
総合評価
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powered by ブクログ軍事政権と民主化への移行が共存する二十世紀後半のアルゼンチン。闇を崇拝する教団を舞台に、〈霊媒〉を巡る愛と死と狂気の物語が展開する。政治的激変期に於ける国の暗部がホラー要素と融合する。上巻はやや冗長に感じるが、下巻の視点変更から一気に速度を増し、ラテンアメリカ史を呑み込みながら運命が収束していく終盤は言葉を失う。重厚で理知的な幻想文学。
2投稿日: 2026.01.12
powered by ブクログ下巻に入ると雰囲気がまったく変わり……なんてことはなかった。 下巻最初の章は、上巻で語られてきた物語の前の時代(1960〜1976)だ。一人称の語り手は誰だ? この章でだいぶ謎が解けるようになっている。次の章は本筋にはまったく関係ないジャーナリストのお話。そしていよいよクライマックス(1987〜1997)となる。 アルゼンチンの政治状況を基に土着宗教を被せ、そこに家族(主に父と子)を絡めたエンタメ小説という感想だ。上巻で感じたほどホラー要素は強くない。軍事政権下で想像もできないほど残虐な行為が行われたことへの怒りが感じられた。
3投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻からの勢いで下巻へ。物語は不穏さを増し、不気味で不安をかき立てる描写が続く。あまりに生々しく、想像すると吐き気を覚えるような場面が延々と続き、正直、嫌悪感を拭えなかった。 自分の子を守るために別の子を犠牲にしたフアンの選択は、結局のところ教団のやっていることと何が違うのだろう。腑に落ちない点はいくつもあるけれど、最後まで読者を離さない力があり、読み終えてみればやはり面白かった。アルゼンチンの歴史や背景をもっと知っていれば、より深く理解できたのかも。時間を置いて、もう一度読み返してみたい一冊。
4投稿日: 2025.12.23
powered by ブクログ後半は若者たちの話。 含みを残しながら、シーズン2がありそうな終わり方だった。てか、メルセデスの逆襲を読みたい。
0投稿日: 2025.12.20
powered by ブクログ超★5 この世にない何かにすがる人間たち… 禍々しく無類の狂気っぷりの中に光る唯一の親子愛 #秘儀 これまでのレビューは上巻にて https://booklog.jp/users/autumn522aki/archives/1/4102410619 ○人間ではなく生き物として描かれる 本作で描かれるのは、良くある人間ドラマではありません。生き物の戦いを描いているように感じました。そして表現や描写が露骨です、もはや差別も偏見も忖度もありません。性的描写もストレートです。 特に下巻の序盤ですよね。イギリスでの性文化、登場人物たちの考え方・行動を見ていると強烈。なんとなく嫌悪感を抱きつつも、興味関心を惹きつけて止まない。そしてこんな「生命に対して正直に生きている姿」を見せつけられると、つくづく自分が能天気なんだと痛感する。 ○アルゼンチンの影 本作の舞台はアルゼンチン、時代は1960年~97年頃です。地球の裏側にある国の歴史に触れることなんてあまりなく、この度勉強をさせてもらいました。 社会主義と自由主義の争い、動乱、人権侵害、一方的な搾取などによって、多くの市井の人々が犠牲になった。そんな場所で、どのように折り合いをつけて生きていけばいいのか… 今を大切に生きることを忘れてはいけませんね。 ○父と息子の物語 親子愛を描く物語はたくさんありますが、本作も心臓に突き刺さってきましたね~ 父親が息子を守るための行動をするってのはわかるんですが、本作ではそんな単純な構造ではありません。 むしろ仲が悪い、オヤジ意味わかんねぇ! ってところがなんだよね~ もちろんその背景には理由がありますし、終盤にかけてどうなるかってところが、本作一番の読みどころですね。ラストは一言、激熱です! 発売日に買ってずっと手元にあったんですが、年内に読めてよかった~ これで無事に年を越せます。今年トップクラスの化け物小説、絶対のオススメです。 ■ぜっさん推しポイント 父親であるフアンが息子ガスパルに、自分の力を引き継ぐ会話のやり取りがある。自分の苦しみや不幸なことではなく、幸せにつながることだけを与えたいという、痛切な想いがひしひしと伝わってくるです。 最近、息子の姿を見てると涙が出てくることがある。いつの間にこんなにも大きくなったんだろう、いつまで彼といっしょに暮らせるだろう、そしていつか必ずお別れの日が来る… 私も母親から大切なものを教わったことを思い出しました、それを息子に伝えていこうと思います。
102投稿日: 2025.12.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
