
総合評価
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powered by ブクログ友達でも恋人でもない、でも確かにお互いの世界の一部。 この2人の関係を何と呼ぶべきなのか? 互いを思い合う気持ちは確かにあって、ただ静かで繊細で激しく、そしてどこか危なっかしい。 丁寧に描かれる交流を目にする度に何故か背筋が粟立つ感覚を覚えた。そこには底知れぬ愛が確かにあって、それがこの関係に名前など必要ないと言っているようにも思えた。 賛否ある結末で感じたのは希望半分、切なさ半分。現実ではなかなか奇跡は起きないけど、この2人のように想いが届く瞬間があるのかもしれないと少し信じたくなるような、そんなラスト。 私もいつか誰かに「光のとこにいてね」と言えるような相手と出会うだろうか、それとももう出会っているのかな。 煌々とした光ではなく、柔らかくあたたかく差し込むような光を思わせるタイトルが読後の心に沁みた。
10投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログとってもよかったᐡ т · т ᐡ 初めて読む作家の方だったけど文章の雰囲気も物語の内容も素敵で読み始めて序盤の方ですぐに私の好みの本だって思った。 穏やかなところや暗いところ、キラキラ輝いているようなところがそれぞれ繊細に描かれていて情景が浮かびやすくて読みやすかったのと、楽しい話!ってわけではないんだけど、とにかく話の系統が好きすぎてゆずとかのんの二人の行く末がどうなるのか気になってわくわくしながら読めた。 女の子同士の友情を超えた、恋ともまた違うような特別な関係にも魅力を感じて引き込まれた。(読み終わってから帯を読んで恋のなんたらかんたらって書いてあったのを見て恋なのか!って思ったけどもっと運命的なものに感じた) なんとも言い表しがたいこの二人の関係性の表現の仕方が、私にとって新鮮でとにかく面白かった。 最後の二行が泣いてはないけど泣きそうになるくらい、心にじわっと染み込むようなあたたかさ、ときめきみたいなのがあってなんて素敵なラストなんだ〜〜!ってなった。 ただどうしても引っかかったのがゆずとかのんはまだいいとして他の登場人物の凝った名前が気になりすぎて、なんでこの名前にしたんだろう、、って読む度に気になっちゃって気が逸れたのがちょっと残念だった。 こだわるのも素敵なんだけどほどほどによくある名前の方が内容に集中できて楽しめる、、、 自分の中の好きな本ランキングに上位にあがってくる本に出会えた! のんびり読みすぎて時間かかったけどいい読者時間を過ごせた。 読みながら、あーこの本のこの感じ好きだなあと思いながら読めるのが本当に幸せだったので良い本に出会えたなと思う。
7投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログ久しぶりの、魂が揺さぶられるような感覚。 こういう小説に出会うために、本読んでいるんだよなぁと思える作品だった。 世界でたった二人だけ、お互いだけの「共有」がある作品がやっぱり好きなんだなぁ。
2投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログ生まれ育った環境の違いからして、本来ならば出会うことのなかった二人が、ある日運命的に出会ってしまう。 果遠と結珠の出会いから、別れと再会を繰り返す二人の運命がとても切なく描かれていました。 村山由佳さんの解説で、互いが永遠に特別になる過程を〈説明〉ではなく〈描写〉を重ねて描ききったと書かれていましたが、まさにその通り。多くを語らなくても、風景や表情などで物語に引き込まれていく感覚がありました。 「光のとこにいてね」の意味が、だんだん変わっていく過程も切なかった。ラストの結珠の決意のこもった行動がとても好きです。やはり一穂ミチさんの作品は美しい!新作も楽しみです。
18投稿日: 2025.11.07
powered by ブクログ「光のところにいてね」 それは自分から見えるところにいて欲しいという意味もあるけど、光のある安全なところで、だったり、光のあるような幸せに満ちてるところで、みたいな相手を想う愛情溢れる言葉だったのかなと 愛だな 最近の寒さでやられてた心が一気にほかほかになった いやーーー愛だな
0投稿日: 2025.11.07
powered by ブクログ面白かったです。幼少期に受けた衝撃が鮮烈な記憶となって残り続け、ある時は背中を押し、ある時は呪いに形を変えて彼女たちを翻弄する様子にドキドキさせられました。 真逆だからこそ、お互いに欠けたものを深いところで欲し続けているのだろうなと、切なくもどこか情熱を感じました。 本当の愛と自由は何なのだろうと考えさせられました。
1投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログどこが好きですか? どこのフレーズがいい? と、聞かれても上手く答えられないけれど、この本は凄く好きなんです。 最初の章で「あ、光のとこにいてねってそういう意味だったのか!」と思ったけれど、章が進んでいくにつれて意味も変わってきて… こんな深い意味だったのか…、と思わず息を呑みました。 この本を読んでいる途中、YouTubeでピアノのカノンを流すことにしました。 曲と相まって涙が出そうになって…。 結珠ちゃんと果遠ちゃんが、もう離れ離れになりませんように、と、そればかりを祈ってしまいます。
9投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ『光のとこにいてね』は、「恋愛」という言葉では括りきれない、“愛”そのものの物語だった。 誰にも踏み込まれたくない、2人だけの世界で生きていたい──そう願うほどに、2人は強く惹かれ合っていた。けれど、どうしようもない理由で何度も引き離される。それでも再び出会ってしまうのは、2人にとっての幸福でありながら、同時に家族にとっては“今までの幸せ”を壊す始まりだったのかもしれない。 「光のとこにいてね」という言葉は、ただ相手の幸せを願う祈りのようでいて、同時に“そこに自分はいけない”という寂しい線引きでもある。光の側にいる相手を見上げながら、陰に立つ自分の想いを静かに包み込むような、切なくも美しい言葉だと感じた。
