
総合評価
(2件)| 0 | ||
| 0 | ||
| 1 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログ4 「60年代に始まったポジショニング派(マイケル・ポーター)が80年代までは圧倒的で、それ以降はケイパビリティ派(ジェイ・バーニー)が優勢」 ・ポジショニング派…外部環境が大事。儲かる市場で儲かる立場を占めれば勝てる ・大テイラー主義…定量的分析や定型的計画プロセスで経営戦略は理解・解決 vs ・ケイパビリティ派…内部環境が大事。自社の強みがあるところで戦えば勝てる ・大名メイヨー主義…企業活動は人間的側面が重く定性的議論しか馴染まない 7 アダプティブ戦略…どんなポジションでどのケイパビリティで戦うべきなのか、試行錯誤して決めよう 52 会社の定めた仕組みやルールを押し付けてくる厳格な上司よりも、チームや個人の状況に耳を傾け裁量権を与えてくれる上司のもとでこそ士気は上がり、生産性は上がる。同僚たちとの関係が良好で、公式な組織と非公式組織がちゃんと一致している職場こそ、生産性は上がった。 これ以降、生産性向上というテーマは、まことに複雑で深遠なものとなった。コストや効率だけでなく、人の感情までをも扱わなくてはならなくなったから。 91 経営者はこの3つのレベルでの意思決定を求められているが、最も重要(たまにしか変えられない)でトップマネジメントの責務であるのは戦略的意思決定だとし、経営戦略を「現在と未来をつなぐ方針」とした。 97【アンゾフ・マトリクス】 企業として成長の方向性(ベクトル)を考えたとき ①市場浸透戦略…既存の市場(顧客)を相手に既存の製品で戦う ➁市場開拓戦略…既存の製品を新しい市場(顧客)に売り込む ➂製品開発戦略…既存の市場(顧客)に新しい製品を売る ④多角化戦略…新しい市場(顧客)に新しい製品を開発し、投入する 120【SWOT分析】 内部(組織)要因で自社の目的達成にポジティブな要素を「強み」、ネガティブな要素を「弱み」、外部要因でポジティブな要素を「機会」、ネガティブな機会を「脅威」と整理する。 事業戦略とは、外部環境における「機会」と内部環境における「強み」を組み合わせることにある。 126【TOWS分析】 SWOTで出した機会・脅威1つ1つに、強み・弱みをかけ合わせていく。全部を組み合わせてみることで、打つべき策の「案」がいろいろ出てくる。 ・機会と強みの組み合わせ…「積極攻勢」策の案 ・機会と弱みの組み合わせ…「弱点強化」策の案 ・脅威と強みの組み合わせ…「差別化」案の策 ・脅威と弱みの組み合わせ…「防衛・撤退」案の策 150【経験曲線】 「航空機製造にかかる1機あたりの労働投入量は、製造機数が倍になるたびに2割減少する」 「競合よりもコストが高ければ、どうしようもない」 「しかし、自社の将来のコストや、競合のコストは経験曲線で予測・推定できる」 「生産・販売量を増やして試乗シェアを上げれば、経験曲線を競合よりも早く駆け下りることができる」 「そうしれば競合よりも低コストになり、低価格戦略でも優位に立てる」 155【成長・シェアマトリクス】 市場占有率が低く(成熟市場)、相対的シェアが高い(リーダー)のであれば、「金のなる木」に分類され、そこでの基本事業方針は「低成長・高シェアの維持」であり、基本投資方針は「投資は最小限に留め、キャッシュの創出減とする」。 「金のなる木」事業を投資資金の創出源とし、金食い虫のスター事業につぎ込むとともに、次のスターを育てるべく、問題児事業は選別の上、重点的に資金投入をする。負け犬事業は低成長・低シェアなので、速やかに売却・撤退すべし。 175 ポーターは「ポジショニング」を重視。経営戦略の目的は企業が収益を上げることにあり、そのためには「儲けられる市場」を選んで、かつ競合に対して「儲かる位置取り」をしていかないと、どんなに努力をしても無駄。 176【戦略3類型】 儲けられる市場を選んだとしても、「儲かる位置取り」をしていなければ、収益など上がらない。