家族から勧められて読んでみた。とにかく面白いらしい。 期待が高まる、、、が、帯を見ると、、、 えっ⁉️ホラー? 全世界が注目する南米ホラー 今世紀、最強の恐怖 アルゼンチンのホラー女王が綴る暗黒の書 これまたおどろおどろしいキャッチコピーが並ぶ。 私、ホラー苦手なんだよねぇ〜怖いのよ(泣)オカルト、怪談の類が無理❗️絶対、怖い❗️一人で寝れなくなる❗️嫌だ、、、読めない、恐ろしすぎる、、、と相当、読み始めるまで悩んで、怖いもの見たさに〝えいやぁー″と勢いで読み始めた。 なんじゃこりゃ? 巻末の解説に「ページを繰っても繰っても全貌が見えてこない構造の複雑さ」とあったが、それそれ!複雑な小説を読みこなす力のない、単純すぎる私が悪いのか?視点を変えた登場人物の一人語りが長い!長過ぎる!一人でごちゃごちゃ語らんでええから、話を先に進めてちょうだいよ、と飽きてしまう。 1980年代のアルゼンチンという国の社会情勢を背景としているところは、興味深かった。 北欧ミステリーで耐性がつき過ぎたのか(つき過ぎて不感症を患ったのか)大してホラー要素の不気味さも感じず、唯一興奮したのは館に入り込んだ少年少女4人組の一人が三人に手を振った、、、そうして手を振ったあと、、、の館探索の箇所くらい。 最後まで、人を彷徨わせ、呑み込む館が重要な舞台となるのだが、、、。 事実は小説より奇なり、で異形のものは別として、こんな〈教団〉実際にあったのでしょうねぇ 。今でも密かに行われていたりして、、、ホラー小説を怖いと思えないくらい、現実の方がよっぽどホラーです。 複雑さは、いろいろな事を示唆しているからこそのようでした。
19投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自らの命を永らえさせる為に生贄を捧げ続ける〈教団〉とそれに利用され使い潰される〈霊媒〉という構図と、〈教団〉から子を守ろうとする父、という構図が重層的になった壮大なダークミステリーとして、非常に満足のいく終わり方だった 上巻における主人公が退場したことで、今巻は誰が主人公なんだろうと開いたらロサリオだったことには驚いた それぞれの部ごとに視点が異なっているため、同じ事件に対して多角的に描写され、それに伴い〈教団〉の内部事情やアルゼンチンの政治状況など、これでもかと言うくらいに物語を膨らませることで、終盤にかけてどういう風に終わるのかとページをめくる手が止まらなかった 上巻がフアンvs〈教団〉という構図でバチバチやりあってたのに対して、下巻は怪しげな雰囲気や伏線が貼られながらも概ね日常らしい様子が描かれていたが、最終盤になると一変、上巻からの伏線を一気に回収するように物語が急進行し、綺麗に畳まれた 子供を守ろうとするが必死さと不器用さがあいまって暴力を奮ってしまう父の姿や、父の献身の実情を知らずに反抗的になって取り返しのつかない事態に陥っていく息子の様子が読んでていたたまれなかった 登場人物からの印象はさておき、読者の目線から見て、良い人の「良さそう」さと悪いやつの「悪そう」さがハッキリと描かれているのは、読みやすくてありがたかった そういう意味では、〈教団〉の一構成員でありながらも、フアンとガスパルに尽くしてきたしもべとして物語の出番を終えるスティーヴン(エステバン)に「こいつ裏切りそ〜」感を終始感じていたのは、作者の意図なのかなとも思う
7投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こんなに長い本読んだのは久しぶり。 最近の小説が値上がりしてるなか、この分量でこの値段!安い!かなり良心的、買う時絶対4000円超えると思ったのに。 章ごとに視点と年代が変わるし、物語のジャンルみたいなのも変わってて楽しい。解説の杉江さんが書かれてるようにわたしもコーマック・マッカーシーとスティーブン・キングが頭に浮かんでたからびっくり! ガスパルのパートはITとかストレンジャーシングスを連想しながらだった。 こんなに長いのにそこ?って言われそうだけど、上下巻通して第5部が1番面白かった。 ここだけ雰囲気が全く違うし、ここ以外は教団に関わりがあって、ほとんど身内だけの視点だったのにいきなり外から見られる話になる。かなりスリリングでいわゆる普通のホラーだったりサスペンスものを感じたからかも。 あとはあちら側ですね。やっぱりここが出てくるとこはめっちゃ面白かった。スカッとするし。ここまで搾取し続けてきた特権階級を皆殺しにする場面はイングロとかジャンゴを彷彿とさせるいい展開ですね。ここまでの長大な物語を締める、こんな歴史へのカウンターが用意されてるとは!最高ですね。 地の文の中で会話が進行するのもスピード感があってよかった。こんなに長いのに流れるような読み心地です。 短編集をまだ読んでないからいずれ読みたいな。
54投稿日: 2025.10.17
