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シリーズ日本近現代史 6 アジア・太平洋戦争
シリーズ日本近現代史 6 アジア・太平洋戦争
吉田裕/岩波書店
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総合評価

23件)
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    おぬま
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    図書館で借りた。 岩波新書の太平洋戦争。専門家による分析であり論文調の新書だ。太平洋戦争は日本でも詳しい人が多い土壌だからだろう。世代でもなければ専門でもない「太平洋戦争ってなぁ~に?」という解ではないので要注意。一般書の新書ではあるが、せめて大学受験で世界史を学んだとか、一通り一度は学んだ上で読むレベルと感じた。格式高い。 私は高校で歴史を学んでないし、正直最近になって石原莞爾って人が居たんだね、くらいの中学生レベルの知識なので、本書の議論にはついていけなかった。いや、読み難いわけじゃない。その前に身に付ける知識があるだろう、ってのを物凄く感じられた。出直します。

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    投稿日: 2025.03.07
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    まる
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    太平洋戦争直前から敗戦までの通史。自虐史観との批判をレビューで見たが、最初と最後にそのような文面も目立つように思える箇所もあったが、本文全体を通して読むとそこまで感じなかった。

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    投稿日: 2023.09.01
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    rururu
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    このレビューはネタバレを含みます。

    よく考えれば当たり前だが、知らなかったことが多い。 (真珠湾攻撃の通告がどうこう以前に、マレー半島が完全な奇襲であること。アジア解放や大東亜共栄圏が極めてあやふやで矛盾した理念であったこと。天皇の戦争責任など)

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    投稿日: 2021.06.18
  • 夏のアイコン
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    太平洋(大東亜)戦争時のことが事細かに書かれており、この特定の時期を学ぶにはこれで足りると思う。人によっては左寄りといる人がいるかもしれないと思った。だが、資料も交え十分な一冊だと僕は思う。

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    投稿日: 2020.12.31
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    1338971番目の読書家
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    大学受験の浪人生で日本史選択の者です。戦争の時代の感覚を養うことを目的にこの本を読みました。「ふむふむ」と読みましたがいざ説明しようとするとできない状態でした。難しくて9割方は理解できてない気がします。

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    投稿日: 2020.04.11
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    えすろん
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    「日本軍兵士」をきっかけに、吉田裕先生の本で改めて戦争を勉強しようシリーズ。これは大学時代に一度授業の一環で読んだ本を、改めて読み直したもの。 日中戦争から含めた「アジア・太平洋戦争」を通して知るのに素晴らしく適した本。「日本軍兵士」をミクロな視点とすれば、この本はマクロな視点。「日本軍兵士」を読んだ人は、是非この本も読んでほしい。

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    投稿日: 2020.02.09
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    tokyobay
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    日中戦争と日米戦争を分離すべきではなく、セットで考えるべきという立場。だからこその書名なのだろうが、アジアと太平洋に中黒入れるのは分離的と看做される可能性があるとかナントカ。岩波は中黒を入れる派なので、それに従っただけなのかもしれないが。そもそもこの呼称は教科書にも採用されていないらしく、一部のアカデミズム用語?でしかないという冷淡な意見もあるようだが。

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    投稿日: 2019.12.09
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    reinou
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2007年刊行。何かすごい記述、新規な記述があるわけではないが、安心してアジア・太平洋戦争の全体を、簡明に見通せる書である。新書ではあるが、索引・参考文献付きなので、助かるところである。

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    投稿日: 2017.01.10
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    いぅえもん
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    『先の大戦をアジア・太平洋戦争と呼ぶ。』戦争責任に対する日本国民の考え方については、合点がいった。事変とか事件って言葉を使うことで本質が見えにくいって感じるところは未だに大きいと思う。

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    投稿日: 2015.09.06
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    sistlib
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    【所在・貸出状況を見る】 http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=all&category-mgz=all&materialid=10701241

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    投稿日: 2015.07.08
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    成蹊大学図書館
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    [配架場所]2F展示 [請求記号]080/I-3 [資料番号]2007107636、2008101319

