町(一旦、親しくなると家族的)で、人々が妖怪のように見えたのではないかと・・・。w
0投稿日: 2015.11.05
powered by ブクログ(2015.10.18読了)(2015.10.15拝借)(1976.07.10三刷) Eテレの「100分de名著」で『日本の面影』が取り上げられました。 かみさんの本棚にあったこの本に、『日本の面影』に収録されている作品もいくつか収録されているので、この機会に読んでしまうことにしました。 ラフカディオ・ハーン、小泉八雲の「耳なし芳一」「雪おんな」などは、読んだことがなくても、映画その他で紹介されるのでなんとなく知っています。 知っているつもりなので、なかなか読んでみようという気にならなかったのですが、読んでみて、かなり面白いことが分かりました。400頁もあるので、つい後回しになっていたのですが、もっと早く読むべきでしたね。 日本以外の人に向けて書かれたのに、日本人が読んでも面白い。日本が西欧化して古い日本を忘れてしまったからでしょうか。 【目次】 『影』(1900年) 和解 衝立の乙女 死骸にまたがる男 弁天の同情 鮫人の感謝 『日本雑記』(1901年) 守られた約束 破られた約束 果心居士のはなし 梅津忠兵衛のはなし 漂流 『骨董』(1902年) 幽霊滝の伝説 茶碗の中 常識 生霊 死霊 おかめのはなし 蠅のはなし 雉子のはなし 忠五郎のはなし 土地の風習 草ひばり 『怪談』(1904年) 耳なし芳一のはなし おしどり お貞のはなし 乳母ざくら かけひき 食人鬼 むじな ろくろ首 葬られた秘密 雪おんな 青柳のはなし 十六ざくら 安芸之助の夢 力ばか 『天の川物語その他』(1905年) 鏡の乙女 『知られぬ日本の面影』(1894年) 弘法大師の書 心中 日本人の微笑 『東の国より』(1895年) 赤い婚礼 『心』(1896年) 停車場にて 門付け ハル きみ子 『仏陀の国の落穂』(1897年) 人形の墓 『霊の日本にて』(1899年) 悪因縁 因果ばなし 焼津にて 注 解説 上田和夫 年譜 ●日本人(231頁) 日本人ほど、生を愛する者はいない。死を恐れぬ者はいない。来世について、彼らは何も恐れない。彼らはこの世を、美と幸福の世界であると思うがゆえに、去るのを悲しむのである。 ●心中(234頁) 恋人たちの自殺は、「情死」または「心中」と呼ばれ、いずれも「心の死」「情の死」「愛の死」を意味する。女の場合、よくそれは女郎階級に起きる。が、時には良家の子女のあいだにもみられる。 ●克己(258頁) 戦場において千の千倍の人間に打ち勝つものよりも、おのれ一人に打ち勝つ者こそ、最上の勝利者である ●公心(259頁) 国民の性情が秩序に向かうか、あるいは無秩序に向かうかは、公的な動機によるか個人的な動機によるかによって分かれる。もしも国民が、主として公心に左右されるなら、秩序は保たれる。それが私心の場合、無秩序は避けがたい。公心とは。正しく義務を守ろうとする心がけである。 ☆関連図書(既読) 「小泉八雲『日本の面影』」池田雅之著、NHK出版、2015.06.25 (2015年10月19日・記) (amazonより) 日常の生活、風俗習慣から、民話、伝説にいたるまで、近代国家への途上にある日本の忘れられた側面を掘り起して、古い、美しい、霊的なものを求めつづけた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。彼は、来日後、帰化して骨を埋めるまで、鋭い洞察力と情緒ゆたかな才筆とで、日本を広く世界に紹介した。本書には、「影」「骨董」「怪談」などの作品集より、代表作を新編集、新訳で収録した。
0投稿日: 2015.10.19
powered by ブクログ今年読んだ本、イサム・ノグチの評伝や、『坊っちゃん』の時代シリーズなどいくつかに、ちらちらとその気配やうしろ姿を垣間見せていた小泉八雲。 これはどうやら呼ばれているらしいぞということで、この夏の課題図書に個人的に選定し、お盆の時期を狙って読みました。 小泉八雲には多数の著作がありますが、この本はそれらの中から数点ずつ選んで編集されたもので、前半は怪談話が、後半は日本人論が主となっています。 怖い話がめっぽう苦手な私ですが、しかも時期が時期でしたが、これはあまり怖くはありませんでした。 一つ一つの作品が短くて、物語のエッセンスの紹介という体であったというのが1点。 そして、怪談にいたるまでの悲劇が、日本人の心情として美しく感じられるものであったからというのがもうひとつの理由であるような気がします。 