あたたかった思い出の瞬間、劇的な人生の一幕ではないけれど確かに大事でやわらかい時間、そんなものを思い出させてくれるような素敵な歌集でした。装丁も唯一無二のかわいさで好きです。

表紙とタイトルが素敵。 表現の幅が広くて、日常もちょっと冒険した日も人生の様々なシーンを思い出させてくれた。 短歌本としてかなりお気に入りの一冊。 これを読めば日常が暗くなりすぎない、そんな本は手元にあった方が生きやすい。

際立つ一首があるというよりは全体を詠んで視て聴いて、音楽のように楽しむ歌集だった。その中でも好きだなと思ったのは下記二首。 ハンカチを出すときに落としたのかもさっきまでたしかにあった憂鬱 前がみえる程度に下を向いて歩くときどき前が明るくてみる

人には、ふと「ああ、今この瞬間がとても愛おしい！」と思うことがあると思います。この歌集は、そうした瞬間に浸ることのできる一冊です。書体や文字サイズも私にとってとても読みやすく、自然と作品に入り込むことができました。今では、大切にしたい本のひとつになっています。

選書されて手に入れた本。短歌とか、詩とかがあまり得意ではなかったのでどうなんだろ…と思ったけど、よかった。 ふとした瞬間、ちょっと心によぎった気持ちなどをぎゅっと言葉にするものなんですね、短歌って。 共感するものが結構あって、グッときた。逆に、自分と価値観が違う短歌だと全然しっくりこないものなのかな。 たまに見返したい歌集。

リズムが心地よくて、口ずさみたくなるような歌がたくさんあった。情景を思い浮かべながら読んで楽しい歌集だった。

日々の中にこんなにも瑞々しい瞬間がある。言葉と感情と光景がスーッと入ってくる感じ。なんかこう映画のような。それはそれは美しい一瞬。 私は感じられているかな。詩は慰めにも光にもなるものだな。

音をよんでいるという感覚がこんなにも馴染むのは短歌だからだとおもう。音楽、犬ってことばが多いのが印象的だった。何かあったとき、すっとひらいたらお守りみたいになってくれることばがいっぱいあった。 「夏ちょっと花火見えるよ、みにおいでよ」「行くよ、みえてもみえへんくても」　p9

本当に、何気ない一瞬を切り取るのが上手い歌人だと思う。 生活していたら、一瞬で過ぎ去ってすぐ忘れてしまうような機微を、丁寧に繊細なままで、掬い上げてくれる。 ああ、こういう気持ちあった。そういう瞬間あった。と、読み進めるにつれて、記憶の中の感度がどんどん上がっていく。

うわ〜、めっちゃ良かった 寝る前に少しずつ大切に読んだ この本を買うときに初版本だけ表紙の色が違うんですよって教えてくれた本屋の店主さんとの会話も思い出

岡野さんの歌集は「たやすみなさい」に次いで2冊目。 どこまでもやさしくあたたかい世界が広がっていて、そのやさしさにいつも救われています。

装丁が本当に素敵。もちろん短歌も素敵。 「忘れたくないものを忘れても平気になるために」というのがどういうことなのかいまいち分からなかった。日記を書くみたいなこと？ 日常の、あ、と心が動いたような瞬間を切り取ったような作品たち、音楽も美味しいものもいいよなあ　自分も短歌を残してみようかなと思ってしまう 「言いたくて買ったミモザと食べたくて買ったドーナツ　いい帰路でした」 好きだなあ！

色々な現代短歌を読んでみて、この人が好き！と思ったのが岡野さんでした。図書館で借りるより、手元に置いておきたいのが歌集です。 あとがきや帯にあるように、「忘れたくないものを忘れても平気になるために」作られた短歌たち。買ってすぐに読み切ってしまったけれど、これからも何度も開いて、そこに書かれている言葉に触れるだろう。 ふだんなにげなく目にしている日常のワンシーンの、素朴な疑問や、小さな感動を切り取ってくれるのが短歌だと私は思う。うまく言葉にできないことを、代わりに表現してくれるような気がして、日常を大事にしたいと思える。私は岡野さんの歌う希望が好き。 生徒には短歌はよくわからないと言われる。読み方なんてあるのかしら？と思う。作者が見た景色をみなくてもいいじゃない。もっと自由に短歌を読んでほしい。たくさんある短歌の中から、小さくて綺麗な宝石を見つけるみたいに、心に響く短歌を見つけて大切にしてほしいと思う。そんな短歌との関わり方ができそうな作品でした。

短歌の雰囲気も本そのもののデザインも軽やかでかわいい本。 音楽用語に次いで犬という単語の使われている短歌が多い一冊。犬そのものを語るというよりは犬という単語がよく出てくるなぁという印象で、それがちょっぴり気になりました。 好きだったもの↓ 夜はもう下手したら冬やねと言うあなたのひとたまりもない手首 忘れものがあなたを思い出すときにあなたは忘れものを思い出す

いつもに比べてクスっとする作品が少なかったというか、しんみりとする作品が多かった気がする。今の季節がそう思わせるのかもしれないけれど....。好きでした。 言いたくて買ったミモザと食べたくて買ったドーナツ　いい帰路でした が1番心に残ってるかな....選べないけど！

時間の捉え方、今が過去になる瞬間を捉えるのがうまいと思った . 音楽は水だと思っているひとに教えてもらう美しい水 開場から開演までの2時間を飼いならせないうれしさを待つ しっぽだけぶれてるphotoのそうやってあなたに犬がそばにいた夏