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    投稿日: 2014.04.12
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    人生≒読書
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    戦後へと連なる国民意識の変容、底流に触れた後半部分が興味深い。この時代を経て、この時代の前から、戦後の日本が始まっていたのだな。 あとがきで、著者は思い入れが強かったと自省的に述べているが、私はその立場を好ましく感じる。軍部の分析で、国民の意識が離れていくことを指摘したものがあるのが、意外であった。天皇の立場も、絶大なのに、濫用したとまでは言えないように思う。遺骨の問題への言及もナイーブなだけに興味深い。なんともできなかったんだろうな。 まぁ、ひどい戦争だったんだな。総力戦のもろさを露呈している。なにかの目的だけに、これだけの国民を十全に活用、運用することはできないのだろう。戦後、社会主義国でも同様だったが、ナショナリズムを含めたイデオロギーの目的化は破綻する。 あと、この時代にも株式市場が当たり前のように機能していたことが驚き。 ・臨時軍事費による軍備拡充のため、戦争を回避できなかった。 ・軍隊では一般社会のことを「地方」と呼んだ ・戦時日本の経済の悪化ぶりはドイツを上回る。アメリカは好景気に。これが戦争国家アメリカの意識を作った側面もある。 ・徴用令書は「白紙」と呼ばれていた。 ・日本の捕虜政策の際だった非人道性 ・餓死率60% ・軍関係者の闇買いのすさまじさ ・闇の全面的受容は、戦後民主主義の歴史的前提である、私生活の充実、公からの離脱を隠然と作り出していた。 ・各国の死者数。フィリピンが110万人と多いのに驚いた。

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    投稿日: 2014.04.06
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    reso100
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    1940年からの5年間.無謀な事をしでかしたのは事実だが,最終的には責任が問われていない.これは原発問題が発生した今日でも同じ構図のような気がする.1937年7月に日中戦争が始まり,1945年8月の敗戦まで,戦死した軍人・軍属が230万人.その内,餓死が140万人.60%の人が餓死したというデータに唖然とする.

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    投稿日: 2012.04.30
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    ゴンチャロフ
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    興味深いのは、開戦に伴い日本が犯した数々の国際法違反についての指摘である。 ①日本の対米最終覚書は単なる日米交渉打ち切り通告であって開戦の通告ではない。たとえこれが攻撃開始前にアメリカ側に手交されていたとしても、「理由を付したる開戦宣言の形式又は条件付開戦宣言を含む最後通牒の形式を有する明瞭且事前の通告」を要求する「開戦に関する条約」に違反している。 ②イギリスに対しては、外交交渉も最後通牒もなくいきなりマレー半島に強襲上陸しており、国際法上の違法性は日英間の方が際立っている。宣戦詔書では「朕茲に米国及英国に対して戦を宣す」と対英宣戦布告に言及しているが、日本国民向けの詔書を宣戦布告とみなすのは無理がある。そしてオランダに至ってはその宣戦詔書でさえ言及されていない。 このような日本側の対応の相違は、もちろん軍事的要請によるものである。太平洋戦争は南方資源の獲得と援蒋ルートの遮断を目的としており、陸軍の主敵は先ずマレーシアのイギリスであり、続いてインドネシアのオランダだった。これに対して海軍はアメリカ主力艦隊との決戦に備えアメリカ植民地であるフィリピンと米領グアム島の攻略を要求したが、「結局、日本の武力南進政策が対英戦を不可避なものとし、さらに日英戦争が日米戦争を不可避なものとしたととらえることができる」。従って、アメリカに対しては攻撃と同時またはその直後に一応交渉打ち切りを通告し、イギリスに対しては何の通告もせず戦闘開始後に宣戦詔書で言及するにとどめ、石油資源豊富なインドネシアを支配するオランダに対しては最後まで攻撃意図を秘匿し宣戦詔書でさえ言及しなかったというわけだ。 こうした対米戦の微妙な性格は、もう一つ興味深い指摘とも関連している。すなわち、1930年代の都市部に見られたアメリカ的「モダン生活」への憧れである。こうしたアメリカナイゼーションの地下水脈が影響してか、反米キャンペーンが本格化するのは1943年になってからで、「鬼畜米英」という有名なスローガンが登場するのも1944年後半のこと。1942年には高等女学校の女生徒たちが「白人俘虜」にサインを求めるという「事件」も発生し、日本側には結局最後まで「ジャップ」に相当するような「米兵」への蔑称は生まれなかった。「鬼畜米英」の時代にあってもアメリカに対する親近感は根絶やしにされることがなく、それが「敗戦後のアメリカによる占領を自然に受け入れることのできた歴史的前提」になったという。 レビューを編集する

