
総合評価
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powered by ブクログ子孫繁栄の力を持つと謳い、スピリチュアルな稼業を営むことになる家族の物語。スピ要素を除いても、人間関係の不和にせよ、思春期の迷いにせよ、女の抑圧にせよ、いろんな要素が入っている。すべて不幸な形でだが。 ジェットコースター的に不幸が続くので、飽きることなく読める。ところで作者は大阪育ちの85年生まれだそうで、自分とは同い年で育った場所も同じである。 ただ、この世代は実はそこまで不幸な世代ではない(とされている)。生まれたときに親世代はバブル期の好景気であり、そのあとのバブル崩壊からの就職氷河期は小学生から高校生、ストレートに大学卒業した年はリーマンショック直前で就職活動は売り手市場とされていた。実はそうでないのだ、という話もあるが、世間からのイメージとしては間違っていないと思う。 本小説に出てくる兄妹はそれより10年ほど早い世代である。この設定は、より不幸の密度を上げるためなのではないか、と思ってしまうほど150頁のあいだずっと不幸である。 ただ、その不幸の質がとにかくベタである。(怪しい占い師に利用されるとか、父親が愛人を作って出ていくとか、就職氷河期で路頭に迷うとか、チンピラみたいな男に騙されるとか) また150頁で50年の人生を描くには明らかに文量が足りていないのではないかと思う。
0投稿日: 2026.01.12
powered by ブクログ「子孫繁栄をどうして人間は願うのでしょうね」 子がいなくなれば種は滅ぶ だから生き物は繁殖するのだろうけど、それだけが生きる目的ではない でも気がつけばそれに囚われそれだけを願いそのためだけに生きてしまうこともある ものすごく面白い設定だけど、思ったほど刺さらなかったのが残念
7投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ『橘の家』を読んで、家族と家のつながりについて深く考えさせられました。物語に描かれる橘の家は古く落ち着いた雰囲気を持ちながら、そこに暮らす人々はそれぞれ悩みや秘密を抱えています。しかし、日常の会話や小さな出来事を通じて少しずつ心を通わせ、家族の絆を確かめ合う姿が印象的でした。 特に主人公が「家はただ住む場所ではなく、心が戻れる場所だ」と感じる場面が心に残りました。私も普段、家を当たり前の存在として意識していませんでしたが、この本を読んでからは家族がいるからこそ家が成り立つのだと気づきました。また、代々受け継がれてきた習慣や思い出が「家族の証」となり、未来へとつながっていくことにもあらためて価値を感じました。 読後には温かな余韻が残り、家族との時間をもっと大切にしようと思いました。 ・・・て感想から、もしこの本を読んだら、『なんてものを読ますんだ』と怒られそう笑 これは、子孫繁栄に取り憑かれた人々の物語。なかなかに来るものがあった。 それにしても、これだけの内容を150ページにまとめる構成力はすごい。これから、益々面白い作品を生み出しそうな予感を感じさせる作家。 ★3.6
104投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ子供が授かる橘の木の家の子として育った女性。 なんともいいようのない、不快なざわつきが終始続く。子をなすことへの憧れとか欲とか焦りとか、それらをかき混ぜたものが迫ってくるのが心をざわつかせたのかもと思いました。ドグラ・マグラを読んだときのような、ほかの小説ではあまりない読後感です。 ラストはあっと驚かされた。それはとても良かったのですが、文章が、特に会話の主語が分かりにくく、誰の発言か戸惑うところが多かったので文章が下手なのか、わざとそういうふうに書いているのか、後者だろうけどそういうのやめてほしいな、と思いました。
1投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ守口家の庭にある橘の木に幼い頃に2階のベランダから落ちたものの、その木のおかげで助かった恵実。 恵実が成長するにつれ、不思議な力が彼女に宿り 子どもを望む人が次々と訪れるようになる。 橘の木が「子孫繁栄」をもたらすのか… 子どもが欲しいと切に願う女の業に圧倒される。 ただ守口家族はどうなのか、けっして幸せとは思えないのだが…