3投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログ「光のとこにいてね」って優しくて残酷な言葉。明るい、あたたかいところにいてほしいという祈りが込められた愛情である反面、私とは居場所が違うっていうある種拒絶というか線引きな気がしてしまった。 光のところに立ったら影が生まれるように、その光に照らされて自分の醜さも全て明るみに出されて隠れる場所がなくなる。 果遠の言う「光のとこにいてね」は、光に照らされて、嘘偽りのない真っさらなあなたでいてねという願いだったのかな。光のとこにいられたから、ラストの結珠はあの選択をとったのかな。
1投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログ2人の少女の視点で交互に物語が進んでいく。 幼い彼女達の生活に垣間見える 黒くて危うい部分が見え隠れして、 読んでいて切なくなる。 彼女たちが成長し、 その黒い部分の意味も分かってきて、 分かったからこその痛みや苦しみの描写もまた切ない。 2人が永遠に光のとこにいてくれたらいいなと思う。 誰かの幸せを願うことが、こんなに尊くて胸が苦しくなるんだと、切ない物語だった。
0投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログ主人公2人の揺れ動く心の機微をとても丁寧に描いていて、何度も胸が苦しくなった。 また、人を想うことの喜びや切なさ、やるせなさ、何より尊さを感じさせてくれた。 2人で遊んだ公園や、高校から見た虹、海など、どの景色も2人を通して見るとさらに儚く美しく感じたし、ピアノの調べや雨音も効果的だった。 タイトルでもあり、作中何度か出てくる「光のとこにいてね」の台詞がとても印象的。 ラストも好きだった…
14投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログただただ「好き」という言葉では言い表せない。愛の物語。誰にも知られたくない、この人だけにわかってほしい。私にもそんな相手がいたら...そう想像せずにはいられない物語でした。
0投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログその後の2人がどうなったのか、余韻が残るラスト。これは恋愛なのだろうか、違うのであれば、なに愛なのだろう……。 出てくるお互いの旦那様がいい人すぎて、私なんかは勿体ないことするなー、なんて思ってしまうけれど、それこそ愛というものはその2人にしかわからないものだと納得する。 光と影の使い方だけでなく、雨や海の音、匂いなどなど……風景が心情と重なって印象的な描写が多くありました。
29投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ小学生の頃に出会った少女二人の25年に渡る物語 --------------- ――切ないほど美しく、激しい愛の物語 うらぶれた団地の片隅で出会った 小学2年生の結珠と果遠。 正反対の境遇に育ちながら、 同じ孤独を抱えるふたりは強く惹かれ合うも、 幸せな時間は唐突に終わりを迎える。 8年後、名門女子校で思わぬ再会を 果たしたふたりは――。 人がひとを想う気持ちを最高純度で描く、 本屋大賞3位、キノベス2位、直木賞候補、 島清恋愛文学賞受賞と、 大きな話題を呼んだ傑作長編が文庫化! 単行本の初回特典だった掌編「青い雛」収録。 解説:村山由佳 --------------- 裕福な家の結珠(ゆず)と、シングルマザーで団地に暮らす果遠(かのん) 二人の偶然の出会いから、不意に突然訪れた別れ、そして再会という7歳、15歳、29歳と四半世紀に渡る物語 二人の関係を友情や百合、シスターフッドという言葉に当てはめると、はみ出す部分や足りない部分が出てくる 大きく違うように見える二人だけど、共通点は母屋からの抑圧 または、方向性は違うが俗に言う毒親というやつ 果遠の母は、自然派とでも言うべきか、市販のシャンプーすら使わせずに酢と塩で代用させるほど 結珠の母は、教育虐待の一歩手前くらいの習い事の強要をしている また、結珠が嫌な事を敢えてさせるという、明確な虐待とは言えない程度のいやらしさを兼ね備えている しかし、その実態としては子供への無関心も兼ねている だからこそ、本来は子供を連れていってはいけないような男の元に連れて行っては外で待たせるような事をする そんな二人に不意に訪れる別れ 別れの言葉になるとは思わずに発せられた「光のとこにいてね」という言葉 尊いなぁ 2章で高校生になってからの再会 それぞれ。子供の頃とは違って第三者の助けがあるので読者としても若干の救いがある 果遠にはチサという隣人の女性のおかげで母からの指示に背いても生きていける強さを 結珠には藤野という男性が、母に自分の思いを伝える勇気を お互いは寄り添い合いたいのであって、助け合いには至らないという事なのだろうな そしてまた訪れる別れのとき このときは、「光のとこにいてね」という言葉を明確に別れの言葉として使っている でも、また会う機会がある可能性を願っているように思う そして3章 これがメインのエピソードとなる それぞれ29歳になり、夫もいる 果遠は瀬々という娘も また、結珠には弟ができていたようで…… それにしても、結珠の母親の行動は酷すぎないか? 子供の頃に結珠を団地に連れて行くのもそうだし(せめて自分一人で勝手に行けばいいのに) 夫とその息子にいい顔をするため、結珠に過度の教育的な期待をしたり 果ては、弟くんにもバラすし、問い詰められると開き直るし 弟くんも可哀想すぎないか? あと疑問なのが、父親は知ってるのだろうか? 