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晩年(新潮文庫)
晩年(新潮文庫)
太宰治/新潮社
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総合評価

157件)
3.7
32
43
48
8
2
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    このレビューはネタバレを含みます。

    太宰治の第一創作集。 太宰治をして「私はこの本一冊を創るためにのみ生まれた」と言わしめる一冊で、初期の作品が並び、その後の太宰治の色々な作品の種になるような短編が15入っている。 この『晩年』は太宰治が27歳のときに刊行され、それぞれの短編が書かれたのは太宰治が22〜23歳頃。 そんな若者が書いたとは思えないような、人生や人間の生々しい部分がえげつなく書かれている。 でも、どこかちょっと爽やかさもある。 短編の多くは、創作の苦しみ、世間の冷たさ、無常感のようなものが描かれている。 太宰治がそれまでの人生の中で感じていたことだろう。 この本の中に「私は散りかけている花弁であった。すこしの風にもふるえおののいた。人からどんな些細なさげすみを受けても死なん哉と悶えた。」と書いてあった。 太宰治は自分の才能と創作に自信を持ち、でも繊細で、自分と他者とのギャップに苦しんでいたのかもしれない。 『道化の華』の短編に、そうした苦しみを感じるものが多く書かれている。 大小はあるが、思い当たる人は多いのではないか。 「自分はもっとできる」「いつかすごい人間になる」と思いながら、他者との関わりの中で自分はそれほどでもないことを知り、傷つき、諦める。 しかし太宰治はそこで諦めきれずに、「せめて自分の人生を書き残して死のう」と思い、この『晩年』を始め、作品を残していったのかもしれない。 だからこそ、太宰治の文章には、『血』を感じるのかもしれない。

    5
    投稿日: 2025.12.10
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    ✳︎道化の華 よそう。おのれをあざけるのはさもしいことである。それはひしがれた自尊心から来るようだ。現に僕にしても、ひとから言われたくないゆえ、まずまっさきにおのれのからだへ釘をうつ。これこそ卑怯だ。もっと素直にならなければいけない。ああ、謙譲に。p136

    1
    投稿日: 2025.11.12
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    太宰治を初めて読んだ。全体に漂うノスタルジックな世界観とは裏腹に、文章自体は思いのほか平易で、読みやすさがあった。主人公の内省が率直に描かれ、情景描写はあえて抑えられているように思えた。作品の舞台や風景よりも、語り手の心の動きに焦点が置かれている点が印象的だった。 「猿ヶ島」は、より物語性を備えた一篇で、純文学初心者としては意外性があった。島に漂着した主人公が、実は猿であり、そこが動物園だったという結末は寓話的でありながら、どこか現代的な小説らしさも感じられる。単なる童話にとどまらず、大人向けの文学として仕立てられており、猿を主人公に据えることで人間社会を風刺的に映し出しているように思えた。「走れメロス」に通じる書き方なのかなと思った。 「道化の華」はさらに実験的で、一つの小説の進行と、それを執筆する作家の感情とが並行して描かれるメタ小説的な構造を持っていた。設定は面白かったが、二重の物語が同時に展開するため、どちらの世界にも没入しづらい面があった。

    0
    投稿日: 2025.09.10
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    著者の物語と著者自身の関わりについて、よく言われていることがあるけれども、ここでは、そのことについては触れない。あえて僕が、それを語る必要がないと思うからだ。皆で同じことを言うなんて、言い方は悪いかもしれないけれど、馬鹿げていると思う。いまさらなのですよ。悪しからず。 人というのは、どうしようもなくて、それは誰しも心当たりがあると思う。浮かぶも沈むも、本人次第、と言ってしまったら身も蓋もないけれど、その心当たりが人一倍強く思いあたる僕としてはなおさらだ。堕ちるときは堕ちる。言い訳だってするし、他人のせいにもするかもしれない。妥協だって肯定するし、いつだって逃げ道を用意する。ここまで思い当たることがあると、自己嫌悪を通り越し、諦めの境地に踏み込むことも厭わない。 そんなものですよ、人なんて。 読書の際は、常に僕自身のことを平行して考えているような気がする。確信は、あるような、ないような、曖昧な感じがするけれども、それは、きっと共感ということにつながっているのかもしれない。読書を始めるまで、共感という感覚には馴染みがなかった。想像力が足りなかったのかな。共感って、想像力だと思うから。想像して、自分のこととリンクするから、共感に至るわけでしょう?著者の物語を読むと、いつもそう思う。想像が生々しく思えるくらい。それだけ共感の度合いも高まるというもの。 『晩年』という短編集は、物語のバリエーションに魅力があると思う。著者の物語につきまとう重さが幾分薄らいだ、物語としての面白みに富んでいる印象。物足りなさを感じるなら、それはあまりにも著者のイメージに引かれ過ぎだと思う。固定観念は、ほどほどに。でないと、見逃しているものが、あるかもしれませんよ。 著者の人生を知るからこそ、それを覗き見しているような気がして、愛おしくすら思えてくる。自らの人生などと重ねてみたりして、ぼく自身の不甲斐なさに頭を抱えてしまうこともあった。そのうえで、何らかの発見があるのでは、と期待してしまう浅はかさ。 いや、自分のことは棚に上げてしまおう。あくまで読者は傍観者。距離感は思いのほか近いけれど、鵜呑みにしてしまうことなどは、分をわきまえつつも、どこか熱狂を抑え切ることが難しい。ある意味で自虐なのかもしれない。自身に重ねてしまう。 省みては、ため息をもらす。 どこかの物語に登場する、何をとっても完璧な主人公は一見気持ちがいいけれど、果たしてそれは、傍観者である読者との関係をより鮮明にするだけで、いわば他人行儀な熱狂の先には、結局何も残らない。 読者である自身との境界の曖昧さこそ、著者の物語に惹かれる理由だと確信している。

    0
    投稿日: 2025.06.01
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    イメージする太宰。それも客観的に見つめる太宰。小説としてまとめて喜ぶ太宰。また見えない太宰。 たくさん太宰がいるように感じる。

    1
    投稿日: 2025.02.14
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    202403 太宰治にしては明るい部分もあり、様々な手法に取り組もうとしてたことが伺える 202503-04再読 葉 色んな句や短編の組み合わせ 撰ばれてあることの 恍惚と不安と 二つわれにあり 思い出 著者の学生時代の思い出。特に女中のみよへの恋心(男におかされ出て行ってしまう) 魚服記 父と暮らす炭屋のスワが最後鯉になる、女の目覚め、絶望、変身を童話的に 列車 友人の彼女が振られ青森駅行きの列車を見送る。時間を持て余し悪態をつく。 地球図 ローマのシロオテのキリスト教日本伝教、その死刑囚としての結末。 猿ヶ島 人の漂流と思いきやロンドン博物館からニホンザル二匹が逃げたというオチ。見世物の人間から実は自分たちから観察されてた=文学者の宿命と文壇に対する風刺。 雀こ 井伏鱒二へ送る、青森弁のはないちもんめ。 道化の華 女と心中して自分だけ助かった大庭葉蔵の友人達との病院での話。私小説? 作者が出てくる。ああ何という失敗! 猿面冠者 ある作者は自分を彼と言う、で始まり彼の小説家として創作の迷い。メタ小説風の便り 逆行 蝶々◦老人、盗賊◦百姓と飲み屋で喧嘩、くろんぼ◦サーカスの黒人を探す少年。第一回芥川賞候補作。 彼は昔の彼ならず のらりくらり家賃を払わない青扇と家主の話。あの男と僕とちがったところが一点でも、あるか。 ロマネスク 仙術太郎◦仙術で下ぶくれに変化、喧嘩次郎兵衛◦喧嘩の鍛錬をして嫁を死なせてしまう、嘘の三郎◦嘘ばかりついてきた。太郎、次郎兵衛、三郎が揃い我々は兄弟だ、我々の生き方を書物にしようと嘯く。 玩具 金を親にせびる。この小説をどうしようか。私を信じなさい。一二、三歳の思い出を語る。未完。 陰火 誕生 工場の息子の帰郷から結婚、両親の死、娘の誕生 紙の鶴 嫁が処女と嘘をついた。友人の家で鶴を折った。 水車 前夜関係持つ憎い男女。男は思案しながら女を追う。 尼 話をする尼が寝ると如来が現れ消え尼は人形になる めくら草子 なんにも書くな。なんにも読むな。なんにも思うな。ただ、生きて在れ! 「この水や、君の器にしたがうだろう」

    0
    投稿日: 2024.10.16
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    中2病文学とかいわれることもあるけど、めちゃくちゃかっこいいのはいつ読んでも毎回思う。逆に、まだ読んでない中2は早く読んだほうがいい。三四郎とかこころとか、そのあたりを1冊読んで、その次にこれを読むとなおいいかもしれない。個人的には中3で読みました。

    1
    投稿日: 2024.08.23
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    デビュー作、芥川賞の候補になったのは収録されてる逆光と道化の華のようですが、いまでは大家となってるとはいえ、さすがにこのレベルでは石川達三の蒼茫のもつ迫力には負けてる。自分の人生をモチーフにした思ひ出・道化の華はあくまでのちの作品のモデルにはなっても、のちの作品のクオリティには至っていない刺さりが弱い。地球図はキリシタンもので芥川へのあこがれか。猿ヶ島も小説家が使いたがる設定。彼は昔の彼ならずは人間失格の少し明るい感じで意外と太宰イズムが現れててよかった。ロマネスクみたいな寓話が私は好きなようです