後半の日本人論などを読んでも、小泉八雲は日本人でも気づいていないような日本人の美点を高く評価しています。 当時、日本という国の理解が西洋の国々にほとんどなされていなかったことを考えると、大変にありがたいことなのですが、どうも必要以上に日本をかっているのではないか。 または、西洋文化に対して思うところがあるのではないかと思わされる節があります。 収録されている「日本人の微笑」の中に、こんな一文があります。 “つまり、相手の慣習や動機を、つい自分たちのそれらで評価しがちであり、それも、とかく思い違いしがちであるということである。” 自分の価値観と違う慣習を、低いものと見がちであることを戒めた文章ですが、小泉八雲の場合は、違うからこそ素晴らしいという方向に振れているのではないかと思いました。 それはラフカディオ・ハーンという人間が、西洋の文化のなかで、常にマイノリティな存在だったこととは無関係ではないはずです。 アイルランド人の父とギリシャ人の母。 ケルト神話を背景に持った土地で育った父と、ギリシャ神話の国から来た母の不仲。 キリスト教では救われなかった幼少期の思いが、日本人の、口に出さない想いであるとか、辛いときこそ笑顔を浮かべようとする心情であるとかに、惹かれたのではないかと思いました。 とはいえ、嬉しくも楽しくもないのに、顔に笑顔が張り付いている不気味な日本人というものを、相手に不快な思いをさせないように、辛い思いを伝えないように笑顔でいるのは、日本人にとっての礼儀であると、きちんと欧米の人たちに伝えてくれたのは、全くもってありがたいことです。 日本人が自ら説明することは、まずできなかったでしょうからね。 日本人の美点はその利他主義にある。 周囲の人が幸せであってこそ、自分も幸せになれる。 明治以前の日本人というのは、そういう人たちだったようです。 他人の幸せのために、自分に厳しい義務を課す。 それが、西洋の文化を受け入れるにつれて、利己主義へと変わって行き、日本人の美点が失われていくことを危惧しています。 実際、私が子どものころよりもなお、利己主義は勢力を強めているように思います。 “イギリス人は生まじめな国民である―それも、表面だけのまじめさではなく、民族性の根底にいたるまで徹頭徹尾、生まじめであることは、だれもが認めるところである。これに対して、日本人は、イギリス人ほどまじめでない民族と比べても、表面はおろか、おお根において、あまり生まじめでないといって、おそらくさしつかえあるまい。そして、少なくとも、まじめさに欠ける分だけ、幸福なのである。たぶん、文明世界の中で、今もなお一番幸福な国民であろう。” え!? これ、日本人のことですか? と、一瞬思いましたが、やはり明治の初めに日本に滞在して、日本の奥地〔東北、北海道〕を旅した女性、イサベラ・バードも日本人は不潔で怠け者と書いていましたから、多分当時の日本人はそうだったのでしょう。 明治政府が推し進めた、西洋に追い付き追い越せ政策のせいで、あっという間に日本人は利他主義を忘れ、笑顔を忘れ、エコノミック・アニマルになってしまったんですね。 そして今、私たちは幸福な国民であるのでしょうか。
4投稿日: 2015.08.17
powered by ブクログ小泉八雲氏について、知っていたようで知らなかったと思い知らされた1冊。「日本びいきで日本に帰化した異国人」だとばかり。昔の日本の怪談の訳し方(長さの単位がマイルだったり)や、日本についての考察などは、紛れも無く西洋人の思考でした。あと、私の好きなとある小説の元ネタを幾つか見つけました。ここだったのか。
0投稿日: 2014.10.27
powered by ブクログ小泉八雲の命日に。 小泉八雲の仕事を誤解していた。創作ではなく収集か。云わば遠野物語だ。真実は古い日本にというけれど,田舎でも松江は好きで熊本は嫌いとか,それが分からないな。恨み,妬み,嫉みを生むのもまた人間。離縁した女房の霊が何故怖いのか?己の思慮が立身のみだったことを男が悔いているから。一番印象に残るのは比較的長い「赤い婚礼」。両親の決めた早い結婚によってその後いろいろ不幸がおこる。不義の関係やら情死やら。不倫の果てに文字通り村八分になって壮絶な心中沙汰の末に果てる。でも二人を手厚く葬るのもまた村人。田舎の情は時に残酷。
0投稿日: 2014.09.26