63投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログ不思議な力が宿るとされる橘の木と、その木に飜弄される家族の話。終始不穏な空気感が漂う。 どうしても子供が欲しい。 女性達の切実な願いと、その熱量の全てを引き受けさせられた主人公の恵美が不憫でならなかった。
0投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログ家の庭の 橘の木の不思議な力の媒介者として 人々の欲と業をただ一身に浴び続けるだけの 主人公の半生が不憫でやるせなかった。 他者に喜びをもたらす一方 搾取され、抑圧され 自分や家族はどんどん壊れていく… 女と家にとって子どもとはなんだろう。 男にとって女はただ 欲望のひとつにすぎないのだろうか。 なぜ人は子孫繁栄を願うのだろう。 そんな答えの出せない問いを 考えずにはいられなかった。
1投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログ(こういう言い方をすると性差別と言われかねませんが) 女性作家の作品――特に純文学系の方の作品を読むと、起承転結の「転」が上手くないものが多く思います。この作品も、そこが惜しい
0投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ橘の木に導かれていく一家の不穏な空気に、引き込まれて一気読み。 狂ったように子供を欲する女たちの熱量をそのまま受け取り、恵実の手によって子供を授ける橘の木。 その禍々しいエネルギーは、一家を翻弄し、一家の精気を吸い取っていく。 子供も授かりたい、授からねば自分の存在が無くなってしまう!という底知れぬ女性たちの熱量を小説にうまく取りこんで、人間の禍々しさと物言わぬ植物の不気味さが絡み合って、なんとも気持ち悪ーい世界を作り上げている。 なんで、子どもを産む事って,オカルトチックになってしまうんでしょう。 そういうノリはなんだかなぁと思ってるけど、小説にすると面白いですね。
24投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログあまりにも男性を馬鹿にしすぎていないかと感じた。 もう古い価値観のままステレオタイプで描くのやめにしませんか? 意図的に恵美以外の登場人物が悪者にされているように思ってイマイチ乗り切れなかった。時代が徐々に移り変わっていく構成だが、時折りいつの間に進んだんだ?と思わせる描写が多く少し読みづらい。 子供ができるよと目の前に餌をぶら下げて、高額な価格を要求するやり口。醜いものを間近で観ていると、それに触れたくなくなる気持ちはとても分かる。
0投稿日: 2025.07.18
powered by ブクログ---------------------------------- 願いも恨みも幸福も。 ぐるぐる巻きで駆け抜ける、 女と家と木の一生。 こんなけ面白い騒動が、 圧倒的な耳のよさ、堂々たる文章で語られて、 こんなんもう、たまらんわ 川上未映子氏 第38回三島賞受賞作 ---------------------------------- 以前、同賞を受賞した「オールグリーンズ」が良くて。 本作も気になっていたのですが、 くたくたに疲れた金曜に立ち寄った書店で見つけ、 思わず手に取りました。 表紙からしてとても不穏。 今の私は仕事で精神がザワザワしてるため、 読めるか不安でしたが。 全く問題なく読めました。 そして圧倒されました。 家を購入したとある一家。 庭には橘の木が。 この木を守ることを約束として安価に譲り受けた土地。 そこで過ごす家族の話。 奇妙な感覚、薄寒い感覚、 気持ち悪いけれど、 なぜか他人事でない感覚が。 橘の木の存在が膨らみ、 家族の形が歪んでいく。 歪んだ先に群がる人々。 妊娠を、出産を、子どもを求めている人々。 わかりたくないけれど、 わかる気がする切実な願いと欲求。 ずっと悪い夢を見てる気分でした。 読後に著者のプロフィールを見たら、同い年で。 他の作品も読んでみたいと思います。
10投稿日: 2025.06.29