    0
    投稿日: 2024.08.07
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    高校時代の愛読書。 死(自殺)を予感した天才青年の「遺書」として読んだ。 エピグラムに掲げられたヴェルレーヌの「選ばれてあることの恍惚と不安とふたつ我にあり」というセリフに、太宰の天才としての矜持と、その裏の天才なるが故に何でも見えてしまう底なしの恐怖とを感じて胸が詰まった。 太宰は、処女作において、既に自分の最後を幻視していたとしか思えない。 その美しくも痛ましい心の震えに感応して、読者も途轍もなく苦しくなる。 しかし、そこには甘美さもある。 妖しくも危うい魅力に若者はハマる。 本書は、太宰治の魅力に満ちた初期の傑作作品集だ。 最初に最高傑作を書いてしまった者は、悲劇的な人生を予定されている。 何故なら、それを超えることは不可能であり、この後の全ての作品が処女作の模倣でしかないのだから。 それは、処女作として「一千一秒物語」を、書いてしまった稲垣足穂に似ている。 尤も、足穂翁はそれを自覚して泰然自若として処女作の模倣を行ったが、太宰はそうではない。 処女作を超えるべく、刻苦勉励の文筆活動を行ったのだ。 この美しくも痛ましい短編集は、暗記するほど読んだものだ。 次第に太宰の文体と思考が乗り移って来るような気がした(だけだった)。 太宰治は38歳で亡くなっている。  何と、未だ青年ではないか。 芥川龍之介が、服毒自殺したのは35歳。  まだ、若造ではないか。 三島由紀夫も45歳。  これから脂の乗ってくる時ではないか。 夏目漱石が亡くなったのは、   49歳!  まだ40代ではないか。  修善寺の大患を経験しているので、彼の晩年の  写真は60-70代の老人にしか見えない。  漱石も、夭折とは言えないにしても、壮年にして  世を去っていることを知ることは重要なことに  思われる。 死というものにせき立てられて、必死に生き延びるのが青春時代かもしれない。 若さの内に唐突に訪れる死。 その強迫観念から逃れられなくなり、若く死んだ文学者たちの声ばかりを聞くようになる。 大宰が若くして死んだことを知っているから、処女作を遺書と見做しただけではない。 自作未遂を繰り返してきた太宰治にとっては、どの作品も遺書だったのだから。

    0
    投稿日: 2024.07.27
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    葉 意味不明 思い出 青年の思春期ってかんじ 魚服記 スワがおとうを夢に見て、酔っ払って落ちたことを悟って助けに行ったという無理のある別エピソードを考えてみたけどどう考えても近親相姦。ちょこちょこ女、な描写があって嫌な予感したんやってな、胸糞の悪い…。バッドだけど最後の魚の描写からしてハッピーエンドか?

    0
    投稿日: 2024.06.10
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    『思い出』 みよとの話が切なかった。みよにとって太宰は雇用主の一人でしかなかったのだろう。 『彼は昔の彼ならず』 面白かった。相対性理論の「気になるあの娘」の「気になるあの娘の頭の中は普通普通わりと普通」という歌詞を思い出した。

    0
    投稿日: 2024.03.31
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    どの本をと読んでも太宰治らしさがみえていい。津軽の表現が、多くて風情あった。 でも、全てを理解するのはまだまだだと思ったのであと3年後にもう一回読みたい。

    1
    投稿日: 2023.12.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いやぁ。自分は太宰治の熱心な読者というわけではないですし、自虐と自己憐憫の果てに破滅に至るような作品なのかと身構えていましたが、意外なほどの明るさと瑞々しさを湛えた青春の書じゃないですか。 まずもって、27歳の若さで世に送り出した処女作品集のタイトルが『晩年』って。人生に疲弊し切った老人の繰り言のような題です。が、内容を読むにつけ、人生にそれだけ絶望し尽くすというのもまた若さなのかも、と思わされましたね。年齢ではなく、感性において、太宰は本当に若い。逆に若者でなければ書き得ないような鋭さといいますか、斬新な感覚に満ちています。 妻の裏切りを知らされ、共産主義運動から脱落し、心中から生き残った著者が、自殺を前提に遺書のつもりで書き綴った処女作品集。 “撰ばれてあることの 恍惚と不安と 二つわれにあり”というヴェルレーヌのエピグラフで始まる『葉』以下、自己の幼・少年時代を感受性豊かに描いた『思い出』、心中事件前後の内面を前衛的手法で告白した『道化の華』など15編より成る。 1 葉/2 思い出/3 魚服記/4 列車/5 地獄図/6 猿ヶ島/7雀こ/8 道化の華/9 猿面冠者/10 逆行/11 彼は昔の彼ならず/12 ロマネスク/13 玩具/14 陰火/15 めくら草紙 所々、著者自身による前置きや脚注、解説や弁解めいた文言が挿入されるあたり、鼻につかないではないです。四の五の御託を並べるのはいいから、早く本編に行ってよ!と言いたくなる感じ。が、溢れ出る文才の絵の具をキャンバスに叩きつけたようなアオハルっぷりはたまりません。この純度・深度を他の作家で味わうことは困難ですわ。

    1
    投稿日: 2023.09.17
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    太宰治の最初の本。中編小説15篇が収録。 老年の作家が書いたような「晩年」というタイトルだが、太宰が27歳の時のもの。収録されている作品に「晩年」というそれのものはない。太宰が遺書のつもりで、それまでの人生のすべてを書き残した。 もはや90年近く前の本なのだが、令和の時代に読んでも全く色褪せた内容には思えない。

    1
    投稿日: 2023.08.24
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    太宰治の処女作品集。全15編。当時27歳。 自殺を前提に遺書のつもりでせめて自分の一生を書き残したいと懸命に書かれた作品。 劣等感や罪悪感。生きることへの絶望はありながらも、悲壮感や切迫感はあまりなく、むしろ"死"より"生"を強く感じた。 太宰治の繊細な内面が、一編ごとに違ったテーマで様々な技法を駆使して描かれており面白い。 「道化の華」では「人間失格」の主人公が出てくるなど作品同士の繋がりが嬉しく、「ロマネスク」は特徴的な三人の童話風の話が印象に残り、「雀こ」は津軽弁で語られる故郷と井伏鱒二への愛を感じた。 彼の生き方に共感できるかは別として、彼の弱さは誰もが心のどこかに持っているもののような気がする。 太宰治のことをもっと知ってから読むともっと深く読めるのかな。 少しずつ読み進めます。

    44
    投稿日: 2023.06.11
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    人間らしい太宰治の事が色々書かれてあったり。 よくわからない話もあったり(自分の読解力が足しないのかも?) またいつか読み返したらもっと何か分かるのかもしれない。

    4
    投稿日: 2023.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和十一年刊行の太宰治の処女作品集。 以前、別のアンソロジーで「富嶽百景」を読んだとき、自分がどう見られているのかをすごく気にする人だと感じたが、それは本書収録の作品にも直截的に書かれている。また、(意識的か苦しまげれかはさておき)小説の筋をいったん止めて作者自身が説明や言い訳をしたり、とりとめのない文句をコラージュ的に並べて雰囲気を演出したり、または箴言めいたことを書いてみたり、気取っていて自意識が非常に強い。解説には二十三、四歳のころに書かれたとされているので、そうなるのも当然ではあるのだろうけれど、いま一歩作品に入り込めない。思春期に読んでいれば、また印象は違ったのだろうとは思う。 どの作品にも作者自身が反映された登場人物が出てくる。 以下は印象的だった作品 ・「猿ヶ島」 猿の流れ着いた島が、実は動物園だったと判明する。 先着の猿が語るさまざまな職業についての皮肉が面白い。 ・「猿面冠者」 人生の岐路に立たされたとき、見知らぬ人から手紙が送られてくる、「風の便り」という小説を書く過程を作者の思考を交えながら描く。小説のなかで小説を書くという入れ子構造になっている。 同じ手法をとっている「道化の華」(本書収録)では、読者に見られることを意識したうえで悩み、卑下している感がある。 ・「彼は昔の彼ならず」 親の遺産を譲り受けた青年は、木下青扇という男に家を貸したが、いっこうに家賃を払う気配がない。取り立てに行っても、いつもうまい具合にごまかされてしまう。働くようにすすめるも、女房が変わるたびに手をつける仕事も変わり、稼げている様子はない。なかば放っておいているところに、青扇の最初の女房が青年のもとを訪れる。 ・「ロマネスク(仙術太郎 / 喧嘩二郎兵衛 / 噓の三郎)」 蔵にこもって仙術を会得した太郎。喧嘩の腕を磨こうと鍛錬を積む二郎兵衛。幼いころから嘘をつき続けてきた三郎。思うよういかない三人を、おとぎ話のような形で滑稽に描く。

    1
    投稿日: 2023.03.20
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    【葉】麻の着物をもらったことであと少し生きてみよう、そんなふうに思うなんて生きるって案外シンプルなことなのかなって思って気持ちが楽になった。