薄々気づいているようにも感じるのだが…… その上での無関心のような気がする 様々な登場人物の仲で、瀬々は救いだな 水人も重い荷物を背負っていたけれども、瀬々もいるし、これからは大丈夫なのではなかろうか? 果遠の選択には驚く まさかそこまで覚悟するとはね でも、結珠も結珠で、昔とは違うところがいいよね 「冷静と情熱のあいだ」のようだという人がいたけど、私もそう思う まぁ、ある意味でネタバレですねぇ あと、藤野の寛容さも良い 弟くんを邪険に扱わない理由を、お金と空間に余裕があるからと言っていたけど そう思える心の余裕が一番大事何だと思う 何より、結珠の選択を後押しするところがなー 結珠の事を好きだし大事だけど、結珠の一番が自分じゃなくても良い むしろ、「果遠の事を想っている結珠」ごと好きなのだろうな このメンタリティは私が好きな小説のパターンの一つだと思う 音楽用語としての「カノン」 同じメロディをずらして繰り返す事 日本語で言うと、輪唱 1章2章では追っかけていくのは果遠だけど、3章で同じメロディになった感がある そして最後は逆にねー このネーミングセンス そして何より、「光のとこにいてね」という言葉が素敵 ただ単に場所の意味でもあるし 明るい人生を送ってほしいという願いでもあり 自分が見つけられるようにしていて欲しいという祈りでもある 読んでいて、「ののはな通信」(三浦しをん)も女性二人の長年に渡る関係性を描いていたなぁと思い出した あっちはあっちで運命の人ではあるんだけど、個人的にはこっちの方が物語のテイストとして好み ちなみに、文庫の初版には漫画家・志村貴子さんのイラスト栞が付いている 「結珠」と「果遠」の2パターンのどちらかで 私は果遠の方だった あと、書店でたまたまサイン本を手に入れられたのも嬉しいかな
2投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最高でした。 どんどん読み進められる一方で読み終わりたくなかった。 他の誰にもわかってもらえないだろうし、知られたくもない感情ってあるよね。社会的に正しいことだけが全てじゃないし。 メイクや服を見繕って、校章をとりあげて、ゆずが気持ちを吐露して、口紅を薄めるシーンはとてもすてきでしたね。ラストも最高でした。 高校生編が好き。チサさんが好き。 母親の問題とか、一度は引き裂かれる展開は少し凪良ゆうさんの汝、星のごとくのようで、こちらも大好きな作品なので納得。
1投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ団地で出会った2人の少女。果遠の結珠への執着ともいえる愛が真っ直ぐでいっそ心地が良かった。結珠と同じ高校にまで行って、でも結珠のことを考えてちょっとだけ距離を取っている様子がいじらしい。一方で結珠はその事に安心していてこの辺は結構共感できた。でもやっぱり結珠にとっても果遠は特別なのもいい。 大人になってからの再会も2人の絶妙な距離感と2人の旦那との関係がそれぞれきちんとあってその背景にも胸がぎゅっとなる。
0投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ3つの時間で、2人が互いに関わり合った半生の物語。そう書いてしまえばよくある話にも思えるが、2人の目線で交互に語られる内容は、2人のどちらにも感情移入してしまう程には没入感がある。とは言っても、大人になっていくにつれ、読んでいるこちらとは考えが違うし、そうするとなんでよ!とやりきれなく思ったりもするが、今度は周囲の良い人たちの行動に涙ぐむことも多々だった。ここまで思える人がいる人生を感じることの出来る小説、ということだったかと思う。素晴らしかったです。
17投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ生い立ちが違うのに、同じく愛されなかった2人がおり出す物語。 読み終わった感想はなかなか言葉にするのは難しいけれど、色々な愛情があるなと感じました。 忘れたいけど忘れられない人とはこんな人なんだなと思いました。 特に結末がとても好きでした。 みんなにも光あれ。
0投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結珠と果遠の純度の高い「愛」。 小さいときに、人を愛し人に愛されることをあまり感じられてなかった2人だから、お互いを思う気持ちがずっと特別な感情だったんだと思う。 著者の一穂さんが「2人は愛の原液をずっと温めている」と対談で言ってて、なるほどと。 素敵、2人を最後まで見れて心から嬉しかった。 ただ、2人の夫と瀬々は最後は邪魔者になってしまって読んでいて苦しかったなぁ。 現実では、2人の夫がこんなに優しくてスッと身を引く感じは正直想像できない。 自分自身、女性同士の深い心の繋がりを感じたり見たりするたびに、男性にはいつも入る余地がなくて、昔はそれで心地よかったんだけど、最近はなんか不安を感じる。。。 瀬々と果遠は、定期的に割と頻繁に会って良い関係が続いてることを願う。
0投稿日: 2025.10.25
powered by ブクログ生い立ちの異なる2人の少女が出会いと別れを繰り返しながら、自分の力で人生を歩んでいく話 結珠の母親が1番嫌いだけど、この母親がなければ2人が出会うこともなく、運命の分岐点は苦さの中にあるのかもしれない 自分の人生は結珠とも果遠ともかけ離れているけど、どちらにも感情移入ができ、読書「体験」と呼べる読後感は素晴らしかった
0投稿日: 2025.10.25
powered by ブクログ人は誰もが心に人に言えない何かを抱えてる。 見えない何かを作るのは人だし、それを優しくほどいてくれるのも人。 わずかな光が2人の主人公を救う心の動きを描いた描写がすごく上手くて心動かされた作品!