powered by ブクログ小泉八雲の諸作品を一冊にまとめたもの。「怪談」のような話、民話もあれば、当時の世のなかの様子を書いたようなものもあり。「日本人の微笑」などは、多分にハーン自身のエキゾチズム的な印象も影響していると思うが、現代にも通じるような、それでいて通じないような日本人観がうかがえて面白い。たとえば、以下のように書いていたりする。 「日本人は、イギリス人ほどまじめでない民族とくらべても、表面はおろか、おお根において、あまり生まじめでないといって、おそらくさしつかえあるまい。そして、少なくとも、まじめさに欠ける分だけ、幸福なのである。たぶん、文明世界の中で、今もなお一番幸福な国民であろう。」(p.246) その他の作品は総じて、人から聞いた話というスタンスで書いているのが特徴だろうか。この距離感が異邦人としての立場からくるものなのか、あるいは親の愛に恵まれていなかったという生い立ちも影響していたりするのだろうか。 怪談や民話のような話を読んでいて思ったのは、女性が主人公のものがないということ。女性が際立つ物語でも、業突く張りだったり男を惑わす悪女のようにして登場する。自分が小さい頃から触れてきた日本の物語もその類のものばかりのような気が。 また、グリム童話なども一般になじんでいるのは子ども向けに翻案されたもので、実はもっと怖かったりえげつないとされるけれど、この本のなかの怪談や民話も同じように、すくいようのない話だったり、「あれ、これで終わり?」のようなものがわりと多かった。
0投稿日: 2014.04.29
powered by ブクログ人から聞いて書いた話と実体験に基づいて書かれた話の境目がわからなくなることがあった。先に解説を読んで、参照すれば良かったんだけど。
0投稿日: 2014.02.03
powered by ブクログ20140122読了。 小泉八雲といえば『耳なし芳一』や『雪女』などの怪談話。 男女の色恋沙汰が絡み合うと、なんて恐ろしい話になるんだろう。 でもそれだけではない、ちょっと心温まる話もある。 八雲の視点から見た日本観察や日本文化についても、なかなか面白い考察。美化しすぎな面もあるが。 当時と現代日本とかけ離れてしまった風習もあるが、でも、根底では共通項がまだまだある。改めて日本とは日本人とはということを考えた一冊。
0投稿日: 2014.01.23
powered by ブクログ大変楽しく読めた。いずれの話も短編であった。 中でも著者の考え方がすんなり飲み込めたのは「日本人の微笑」である。これはその通りであろう。 またその他にも良い話は多々あった。(本書を読み終わったあとでは、良い話と感じる自分もなんだかおかしな人間かと思えてくるが、)日本の心中に関する幾つかの話が自分にはひどく興味深かった。本当に我々は宗教を混ぜくたにしてしまっているのだな、という事を改めて認識せざるを得ない。混ぜくたに、というよりは都合の良い形に変えて取り込んでいるというところであろうか。そういう点では山本七平著の「空気の研究」と少し重なる部分も見受けられる。詰まる所、日本人の特異性はそこに集約されるという事なのか。…それは少し早計かも知れない。 何れにせよ良い本であった。著者の別の本も読んでみたいと思った。
3投稿日: 2013.09.06
powered by ブクログ初めて小泉八雲の小説を読みました。 上田秋成っぽい雰囲気です。いくつか似ている?話もあったりして……江戸の怪談小説のような。 どれも気付いたら世界に引き込まれていて、「主人公どうなる?!」というものが多くて楽しかった。実写にしたら相当な恐さがありそうなものもありましたが。恐さと、ファンタジーが同居しているような、ホラー? だけではないどこか幻想的な雰囲気がとても自分好みでした。良かったです。
0投稿日: 2013.06.27
powered by ブクログ八雲を通して視る、美しく、旧い、かつての日本たち。 実情はここまで美しいものではなかったのかもしれない。 けれど彼の目にはこう見えていたのだろう。
0投稿日: 2013.05.14