    2
    投稿日: 2023.01.25
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    ふた通りの読み方があると思う。 書き手である、太宰の心境を思いながら読むのと、自分にあてはめ、共感したり嫌悪したりしながら読む読み方。 私は、太宰の著書を読むとき、太宰が自殺したことを必ず思い出す。 そして、自殺したことも含めて、すべてが作品として、私の胸にのしかかってくる。 太宰の描く、どうしようもなく歪んだ、本来人間のもっている汚い泥みたいなものに、共感して、悲しくなって胸が痛くなる。

    1
    投稿日: 2022.12.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「猿ヶ島」の終わりの一文が凄く好きです。 猿が様々な人間を批判している場面に私達の普段の生活と重なる部分があり、考えさせられました。 主人公が安定した生活を選ぶのか。自分の生きたいように生きるのか。という選択肢が出た際に、後者を選んだ場面が印象に残りました。

    0
    投稿日: 2022.09.28
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    太宰治にはまり、ついにこの本を読む日が来た。この本に収録されている「逆行」は私の入学した大学の入試問題で出題されたものだ。試験中に文章を読んで感動したのは、この「逆行」と宮本輝の「星々の悲しみ」だけ。「星々の悲しみ」同様、すぐにこの本を買っていたが、大学入学してのほほんと生活していた当時の私は読むことなく30年も過ぎていた。処女小説集ということだが、短編一つ一つが心に響く。私小説的なものが多く、太宰の人となりをよく知ることができ、とても楽しめた。30年経ち、太宰が好きになりこの本も読了でき、とても嬉しい。

    0
    投稿日: 2022.07.30
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    「太宰治」の短篇集『晩年』を読みました。 先日読んだ「寺山修司」の著書『ポケットに名言を』で、『晩年』からも名言が選ばれていたので、読んでみたくなりました。 -----story------------- 1936年(昭和11年)6月25日に砂子屋書房から発行された、「太宰治」の処女小説集。 『葉』『思い出』『猿ヶ島』『ロマネスク』など短編15編を収録している。 初版は500部発行。 27歳の若者が最初に出した小説に『晩年』と付けたのは、それが遺書になるだろうと思ったからだ、と「太宰」自身が語っている。 思想混乱の時代の青年の生存苦をテーマに、内容、文体ともに多彩な手法で書かれた短編集である。 第1回芥川賞候補作。 ----------------------- 1936年(昭和11年)に発表された処女作品集で、以下の15篇が収録されています。  ■葉  ■思ひ出  ■魚服記  ■列車  ■地球図  ■猿ヶ島  ■雀こ  ■道化の華  ■猿面冠者  ■逆行  ■彼は昔の彼ならず  ■ロマネスク  ■玩具  ■陰火  ■めくら草紙 デビュー作なのにも関わらずタイトルが『晩年』となっているのは、当時、「太宰治」が自殺を前提にして遺書のつもりで「最初で最後の作品集」として書きはじめたことに由来しているそうです。 「太宰治」らしさがタイトルにも表れていますよね。 そんな本作品集の中で「太宰治」のことを殆んど知らない私が、「太宰治」らしいなぁ… と感じたのは、ストーリーに一貫性がなくつながっていないけど「太宰治」の心情が表現されている(感じのする)『葉』と自叙伝的小説の『思ひ出』、自意識と罪意識を告白しようと試みている『道化の華』ですかね。 『道化の華』は、登場人物の他に物語を中断して作者の自意識が登場して、作品の手法を批判するという不思議な作品… 自己否定って、ことなのかなぁ。 主人公の「大庭葉蔵」という名前は『人間失格』の主人公と同名なんだそうです。 全般的にはもどかしさを感じながら読み進めた感じ、、、 作者と意識がシンクロできないことと、作品の中の世界観や情景を頭の中でうまく映像化できないことがストレスになったことが原因かな。

    1
    投稿日: 2022.06.12
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    気迫に欠ける男の描き方は、さすがです。当時、家の資産で暮らす人は割合に少なからずいたと思います。そう考えると、歴史を見るようでもあります。

    0
    投稿日: 2022.05.03
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    生活。 良い仕事をしたあとで 一杯のお茶をすする お茶のあぶくに きれいな私の顔が いくつもいくつも うつっているのさ どうにか、なる。 “葉”

    0
    投稿日: 2022.03.29
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    死に向かって生きる。死ぬために生きる。 生きていることにもがき苦しみ、死ぬこともままならぬ。 太宰治はどう考えていたのやら。 自叙伝として、そして遺書としてのこした作品とのことですが、私にはわからぬ世界です。 しかしながら何故か惹かれてしまうのが不思議。

    1
    投稿日: 2022.02.21
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     「お前はきりょうがわるいから、愛嬌だけでもよくなさい。お前はからだが弱いから、心だけでもよくなさい。お前は嘘がうまいから、行いだけでもよくなさい。」   一番好きな一節。胸に刺さったなあ。

    4
    投稿日: 2022.02.05
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    この時代の常識や、固有名詞などがわならなかったので少し読みづらかったです。しかし、はっと目を見開かされるような文章に感銘を受けました。憂鬱ではないのに、死の気配を感じる。そんなところでしょうか。年が明けたら再読しようと思います。 特に猿面冠者を気に入りました。工場見学みたいな楽しさがありました。

    0
    投稿日: 2021.11.23
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    ビブリア古書堂の事件手帖に作品が出ていたので、興味を持ち読了した。道化の華など聞いたことのある作品も少々あった。短編小説。太宰治の独特な表現を読みとるのに何度も読了した。違う作品も読みたくなった。

    2
    投稿日: 2021.06.20
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    今を引き延ばしてどうにか生きる。それでいい。 大きな、或いは小さな挫折から正しく死ぬ程の絶望を味わう。それを昇華させる力を持ち得ているのは正直羨ましい。わたしはまだ、この気持ちをどうするべきか、模索しているのだろうから。

    1
    投稿日: 2021.03.10
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    高校卒業の時、担任の先生に貰った。 文章から感じる若さ、人生を諦めているようで諦めてない、そんな憎らしさ

    1
    投稿日: 2021.02.19
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    ビブリア古書堂の事件手帖から 中身は短編集 お話を楽しむというより、太宰文学とは?という観点で読んでみる方が良いかもしれない 難解な作品も多いので、ネット上の様々な解説と併せて読むと、理解が深まる

    1
    投稿日: 2020.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全体的に、ものすごく前衛的で、語り手である自分に批判的で、詩的で、難解なフランス文学を思い出した。 「魚服記」は結末の意味がわからず、父親に犯されたという解釈を読んでなるほどなぁと思うと同時に何だか後味が悪かった。 「列車」は人間の心理が深く描かれている作品だなぁと感嘆した。 「地球図」はただシロオテに同情。悲しい話だった。純粋な信仰心に感動。 「猿ヶ島」は冒頭の描写にまんまと騙されて、自分が見物されている側だったというオチをまさに体験した。 「道化の華」は、一人称と三人称が交錯する型破りな形式で、こちらが恥ずかしくなるくらい己を曝け出し自己批判に終始していたが文章が美しくて惹き込まれてしまった。魔物だなぁ。 「猿面冠者」は構成が凝っていて難解だったけれどオチを理解したら面白かった。 「彼は昔の彼ならず」は「晩年」のなかで一番好きな作品だなぁと思った。「彼」の「芸術家」らしさに心惹かれるあまり家賃の滞納を許してしまう大家が、「彼」に幻滅するまでの心理の移り変わりが鋭く描かれていて素晴らしかった。いるよねああいう人。 「ロマネスク」はおとぎ話を読んでいるような不思議な感覚だった。

    0
    投稿日: 2020.06.18
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    太宰治の作品を読むのは「人間失格」に次いで2度目。 15篇の短編に登場する男たちそれぞれに著者自身が投影されていて、全部を読み切ってはじめて彼の人物像が浮かび上がってくる。 彼の人並外れて過剰な自意識とナルシシズムに垣間見える普遍的な人間臭さに読者は魅了されるのかもしれない。

    1
    投稿日: 2020.04.24
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    (Mixiより, 2010年) 太宰治、処女作。15編からなる短編集です。馴染める作品とそうでないものとの差が激しかったという印象。原因として情景描写に捉えづらいものが多く、(特に自然風景)退屈してしまうことが多かった。また「猿ヶ島」「地球図」などはまず設定を飲み込むのに一苦労で、ページをめくるのがなかなか辛かった。この辺りは個人差があると思います。その中でも「道化の華」は、人生の中で何回か読んでいくことになるだろうなと思えるほど心に残る作品でした。読み手は物語の主人公に感情移入しているのに、いつのまにか書き手の心境にさせられる。自分を投影した主人公を操ることさえもはばかられる、 
なんとも弱々しい作者の心境に親近感を抱きます。名作と名高い他の作品には完成度で劣るかと思いますが、読めばきっと誰しも心に引っかかるフレーズが見つかるはずです。