0投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログ2人の女性の 生い立ちとそれぞれの生き方が 壮大な物語で ページが進むごとに読み終わりたくなく ゆっくりと進めました 光のとこで別れて 光のとこに戻る 団地 母 毒親 カノン 将来の夢 家庭教師 フリースクール 睡眠薬
11投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログ一緒に過ごした時間はとても短いのに、すごく深い所で解り合い、お互いのことを思い合っているふたり。 家庭環境は大きく違うけどどちらも母親に愛されず、親の都合で振り回されてきた。 二人の幸せを祈りたくなるお話だった。 母親はダメだけど、藤野くんもチサさんも水人さんも、他の周りの人がみんなあたたかい 表向きの呼び方はどうでも、心の中ではずっと変わらず「結珠ちゃん」「果遠ちゃん」て呼び合うトコロ! 小学生のあの時、果遠ちゃんにダメだよって言った、鼻血を手でこする仕草を結珠ちゃんがやった時! これだけ解り合える人に出会えることがあるのだろうか…うらやましいな
18投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログ読了前後の、「光のところにいてね」の一言に感じる重みがまるで違う 「明るさって無情。光は希望の象徴だけど、照らされたら逃げも隠れもできない。嘘やごまかしを許してくれない。そして足元に影を生む。」
1投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログ今年読んだ小説で一番のお気に入り。ラストは何度も涙してしまった。 藤野さん、いいキャラクターで人柄が好きだったな。ママに大切にされなかった、結珠ちゃんを最後まで大切にしてくれてありがとう。 結珠ちゃんと果遠ちゃんの絆は、恋愛を飛び越えていた。また離れ離れになりませんように。二人の幸せが永く続きますように。
6投稿日: 2025.10.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良かった。どう感想を書いたらいいのかわからない。 私も大好きな人がこれからもずっと“光のとこ”にいてほしいと思う。
2投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログ小学生の結珠と果遠。住む世界の違うふたり。 結珠の母親の用事で連れてこられた、 うらぶれた団地で結珠は果遠と出会う。 仲良くなった二人だけれど なんどか別れを繰り返し、 必然か偶然か、また出会い、を繰り返していく。 自己愛の強い母親を持つ二人。 母親に逆らえない二人。 孤独を抱えている二人。 計り知れないお互いを思う気持ちは ふたりを一層強くしていく。 光のとこにいてね…というセリフは 伏線になって、 あ~そういう事か。。と思わせる。 まったくの他人ではあるけれど これだけ強く求めあう関係が ある意味うらやましくも思えた。 一気読みだった。
2投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログ少女時代に出会った二人。恋人でも家族でも友達でもなく、そのどれよりも濃いつながりを描いた物語は非常に心を掴まれました。 こういった物語で、子供時代よりも大人になってからの話の方がボリュームが多かった点に斬新さを感じました。 光、というのが美しい過去の思い出を指している様で、切なくも、それが人生だよなぁと思わされました。映像化してほしい!
5投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログすごくいい。暖かくて優しい文章がとても心地よかった。こういう考えや表現、私には無かったな。素敵だった。 特に『自然が豊かな訳じゃない。自然は元から存在してるもので人が勝手に豊かと思っているだけ』っていう表現好きだなー。確かに!当たり前だけど、ほんとそう。 女性同士の友情を長い年月をかけて描いてる作品。出会って交差してる期間はわずかだが、誰も入り込む余地もなく、尊い存在。友情なのか愛情なのかよく分かんないけど、特別には変わりなくて、、。 2人で松本市に行ってお母さんに睡眠薬飲ませるとかその辺はかなりぶっ飛んでるけど。 この本を読みながら和歌山に旅へ出たくなった。
1投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログ強烈に惹かれ合ってるのに、自分達ではどうしようもない障壁がそれぞれの小さな身体の前に立ち塞がって2人をバラバラにする。 それから年月をかけて、お互いに大切な人を見つけても、心が充分に埋まる気がしなくて。 あの人を想う。あの人を思う。想い続ける。 大切な人が嫌いなわけでもない。むしろ自分がいちばん苦しい時にいてくれたのが彼。 だからこそ、愛していないわけじゃい。 わかってる。わかってる。でも。 細胞レベルで求め合ってしまう2人を誰が止められるだろう。 あの2人は、どうか2人で。記憶のピースを埋める旅でも、今後のおだやかな、誰にも邪魔されない未来を描くのも、何をしたっていいと思う。 ただただ、あの2人は2人でいてほしい。
0投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログ作者買いなので、あらすじもジャンルも知らずに読み始める。 読み進めるとどんどん先へ進みたいのに、それに追い付かない自分の目や頭に苛立つほど夢中になる。 2人が揃うと光が灯るようなストーリーでした。 ただ、影があってこその光。 光があってこその影。 そう思わせるのも巧い。 磨いて、研いて、純度が高くなった2人の一途さが美しい。 代わりのいない存在を羨ましくも、残酷にも感じる。 やはり『弱い方が捨てる』のかも。 何に弱いか、が重要だけど。 スッキリする訳ではないけれど、大事な感情がクッキリしてくる読後感でした。
0投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログくそばばぁー(独り言) そして何度も切なくさせるんだぁ(何度も泣き) 光を掴むの掴みかけるの? 結珠、果遠の二人が出会い、分かち合い すれ違う その後も?知りたい
0投稿日: 2025.10.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
貧乏だから不幸せ・お金持ちだから幸せ、あの子より私の方が幸せと、つい人を比べてしまうことが誰にでもあると思う。 人それぞれ幸せは異なるが、大人になっても誰かに愛されること、理解者がいることは自分として生きるためにとても大事なことなのだと思う。この本を通して、何よりもいちばんの理解者がいることがいいなと思った。離れていても相手を思い、ずっと一緒にいるのではなく時には1人での戦いを送り出す関係性が素敵だと思った。
