
数理モデルはなぜ現実世界を語れないのか
エリカ・トンプソン、塩原通緒/白揚社
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総合評価
(2件)5.0
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「あーこれこれ、これが言いたかった」が詰まった一冊。 どんなものでもいいけど、データから何かモデルを作ったことがある人なら納得できる内容よねー。 データを用いてモデルを作ろうとする時点で、ある種の論理/倫理/バイアスに縛られている。というより、まずはモデルありきなんだろうなぁ。仮説を立てて、データを集めて、正しい結果が得られるかどうか確認する。(いわゆるPDCAサイクルというやつだ) それが選べる中で最良である手段なのはわかるけど、一方で最初に立てた仮説が軸になってしまう。そのモデルが過去の現象を上手く説明できてしまえば修正する必要もない。 『ブラック・スワン』のタレブが「過去50年間で、金融市場における10日間ほどの“極端な日”がトータルのリターンの半分を占めている」と語っていたけど、たぶんこれがモデルとリアルの乖離を何よりも示した一文なんだろう。 モデルはモデルでしかないが、それに寄りかからなくては回せない社会という構造の危うさ。(というよりこれは人の「予測」から来る本能的な動きだと思うけど) 正直この問題点は筆者もうまく回答できておらず、「ロバスト性を持たせる」というのも現実的じゃない気がするなぁ。 まぁここらへんは、モデルを作る人間が責任を持ち、モデルを使用する私たちは客観性を念頭に置くしかないんだけども。
0投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ数理モデル化と現実世界とのギャップ、そこへの向き合い方的な話で良い。なんとなく感じていたことが丁寧に論証されていく感じ。 良いのだけれどこの本を読みたいと思う人には多分当たり前のことが書いてあり、読まない人にこそきちんと把握して欲しい内容なのでなんだかなあと思ったり
9投稿日: 2025.09.18