powered by ブクログ有名な「耳なし芳一」など幾つもの短編が収められている。 小泉八雲は怪談で有名だが、単なるミステリーということではなく、古の日本にて死や自然の畏怖にどのように対峙していたのか、と考えながら読み進めると、小泉八雲の功績が理解できるような気がする。 死に対する恐怖や畏怖を妖怪や幽霊を通じて生活に組み込もうとした、共存しようとした。 また、そこには生きる上での教訓も含まれている。 キリスト教の世界から奇異に映り、必ずしも仏教の精神でもない。 脈々と受け継がれてきた日本独特の死生観、自然への畏怖を感じる機会を与えてくれたような気がする。 「日本人の微笑」は、西欧人からみた日本の精神の素晴らしさを著しているものであり、明治維新に西欧一辺倒になることへの警鐘でもあり興味深い。 明治時代の小泉八雲の以下一文は今でも色褪せない。 以下引用~ ・現在、日本の若い世代の人達がとかく軽蔑しがちな過去の日本を、ちょうどわれわれ西洋人が古代ギリシア文明を回顧するように、いつの日にか、かならず日本が振り返って見る時があるだろう。素朴な歓びを受け入れる能力の忘却を、純粋な生の悦びに対する感覚の喪失を、はるか昔の自然との愛すべき聖なる親しみを、また、それを映していた今は滅んだ驚くべき芸術を、懐かしむようになるだろう。かつて世界がどれほど、光にみち美しく見えたかを思い出すであろう。 古風な忍耐と献身、昔ながらの礼儀正しさ、古い信仰のもつ深い人間的な詩情、こうしたいろんなものを想い悲しむことであろう。そのとき日本が驚嘆するものは多いだろう。
0投稿日: 2013.04.29
powered by ブクログ「乳母桜」少女の身代わりで亡くなった乳母が桜となって開花する。 「十六桜」切腹した侍の魂が桜となって毎年、その命日(十六日)に開花する。
0投稿日: 2013.03.22
powered by ブクログ怪談を子ども時代に読み、日本人の微笑を高校時に英語の授業で読まされていたが、八雲は小説家ではないのね。 日本が受け継ぎ、育てて来たぼんやりした曖昧さ、前世からの因果、来世まで見越した関係が支えていた共同体の肝は西洋一辺倒で失われたのか!?自己主張はグローバル社会に必要でも周りとの関係や過去と未来への時間の流れまで心に留めておく根っこは西洋人に指摘されるまでもなく待ち続けたい。
0投稿日: 2013.01.23
powered by ブクログ「日本人の微笑」を読んで、以下の感想。悲しむべき時、など欧州人ならば笑えない時でも日本人は微笑を絶やさない。これは相手を小馬鹿にしているわけではない。笑いは自己を抑える礼節なのである。意味的には「あなたはこれを不幸なことと考えるかもしれませんが、どうかこんなつまらないことでご心配せずに。このようなことを耳にさせて申し訳ありません」。 つまり、「私」を捨てて「公」の立場に常に立てる。現在でも当時程ではないかもしれないが、この日本人の特性は残っていると思う。普段はあまり気にかけないことをこの本は気づかせてくれた。「明治は美しかった」、本当にそう思えた。
2投稿日: 2013.01.06
powered by ブクログ明治の頃、実際にあったお話です。 強盗に入り捕まった犯人が、連行中に警察官を殺して逃走した。 やがて捕まった犯人は巡査に引き連れられて、停車場に降り立った。 この犯人を見るべく多くの人々が駅前に集まった。 その時突然、、巡査が「杉原おきびさん、来てますか」と怒鳴った。 すると背中に子どもを背負った婦人がしずしずと前に出てきた。 殺された警察官の寡婦である。 「ぼうや、これがお前のお父さんを殺した人だよ。 ぼうやを可愛がてくれるはずのお父さんがいないのは この男のせいだよー」 母の肩越しに怖そうに見つめた男の子はやがて泣きだした。 と、いきなり、縛られたまま犯人は地面に顔をこすりつけ、 「ごめんなさい、坊ちゃん。 恨みがあってやったわけじゃございません。 逃げ出したいばかり、怖くてやってしまったのです。 ほんとうに悪いことをしました。」と叫んだ。 犯人を引き起こし立ち去っていく巡査に涙があった。 そして、あたりにいた多くの人々がすすり泣いていた。 その場に立ち会わせたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は この様子を見、心から驚き、感動した。 彼は当初、群衆が怒り狂って罵詈雑言を発するさまを 想像していたのである。 明治26年のことです。 ※ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「停車場で」より 当時、日本国民は本当に貧しかった。 貧しく、ひもじいがゆえに、こらえきれず悪の道に踏み込んだ人もあった。 犯人のおかれた境遇が、心情が 当時の人々の心に、すうーと入ったのである。 まさに「罪を憎んで人を憎まず」という言葉が そのままに受け入れられた時代だった。 さて、こうした事が現代の日本にあったらどうでしょうか? マスコミが騒ぎ立て、群衆は騒然とするのではー 今の日本人には何か大切なものを 忘れてしまったような気がするのは私だけでしょうか?