0投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログオーディブルにて。 これは何ていう話だろう。友情の話とか、女性同士の恋愛とか、そんな簡単な言葉で表せる話じゃない。 お互い違う形での家庭環境の悪さ、欠けたピースは違うけど、惹かれ合い、相手の形でしか埋めれない関係。運命とも違う。 羨ましい関係とは言えない。ありがたいことに良い家庭環境で育った私には共感はできない。ハッピーエンドかも分からない。 でも、とても、心に染みるような、温かい物語だった。
0投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログあの頃の、幼すぎるように思えた名も無き感情は、無かったことにしなくていい。私のこれからのお守りになりそうです。ありがとう
0投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログ結珠と果遠、2人がそれぞれ自分の目線で感情を語る。2人の気持ちがわかってる私はハラハラ、イライラしながら読み進め、どんどん引き込まれて行きました。 素敵な女性2人の物語を控えめな脇役陣が温かく包み込んで、とても心に残るお話でした。
1投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スモールワールズに続き好き。かのんちゃんかっこいい。 終わり方が意外だった、めちゃいいわけじゃないけど希望を見せて終わる感じは好き。
0投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログラストシーンに拍手 2人の未来が幸せな日々でありますように イラスト栞のおまけ、読了後に気づいた。結珠ちゃんだったけど、私のイメージとピッタリだった。幼少期の果遠ちゃんがどんな子なのかイメージできなくて、果遠ちゃんバージョンも見てみたかったな〜
0投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ特に果遠の人に対する線の引き方が好きだし、強いのに弱いところも好きだった。2人にずっと光のとこにいてほしいけど、光は影のないところでは煌めけないから。優しくて温かくて痛かった。
0投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログ以前読んだ「スモールワールズ」の最終話「式日」の雰囲気がとても好きだったので他の作品も読んでみたいと思ってて、やっと読めた。 この本はずっと気になってたけど、文庫化のタイミングで手に入れることが出来た。 読み終わった感想としては、寂しい。終わってしまった。もっと2人の人生を見ていたかったな~。 お互いがお守りだというのは本当に感じる。 果遠は結珠がいると生き生きとするし 結珠は果遠がいると強くなるように思える。 こんなにも強く想える相手がいるってすごいこと。 またいつかもう一度読みたい。 全然違う印象で読めそう。 そして表現の美しさに改めて気がつけそう。 あと、「式日」に出てくる先輩と果遠に近いものを感じた。 なにか思考が負のモードに入った時には、果遠マインドを思い出して乗り切っていきたいと思う。
22投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ本の厚みを感じさせない面白さ、あっという間に読了。果遠と結珠は磁石のような光と影。どんなに離れてもまた出会い、もはや運命の2人。周りには理解されない2人。絶対に入り込めないふたりの世界。そんな世界が現実にあるのか?あるのならとても素晴らしい。
26投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ちょっと最高すぎるので支離滅裂に熱く語る。 まずタイトルがさ、なんで「光のとこにいてね」なんだろうなーと思ったの。各章はちゃんと「○○のところ」なのに、って思ってたらあ~~~セリフですか~~~~私、大事なセリフがタイトルになっている話が大好きでしてね~~~ 小学校、高校、アラサーと、子どもから多感な少女時代、そして酸いも甘いも味わう大人に変化した結珠と果遠の出会いと別れの話なんだけど、まずこのふたりの関係性はずっと根っこから変わらないままなのが本当に良い!!!!!!!!!! お互いいろいろ境遇は変わっても、不動の特別っていう関係がたまらなく好きでぇ……第1章、第2章の別れもめっちゃよかった。藤野とチサさんが大好き。 だけどMVPはやっぱり第3章!!!!まじで最高すぎて読み終わった後「面白かったー……」って素でつぶやいた。深夜2時に。 お守りの防犯ブザー、ピアノ曲カノン、あまったるいココア。いくつになってもふたりの間では大切っていうのがたまらない。あと、相変わらず藤野をライバル視する果遠かわいい。 果遠に最高級の武装をほどこす結珠にはしびれた。濃いリップをくちびるで薄めるところとか、脳内で想像しただけで震える。あと睡眠薬を所持していた理由を問われて、埋める可能性を考え、そうなったら付き合うと即答する果遠。 ふたりとも互いにあまりにも鮮烈なアイラブユーを提示してきて、思わず最高だって天を仰いだ。 なんとなく刹那的というか、お別れのにおいが付きまとうふたりだから、彼らだけじゃなく私も覚悟してた。結珠のお母さんに会いに行くところも、ほっとした矢先のトラブルに「うわっこれって別れのフラグじゃん」って思ったし、実際そうなった。 でも最後、鼻血を出しながら結珠が追いかけて、その車のフロントガラスが光っているっていうシーンで終わったとき拍手喝采。ほとんどの話はここでお別れになると思う。だってそっちのほうがなんとなくきれいだから。 でもこの話は希望とともに終わるの!!!これがすごい!!!!そしてここで生きてくる「光のとこにいてね」というタイトル!!!フロントガラスが反射した光……!?!?!ぐああああやられたああああ!!!! もう少し冷静になったら書き直すけど、今はこの熱意のままレビューする。 年間ベストです。一穂ミチ大好き、鬼になってでもいいから一生小説を書いててくれ。
4投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ読んでいる時に、なるほど、こういう流れの会話で出てきた言葉をタイトルにしてあるのか、と思ったのが1番印象に残っている。この話の雰囲気が伝わると感じた。 友達とか夫婦とか言葉で括れない繋がりってあると思う。強くしなやかな2人の絆だと思った。
39投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログんーどちらも母親に大事にされず 2人で分かち合って?繊細に不器用に生きて来た2人 水人、藤野さん共に素敵な優し過ぎる 旦那様に出会えたのが奇跡、、、 その2人を大事に生きてください せっかく大人になったのに正しいほうを、幸せのほうを選べないなんて、選ばないなんて、そんなことがあるの?