    0
    投稿日: 2020.04.20
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    今年は太宰治の生誕110周年であります。何だかつひこないだ、100周年だつたやうに感じますが、改めて時の流れは早い。時蠅矢を好む。 で、今回は『晩年』の登場であります。第一作品集なのに、ジジ臭いタイトルをつけたものです。どうやらこの作品集を上梓した後に、自殺しやうと目論んでゐたフシがありますので、遺書のつもりで書いたのでせう。 十五篇の短篇からなる一冊。『晩年』とはその総タイトルで、「晩年」といふ名の小説があるわけではございません。 トップバッタア「葉」は、よく分かりません。いきなりですが。小説といふより、アフォリズム集に近いかも。 続く「思い出」は自伝的小説ですな。紀行文『津軽』で再会を果たす「たけ」も登場します。 「魚服記」に登場する少女スワ。わたくし好みであります。津軽の民話を基にした作品らしい。スワが鮒になり、滝壺に吸い込まれてしまふのは哀れであります。 「列車」はほんの掌編ですが、読後感は悪くない。否、好いのです。確かに列車での別れは手持ち無沙汰になりますな。 「地球図」はキリシタンもの。何も悪くないシロオテが獄中で牢死させられるのは義憤を感じるのであります。 「猿ヶ島」の新参者の猿が、人間を見世物と思つてゐたら、実は自分たちが人間の見世物であつたと悟つた時の衝撃。『人間失格』で、大庭葉蔵が周囲から狂人として扱はれてゐたと知つた時のショックを思ひ出しました。 「雀こ」は津軽方言で書かれてゐて、難しいのです。あまり理解出来ませんでした。奥野健男氏の解説で少し分かりましたが、情けないのであります。 そしていよいよ「道化の華」。「思い出」と並ぶ、本短篇集の根幹をなす作品であります。後に「虚構の彷徨」の一部となりますが、『人間失格』の原形とも申せませう。主人公の名も『人間失格』と同様、大庭葉蔵であります。 「猿面冠者」は、作家が小説を書く過程そのものを小説化してゐます。小説自体のパスティーシュでせうか。しかし最後の葉書、たつた一枚にあれだけの文章が書きこめるのでせうか。 「逆行」は「蝶蝶」「盗賊」「決闘」「くろんぼ」掌編四篇から成ります。「蝶蝶」の「25歳の老人」は、『人間失格』のラストシーンを思はせます。大庭葉蔵のその後か? 「彼は昔の彼ならず」の青扇は、間違ひなく作者自身がモデルですな。あのだらしなさ、言ひ訳の下手糞さといつたら...... 「ロマネスク」は「仙術太郎」「喧嘩次郎兵衛」「嘘の三郎」の三篇から成立してをります。三人ともハピイエンドにはならないのですが、何となく笑つてしまふ作品群です。いやあ面白い。 「玩具」もまた、作者自身の独白体なのですが、作者を装ふ小説と申せませうか。我乍ら稚拙な表現でお恥づかしい。 「陰火」も「逆行」と同じく、四篇の掌編から成ります。即ち「誕生」「紙の鶴」「水車」「尼」で、「尼」は幻想的で不思議な作品。「紙の鶴」は丘みどりさんを連想しますね。どうでもいいけど。 そして最後の「めくら草紙」。この一篇は、『晩年』初版には含まれてゐなかつたさうです。最後のフレイズが格好いいといふか面白い。精神の不安定な時期に書かれたらしいですが、十分(好い意味で)商業的な作品として通用すると存じます。 第一作品集といふことで、もつと習作時代の名残のある、未熟な作品だと思ひなさるか。否、否。既に完成された作品群だと勘考いたします。読んだ人なら、太宰治の底知れぬ才能を感じ取ることができるでせう。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-804.html

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    投稿日: 2019.08.06
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    妻の裏切りを知らされ、共産主義運動から脱落し、心中から生き残った著者が、自殺を前提に遺書のつもりで書き綴った処女作品集。“撰ばれてあることの 慌惚と不安 と二つわれにありというヴェルレーヌのエピグラフで始まる『葉』以下、自己の幼・少年時代を感受性豊かに描いた処女作『思い出』、心中事件前後の内面を前衛的手法で告白した『道化の華』など15編より成る。"

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    投稿日: 2019.06.18
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    太宰治が「遺書」として残すために書きまくったという初期作品集。自殺未遂事件や幼少時の記憶や執筆のことなどほぼ私小説に近いような内容から、幻想小説に近いようなものなど、幅広く太宰の萌芽を感じさせる一冊になっています。 「道化の華」 人間失格のその後か?と思いながら読んでましたが、むしろそれよりも前に書かれていたという大庭葉蔵が自殺未遂する話。 入院中の葉蔵を訪れてくる友人たちとのやりとりが妙に明るくて不思議な感じでした。 太宰本人というか作家の視点がメタ的に挿入される前衛的な構成。それをハイカラな作風であろうとここで書いちゃう自虐まで丁寧に描かれていて面白かった。 「猿面冠者」 まだ書かぬ傑作の妄想にさいなまれる青年の話。とにかく傑作を書いてとにかく名声を得たい!と妬み嫉む姿はじめじめと陰湿でありながらも、いっそ正直で清々しかった。 小説は、やはりわがままに書かねばいけないものだ。試験の答案とは違うのである。 「逆行」 このなかの『決闘』という話が良かった。他人からどう見られているかだけを気にして生きる自意識過剰な主人公。ちまちま稼いだ有り金五円を握りしめ、カフェできっちり五円分の酒をのんだあとの会計の描写が気持ち悪いぐらい緻密で笑った。全財産のくせに、余裕綽々の態度でかっこつけた主人公にこちらが恥ずかしくなる。 太宰、一体どれほど芥川賞が欲しかったことか。 これを読んでからそのことを想像するとよりいっそう味わいが深まって楽しい。 死後100年以上経ってもこうして読み継がれているんだよって、知らせてあげたい。

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    投稿日: 2018.10.03
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    太宰が当時遺書として書きためた作品集。 「道化の華」の主人公である葉蔵は「人間失格」にも登場しますが、まるで違うような作品でした。 「人間失格」に於いては自己否定や自己破壊の極限に達したような深みがありますが、「道化の華」を始め本書の作品中には当時の太宰の不安定さや息詰まるようなもがき苦しむ様を感じました。 「人生万事嘘は誠」という言葉がありますが、この頃の太宰は持ち前の道化精神に対するこれでいいのか?という不安や、それでも正直なことへの渇望、しかし嘘をやめられないという苦しみと懸命に戦っていて 自殺前提の遺書とされながらも、生きることへの憧れがよく現れていると感じました。

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    投稿日: 2018.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3 15の短編からなる第一創作集。ビブリアを見て。その他の近代文学と同様、あまり大きな感動はなくそれなり。非人間的な政治運動への幻滅、運動から脱退する後ろめたさ、自分はプロレタリアではなく大地主の子であり滅びる人間滅亡の民であるというコンプレックス。それらが太宰を絶望に追い込み自殺を決意。「道化の華」人間失格でも同じ登場人物大庭葉蔵。小説を書く理由、栄誉、金どちらもほしい。作者の自意識が物語を中断して直接小説に登場し客観描写的リアリズム手法を批判し否定し注釈する技法を用いた前衛的な現代小説らしい。

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    投稿日: 2018.08.18
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    内容的には物足りない。「太宰若いな。力が入りすぎだよ」という感じ。新しい小説技法を意識しすぎていて、太宰の持ち味が活かされていないように感じる。小説における新しい試みというものが、物語を陰気にしたり作家に意味不明な芸術家を気取らせたりした時代なのかなとも思う。候補作であった『逆行』にしても、『道化の華』でも芥川賞のレベルではない。ほとんどの作品に感心しなかったが『猿面冠者』だけは良かった。これなら芥川賞を狙えたかもしれない。

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    投稿日: 2018.07.17
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    坂口安吾の「堕落論」を久々に読んで、その中に「魚服記」がおもしろいとあったので、読んでみた。 太宰治は事あるごとに読んだつもりだけれど、そういえば「晩年」は読んだことがなかった。 ああでも、数ページで放り出したくなった。 太宰治研究者には涎ものだろうが、読み物としてはちっともおもしろくない。太宰が自己の殻を破ろうと果敢に挑んでいる。それはいいけど、通勤電車なんだよこちとらは。 MCがことさら自分の出自について長々と語りだして肝心の演劇がなかなか始まらない。始まったと思ったらまたMCが出しゃばってくる。ええい、わたしは演劇が楽しみでいたのに、といった気分になる。

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    投稿日: 2018.05.20
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    ずっと「晩年」という作品があるのだと思っていたが、そうではなくこの作品集のタイトルだということを読み終わってから知ったという。 そして晩年に書かれたわけでもなく❨本人は遺書のつもりで書いたので意図としては晩年だが❩、作品集としては最初のものだというから、そのネーミングセンスからも著者のシニカルというかそういう視点の鋭さが伺える。 作品は様々な視点や手法を用いてかかれており、小説に語り手として著者を登場させたり自分の体験をもとにした話だったりかといえば物語だったりと同一作者か?と思うほど斬新。遺書のつもりの作品集、ということで恐らく著者もこれが最後と全ての手法やらを詰め込んだのだろう。 そのような手法を取り入れることで、ともすると一般人には不可解な生活をして不可解な思いを抱えている主人公、というだけに終わりがちな話を痛烈に浮かび上がらせているように感じる(一言で言えば、ツッコミ役を設けているということか)。 個人的には道化の華がよい。お互いの距離を計りながら自尊心を傷つけあうことを避けるよう接し方に気を使い合う友人3人の様子は、私にも心当たりがありすぎてギクリとさせられる。作中ではそんな関係に対して事実として淡々と語られているだけだが、著者に批判されているというか憐みの目で見られているような気がするのは気のせいではないかもしれない。

