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天気のからくり(新潮選書)
天気のからくり(新潮選書)
坪木和久/新潮社
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総合評価

6件)
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     地球をりんごの大きさに例えると、地球の大気はりんごの皮くらいの薄さしかありません。そして、この薄い大気の層で、雲ができ雨が降り様々な気象現象が起き ているのです。  天気予報は身近な存在ですが、気象学といわれると何だか難しい学問のように感じてしまいます。台風はどこまで大きくなる?線状降水帯はなぜできる?本書は、天気や気象にまつわる「からくり」をわかりやすく解説した気象エッセイです。天気や気象に隠された驚くような深い真理や、地球大気で繰り広げられる美しい世界に触れることができる1冊です。

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    投稿日: 2025.11.13
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    天気はあまりにも日常的なものであるが、この本は天気のメカニズムについて興味深いエピソードを教えてくれる。 地球大気は極めて薄い膜で、そのなかで夥しい数の生命が繁殖し、風が吹き水蒸気が流れ、雲ができ、見上げるほど高い積乱雲が立ち、激しい豪雨が発生する。偏西風が蛇行し、低気圧が雨を降らせ、台風が大嵐をもたらす。 自分たちは何と薄い(狭い)世界に生きているんだ! この薄い膜の中で起こる様々な不思議な現象を見事な文章で綴る。 「空に浮かぶCD」という章、縦と横の長さ(距離)から、台風はCDのような薄い円盤に例える。へー、そうなんだ。面白い例えだな。(詳しくは本書で) 「世界最大の川は空にある」という章、大気の河は大きなもので幅が500㎞以上、長さが数千kmに達するものがあるそうだ。(詳しくは本書で) 最近よく見る言葉、「日本海寒帯気団収束帯」、JPCZと表記される北陸地方で大雪を降らせる帯状雲。いつも同じような場所に発生するようだが、この原因が、朝鮮半島の付け根付近にある白頭山という標高2744mを主峰とする山岳。知らなかった。 そもそも大気は薄い膜なので、高い山があればそれなりに気象に影響を与えることは理解できる。 いずれにしても、へーそうなんだと思えるエッセイが多く、とても勉強になった。 最後の方、夢を語る。 誰しも夢を語ることはできるが、研究者には夢について特権があるといえるかもしれない。多くの研究者は夢を実現することなく、その生涯を終える。しかし、それを挫折とよばず、それでもよかった思えるのが研究者。それは、後世の人が実現してくれると信じているから。 なんとも心に響く言葉だ。

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    投稿日: 2025.09.29
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    台風、線状降水帯、猛暑など気候も災害として無視できない存在となっている時代で私たちの見上げる空で何が起こっているのか、そのからくりを知りたいと思い購入…というのはここに書くための建前で個人的な理由で購入。笑 気象に関する知識は高校で言えば地学の分野。大の苦手だったせいで前半の章は割と専門的に(個人的には)感じ挿絵とかあればいいのなーと思いながら読みました。笑 ただ、1項目は4ページで収まるので挫折することなく、分からないことは調べながら読みました。(そうすればすぐ理解できました、というか4ページだと説明が少なすぎるくらい) 後半の章は著者の主観的な経験や考えが多くなるので面白く読むことができました。 日本人は自然に敏感な人種であり、それを表した源氏物語とか万葉集などの言葉を引用しているところなど素敵な文章がたくさんありました。 この本を購入するということは多少なりとも気象に関する知識や興味があると思うので前半部分も私のように感じることはないと思います。

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    投稿日: 2025.09.21
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    最近の日本、なんかおかしい。 雷、洪水、台風、気温、。 天気、理科でちょっと勉強したけど、 まだまだ知りたいことがたくさんあります 年内100フォロワーいかなかったら引退します!(;_;)

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    投稿日: 2025.08.21
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    「激甚気象はなぜ起こる」で、気象研究の最前線の面白さを知り、坪木先生のこの新しい本を買いました。「天気のからくり」には、図表がありません。文章だけで気象の面白さに読者を振り向かせようというチャレンジかも知れないと感じました。  ところどころで驚きに出会う、いい本でした。

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    投稿日: 2025.08.12
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    豪雨や台風の研究者として新聞等にもコメントが掲載される機会の多い坪木和久先生による、気象に関するエッセイ集のような本。 本書は気候についてのメカニズム等を詳細に解説する内容ではなく、気象に関する知識を交えながら、日常生活や古典文学との気象との接点を巧みに紹介する内容です。 日本の古典にはそれが書かれた時代の気象、自然災害を描写しているケースが多く、本書にそれらの一節が登場するものとして、「方丈記」、歌川広重の版画、小倉百人一首、古今和歌集、枕草子などが登場します。これらに登場する気象の描写をきっかけとして、それでいて内容は最新の気象学の内容にスムーズに誘って行く著者の文章の巧みさに、引き込まれます。 肩ひじ張らずに一般の方の気象への興味を掻き立てる内容である一方、さすが現役の研究者だけあって気象に関する具体的な知見も数多くちりばめられています。いくつかの例を抜粋します。 ・台風の下では熱エネルギーが水蒸気という形で供給されているが、その熱量は6畳一間の部屋ごとに家庭用ガスコンロ1台が最大火力で燃えているぐらいで、直径1000kmを超える大型台風では海面上に800億台のガスコンロが並んで燃えているようなもの ・どんなに湿った空気でも地表面から大気上端までの高さに含まれる水蒸気量は、地表面1㎡あたり80㎏程度で、これをすべて水として雨に降らせても80㎜にしかならず、数百㎜ものゲリラ豪雨などでは周囲の水蒸気を効率的にかき集める仕組みが必要で、それが積乱雲に存在する ・日本で最も流量の多い川は信濃川で流量は500t/秒程度。世界で最も流量の多い川はアマゾン川で、その流量は20万t/秒で、信濃川の約400倍。ところが線状降水帯を形成する水蒸気の大きな流れである”大気の河”の流量は約40万t/秒で、アマゾン川2本分もの水蒸気を供給する 本書全体を通じて55のトピックに細分化されていて、その一つは約4ページほどのボリュームに収められており、読み手の興味を次々に掻き立てるような構成になっています。気象に関するニュースをよりよく理解するためにも、是非ご一読をお勧めします。

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    投稿日: 2025.08.11