1投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログ二人の視点が交互に描かれていて、深く感情移入できた。情緒豊かな表現が随所にあり、全体を通して満足感の高い一冊でした。
2投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログ羽のところ/雨のところ/光のところ ボーナス・トラック 青い雛 女の子~少女~女性 三度出会いそして二度離される、結珠と果遠 子供時代の二人の環境と思いが心に刺さる 大人になっても心に残った傷は瘡蓋になって残っているのかもしれない 自らの思いで未来を選択できる今、二人の選ぶ道はどこへ向かうのだろう 私の 今 にも選んできた道があったのかも…… Kanon のしおりについていたスピンオフを読んだ。 三年後をありがとう。 直も瀬々も大好きだよ。
16投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログ共依存ってやつなのかな。 2人は離れられない気がした。 新たなジャンルを読んだ感じでサクサク読めた。
1投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ読み終わって帯を見て、改めて余韻に浸ってます。確かに愛の物語だったけど、どの登場人物にも感情移入できないくらい、別の世界の話に思えるのに、この余韻はなんだろ。読書の醍醐味ってそういうものかも。
5投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ良かったです、一気読みです。 なんとなく「汝、星のごとく」のような歪だけど人それぞれが持っているであろう正義の形を表現しているように感じました。それにしても結珠の母親はいけすかないですね。
11投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ大きく分けて、小学生編、高校生編そして29歳になった果遠と結珠、2人の話。 あの時こうだったみたいな伏線回収などは特になく、淡々とお互いの視点を交互に交えながら物語が進んでいった。もう少し続きを読みたかったけど、綺麗な話だった。映画化希望!
1投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ壮大なる百合小説。これまでの人生、これまでに出会った人も思い出も全部、あなたと結ばれるためのお膳立て!って熱烈な恋。 私を選ばないで、大切なあなたには影である私とは違う光の場所にいてほしい。「光のとこにいてね」、この一言の意味合いが2人の女性の人生が進むごとに深みを増して、少しづつ形成されていく。一穂ミチ先生の描く作品には、BL作品も含め、温かい優しさと冷たい線引きが矛盾することなく同時に存在している。
1投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ高校生までの2章まではどんどん引き込まれた。 3章以降は大人になってからの話で、失速気味だったかなぁ。
4投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ切なさと幸福、寂しさと清々しさ 色々な感情が複雑に入り混じって ぴったりな表現が見つからない。 それぞれに弱く痛々しい二人だけど 一緒にいれば強くなり 相手のことを思った時さらに強くなる。 自分よりも大切な人を見つけた時 どうしようもないほどに他のことは全てどうでもよくなる。一緒にいれば地獄だって天国になる。 光のとこにいてほしい そこに私がいなくても。 日陰でもいいから一緒にいたい。 二人の思い合う気持ちが痛い。
3投稿日: 2025.10.01
powered by ブクログあたたかくて寂しい、でも激しい愛の物語だと感じた。境遇が全く違ってもお互いがお互いの存在だとか思い出を支えだと考えているところがすごく刺さった。
1投稿日: 2025.10.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
よかった。人の複雑さや捻れを、どちらかというとさらりと書いていて、事実は重いんだけど描写は重すぎず、それぞれの登場人物に焦点をあてて、人の感情のどうしようもない流れとかを綺麗に書ききっていたと思う。
1投稿日: 2025.10.01
powered by ブクログ切ない… 2人が光と影で対のような関係性。 2人しか分かり合えないからもっと一緒にいさせてあげたいけどつかず離れずが一番いいのかも…
1投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログシスターフッドの言葉の意味が、あまり理解してないが、おそらくこの小説は、シスターフッドのジャンルだと思います。小学生や思春期の純粋な感情を思春期や責任ある大人になって、どう答えを出すのか、複雑だけどストレートな感情の話でした。
5投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログ2025/09/26 幼少期に母に連れてこられた団地の一角で1人の女の子と出会ったことがきっかけで始まっていく小瀧結珠と校倉果遠の2人の人生ストーリー…のような物語。 高校での再会、突然の別れ、大人になってからのまさかの再会などのエピソードは2人の出会いと仲の深まる度合いが少しずつ、それでも確実に前へ進んでいるような気がします。 人生を前に進めることにはいろいろな方法や考え方があるなと思わされる小説だと思いました。
4投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログ生きてる中で、お互いにしか理解できない関係や感情をもつ相手に出会える確率はいったいどれくらいなんだろう。 そんな相手がいることか、果たして幸せなのか不幸なのか分からないけど、どうしてもそんな相手に出会えた結珠と果遠のことを羨ましく思ってしまう、そんな小説だった。
6投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログ幼い頃からそれぞれに母親に抑圧されていた少女たち、結珠と果音の出会いと別れ、再会の物語。 スモールワールズが良すぎて、楽しみに読んだ本作でしたが、説明ではなく描写で表現をする本作は、自分には少し合わなかったです。 特に物語終盤での果音の選択はよくわかりませんでした。 本編ではないですが、村山由佳さんの解説が良かったです。 p508解説 共感や感情移入ばかりが小説の読み方ではない。自分は別の道を選ぶだろうと思いつつも、自分とは違う選択をする人間の、その人なりの真実に触れることことこそ最上の読書体験ではないだろうか。 → 本当にそうだなぁと思いました(共感)笑 共感と感情移入だけを探していると読むのも疲れてくるし、視野も狭まる気がします。最上の読書体験に行き着く前に、果音の感情の真意がわからなかったのが、自分の読解力が足りず残念でした。また時間をあけて読んでみたい気もしますし、500ページ読むことを考えるとハードルが高くも感じます。。