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    投稿日: 2018.03.11
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    難しく、陰鬱な文体ながらもセンスを感じる。自殺未遂前の小説であるが故か。 思い出、道化の春あたりがわりと良いです。 個人的には他の太宰作品に比べて楽しさがないと言うか、好みではない。

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    投稿日: 2017.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全体的に、自分をモチーフにしてるというか…自分のことを書いてるような話が多かったように思います。 『人間失格』もそうでしたが、そういうのは一貫して自己嫌悪、自己主張、自己愛、劣等感、エリート意識などの要素がからみ合って全面に出ているように思います。 私自身にも思い当たるところが多いので辛いだろうなぁという気持ちと同時に、第三者目線で何作も読んでみると何もそんなに自分の内面ばかり見つめなくても…と呆れるようななんともいえない気持ちになって苦笑が…。 つらい思いや悩ましい時代を過ごした人にはささる話が多いだろうと思いますが、同調できるタイプと自分を見てるようで自己嫌悪であまりいい気分ではないというタイプに分かれそうだな…と。 実際どうかわかりませんが…。 あとは読んだ時の年齢でも変わってくるかも…私も十代の頃にはじめて読んでたらもっとのめり込んだかもしれません。 この中なら『魚服記』がずば抜けて好きです。 『猿ケ島』『彼は昔の彼ならず』も好きかな。 『道化の華』も好きですが、唐突に作者が出てきて注釈をくわえたりするのは斬新なのかもしれないですが、私はどうも笑えてきちゃって…。

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    投稿日: 2017.09.02
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    太宰はどうしてこんなに人間を知っているのだろう。観察力と言葉に収める能力が並外れているとわたしでもわかる。

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    投稿日: 2017.07.06
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    「葉」 エピグラフばかり続いて本題に入らない小説 自らの死に捧げる墓碑銘草案集 なにも嘘をつきたくてついてるわけじゃないんだという泣き言 真実の暴露は人を傷つけるからね 「思い出」 子供のころ、叔母さんやお手伝いさんに甘えていた幸福な時間を 大きくなってからも知らず知らずに求めていた 「魚服記」 山の娘が犯されて人生を悲観のあげく滝壺に飛び込む 「列車」 お人好しだが無責任ゆえのいらぬおせっかいで間の悪い思いをするハメに 「地球図」 バテレンのいらぬおせっかいが江戸時代、日本インテリの気を悪くする 「猿ヶ島」 人が批評家を気取るのは、他人の批評を恐れているからかもしれない 「雀こ」 求めては得られず 諦めては嘲りをぶつけられる子供の悲しみ 第1回芥川賞の直前に発表されたもの 「道化の華」 最初の心中事件をおこした直後の話 きわめてコミカル ひとでなしだなお前… 「猿面冠者」 知らない女の人から慰めのレターをもらうという 都合のいいポルノみたいな小説を書いてしまって自己嫌悪に陥る 「逆行」 嘘を演じ続けてきた人生 しかしかつてはミンストレル・ショウをガチで信じる無邪気な少年だったんだ 「彼は昔の彼ならず」 高等遊民ゆえの後ろめたさにつけ込まれ 家賃を一度も払ってもらえないやつ 「ロマネスク」 リアリズムといっても小説だから全部つくりごと だから小説家は嘘つきの天職 「玩具」 幼くして祖母の死の瞬間を目撃したとき 人間は玩具であるとの確信を得たとか たぶんそういうことにしたかったんだろう 「陰火」 女は如来になれないし なれたとしても太宰のような者のとこには来ない それは男も同様で、ほころびだらけのまがい物がせいぜいだ しかしそれでも太宰は 死にたいとぼやく自分を誰かに叱ってほしかったのではないか 中也とか 「めくら草紙」 隣家に住む16歳の少女を毎日うちに通わせて 小説の口述筆記などさせているが こんな私につきあっていては彼女を駄目にしてしまうだろう、てんで わざとひどいことを書くかまってちゃんだ

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    投稿日: 2017.06.03
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    太宰治の初期の短編を集めた、処女短編集的な一冊。にも関わらず、タイトルが晩年とは相変わらずこじらせてると思わせる。 中身は、そこまでこじらせた話は少なく、昔話ものもあったりと種類豊富。

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    投稿日: 2016.10.26
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    ビブリア古書堂の事件手帖6巻で話題の中心だった本書。気になって読んでみました。 自殺を決意して遺書のつもりで書いたそうで、鬱な展開ばっかりかと思いましたが、意外にニヤリとさせられる話もあり、面白かったです。

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    投稿日: 2016.10.08
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    27歳の頃に刊行された作品集。小説の限界に挑むような勢いがあり、自殺未遂や薬物中毒に苦しんでいた頃に書かれたとは思えない。 他の作品もそうだが、暴力や性描写、安易な物語に走らず、弱みをもつ人物の内面を描き切るところに魅力を感じる。

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    投稿日: 2016.09.06
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    太宰ビギナーの私にはけっこう読むのがしんどい作品集だった。太宰治のデビュー作品集。「道化の華」と「彼は昔の彼ならず」が印象的だった。道化の華は人間失格の主人公でもある大庭葉蔵が登場。最初の自殺未遂の入院がモチーフとなっている。語り手の「僕」と視点が切り替わるというかなり前衛的な作風だ。「葉」も散文詩のような作品だが割と好きだ。二十代のデビュー作にして「晩年」と名付けた太宰の覚悟が伝わってくる。意欲作「逆行」も現代なら芥川賞ものだと思うが昭和文壇は厳しかったんですね…選考委員すごいメンバーだものなあ。

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    投稿日: 2016.05.21
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    発表時太宰は27歳。彼の苦悩が切々と伝わってくる作である。太宰の作品にいつも描かれる絶望、死への憧れ、息するように嘘をつき道化を演じる虚しさ。虚しさ。 死のうと思っていた。 という言葉で始まる『葉』、お年玉に夏の着物をもらって夏まで生きていようと思った。 この気持ちは昔感じたことがある。希望じゃない、諦めじゃない、躊躇いみたいなものかなぁ シンクロしすぎて読んでて途中やばいかなと思った。

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    投稿日: 2016.04.20
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    処女作とはいえ、言いたい放題、気の向くまま文章になっている。 今でいうと、ブログやfacebook的内容。 案外気軽に読める。

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    投稿日: 2016.04.05
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    太宰治の第一創作集です。 『葉』 最初一つの物語として読もうとして意味がわかりませんでした。でも一つ一つわけて読んでいくとどれも素敵な文章で、好きな作品になりました。 『思い出』 太宰が少年だった頃の話です。大地主の子として生まれたため生活の質は高かったのかもしれませんが、裕福な家庭だったからこそ他の兄弟と比べられた辛さは大きかったのではないかと思いました。 女中のみよに心惹かれている太宰は純真で可愛らしく、微笑ましいです。「ふだんから女の悪口ばかり言って来ている手前もあったし、みよに就いて譬えほのかにでも心を乱したのが腹立しく思われるときさえあった(p68)」、「女を思うなど、誰にでもできることである。しかし、私のはちがう、ひとくちには言えぬがちがう。(中略)私の場合には思想がある!(p78)」など、惹かれているのに素直になれないところが少年らしくもあり好きです。 『魚服記』 馬禿山の裏にある滝の下に住んでいる少女スワの幻想的な哀しい物語でした。 『列車』 貧しい育ちのテツさんは恋人を追って上京したものの、別れることになり国元へ送り返されてしまいます。 見送りには様々な物語があり、すべてが美しい物語というわけではなく思い通りにいかない物語があるのも現実です。けれどそういう物語も含めて、見送りという場面は魅力があると思います。 『地球図』 法を説きに来たシロオテは獄舎につながれ、やがていじめられて牢死してしまいます。けれど風流な奉行が彼のしかばねのところに植えた榎は根を張り枝をひろげて大木になり、ヨワン榎とうたわれています。不思議です。 『猿ヶ島』 動物園に連れてこられた猿の話でした。かわいそうにも思いますが、彼らはめしの心配がいらない"いいところ"の誘惑から自ら逃げる勇気をもっていました。 『雀こ』 津軽の言葉で書かれていて独特の雰囲気を持つ作品です。わらわの遊びごとでいつでも一ばん先に欲しがられるタキと、のこされるマロサマ。 『道化の華』 主人公大庭葉蔵は心中をしますが、自分だけ助かり女のひとは死んでしまいます。そんな状況なのに悲しくも道化を演じてしまう男たちの物語でした。 時々出てくる作者僕も、その男の一人に感じました。 『猿面冠者』 "どんな小説を読ませても、はじめの二三行をはしり読みしたばかりで、もうその小説の楽屋裏を見抜いてしまったかのように、鼻で笑って巻を閉じる傲岸不遜の男"が小説を書いたとしたなら、という話です。読み手と書き手は違うと思い知らされることになります。恥ずかしくなります。 『逆行』 4つの短編は、すべてつながっているのでしょうか。時代を逆行しているのでしょうか。 最初の『蝶蝶』では、二十五歳を越しただけなのにふつうの人の一年一年を三倍三倍にして暮した老人は、死ぬ間際まで嘘を吐いていました。 最後の『くろんぼ』でも、少年は自分は他の人とは違うという気持ちを持っているのですが、読んでいてなぜか微笑ましくなりました。 『彼は昔の彼ならず』 "ふつうの凡夫を、なにかと意味づけて夢にかたどり眺めて暮して来ただけ(p310)"の物語でした。しかし結局は、"みんなみんな昔ながらの彼であって、その日その日の風の工合いで少しばかり色あいが変って見えるだけのこと(p311)"でした。 『ロマネスク』 なまけものと呼ばれていたが、面白くないという呪文をくりかえしとなえ無我の境地にはいりこむ仙術の奥義をもつ仙術太郎。喧嘩の上手になってやろうと決心して修行をしたものの、そのものごしのため喧嘩の機会がなかった喧嘩次郎兵衛。父黄村の吝嗇(りんしょく)のため嘘の花が芽生え、その後嘘が真実と化していた嘘の三郎。その3人のお話でした。 特に喧嘩次郎兵衛の話がクスッと笑える面白さで好きでした。嘘の三郎では嘘のない生活、その言葉が嘘でしたが、嘘をつかない人なんていないだろうと嘘について考えさせられます。 『玩具』 書き出しは好きです。書き手の「私」が顔を出してきてからは、不思議な感じでした。誰にも知られずに狂い、やがて誰にも知られずに直っていた私の、赤児のときの思い出が書かれていました。 『陰火』 4つの掌編からなる作品です。 全体的に妻に裏切られ嘘をつかれていた男の気持ちが描かれていたと思います。『誕生』ではあえて娘の生れて百二十日目に大がかりな誕生祝いをしたり、『紙の鶴』では頭脳がからっぽにならないように警戒したりしています。 『水車』は、憎くてたまらぬ異性にでなければ関心を持てない一群の不仕合せな男女の話でした。『尼』は如来様が出てきて、4つの中でも幻想的な雰囲気の作品でした。 『めくら草紙』 隣人から夾竹桃をゆずっていただいた私が、その隣人の娘マツ子について書いています。作品の最初の部分は、マツ子に書かせていたことになっており、物語の中に物語がありました。 "お隣りのマツ子は、この小説を読み、もはや私の家へ来ないだろう。私はマツ子に傷をつけたのだから。(p396)"とは、どういうことなのか、不思議に思いました。

