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虚池空白の自由律な事件簿
虚池空白の自由律な事件簿
森晶麿/集英社
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総合評価

7件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

     詠み手知らずの野良句に背景あり。  5・7・5にとらわれない自由律俳句×日常の謎の本作。解釈次第で無限に背景が広がってました。思えば万葉集だって見方を変えれば意味が変わってくるように、野良句だって人知れない意味が転がっていてもおかしくない。 鯨のように言葉を飲み込んでいくクジラは底知れず。そして最後……つながっていたのね……。

    0
    投稿日: 2025.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日常の謎のふりをした謎解きの謎というか作為が強く感じられてしまい、収穫と言えば自由律俳句があまり趣味ではないということくらいだった。

    0
    投稿日: 2025.11.19
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    俳句雑誌の編集者と友人の俳人が、自由律俳句の企画で「野良句」なるものを見つけて、その裏に隠された真意を探るミステリー。6章から成る連作短編集。主人公の2人の関係性が面白いし、バーのちえのマダム愛良さんも良い味を出している。怖い悪人も出ないからほのぼのとした気分で楽しめた。

    15
    投稿日: 2025.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    俳句ミステリー。これまた聞き覚えのないジャンルだ!と読み始めました。 詠み人知らずの名句を<野良句>として集め、その野良句に隠された秘密を解き明かしていく。短い文の中に、秘められた感情。はたまた犯罪の記録。私が読んで記憶に残った俳句は「おりのなかキリンしかしらないこわい」です。 最初は全くわからなかったのですが、空白たちによる推理で幼い子のSOSだったということを知る。その子はもちろん意図して俳句を作ったわけではない。その切実な思いが、多くの人の目に留まったのではないか。その結果、母が気づいてくれた。物語として、悲しい話ではあるがすごく印象に残った俳句でした。 野良句が集められた『Nの歌を聴け』とても読んでみたいです。

    0
    投稿日: 2025.10.23
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    俳人と編集者コンビが、読み人知らずの〈野良句〉とそれにまつわる謎を解く俳句ミステリ。『九マイルは遠すぎる』的なミステリ好きなので楽しい。自由律俳句の良さはよく分からなかったけれど、私も〈野良句〉を探してみたい。

    0
    投稿日: 2025.10.06
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    いわゆる連作短編集であり自由律俳句をテーマにして日常の謎を解いていくのですが、終盤のこの連作の仕掛けはなかなかロマンチックであり森晶麿らしいなあって。 3024冊 今年252冊目

    1
    投稿日: 2025.09.29
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    いやもう自由律最高っ!! 河東碧梧桐が始めた自由律俳句を世に知らしめるために変人俳人虚池空白と編集者古戸馬が野良句を捜し歩く、という設定からしてそそられるではないか。 詠み人知らずの落書きを「野良句」と称して集めてムック本にする。しかもそれを集めるのは大学同期コンビ。 この二人のやりとりがとてもよき。なんともみんな大好きアリスと火村の名探偵コンビを彷彿とさせる。 一章ごとに一つの野良句の解釈と、その句をめぐる謎解きが描かれる。 メモのような、落書きのような、一見意味の分からない言葉の羅列に、予想もしなかった深い意味と背景が隠れていることがある。 それを想像し解きほぐしていくクジラくんの魅力的なことといったら。 言葉を愛する者にとって最高のお楽しみだ。しかも二人のかすかな恋の予感も楽しい。 気持ちよく本を閉じる。

    2
    投稿日: 2025.09.01