16投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
名前のない関係を描いた物語。 性別も、一緒にいた期間も関係なく、血縁よりも濃く、いくら離れても手繰り寄せられるような。 その人さえ分かってくれたらいい。 運命の人って、そういう人のことなのかな、と感じた。
1投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログ物語は、結珠と果遠ふたりの少女の視点から構成される。ふたりを取り巻く環境は正反対と言っても良く、共通点は母親との間になにかしらのしがらみを抱えてることと、小学二年生の少女ということだけ。お互いに惹かれ合い、だけども“大人の事情”で引き離される。そして8年後、高校の同級生として再開する。そこでもまた、例により引き離される。そしてまた数年後、今度は大人になった二人が再開する。物語はこのような調子で、事件が起こるとか、謎を解いていくとか、そういった大きな展開はない。だけども私は読む手が止まらなかった。ふたりどちらもに共感することもあれば、そんな考え方もあるのかと考えさせられる。ふたりの愛は、友情でも恋愛でもない。執着?依存?そう言ってしまえば簡単だけど、それだけでは語れない何かがあると思う。運命かもしれない、依存かもしれない、執着かもしれない。私はずっと物語を読みながら、ずっとこのふたりの話を読んでいたいと思った。こんなに感情を揺さぶられるのは珍しく、一穂ミチさんは所見だったから不安だったけど、とても好きな作家さんになった。
12投稿日: 2025.09.25
powered by ブクログそこまで没入して読むことは出来なかったけど感動はした おそらくこの先も2人はどこかで会うのだろう。 人を想う気持ちについて深く書かれていた。
3投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ家庭環境も性格も境遇も正反対の二人の少女。 それでも強く惹かれ合っていく。 それは友情なのか愛なのか執着なのか、、、。 言葉では語りきれない、二人にしか分からない固い絆。 大人になり、時にすれ違い、遠ざかりながらも、その結びつきは消えない。果たして二人は再会できたのだろうか?そんな問いが、余韻として残る。 この物語は、人と人の間に生まれる“名付けようのない絆”を描き出しているように思った。
3投稿日: 2025.09.22
powered by ブクログ何を感じたかとか、感動したとか、共感したとか、そういうのではなく、ただただ、没入して読んだ。2人の関係のように、説明できない、立ち入ってほしくない、そんな読書体験だった
14投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いわゆるセレブな家庭に育った優等生の結珠と、母子家庭で寂れた団地住まいの、とびきり美人で率直な性格の果遠。小学2年生で偶然出会った二人は、短い交流のその後もお互いを忘れられず、別れと再会を繰り返す‥。 お互いへの想いを時に持て余しながらも、誰にも侵されない、友情とも恋愛とも括ることのできない関係を築いていく二人。 強く惹かれ合う理由は、母親との関係に屈託を抱えているという共通点だけではとても説明がつかないが、理屈ではないのが人間の絆というものなのかもしれない。 子どもの頃より大人になってからのほうが危うくて、どんな結末が待っているのか、果たしてそれに自分は納得できるのか、ハラハラした。 案の定、果遠と水人のたどり着いた結論のその意味について、読後もずっと考えてしまった。
3投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログこの作品を読んで、「虚実皮膜」という言葉を思い出しました。 「虚実皮膜(きょじつひまく)」とは、元禄期に活躍した人形浄瑠璃作者・近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)の芸術論で、芸術の真髄は「虚構(うそ)」と「事実(本当)」との間の、区別できないほど微妙な境地(皮膜)にあるとするものです。 この「虚実皮膜論」は、ただの事実を写し取るのではなく、虚構を交えることで、より本質的な真実味や感動を生み出すことができるという考え方です。(Google AIモード検索「虚実皮膜」より) 改めて、小説家という人たちは、虚構の世界と現実の世界を軽々と越境しながら物語を創作してしまう人たちなのだ、ということを感じました。そして、虚実皮膜の世界を楽しむには、作者が創造(想像)した物語世界にどっぷり浸かって、ストーリーの渦の中に身を委ね、心が揺さぶられるまま、話の結末まで運ばれていくことが一番良いように思いました。(あくまで個人の感想です) 優れた小説家というのは、読者を上手に自分の物語世界に浸らせて、ストーリーという名の山あり谷ありのアトラクションを、「虚構(うそ)」と「事実(本当)」が区別できないほど微妙な境地で提供することができる人なのかもしれませんし、よい読者というは、作者の物語世界に上手に身を滑り込ませて、アトラクションを存分に満喫できる善男善女なのだ、と言えるかもしれません。(これも個人の感想です) この小説のハードカバーでの発行は2022年11月で、ブクログに投稿された感想は1400件を超えます。今月(2025年9月)には文庫化され、さらに投稿数を増やし続けています。 作品に対する評価(好み)や、印象に残った箇所は人それぞれでしょうが、たくさんの人に何らかの思いを起こさせ、投稿を促したことは否めないでしょう。 わたしは、このレビューでは(珍しく)あらすじや登場人物についての説明をすることはしません。上に書いたようなことを感じたのだなあ、と思っていただければ結構です。 ご自身の手で本書を手に取り、ご自身の目でお読みいただきたい、というのが、わたしの願いです。 ただ一つ、「光のとこにいてね」という(少し不思議な)タイトルの意味は、読んでいただければよ~く分かりますよ、とだけ申し上げておきます。 では、どうぞごゆっくり、お楽しみください♡ 〈蛇足〉 フランス語では「小説」のことを「roman(ロマン)」というそうです。 例えば「私はこの小説を読み終えた」というのは、J'ai fini de lire ce roman.(このロマンを読み終えた)というようです。 「光のとこにいてね」を読んで、「ああ、やっぱり小説というのは、ロマンだなあ」などとこじつけたくなりましたw 皆様が本作に対して、J'aime ce roman.(このロマンが好き)と思ってくださるとよいのですが。。。 〔目次〕 第一章 羽のところ 第二章 雨のところ 第三章 光のところ
292投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ふつうに面白かったけどそれ以上の胸に迫るなにかがない。個人的には離別したほうが美しかったなって思ったけど、それは私の好みだ。