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    投稿日: 2016.03.17
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    暗すぎる。気が滅入る。自殺ほう助 容認に問われそう 太宰治作品中最悪 文学的価値は判らぬが小説は面白くなくては駄目

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    投稿日: 2016.01.22
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    散文的な小説「晩年」は大好きな作品。この本は全体としてもどこか太宰の思い出をつなぎ合わせた「散文的」なイメージがある。収録されている「道化の華」は強烈。話自体はとても暗いけれど、ときおり書き手の太宰が顔を出して作品について語るという斬新な構成。「笑い」という点では究極だと思う。声をあげて笑ってしまった。

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    投稿日: 2016.01.08
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    太宰治が満二十七歳の時に書いた処女創作集。自殺を前提にして、遺書のつもりで書いた短編集だから、晩年というタイトルなのだそう。私と同い年なのに、なんて暗いんだ。短編自体は暗いものだけじゃなくて滑稽なものもあり読みやすかった。

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    投稿日: 2015.12.29
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    後年の作品に見られる自意識が見られる。 「魚服記」や「猿ヶ島」といった作風の存在は意外であった。「道化の華」にはあの大庭葉蔵が登場する。

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    投稿日: 2015.12.15
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    ビブリオ古書堂がこの本をテーマにしていたし、ピース又吉氏のお薦め本コーナーが行きつけの本屋にあったので、手にしてみた。 後期作品かと思ったら、0号作品だった。はっきり言って完成してない作品が多い。 「葉」は後で解説を読むと、破いた作品の断片集とのこと。読んだときは、お、面白い語り口と思ったとたんに、太宰自身のグダグダした喋りが入ってきて、何じゃこりゃという印象。 「道化の春」作品の背景の事件を考えると、よくまあこんなダラダラした作品が書けたもんだと思う。 筆に詰まると顔を出してくる作者が邪魔。いい加減ウンザリ。解説には前衛的手法とあるけど、嘘だと思う。もしそうなら、全然成功していないだろう。 甘ったれで、自己憐憫が強く、矢鱈自分の容姿に拘ってたりで、好きになれないんだ。 俺は嘘つきだ嘘つきだと云うなら、もっとしっかりした嘘をついて見せて欲しい。幾つかのホラ話のような作品の方が、まだ良いと思う。 文章表現の巧みさは、おっと思わされる処がある。 だけど、正直、太宰はもう、イイかなと思う。

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    投稿日: 2015.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こんなに良いとは思わなかった! 「太宰治いいよね」というヒトは、ちょっと斜に構えたヒトというか、アウトローなヒトなんだと思ってたけど、純粋に良かった。 物語に浸っていたら、急に執筆中の太宰治が現れて読者に相談をしかける。 三畳か四畳半の暗い部屋で日本酒飲みながら話すように。 100年読み継がれることを意識した太宰治。 この「晩年」が昭和11年に出版されて79年。あと21年です! さらば、行け! 「この水や、君の器にしたがうだろう」 カッコよすぎます!

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    投稿日: 2015.11.05
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    第一作品集のせいか、私小説のような作品が半分以上。その中で「魚服記」と「ロマネスク」の二編のファンタジーが太宰らしさが出ていて好き。

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    投稿日: 2015.05.03
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    「ロマネスク」とは<小説のように数奇な、情熱的な>という意味らしい。ちなみに「数奇な」には<不思議な><波乱万丈の>に加え<不運な>という意味もあるらしい(建築様式の方しか知らなかった)。「滅多にない、不思議で不運な男たちの巡り合わせ」くらいの意味に取ればいいのか。「私達は芸術家だ」という叫びが何だか唐突で、そうなのかもしれないけど、自分で宣言されると半ば鼻白む収まりの悪い1篇。

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    投稿日: 2015.04.30
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    好きな作品と良さのわからない作品が混在している感じ。 私にとって太宰という作家自体がそうなのかもしれない。 でも、どの作品にもふっと鋭利なきらめきがあるのは流石だと思う。

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    投稿日: 2015.04.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    友達から紹介されて読んだ1冊。太宰は人間失格しか読んだことが無かったが、短編も面白い。解説までとても楽しく読めた。「思い出」が一番よかったなあ。男だから?

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    投稿日: 2015.04.17
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    ビブリアを読まなければ多分読まなかった本。誇大した自己意識を持て余すと大変なんだな、と思った。 みんな大なり小なり大きすぎる自己意識を持つんだろうが、日々の雑務・実夢で気を紛らわせられる神経の図太さに感謝。

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    投稿日: 2015.04.15
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    全て読み終えてから解説の「自分はプロレタリアではなく、農民たちを搾取する大地主の子であり、」「自分は革命の戦士でなく、滅ぼされる側の人間だという痛切な自覚」で深く納得した。太宰治をきちんと読んだのは初めてだけども、全体を包んでいる、かっこいい人間になりたいけど、所詮自分とはこんなものだ的な雰囲気の理由が少しわかった気がした。自己と他者を見つめる視点と、その記述の正直さは共感性がとても高くて、想像していたよりずっと庶民的だった。いま太宰が生きていたらにちゃんねらーになってたんじゃないだろうか。 道化の華や思ひ出のような自叙伝的な話が多く、それも好きだけれど、魚服記やロマネスクのような作品もあって、太宰治はそれだけの人ではないんだと痛感させられる短編集。でもいちばんのお気に入りは彼は昔の彼ならず。

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    投稿日: 2015.04.08
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    2015年4月の課題本です。 http://www.nekomachi-club.com/report/20533

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    投稿日: 2015.03.23
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    この作品集にこめられたものを知っている限り。 これが太宰の遺書とも言える処女作品集であることを理解している限り。 既に半世紀を越えて生き続けている私には、この本にこめられた、才能ある若者の真摯な苦悩を受け止める力がなかったのだと思うしかない。 読み終えるまでに何度も表紙を閉じ、枕元に数日間置き放しにしたことも数度。読み続けるに体力が保たないのである。 懐古趣味的幻燈のごとく、作者の中のあらゆるものが目まぐるしく流れては消えてゆく。そのきらびやかさについてゆけるだけの若さを、私はもう、いつの間にか失くしてしまっていたのだ。 吉田篤弘までが、私の生の速度の限界だった。 疲れ果て、読了。

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    投稿日: 2015.01.17
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    「猿ヶ島」 実は自分が観られている側だったと云う。 「ロマネスク」 太郎次郎三郎とひと癖ある人物の顛末記。 昔話みたいで楽しく読める。 「彼は昔の彼ならず」 青扇を見て自分のダメさを反芻する。 「思い出」 少年の思い出。らしくないけれど割と好き。

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    投稿日: 2015.01.10
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    最初の作品集とのことで、収められている1編ごとに自分の小説の形を探すような試行錯誤が見え、創作の苦しさに呻吟する感じが見える。フレッシュな屈折、とでもいうのかな。

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    投稿日: 2015.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    思い出の治が色んな意味で切なかった。見系として伝わっているのにコンプレックスだらけなのは共感したが、少し卑屈すぎやしないか。 登場人物のほとんどがダメ人間だけど、人間味があっていいと個人的には思う。半津軽出身的におまけで星四つ。