0投稿日: 2012.11.22
powered by ブクログ怪談ばっかりかな、と思って手にしたら日本人論ありエッセイ的なものもありバラエティに富んだ一冊でした。外国人向けの注釈訳が載っているのもいいです。外国人から改めて、古い日本を教えて頂いた心境。今の日本人は著者にとってどうだろう。嫌いかな?そんなことを思いつつ「日本人の微笑み」を読んだらまだ日本人の根っこに染み付く変わらない「笑み」を発見。外国人から不快と取られる「微笑」の本質を逆に教えられました。現代人の語る「怪談」は心がなくて好きではないけど、この本の「怪談」は哀しくて時に優しくてどこか曖昧で、好きです。
0投稿日: 2012.11.19
powered by ブクログさまざまな「話」の原形、とくに日本人の特徴的な情緒をあらわす小さな話が一挙に読めてたのしいです。恨み、思い残し、約束、不実など、Godのない日本の近世でなにが道徳や美徳の基準であったのか、また、そこにたしかに模範とされる基準があったことを感じられます。
0投稿日: 2012.10.27
powered by ブクログ小泉八雲の作品を読んだのは子供の頃以来か。 やはり年齢によって感じ方は異なるものだ。 とても丁寧に日本の伝記。。主に怪談だが。。を作品にしていっている。 会談ではないが 日本と西洋の文化の違いを論じた日本人の微笑は 現代にも通用する素晴らしい論説。 一度読んだことがある方ももう一度読んでみてもいいだろう。
0投稿日: 2012.09.23
powered by ブクログ子供の頃、アンソロジーでちょっとだけ読み、 大人になってからはグーテンベルク21でテキストファイルを購入し ――で、一冊ぐらいちゃんと……と思い立って買ってみた。 複数の作品集からピックアップした選集という感じの本で、 怪談・奇談の他、日本文化に関する随想を収録。 なかなかの読み応え。 日本人男女の心中(lovers' suicide)に 強い関心を抱いていたらしいことが興味深い。
0投稿日: 2012.07.05
powered by ブクログ小泉八雲の怪談・エッセイ・論評など48編から成る短編集です。「雪おんな」や「耳なし芳一」といった有名な作品以外の作品も是非ご覧ください。日本の美しさを改めて感じていただければ幸いです。
0投稿日: 2012.05.31
powered by ブクログこの本を読んで私は、小泉八雲は、日本に来てほっとしたのではないかと思った。 もちろん、当時の日本が素朴で純粋な人々が住む理想郷のような所ではあるわけなかっただろうし、八雲もそれを痛いほどわかっていただろう。 むしろ、ことあるごとにこの極東の国に失望しては胸を痛めて、こんなところもう嫌だ、もう嫌だ、と思っていたかもしれない。 けれど、それでも八雲はやはり、どこかで日本に心安らいでいたのだと思う。でなければ、私は彼がこれほど日本の深いところに共感できたとは思えないのだ。 彼は日本での生活に「平穏」を見つけたのではないか。 それは言うなれば、彼の「影」のようなものだったのかもしれない。彼はこの極東の島国でやっと、自分に健気についてくる「影」を見つけたのではないか。 八雲は日本の霊的なものを愛したという。この本にも、八雲が収集した怪談が収録されている(有名なのはやはり、「耳無し芳一」だろう)。 霊的なもの、というのは言いえて妙である。自然を超越したものでありながら、もっとも自然的なもの、というかんじだろうか。精神的な意味での風土、というような。 それは、彼の小さきもの、こまごまとしたもの、幼きものへの愛情がよく表していると思う。 この本に収録されている中ではやはり、「日本人の微笑」にもっとも感動した。 日本人の中に息づく精神を、丁寧に細やかに、そして夜明けの光のように優しく描いた、素晴らしい評論である。
4投稿日: 2011.12.12
powered by ブクログ日本について英語で書かれて和訳された・・・というまるで逆輸入のような本(笑)。日本の美しさをこれだけ生き生きと描いているものはそうはないでしょう。
0投稿日: 2011.10.02