そのための位置取りは3種類しかない。 まず、その市場の中で、全体を相手に戦うか否か。自分たちが有利になりそうな市場の一部(ニッチ)のみを対象として戦うことを「集中戦略」という。 そして、全体で戦うときの位置取りには、究極2種類しかない。 「コストリーダーシップ戦略」では、全社的な低コストで戦う。競合よりもコストが低い分を、低価格としてもいいし、マージン(流通粗利)を厚くしてチャネル(卸や小売り)を囲い込んでもいい。(フォードの「T型フォード」) 一方、「差別化戦略」では顧客に対する付加価値の高さで戦う。アップルは最後発として携帯音楽プレイヤー市場に乗り込み、高品質(高音質ではない)大容量高価格のiPodで市場を席捲。 205 1970年代以降の日本の企業群の成長に最も貢献した外国人はエドワーズ・デミング。 「規模に頼らずとも、品質を上げればコストも下がり、顧客満足も上がる」 「そのためには統計を駆使して、モノだけでなくプロセスの品質を上げる」 218 超優良企業では、戦略や指示ではなく「価値観の共有によるマネジメント」が行われているのだとピーターズは主張。戦略や組織、賃金・人事制度というハードなものに基づいたマネジメントではなく、企業文化という非常にソフトなものでマネジメントが行われている企業の方が、財務面でも優れている。 240 なぜ、ポーターのポジショニング戦略は、企業を救えなかったのか? なぜ、BCGの成長・シェアマトリクスは企業の成長に寄与しきれなかったのか? なぜ、ピーターズたちのエクセレントカンパニーは永続的ではなかったのか? ハメルらはそれを、ビジネス環境の変化に求めるとともに、「コア・コンピタンス」を理解していなかったからだと説く、 ・企業が収益を生む源泉は、事業のポジショニングにも業務の効率性にもない。 ・その中に位置する「コンピタンス」が大切であり、その中での競争力やニーズ対応力の素になっているものが「コア・コンピタンス」。 これまでの経営戦略論にはこういった「収益につながる持続的で競合上優位なケイパビリティ・コア・コンピタンス」という概念が欠けていたからダメだった。 243 コア・コンピタンスは技術でもチャネルでも、人材的なものでも構わない。もし、そのケイパビリティ(企業能力)が、①競争相手に真似されにくい、➁顧客価値(顧客が認める価値)を創出できる、➂た事業への展開力がある、ものでさえあればいい。 アンドルースらのSWOT分析風にいうならば、コア・コンピタンスとは、将来の外部「機会」が見込める、未来に向けた「強み」。 248【味の素の「コア・コンピタンス経営」】 260【スティーブンソンの「アントレプレナー論」】 アントレプレナーとは、次のような「プロセス」を取る者。 ①戦略の立て方…今の資源に囚われず機会を追求する ➁機会への対応…長期に徐々にではなく素早く対応する ➂経営資源…所有するのではなく必要なだけ外から調達する ④組織構造…ヒエラルキー型ではなくフラットに。インフォーマルなネットワークで多重に学ぶ ⑤報奨システム…個人ではなくチーム単位で。固定式ではなく、儲けに応じて配分する。 起業で成功するには、戦略をじっくり立てるのではなく、外部から来る機会に素早く対応し、外部資金や資源を獲得し続けなさい。 「今の資源に囚われず機会を追求する」のがアントレプレナーシップ。 263 企業や社会の成長に必要なイノベーションを、投資や選別といったポジショニングの問題でも、今保有しているケイパビリティの問題でもなく、起業家(企業家)という人々の姿勢や能力の問題だとしたのが、アントレプレナー論。 266【学習する組織】 企業の競争優位は、こういった個人と集団の両方の継続的学習からしか生まれない。 267【SECIモデル】 新しい知識が、どうやって個人と集団の中で生まれていくかの循環型プロセス。 「I」内面化(個人:形式知→暗黙知) マニュアルで走り高跳び法を学び、自分のものとして体得し新しい跳び方を生み出す。 