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    投稿日: 2014.12.18
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    高校の時に読んだけど,頭のなかにたまに思い浮かぶ言葉がこの中の言葉だったりしてかなり影響を与えられた。斜陽などよりよほど面白い。

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    投稿日: 2014.11.25
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    処女作で、短編集になっている。自分の経験を匂わせる作品がいくつかあった。「魚服記」「猿ヶ島」のようなおとぎ話的物語が私は好きだ。他は、あまりパッとしない。

    0
    投稿日: 2014.10.24
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    太宰治の遺稿のつもりとして出版された処女作「晩年」。短編集なので様々な作風の作品が収められてるが、どれも陰鬱さと理想が錯綜する太宰治らしさが色濃く出ているように思う。個人的には未遂に終わった入水自殺の経験をモチーフにしつつ、作家である自分に対する自己批判的なメタ要素を挟み込んだ「道化の華」が好き。

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    投稿日: 2014.07.02
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    太宰治の生涯をきちんと知った上で読んだらもっと楽しめたかもしれないな。 『思い出』の中で運命の赤い糸が出て来るけど、現在一般的には手の小指に結ばれているが、作中では右足の小指だったのが、真贋はどっちなんだろうと気になります。

    0
    投稿日: 2014.04.27
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    『晩年』。凄まじく良いタイトルだと考える。 個人的には太宰の初期作品は展開が追いづらく苦手。 私の力不足でしかないが。

    0
    投稿日: 2014.03.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    凄く良い作品が多かった。 技巧的で前衛的な表現も多く、そう言うものの全てを受容できたとはとても思えないけれども、でも時々はっとさせられるような瞬間があった。 全篇を通して何とも言えない哀愁の表現が非常に好きだった。哀愁と、絶望と、ニヒリズム的な虚無感が入り乱れる中に、確かに血の通った人間味や実感と言う物もまた描き出されている。そして何よりそれを美しく太宰の手腕には舌を巻く。月並みな表現だが、言葉の魔力。不思議と文章に引き込まれてしまうような魅力が確かにある。 特に好きだったのは道化の華、彼は昔の彼ならず、そして葉だった。道化の華のメタな技法を多用する事によって現実世界まで遡及的に侵食するような生々しい若者の実感。彼は昔の彼ならずの最後、描かれた情景へと昇華されて行く物語の感覚。葉の冒頭、『死のうと思っていた』から始まり、紡がれて行く言葉が最後に辿り着く『どうにか、なる。』 太宰の文章は、読んでいて本当に色んなことを考えさせられる、と言うより、感じさせられる。ハッとさせられたり、ジワジワと染み入ってくるような感覚を何度も感じる。例え全く自分と違う人間が描かれていても、全くしたことのない経験が描かれていても、不思議と『ああ、この人は私なんだ。』と思えるような、奇妙な程の人間的な生々しさがある。本当に不思議な世界観があって、引き込まれる。

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    投稿日: 2014.02.10
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    どうにか、なる。 10代の頃、人間失格を読んで、怖くなった。暗い気分になった。太宰治は読まないようにしよう、と思った。でも、今は違う気がする。しばらく何作か読んでみようと思う。どういうわけか、自分でもよくわからないのです。

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    投稿日: 2013.12.10
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    初作品集。 15作品を収めている。 死のうと思ったけど、着物もらったから夏まで生きよう。 で始まる『葉』 自意識全開な『思い出』 オチが秀逸な『猿ヶ島』 そしてダメ男な『彼は昔の彼ならず』 が好き。 どれもこれも暗い話なのにおもしろかった。 好きです。太宰治。

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    投稿日: 2013.11.24
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    綺麗な文が印象的な太宰治にしては、読みにくいと思ったら初期の作品なのか。 正直1冊読むのに苦労しました。 流石と言える物語もあれば、そうでない話も。

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    投稿日: 2013.11.20
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    太宰の第一作品集。第一回芥川賞の候補になり、本人も師の井伏鱒二もすっかり取れるものと思っていた。ところが、最終的に受賞作となったのは、石川達三の『蒼氓』だった。現在の審判はもう言うまでもないだろう。さて、『晩年』だが、ここでは未だ弱冠25歳の太宰がすっかりその後の人生を達観しているかのようだ。解説の奥野健男が言うように、ここには太宰文学の萌芽がすべてある。篇中の「道化の華」で太宰は「僕の小説が古典になれば」と語っているが、まさにそうなったのである。

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    投稿日: 2013.09.27
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    ここには人間のエゴやあらゆる感情がそれぞれの短編に収められている。「思い出」「猿面冠者」は読んでいて自分のことを書かれているような感覚を覚えた。

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    投稿日: 2013.09.02
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    初読。 新潮100冊。 じっくり読んだ方がいい本だと思うけれど、次に読む本もあったため若干斜めよみ。 基本的に私小説系は作者に興味がないと面白くないと思うけれど(作品から興味を持つ場合もありますが)太宰治作品となじみがない為、知らない人のブログを読んでいるような気分。 それでも読ませるのは太宰の文章力なんでしょう。 先日よんだ人間失格と合わせて、他の太宰作品に親しんでから、再読してみたい。

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    投稿日: 2013.08.13
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    『きりぎりす』に衝撃を受けて、太宰の短編に興味を持ち、手に取った本書。 フィクションとノンフィクション、ファンタジックなものからリアルなものまでの様々なテーマ、表現方法の試行錯誤などが、これでもかというほど入り交じっている。人としても小説家としても、生き方に迷い、模索し、煩悶し、懸命に道を切り拓こうとしては挫折し、悩み苦しむ太宰の姿そのものを映しているようだ。 処女作品集ということもあり、『きりぎりす』中の作品よりも、もっと泥くさいというか、生々しい印象を受ける。 http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-430.html

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    投稿日: 2013.08.07
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    自殺を前提として遺書のつもりで作ったという処女短編集だが 鬼気迫るものよりも、自尊心の塊ゆえのおかしみ・かわいらしさを感じた。 決して明るく楽しい作品では全くないのだが、 若くて青臭い登場人物たちが愛おしく思えた。 10代の頃、太宰の小説を読むときには 「これは自分のことだ!」と切羽つまった気持ちで読んだものだけど、 私も歳をとったんだな。 物語の中に書き手が登場する手法が斬新。 「思い出」と「道化の華」が好きだけど、「猿ヶ島」が 思いの外面白かった。

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    投稿日: 2013.07.28
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    太宰治のデビュー作品集である『晩年』。 とても不思議な雰囲気でした。 短編集なので、作品は多く収録されています。 けれど、『晩年』というタイトルのものはありません。 作品の中では、詩が随所に散りばめられています。 文章の前後でつながりがないような部分やストーリーとして成立しているのか疑問に思ってしまう部分もあります。。 普通はそれで驚いちゃって、読みたくなくなるんでしょうけれど、それでも読みたくなってしまう。 太宰の言葉の魅力だと思います。 言葉が魅力的だなと思うのは、地の文だけでなくて、登場人物同士の会話でも感じます。 すごくセンスがあるというか、おしゃれな感じというか、やりすぎちゃってキザな感じもありそうな、そんな印象でした。 他の作品を読んでいないからわからないけど、太宰が今でも読み続けられている理由は、若者独特の描写があるからかなと思いました。 中でも、『道化の華』は特にその感じが強かったです。 自殺しそこなって入院している若い男性が主人公で、隣の部屋の女の子にかっこよく見られたくてポーズを取ってみたり、お見舞いに来た友達とバカを言い合って盛り上がったりします。 彼はきっと、大人になりきれなくて社会に馴染めず夢を追いながら絶望している、そんな感じ。 昔の作品でも、共感できる部分は多いと思います。

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    投稿日: 2013.07.14
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    「晩年」というタイトルだけあって、太宰の今までの人生や、死を連想させるような話が多かった。今までの人生を主観的、また客観的に描いた作品の両方があり、過去への懐古が太宰にとってどれだけ大きいことかということが感じ取られたような気がする。加えて、私的に、太宰による性の描写は、汚くなくて好きだ。

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    投稿日: 2013.05.23
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    太宰さんの第一創作集。 ようは短編集です。 『晩年』って言うのは、早く死んじゃうつもりで付けたタイトルらしいよ。 出したときの太宰さんは27歳で、実際にここに収められた作品が書かれたのはそれよりちょっと前なんだって。 ときどきハっとする美しい言葉があるんだけど、全体的に自分に酔った外見を気にしぃさんのボンボン文章って部分がかなりありました。 らじは戦後の作品のが好きだな。

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    投稿日: 2013.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    太宰のデビュー短篇集。 太宰治を知る上でのエッセンスが詰まってると個人的には思います。 「葉」と「猿面冠者」が好き。 「葉」は小説ではなく、アフォリズムっていうのかな?デビュー前の作品やボツになった作品の印象的な断片を集めて散りばめた作品。 いかにも太宰って感じの警句が揃ってる。 「猿面冠者」は『どんな小説を読ませても、はじめの二三行をはしり読みしたばかりで、もうその小説の楽屋裏を見抜いてしまったかのように、鼻で笑って巻を閉じる傲岸不遜の男がいた。』 こんな書き出しで始まる、ある駆け出し作家の話。 本気で読むとラストで肩透かし食らっちゃうかも。 作中作をちゃんと一本描き上げてくれていたらそれはそれで読みたかったなぁ。