3投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログ読み終わりに、「光のとこにいてね」が、こどもの、少女の、おとなの口から重なって響いてきた。かなしいけど、やさしい物語。中年や老境にはいっても、二度と会えなくても、お互いが「せめてあなたは光に」といのるのかも。シスターフッド最高。
1投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ友情を信じ続けることは、自分を信じること。自分を愛すること。2人のピュアさに何度も何度も涙が出るし、心が震える。
5投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりに読書をしたいと思い立ち、手に取った本がこの小説で良かった せっかくならサイン本をと思い購入できて良かった 一穂ミチさんの本をはじめて読んだけど、とても読みやすい わたしも小学生、高校生に戻れた 天気や空、景色の想像が容易だった わたしもきょうだいと父親がちがうので、途中少しドキッとしたりもした 我が家はさらっと母から言われただけだったしそんなに驚いたり傷ついたりしなかった気がする 家族についても考えさせられたし、恋愛や友達についても考えさせられたけど、どんなかたちでどんな関係であっても間違いじゃないんだよね 藤野のこと、あんまりよく思わなかったから結婚したことに驚いたし、水人さんの話はこころが苦しくなった 解説にもあった通り、じぶんとは違う選択、行動をする人の話はやっぱり興味深いな 「共感や感情移入ばかりが小説の読み方ではない」その通りだと思った 最後の方はほとんどびっくりしていてそのまま終わってしまって、解説を読んですごくこころが救われた、というか、感動した、文庫本を買って良かった もう一度最初から読もうと思います
4投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログ言葉では言い表せないほどの切なさと愛しさ色んな感情が湧き上がる物語でした。 友情でも恋愛でもないジャンルというかどのジャンルにも属さない力強く温かくとにかく切ない物語でこんなに物語に集中できたのは久しぶりでした。
3投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
単行本を読み、村山由佳さんの解説読みたさに文庫本も購入。 『光のとこにいてね』。陽の当たる場所にいてほしいという願いをこの言葉に込めた。人生を追体験しながら読み進めた記憶がある。 すれ違っても、ご縁があればまたいつか会える。 緻密な情景描写が秀逸で、一行の密度が濃いのが一穂さんの小説。 幸せとはなんなのかを考えさせられた。
15投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログ2024年第30回島清恋愛文学賞 おそらく一穂さんの最長編ではないでしょうか。2021年5月から「別冊文藝春秋」で約1年半連載された大作です。 物語の導入、小学生だった二人の少女が出会う場面は本当に秀逸でした。 何が起こるのか、この二人はどう成長していくのか─「光のとこにいてね」という少女らしい言葉のチョイスが印象的で、その約束が守られなかった切なさが物語の基調となっていきます。 二人の少女の家庭環境は格差がありながら、母親たちの自己愛には奇妙な共通点がある。 高校で再会し、また別れ、大人になってから再びの再会へ。どちらも偶然ではなく必然として描かれており、しっかりとした物語性を感じました。 大人になっても求め合う魂は、あの20年前から変わらずに響き合う。 彼女たちを取り巻く男性陣の存在感が希薄なのは、作者の意図するところでしょう。BLの基本形を逆にしたような構成とも言えるかもしれません。 二人の女性の純粋な求め合いを、一穂さんらしい筆致で読ませていただきました。 加えて「親が違っても兄弟姉妹っていいなあ」と、方向性の違う羨ましさを覚えながら読み終えました。
128投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ2人の女性の奇妙な関係を綴った小説。小学生だった頃に出会い、偶然と運命によって再び出会うことで動き出す物語。 切なさたっぷりのストーリーと独特な比喩表現が一穂ミチ独特の世界を作り出している。恋愛小説というより純文学性を帯びた作品であるという印象を受けた。
1投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログ圧倒的な筆力! さすが天才、一穂ミチ! ご都合主義に思われそうな設定も、その筆力で読者を先に持っていく。一気読み間違いなし
1投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログ置いていかれた。と言うか、最後まで読者の自分ですら入る隙など無かった。だから最後の描写は妙に納得出来て、篝火みたいな余韻に少しだけ浸ってしまった。作中の家族ですら入り込む余地がない2人の世界に。
2投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログ1970年代から現代にかけて、二人の女性の半生を追いかけた長編小説。 友情とも恋愛ともつかない関係を軸に、時代の価値観や生きづらさの中で「自分らしく生きる」とは何かを問いかけてきます。 主人公たちが置かれた環境の厳しさと、それでもお互いを光のように支え合う姿。愛と友情の境界線があいまいだからこそ、心が揺さぶられました。 一穂ミチさんの筆致はとても繊細で、登場人物の心情が胸にすっと入ってきます。読み終えたあと、静かな余韻が長く残りました。
36投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログ文章を読むということの良さってこれだな、と。 どういう話なの?と聞かれても、簡単な言葉で済ますことのできないこの感じ。 心を押し殺してやり過ごすしかできなかった幼少期、再会を願って入学した高校生活、自分の意思で動けると頭では理解している29歳。果遠にどっぷり浸って読んだ。 どうかふたりがこれからも甘いココアを飲めますようにと、クリスチャンの真似事をして祈る。
15投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログ『光のとこにいてね』は、二人の女性の半生と愛を描いた物語。 本当に一穂ミチ作品は残酷だ。残酷で美しくて愛おしい。 鋭利な刃物でいつの間にか切られたような、その傷口は痛いのに、どこか甘い快楽をともなっていて、物語から抜けだせなくなるのです。
3投稿日: 2025.09.04
powered by ブクログ【あまりに美しく激しい愛の物語】古びた団地の片隅で出会った結珠と果遠。同じ孤独を抱え、強く惹かれ合うふたりの20年の物語。本屋大賞3位、島清恋愛文学賞受賞。
1投稿日: 2025.08.07
