
総合評価
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powered by ブクログ100年前のカフェの様子が微笑ましくて、物悲しくて 、複雑になりすぎない関係がうらやましくもあり 戦争が確かにあって、逃れられない状況であったことは 忘れてはならないと思う
0投稿日: 2026.01.11
powered by ブクログ大正から戦後にかけて上野の片隅にある小さなカフェーで働く女性たちを描いた連作集。全体を通して軽快な筆致が印象的で、個性的な登場人物たちの織り成す日常の一コマに、読んでいて思わず微笑みたくなるような場面が多々あった。 そんな中「タイ子の昔」は主人公の周囲が戦争に巻き込まれる話で、思われぶりな終わり方ということもあり他とは印象を異にするんだけど、終章で伏線回収がされるので最終的な読後感は悪くない。 前作のテーマは正直ここで詳細を書くのも憚られるような刺激的なものだったけど、本作に関しては現代の感覚でセクハラにあたるような描写はいくつかあるものの、基本的には誰でも安心して読める内容になっていると思う。 総じて普通に良い作品だと胸を張って言いたい一方で、派手な事件が起きるわけではないのでどこか地味な印象が拭えない点と、恐らく主人公たちの扱いを平等にしたため読後の印象が皆横一線となり、連作ということもあって全体を貫く核のようなものがあまり感じられなかった点はやや気になった。 例えば店主の菊田という人物による全体を俯瞰した視点の話があったりすれば、全体としてより奥行きのある作品になったと思うんだけどなあ。文庫化の際にはサイドストーリーで追加するとかどうですか。
0投稿日: 2026.01.10
powered by ブクログ直木賞候補ということで読み始めたが、時代的にもお仕事小説(と思っていた)としてもさほど惹かれるテーマではなかった。 しかし、読み易さと自然と笑顔になるような描写で読み進めて3つ目の「出戻りセイ」で、完全に心を掴まれた。社会的な背景に女性の置かれている状況(竹久夢二の美人画似でも字が読めない、28歳定年とか妾)とそんな時代でも置かれた立場で精一杯生きる姿が描かれているのだが、もう一つの背景に「戦争」が加わり、切ない恋の行方が… 後半の作品では時代が流れ物語がつながり、戦後の悲嘆と混乱から復興を若い主人公に託して希望の持てるラストに心温まる読後感だった。
32投稿日: 2026.01.10
powered by ブクログカフェ西行で働く人々をめぐる物語。大正から昭和の戦後まで。 第1話 近所のおかみさんから、カフェの女給の家に女子高等学校で教師をしている夫が入り浸っていると聞かされた。稲子は心配になりカフェに行き、竹久夢二の絵によく似たタイ子と出会う。 第2話 美登里は嘘をつくのが苦にならない。サラッと嘘がつける。新しい同僚が入ってくるが、どう見ても40近いというのに、19歳だと言い張って、なんと雇われてしまった。 第3話 おセイさんは出戻りで35歳。西行の女給から事務員になったのが、最終的にちょっと頭や学歴のある女はまともに扱われないと身をもって知り、女給の方がずっと伸び伸びできることに気がつく。そこに美容師をしている男がやってきた。盧溝橋事件の2年後のことだ。 第4話 タイ子の息子は出征した。タイ子は手紙を書きたいが検閲があるらしいことを知っている。お兄さん達が出征している隣の家の豊子さんに下読みをお願いする。 第5話 終戦から5年が経った。幾子は兄が出征後亡くなり、父と自分は生活に精一杯なのだが、母はまだ悲嘆にくれ、体調も良くなく、家事もほっぽり出して寝ついていることもよくある。何やら兄の死を悼まない自分が責められている気になる。
15投稿日: 2026.01.10
powered by ブクログ大正から昭和にかけ「カフェー西行」 で女給として働いた女性たちの人生が緩やかに交錯する5つの連作短編集。 笑いあり涙ありで彼女たちに感情移入して読みふけった。悲しい出来事も悲しいだけで終わらない、 彼女らの強さに感動する。 店主菊田さんの淡々とした存在感も良き。 人生とは無常である、故に尊い… 工夫を凝らした装幀も美しい。 最後のお話「 幾子のお土産」 割と後の話で前回の登場人物の近況が明かされる流れなのにある人物とある人物がいつどうなってどうしてそうなったのか?謎のまま終わってるのも面白いです。あとを引く、と言うか え?なんで~?とずっと考えてる笑