powered by ブクログ小泉八雲の怪談・奇談、日本観察及び日本文化に関する作品を集めた48の短編集。シンプルで読みやすい。静謐とした恐怖、日本文化に関する深い造詣と思慕が伝わってきます。当時の東大生、八雲に教えてもらえたんだよねー・・そしてその後任が夏目漱石。うらやましすぎる、当時の東大生。
3投稿日: 2011.08.07
powered by ブクログ日本の和風ホラーはこの人なしに語れない。 日本に対する愛があふれた作品ばかりでした。 それでいて、客観的に日本を批判したりするところも良い。
0投稿日: 2011.06.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
元々、日本の怪談話とか民話が好きなので楽しく読めた。 文章のテンポもよくて(文章は翻訳家によって変わるのかも)、個人的には読みやすかった。 特に、"日本人の微笑"は日本人が意識していない視点から書かれていて、日本人の自分がそうなのかと納得してしまった。
0投稿日: 2011.04.09
powered by ブクログ小泉八雲といえば、怪談。日本人ではない(日本人に帰化したんだっけ?)小泉八雲に、日本の古い怪談を教わるというのはなんだか不思議なものです。しかし、ホラー映画や心霊写真など、むやみに恐怖心ばかり煽る現代のメディアの中にあって、古くからある日本の怪談を、活字でじっくりと読むことができるのは、小泉八雲のおかげです。 実際のところは、小泉八雲は海外に日本のことを紹介するために、こういう怪談等を発表したわけですが、それが巡り巡って、現代の日本人が自分の国の話を知る一助になってしまったというのは、なんだか皮肉ですね。 『耳なし芳一』『雪おんな』『ろくろ首』『食人鬼』『牡丹燈籠』などの怪談を初めて読みました。 で、思ったのが、日本民族というのは本当に【情】に重きを置く民族であって、どの怪談を取ってみても、ただむやみやたらに人を呪うだとか、化けて出るだとかいうわけではなく、この世に遺した恨みつらみや恋心なんかが話の筋にあるということ。 だから幽霊やお化けの気持ちが分かるんですな。もちろん全部、架空のお話ですが、あながち江戸時代には本当にこんな話が事実としてあったのかもしれないなあと妙に納得する自分がいて。 小泉八雲の怪談は、決して気を失うような怖い話ではなく、古き日本人の深層心理をよく捉えたお話です。読み物としても非常におもしろい。上田和夫さんの日本語訳も抜群にうまいんでしょうなあ。 とりあえず夏場なので、皆さんも読んでみてはいかがかしら。意外な発見をするかもしれませんよ。
0投稿日: 2010.07.04
powered by ブクログちょっと日本に夢見過ぎというか、美化しすぎなんじゃないか? キリスト教への嫌悪感と神秘主義への傾倒があったようなので、日本のアニミズム的神道や悠久の輪廻たる仏教に魅せられた、ようだ。晩年は日本に失望していたらしいが。 紹介してある話は雨月物語や今昔物語から持ってきている様子。 「ヘブライ語による旧約聖書の歌唱」というCDを聞きながら読んだが、雰囲気があうことあうこと…
0投稿日: 2010.05.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
きっかけは二宮ひかるの作中に記述があったから、たまたま借りた本であるがその内容と同一のものが載っかってて良かった。思ったよりも残している作品が多いのもこれを読んで初めて知った。 あとがきによると小泉八雲は元々霊的なものとかに興味があるといっているらしく、確かにその内容はどちらかと言うと幽霊を扱ったり、輪廻の話を持ち出してくる展開が多かった。またよくある昔話のネタもあった、自分の読んだ頃の絵本なんかはけっこうコチラのほうを元にして作られててもおかしくないくらい同じだった 単位をポンド・フィート・マイルとかで表してるのがちょっと違和感があっったけど、それは序盤のきっかけで、西洋的(今では普通の?)ツッコミとその回答が物語の意味を理解するのに大きく役割を果たしている。最初の方の短編は特にそうであるが、小泉八雲の考察とその隣にいた友人の解説が、物語のオチや流れについてどの程度つながっているかを今の自分を含めてよりなんだったのかをみせてくれた。 後半から入ってくる中編は日本人論があったり、よりスパンの長い物語をかいていた。おそらく古くからある昔話を西洋の解釈で噛み砕いた後、出版され、それを今の現代語訳に直したことでここまで読みやすくなったのだと思う。