「S」共同化(個人+個人:暗黙知) 同期の仲間に練習や雑談を通して、新しい跳び方を伝える 「E」表出化(個人→グループ:暗黙知→形式知) 跳び方を陸上部の中で広めるためにマニュアル化する 「C」連結化(グループ+グループ:形式知+形式知) 陸上部内の短距離走グループのマニュアルと組み合わせて強化する 303 強豪ひしめき、戦いの血で染まった「レッド・オーシャン」ではなく、新しい価値とコストを元にした競争のない「ブルー・オーシャン」を創り出そう。 305 ポーターは言った。 「戦略とは、競争に勝つことだ」 「その戦い方は市場を絞るか絞らないかの他には、高付加価値で戦うか差別化戦略家、低コストで戦うコストリーダーシップ戦略しかない」 316【恐竜が繁栄した理由】=恐竜だけが気嚢システムをもっていたか ・巨大噴火によって、大気中の酸素の大幅な減少とともに、放出された大量の二酸化炭素による超温暖化や、強烈な海洋汚染が引き起こされた。 ・全体の95%もの種が絶滅に追い込まれた。 ・仮にこの超温暖化をくぐり抜けても、多くの種はその後2000万年も続いた極端な酸素欠乏(スーパーアノキシア)に耐えられなかった。(「ペルム紀末の大絶滅」) ・恐竜は、空気中から酸素を効率よく吸収できる「気嚢システム」を持っているため、スーパーアノキシア後さらに1億年続いた低酸素状態でも平気。 ・当時、他に哺乳類の祖先たちもいたが、そういった呼吸器官を持っていたのは、恐竜だけだった。競争相手の激減と二酸化炭素上昇による裸子植物の大繁栄も相まって、恐竜は未曾有の発展を遂げた。 ・一方、恐竜の弱点は「変温性」。 ・もともと爬虫類の一種なので、身体を常に温め続ける仕組みを持っていない。寒いと動けないので、日中しか行動できないし、寒冷地には進出できない。 ・それを克服するために、恐竜の多くが大型化の道をたどった。大きくなれば、体重当たりの表面積が小さくなり保温が効くから。 ・自然の急激な変化があったとき、小型の方が少ない資源で個体が生存でき、種として生き延びやすい。その分かれ目は成体の体重10~25キログラム。 397 グラミン銀行は、「借り手の返済能力」を、担保ではなく「仲間からの信頼」で測ることにした。借り手は同性5人1組のグループをつくり、個々人の資金計画についてグループ内でチェックすることを求められる。お互いに連帯保証人ではないが、同じ村の中なので互いのことは分かっている。無理な融資は受けられない。結果として返済率は95%。 「自立的なマイクロインベスティゲイション(少額融資審査)」というイノベーションが、マイクロクレジットを支え、数千万人への融資を可能にし、その職(収入)を支えている。
0投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログなんか、著書の本は年々つまらなかなる気がするなぁ。。。文庫になる前の10年以上前のバージョンは、感動したんだけど。。。 後半に行くほど(つまり新たに足された部分)面白くない。 戦略論は、時代背景、すなわち、企業の悩み事があって、新たなコンセプトが生まれてくるのではないだろうか。 その時代の流れをきちんと説明した上で、コンセプトに焦点を当てるべきではないだろか。個人に焦点をあてると数が多すぎる。 サピエンス全史のように、時代区分を大きくとらえて、それぞれの時代の要請、生まれたコンセプト、その限界、が整理されると、すっきり腹落ちするのだろうなぁ。 これがないと、知識を披露しただけ、になるように思う(この本に足りないのは、戦略史を語るためのフレームワーク、か) こんな感じの流れがあるといいのではないか。 勃興期 効率と品質の追求による利益向上 → テイラー主義 競争の激化 グローバルの競争が激化 相手よりも上手くやること → ポジショニング、 ケイパビリティ 不測の時代 何が起こるかわからない。 技術もどんどん進化 →コンフィグレーション イノベーション 試行錯誤
4投稿日: 2025.08.10