1投稿日: 2026.01.09
powered by ブクログ直木賞候補作2作品目読了。 これは…これはとても好みな一冊でした。 時代の変容がわかりやすく、文字を追っているだけで映像が勝手に色鮮やかに脳内再生されていました。 まだ2作目だけど、どれも受賞しそうで 直木賞候補の偉大さを知る。
2投稿日: 2026.01.09
powered by ブクログそもそも女給というものを知らなかったのもあり、読み進めていくうちに女給さんってこういう存在なのかしらん、と思ったり、時代の移り変わりがこんなにも反映される職業なのかと驚いたりしているうちに読み終わりました。 少しずつ登場人物が繋がっていったり、ひとを想う描写にじんわりと心が温かくなりつつも、いわゆる心温まる小説とは違う読み口でした。妬みもあるし、でもサバサバしているし…不思議だけれど、多分また読みたくなるのだろうな、コーヒーなんか飲みながら。 あとは、着物の描き方にうっとりしました。そして、自分の着物への興味に気づきました。
0投稿日: 2026.01.08
powered by ブクログ国全体が変貌し、カフェーの取り巻く環境が随分と変わる中、胸のざわつきすらも心地よく響いてくる。 戦禍の悲しみをはらんではいるけれど、なぜか悲しくは映らない。 静かなる強さのなかに、朗らかさ、たおやかさ、そして人生の美しさを見た気がした。 一話読み進めていくごとに頭に浮かぶ女給たちの笑い声。 きっと彼女たちにもふと思い出すお互いの顔があるのだろうと思える。 理由あってこの場所で生きてきた者同士の、それぞれの道の健やかさに心が洗われた。 東京上野の寂れたカフェーを舞台にした、とても愛しい『百年前のわたしたちの物語』。
5投稿日: 2026.01.06
powered by ブクログカフェーの帰り道 #読了 大正から昭和にかけて、女給として働いた私たちの物語。 上野の片隅にある流行ってないカフェー西行。 女給の募集要項は19歳までだが、ゆるゆるの誓約で40歳の女性も働ける。 この時代、女は28で定年。など信じられない男女差別の時代。 カフェ西行で働く女たちは戦争を経験し、恋愛も経験し、時代を生きていく。 戦争はやっぱりダメだな。泣ける話が何編もある。
0投稿日: 2026.01.04
powered by ブクログ上野のカフェーで女給として働いた女性たちの連作短編集。 出てくる女性たちがそれぞれ魅力的だし、しっとりした雰囲気でとても読み心地がよかった。 戦争時代のお話なので切なくやるせない気持ちになる場面がありつつも、強く生きていく登場人物たちに背中を押される。 昔のカフェーって女給たちを売りにした風俗営業だったことを初めて知ってまた1つ知識が増えました。今のメイドカフェみたいな感覚なのかな。 美登里と園子の話が1番お気に入り。 あと装丁が素敵。
0投稿日: 2026.01.03
powered by ブクログ繁華街を過ぎた先に現れる、活気のない一角にて営まれる「カフェー西行」。大正から昭和にかけて、ひたすら懸命に歩み続けた女性たちの人生を、女給という職業を通して描かれる。 時代の変化とともに訪れる苦しみが、彼女達の心境とともに描かれており、どこか勇気をもらう一冊。
3投稿日: 2026.01.03
powered by ブクログしみじみとした佳品。ひなびたカフェーとそこで働く女給さんたちのささやかで地についた日々。登場人物が入れ替わり立ち替わりしながら時代が進んで行く。何が起こるというわけでもないけれども、一人一人がしっかり描かれていて、読まされてしまった。 稲子のカフェー 嘘つき美登里 出戻りセイ タイ子の昔 幾子のお土産
0投稿日: 2026.01.02