0投稿日: 2010.05.11
powered by ブクログ古き日本に魅せられた一人の外国人ラフカディオ・ハーン 彼が、彼の時代の全ての外国人、日本人が感じていたであろう新しい文化に触れ合う まさに、かるちゃあしょっく 「停車場にて」という話で 人として当たり前であろう 子どもに対する想いが綴られ 「微笑み」という話では 日本人の争いを避ける笑顔について、日本独特であるという結論を出したり 違うなぁと思う点もあり、共通する点もあって 国や年代を超えているのに、理解に至れる感覚はすごいモンだ 人間っておもしろいなぁと思った
0投稿日: 2010.03.18
powered by ブクログ●2009年8月読了 小泉八雲の48編の短編集。 「日本人の微笑」や「耳なし芳一」などの有名なものから、エッセイなど多様な作品を収録。 八雲の愛する日本の心が、今は失われているような気がしてならない・・・ この中で特に印象に残っているのはなぜか鮫人の話。 鮫人って人魚なのかなぁ。涙が宝玉になるなんてすごいなぁ。 いくら好きな人にあげたいからって鮫人に泣けって強制するなんて、なんて現金な主だ。
0投稿日: 2009.09.03
powered by ブクログ文章の書き方が面白い。 ラフカディオハーンと知りつつ、ギリシャ人だとは知りませんでした。 意外とグロい感じでありつつ、 見聞きしたものだから、理由はしらねー的なフェイドアウトもなかなかおつ。 とても日本に誠実な文章の書き方をする人。 つか頭相当いいんだろうなっつー感じで。 かっこいいっす。八雲はん。
0投稿日: 2008.06.09
powered by ブクログまーほとんど民話が基になってるんで、ぶっちゃけそんなに面白い話があったわけではないと思うし、あんまり覚えてない(笑)のですが、ハーンの感性が日本人的だったのかなぁ、なんて思いました。『草ひばり』と漱石の『文鳥』なんかを比較してみても楽しいかも、です。
0投稿日: 2008.03.01
powered by ブクログ小泉八雲(ラフかディオ・ハーン)が集めた日本の古典怪談。「雪女」「むじな」「耳なし芳一」といった有名どころから地方の民話まで収録されているので、古典怪談入門の書としても良いかも。じんわりとした静謐な美しさを湛えた一冊。外国人から見たニッポンの姿に注目。
0投稿日: 2008.02.21
powered by ブクログ雪女のお話、こわいですねえ。かなり以前に読んだ本を、記憶の中の本として読書ノートにして思い出す作業をしています。壇ふみさんが出演してハーンのTVドラマありました。
0投稿日: 2008.02.02
powered by ブクログ日本人ならではの美しさを、美しくすっきりと書いてあるのに魅入りました。 今ではもう見られない美しさだと思いますが。
0投稿日: 2007.09.02
powered by ブクログメジャーな「耳なし芳一」とか、「雪おんな」の話だけじゃなくって、日本古来の日本人の心情が詰まっている作品集。 夫がとても気に入ってる古い文庫本を、昔薦められて読んで、驚きに似た、しかし静かな感動を覚えました。
0投稿日: 2007.06.08
powered by ブクログ話は良かったのだけれども、そこは矢張り外国人であるからなのかなぁ。 日本独特の文体の美しさというか、雅さというか。それがなかった。欲しかったなぁ。素材がよだれがでるほど旨そうなだけに。。
0投稿日: 2006.05.26
powered by ブクログ小泉八雲ことラフかディオ・ハーンの怪談話集である。いろんな都市伝説やら心霊話が溢れる現代においても小泉八雲の怪談は独特の怖さのようなものを読み手に与えてくる。純粋に一人で読んでいるとジワジワとくる怖さ。日本の怪談話の魅力のようなものを教えてくれる一冊。
1投稿日: 2005.06.07