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    投稿日: 2013.01.28
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    15編。気合入れたっぽくて実験的なものが多いけど必ずしも楽しくはない。『ロマネスク』あたりはストレートで楽しい。

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    投稿日: 2013.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

     「ビブリア古書堂」を読んで図書館に行ったらふと手が伸びた。久しぶりに読んでみる。 「たった一行の真実を言いたいばかりに百頁の雰囲気をこしらえている」(葉) 「よい画がかけたらねえ、と言った。しかも笑ってそれを言った。青年たちは、むきになっては何も言えない。ことに本音を、笑でごまかす。」(道化の華) 十代で読んだときは共感したり、なるほどど感心したり、憧れもあった。 それが改めて読んで、若いってことのもどかしいこと。チンケなプライド。人の目を気にしたり、浮かんだり、沈んだり。 イライラヒヤヒヤする。 でも、ふとそうだった。そういうもんだったと気づく。 あまりにも生々しいからフタをしたくなるんだな。 「重苦しくてならぬ現実を少しでも涼しくしようとして嘘をゆくのだけれども、嘘は酒とおなじようにだんだんと適量が増えてくる。次第次第に濃い嘘をついていって、切磋琢磨され、ようやく真実の光を放つ。これは私ひとりに限ったことではないようだ。人間万事嘘は誠。」(ロマネスク)  自分をどうにかしたくて、どこかに行ってしまいたくて、悶々とする、そんな気持ちが溢れて、読むのが辛く時間がかかってしまった。 「空を見上げたり肩をゆすったりうなだれたり木の葉をちぎりとったりしながらのろのろさまよい歩いているあの男と、それから、ここにいる僕とちがったところが、一点でも、あるか。」(彼は昔の彼ならず)

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    投稿日: 2012.11.19
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    太宰を好きになったので読んでおかねばな,と思って買った一冊. 自分はこの頃よりもう少し後の太宰作品が好きだけれど,十分に太宰節が楽しめた.

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    投稿日: 2012.09.09
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    太宰治はあまり好きではないのだけれど、ビブリア古書堂の事件手帖で取り上げられていたので、ちょっと興味をそそられて読んでみた。 冒頭の「葉」はさすがだなぁ~と思える文章。綺麗だ・・・と。 ただ、内容は難しい・・・(;´Д`) 「思い出」や「道化の花」「彼は昔の彼ならず」はなかなか興味深く読めた。 「猿面冠者」は皮肉なのだろうが、今の時代ではそれほど皮肉とも言えないか?太宰治がこの作品で伝えたかったことは何となく理解出来るが、今ならもう少し別の角度から書かないと読者には伝わらないかもしれない。 そう考えると小説の表現というのも時代と共に変わってきているのだろう。しかし、昔の作品が持つ美しさや表現の面白さが作品から消えてなくなるわけではない。 源氏物語のような古い作品が今でも読み継がれているように、人が人や世相を描くのは「その時代の人間」にしか出来ないことであり、その表現方法は今とは違っていてもその時代を描くのには最適なのだ。 良く、古い作品に対して「今でも新しさを失っていない」などという解説を見るが、それは作品に対するほめ言葉ではないと思う。晩年の解説でもこのほめ言葉が出てくるが、ならばその作品は百年後、千年後に価値がなくなるのか?答えは否だ。 その時代の最適な表現でその時代を描いているから伝わるのだ。 太宰治は私は好きではない。が、彼の多種多様な表現が読める晩年を読み彼が素晴らしい作家である事は理解出来た。 もっとも、好きにはなれなかったが、好きになる事と評価するとはイコールではないのだから、それはそれでかまわないだろう。 今、人間失格や斜陽を読めば中学生時代に読んだ頃とは違った感想が得られるだろう。それは、晩年を読んで見方が変わったことだけでなく、私が歳を取ったということでもある。 時代に合った表現方法だけでなく、自分の年齢によって読み方もかわるものなのだから。 いずれ太宰治の他の作品も読んでみよう。

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    投稿日: 2012.06.23
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    太宰は人間失格を前に読んで、ちょっと苦手意識があったけどこの作品はわりと読みやすかった。人間失格同様、内容は暗いけど短編集だから気軽に読めたし、少し自虐的な語り口調で意外とすんなり頭に入ってきた。道化の華が一番好きなかなぁ…。

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    投稿日: 2012.04.27
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    言わずと知れた名著。 複数の作品が入っており、どれも楽しむことができた。 個人的には、嘘の達人が面白い。

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    投稿日: 2012.02.17
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    妻の裏切りを知らされ、共産主義運動から脱落し、心中から生き残った著者が、自殺を前提に遺書のつもりで書き綴った処女作品集。"選ばれてあることの 恍惚と不安と 二つわれにあり"というヴェルレーヌのエピグラフで始まる『葉』以下、自己の幼少時代を感受性豊かに描いた処女作『思い出』、心中事件前後の内面を前衛的手法で告白した『道化の華』など15編より成る。 猿ヶ島、道化の華、彼は昔の彼ならず、ロマネスク。

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    投稿日: 2012.02.02
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    太宰を好きな人は怒るかもしれないが、私にとっての太宰は“自意識お化け”。 もちろん、読んでいて「おや、上手いな」と感心することもあるが、そのすぐ後ろに、「上手いだろう?」としたり顔の太宰が見えている。 時にはそれも愛嬌だが、鬱陶しく感じることもしばしば。 そんな太宰の“自意識お化け”っぷりを、遺憾なく発揮したのが『人間失格』だろう。 この作品は、悩みやすく傷つきやすい思春期の、そのわずかな期間には、ぴしぴしと鋭く抉り込んでくる。 実際、私も初めて読んだときには、食事もせずに貪った。 それも今では、“自意識お化け”が鼻につく。 そして、この『晩年』という創作集。くれぐれもタイトルに惑わされてはならない。 これは、太宰の“初期”の作品を集めた「晩年」という名の作品集なのである。 処女作品集にして、すでに太宰は“自意識お化け”であった。 ところが、この時期の太宰は違う。 彼の自意識が、作品に大変よく生かされているではないか! 解説で奥野健男は、 「自意識と含羞と罪意識に耐えて内的真実を告白しようとする作者の身もだえが、そのまま小説の文体や構成として表現されている。」 と述べている。 確かに、『晩年』に収められた作品には、全体的に方法論的な試行錯誤が見られ、「道化の華」や「玩具」などに顕著だが、メタフィクションが巧くて面白い。 「自意識と含羞」のおかげで、この時代にこれほど優れたメタフィクションをつくれたのだろう。 少し、惚れ直しました。

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    投稿日: 2012.01.22
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    第一創作集ということですが、 支離滅裂なようでいて、 なんとなく筋が通っているというか。 津軽弁で綴られた散文詩「雀こ」が素晴らしい。

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    投稿日: 2011.12.12
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    『道化の華』 前衛的。この時代の前衛的じゃない、今の時代においたって前衛的だと思う。ほんと衝撃的な手法で書かれてた。 太宰の心の裏の裏の裏まで包み隠さず表現している。表現というよりも、もう思いのまま叫んでいるような。 人間、どっかで感じている自分の醜い一瞬の心、みんなそうゆうのは見逃して生きているから生きていけてる。太宰はそれを許さなかったんだ。

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    投稿日: 2011.12.08
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    きた証を残すために書き綴った短編集。死を決意した人間の書いた小説なんで、そりゃーもー暗い。暗過ぎてちょっと読むのしんどかったなぁ。個人的には「ロマネスク」が良かった。

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    投稿日: 2011.11.13
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    10代で太宰を読んだ時、こんなウジウジウジした奴の小説など二度と読むか!と放り出したのですが、先日、書店を徘徊中に、ふと手に取って読みだしたらあまりにするすると読み進めるので購入しました。 ご存知のようにこの「晩年」は太宰が27歳までに書いた短編を集めた処女作品集です。 それでもその完成度、境地の高さは並ではない。 極一部の天才だけが遊べるような場所に表現される世界は、濃密な感触と、奔放な感性に溢れてます。 こういうのをさらっと書けるのは、文豪と呼ばれる人間だけなんだろうな。 主人公の造詣がウジウジしているのも、今なら理解できるのです。 過剰な罪悪感に悩むあたりエヴァンゲリオンのシンジ君みたいでもあり、昔より嫌な感じはしません。 何より驚くのは、太宰さん、萌えキャラの造詣が名人芸、というか天才の業。 最初の「破」じゃない、「葉」の終盤に出てくる可哀想な花売り娘は、なんだか綾波レイみたいじゃないか! チャーシュー食べるけど! というか、誰か二次創作で、この花売り娘の綾波レイ、作って欲しい!と激しく願うようなキャラクターが出てきます。 ちょいと長めの「思い出」は、自伝小説として抜群の出来ですが、何より次の「魚服記」には驚く! こっちはまんまジブリアニメの萌えキャラだ。 それもかなりの出来の方の。 スゲエよ太宰治。 こんな作家だったんだ。 太宰再発見! ゼーレが黙っちゃいませんぜ、って感じです。 ps 文学は若くないと分からない。 ましてや太宰など、と言われますが、私はこの年になって初めて太宰を良いと思えました。 感性は人それぞれだと思うけど、読書は安価でコストパフォーマンスが良く、究極のエコ娯楽でもありますよね。

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    投稿日: 2011.10.09