powered by ブクログ2025年ラストの読了本は『カフェーの帰り道』。 第174回直木賞候補作ということで、気になって手に取りました。 本作には短編が5編収められており、舞台は「カフェー」。 そこで働く女給たちを軸に、それぞれの物語が描かれています。 作品ごとにクローズアップされる人物は異なるのですが、物語はゆるやかにつながっていて、「あ、あの人ってこの人だったんだ」と後から気づく瞬間がある構成も魅力的です。 人って、一言では語れない。 誰しもがいくつもの顔を持って生きているのだと、静かに教えられるような感覚がありました。 どの作品も胸に迫るものがありましたが、特に心を掴まれたのが「出戻りセイ」。 夢に破れ、事務員として働くも思うようにいかず、再びカフェーに戻ることになったセイ。 そこで出会う向井との関係、そして時代に翻弄されるふたりの行方が、あまりにも切なくて……。 戦争そのものを描くわけではありません。 爆撃の場面があるわけでも、誰かが命を落とす描写があるわけでもない。 けれど、大切な人が戦争に行ってしまうという現実を背負いながら、日常を生きていかなければならなかった女性たちの姿が、静かに、しかし強く胸に迫ってきます。 帰ってこないかもしれない人を想いながら、それでも生きていく。 そのたくましさと切なさに、何度も胸が詰まりました。 また本作は、少しミステリめいた構成になっていて、 一つの話に残された謎が、次の作品でそっと明かされていきます。 この構成がとても心地よくて、読み終えたあとに「なるほど」と腑に落ちる感覚がありました。 ※個人的に、この仕掛けがとても好きです。 著者としてはどういう展開にしたいのか、一つの作品としてまとめ上げているので、読後感がスッキリするんですよね。 今回は自宅で読みましたが、これが正解だったと思います。 もし喫茶店で読んでいたら、物語と現実が重なりすぎて、きっと涙をこらえきれなかったはず。 同じく直木賞候補作の『神都の証人』と時代背景が重なる部分もあり、あわせて読むと、より深く物語世界に浸れる気がします。 静かに心に染みる一冊。 読後、しばらく余韻から抜け出せませんでした。
36投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログ初めての嶋津輝さん。2025年読書納めの一冊になりました。 直木賞候補の作品…もですが、なんといっても表紙・装丁に一目惚れ。 物語は『カフェー西行』で働いてる大正・昭和に生きた女性達の短編集。 日々平穏に過ごす女性の気持ち…女性ならでは憧れ。たとえばファッションの話であれば「お店の制服に憧れを持つ」ことや、お客さんに褒められて見た目を変えるなどと、どの女性も少なからずある気持ち(自分もありました)しっかり心情まで描いてて同情してしまう部分もあった。 また大正・昭和時代は今の令和とは考えられない激動に飲まれ、戦争で家族を切り離す状況もあり、戻ってくるかもしれない、そのまま戦死もしてしまう程の緊張感がひたすら沸いてくるものには心がザワつく。当時の女性は気が気じゃなかったんだろうなと思う。自分だったら胃痛を起こし気が狂う。それでも帰りを待つ彼女たちの忍耐強さを感じた。 物語の波には極端さはなかったけども、その時代に生きる女性の強かさと逞しさが描いていて、自分もこの時代に生きていたら今と違った考え方や価値観を持っていたのかなと思います。『カフェー西行』にはお客さんとして行きたいな(笑) 【良かった物語】 ◎嘘つき美登里 ◎タイ子の昔 ◎幾子のお土産
17投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログ戦争へと傾いていく時代の流れの中でも、靱やかに生きる女性たちを活写する嶋津さんの小説が好きです。ただ今作はテーマや空気感が前作と大きくは違わないまま、入れ物が長篇から連作短篇へと変わった分、物語からダイナミックさが失われてしまったように思います。
0投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログ紙魚の手帖で何作か読んでいたけれど、書き下ろしも加わってとても良かった。 装丁も素敵で。 コーヒーの匂いをかぎたくなるので、読むときには準備!
0投稿日: 2025.12.30
powered by ブクログ2025年の締めくくり本は、「カフェーの帰り道」です 「カフェー西行」を舞台に、大正・昭和を生きた女性たちの物語 戦争や愛する人との別れ、そして再会 彼女たちのたくましく生きる姿に励まされました 特に「出戻りセイ」がお気に入りです
9投稿日: 2025.12.30
powered by ブクログ大正〜戦後を舞台に、上野の池之端近くにある喫茶店で働く女性たちの群像劇。 自分の主人の不倫(かもしれない)相手や、大胆な嘘をつく同僚といった、同性に対しての興味や憧れ方というのが、どことなく女性的で、かつよい関係性だと感じた。 話の中で戦争を経ていくが、彼女たちなりの経験を通してより「いい女」になっていく過程も気持ち良く読むことができた。
1投稿日: 2025.12.26
powered by ブクログ2025.直木賞、芥川賞の候補作品が 発表され、前回受賞作品がなかったことから 気になっていて候補作品をいくつか 読みたくなりました。 1番初めに目についたのがこの作品で 直木賞、芥川賞の候補作は読み進めにくい 物が多いような気がして躊躇したのですが 題材がカフェー(カフェではなく敢えてのカフェー) だった事もあり読んでみました。 明治〜大正〜昭和と移りゆく時の中で カフェーの女給として生きた数名の女性達の 物語。気を衒う派手さはないけれど こんなにも静かに揺るぎなく本を読めたのは 久しぶりでした。 後半は戦中、戦後の女性達の大切な息子達が 出征し胸が詰まるようなシーンもあるのですが 決して苦しいばかりでも苦悩するばかりでもなく 読後は爽やかで年の瀬にとても良い作品に 出会えた事が嬉しいです。 今度こそ受賞作品が決まることを楽しみに 他の候補作も気になるところです。
45投稿日: 2025.12.26
powered by ブクログ派手さや強い感動を与えてくるわけではないけど、読み終わると胸の中が満たされている。心を撫でられたような良い空気感。
1投稿日: 2025.12.25
powered by ブクログ装丁賞を差し上げたい。 当時をイメージした表紙デザインそして、本の上部 「天アンカット」であること。 歴史的背景が書ききれていなさが残念。 カフェーという場所がどういう場所なのか、そこの描き方のゆるさに肩透かしを喰らう。 それは読者側が知識を他で獲得するしかない。 たんたんと、市井の人たちのオムニバス的なお話。
5投稿日: 2025.12.19
powered by ブクログ第174回直木賞候補作 面白かった カフェーの女給を描いた連作短編 いつの時代もみんな必死に生きているんだろうなとの気づきがあった
0投稿日: 2025.12.19
powered by ブクログ静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓ https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=mG73ZvD8q2d6wBHJmEE8VQ%3D%3D
0投稿日: 2025.12.18
powered by ブクログ忘れ去られたような寂れた一角に、そのカフェーはある。著名な哲学者にあやかって名付けられた正式名称を持つが、覚え違いによる哲学者名の誤りを帝大の教授に指摘され、備前焼の西行法師で看板を隠したことで、いつしか『カフェー西行』と呼ばれるようになった。女給の出入りも激しく、そこには様々な女給たちがいる。字が読めない女性もいれば、嘘つきな女性もいるし、十年後に出戻りしてくる女性もいる。 本書は関東大震災の二年後、大正十四年(いまからちょうど百年前ですね)から終戦の五年後、昭和二十五年までを舞台にした連作集になっています。視点も時代も移り変わり(重複する場所もありますが)、それぞれの短編はそれひとつひとつで一個の作品として形を成しながらも、通して読むと短編同士の繋がりに気付いて、世界観の奥行きが広がっていくのが、楽しく魅力的な一冊です。 分かりやすい派手さは脇において、丁寧に紡いだ文章から、市井の人々の確かな声が浮かび上がってきて、とても心地よく胸に響く作品でした。個人的には、「嘘つき美登里」と「タイ子の昔」が特に好きでした。
2投稿日: 2025.12.18
powered by ブクログ「襷がけのふたり」がとても良かったので期待したのだけど、うーん。 悪くはないんだけど、ちょっと期待外れだったなぁ。 素敵なお話なんだけどね。
10投稿日: 2025.12.17
powered by ブクログ嶋津さんの前回の本は、とても苦手でスルーしていましたが、今回こちらも直木賞候補作に選ばれたので購入。大正時代、カフェーで働く女性たちを描いていてとても面白かった。
1投稿日: 2025.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大正時代のカフェー西行に関する短編集。オーナーが間違って覚えた西洋人(カフェーアウグイステヌス)の看板を隠すためツケで回収した西行法師の置物で隠してたら、そんな名前がついた店 ◎ 字が読めないタイ子は美人だが20代後半のカフェ店員。女子高の先生の鷲鼻の紳士がカフェに来て字を教えてくれる。程なく人気が出て京橋の店に移る。 ◎ 嘘つきの美登里は小さな嘘をつく。ある日どう見ても30後半のデブが19歳と偽ってカフェ店員の募集に来る。オーナーなので雇い入れる。妹小路と名乗り華族だと言う。どれが嘘でどれが本当か。高熱で家まで同行すると、成金の娘で引きこもっていたけど、銘仙にエプロンのカフェー給仕の格好をしたかったと言う自分と同じ理由。おじいちゃんに身請けされていった。 ◎ 盧溝橋事件からきな臭い空気が漂う昭和初期。女子高を出ているセイは出戻る。作家になろうと給仕していたが、事務員になり出ていくも事務員も28歳で定年の空気があり辞めて色んな仕事を転々とするも優秀な女は求められず出戻る。理髪師の男といい仲になり本を書くが出征し、帰らぬ人となった。 ◎ タイ子のその後の話。京橋の店で妾になり、タバコ屋を営む。ガタイが大きかった息子の豪一と二人暮らし。息子は出征する。隣に住む豊子さんは理髪師の男の妹。豊子さんが悪阻で苦しむ中、ウナギを所望して探す。西行に久しぶりに行くとオーナーの菊田がいた。ボケてきてたがうなぎの缶詰を貰う。 ◎ 昭和一桁生まれの給仕の戦後数年後。マスターは美登里と結婚している。帰り道で国語教師俣野の家を通る。セイさんは闇市を任せれており、時折喫茶店にお土産を持ってくる。タイ子さんも常連として通ってる。幾子は母親が息子を亡くしたことに立ち直れない。タイ子さんの気遣いでゴールデンバットを贈呈され、死んだ息子の吸っていたので懐かしくなり立ち直る。タイ子さんの息子も怪我をしたものの生きて帰ってきていた。 ーーー 二百三高地髷。ゆばーばの髪型。日露戦争で激戦地だった二百三高地(旅順)から名前をとった。
1投稿日: 2025.12.14
powered by ブクログ東京上野の場末、お客は近所の年寄がメインの、流行らないけど細々続くカフェー西行。そこで銘仙の着物の上に白いフリルエプロンを着て働く女給たち。彼女達を主人公に、大正末期から大戦後までの場末の風情を描いた連作短編。 物語の中で何か特別な事件が起こるわけでもなく、大きな変動に揉まれた時代の片隅の風情~カフェ、女給、夢二、エレベーターガール、戦争、そして終戦後の再生~を情緒豊かに、繊細に描いて見せます。変動の片隅がたまらなく愛おしく感じられる物語。嶋津さん上手いな。 『この世界の片隅で』に近い印象かな。お勧めです。
11投稿日: 2025.12.08
powered by ブクログとても良かった。大正から昭和に掛けてカフェーで働いていた女給達の物語。大事件は起こらなくて極めて平穏な日々。でも子供や恋人を戦争に取られるのは辛かった。「襷がけの二人」の著者
68投稿日: 2025.12.08
powered by ブクログ街中を歩けば、この作品の登場人物たちが働いている。 そんな情景が頭に浮かぶ。 戦前・戦時・戦後。それぞれの時間で戦う女性たちの生きる姿に、現代の裕福さの中であぐらをかく自分が情けないと感じた。 我慢して、我慢して、我慢して━━━。 そんな当時を暮らした人たちがいたことを、 忘れないでいたい。
1投稿日: 2025.11.29
powered by ブクログ昭和の戦前の情景が目の前に流れるような本です。 カフェーと聞けば大正の頃を想像しますが、戦前、戦中、戦後のお話で、庶民のどうしようもできない無力感を感じました。でもその中で立ち直って行く人間。 特に悲しくも、驚くこともないのですが、淡々と続く日々を綴った良書です。 多分タイ子さんやセイさんは、本当にいたんじゃないでしょうか?ひょっとすると今でも谷中銀座辺りにいそうです。
1投稿日: 2025.11.27