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    投稿日: 2012.02.25
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    クラッツ
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    やや民衆よりの立場からの太平洋戦争史。必然的に反戦・自虐史的色合いが濃い。簡単に言えば左寄り。 まあ、そういう本だね、ということで適宜脳内補正を掛けながら読めば、多様な文献にあたりながら、当時の人々の実感を浮き彫りにしようとしているなかなかの労作だと言って良いと思う。しかし天皇の戦争責任にここまで踏み込んで記述している本も珍しいかも。ちなみに南京事件に関する記述は一切無し。 ただ、終戦のあたりからの軍の暴走や、人々の生活の厳しさの記述が長くてちょっと諄かった感じはある。 いずれにしても、僕自身としてはこういった感じのジギャクシテキ歴史観の方が、正直しっくりくる。冷戦が日本の戦争責任をウヤムヤにしてしまい、現代になって改めて近隣諸国から指摘されるようになって、は?今さら何いってんのお前、みたいな反発感情が生まれているのが国内の現状だと思っているが、率直に言えばそれは逆ギレだと思っている。 戦争を仕掛けられた人、巻き込まれた人の恨みは簡単に消えない。たぶん戦後100年くらい、2050年くらいまでは、近隣諸国からヤイノヤイノ言われ続けるのは仕方ないのではないか。いや、もっと長く掛かるかも。戦争の歴史を見る限り、こればかりは時間が解決してくれるのを待つしかないと思う。 そして、それまでの間、そのような批判も、静かに受け止めるのが、日本人としての、然るべき態度だと、僕は思っている。

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    投稿日: 2011.11.17
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    seaside-sunnyside
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アジア、太平洋戦争を詳細に研究した書物 ・2005年の世論調査で、中国との戦争は侵略戦争だったが、アメリカとの戦争は侵略戦争ではなかった。と答えた人が、34%。 →その通りだと思う。というのも、中国は領土侵略をして、中国現地で戦ったから当然。しかし、アメリカとの戦争は、アメリカ現地でなく、太平洋の島々で戦った。別にこの戦争を肯定も否定もしないが、ある種、自衛戦争の要素も含まれているのでは?その引き金が、日本の中国侵略であることは言うまでもないが。ただ、アメリカのいわゆる石油など禁輸措置もやりすぎ?感もある。 ・ハル・ノートの中国からの撤兵に、「満州国」は含まれるか? →ハル・ノートには中国からの撤兵の要求が書かれていたが、確かに、満州国が含まれるかどうかは微妙だと思った。外務省はそこを確認していないわけだし、当時、満州国は日本は独立国として認めている以上、中国に含まれない可能性も存在する。中国の範囲を確定させる行動を取っていれば、戦争は違った模様をみせたのかも。たらればの話だけど。 ・開戦に伴う違法行為  日本は、アメリカへ宣戦布告をせず、真珠湾攻撃をしている。よって対米最終覚書をアメリカへ渡したのが12月8日午前4時20分。真珠湾攻撃が午前3時19分だから、1907年の「開戦に関する条約」違反。そもそも対米最終覚書は日米交渉の打ち切りを知らせたものだし、渡したとしても違反だった。この覚書を渡すのが遅れたのは、日本大使館員の過失と言われているが、外務省本省が「大至急」「至急」扱いでなく「普通電」で発電したため、意図的に遅らせた可能性もある。 →宣戦布告せず、真珠湾攻撃をしていたから、国際法違反と、日本大使館員の過失というのも知っていたけど、外務省本省にも過失?があったのは意外だった。おそらく、過失ではなく軍部の圧力も相当あったから、普通電にした可能性がかなり高いと思うけど。 ・その他の違法行為  イギリスに対しては真珠湾攻撃の一時間前にマレー半島への強襲攻撃しているので、こっちの方が国際法違反が際立っている。だた、真珠湾攻撃後、天皇が国内向けに宣戦布告に言及しているから、ギリギリ。オランダの場合は宣戦布告すらしていない。 →真珠湾攻撃の国際法違反がかなり際立っているけど、確かにイギリスへの方も完全に国際法違反だわ。オランダに対しては宣戦布告すらしてないなら、日本政府の対応はどうしようもないわ。 ・全般的なとこで、日本軍は、陸軍、海軍とも戦争で負け続けている中、敗北かを認めず(大本営の放送から明らか)、その敗北から学ぶことが大事なのにもかかわらず、何一つ学ばなかったことも敗戦の原因の一つだと思う。これは、戦後の司法、立法、行政機関の全てに繋がっていると思った。都合の悪いことからにはフタをして、無かったことにする。フタをするのは百歩譲っていいとしても、学ぶ姿勢は必要な気がする。あと、敵を甘く見る、すなわち過小評価も、戦後に繋がっていてどちらも活かされていない… ・女性の社会参加向上  労働力不足により、国家による労働動員政策を通じて、女性の社会進出を加速。戦前は、職業婦人はいたものの、縁遠くなると敬遠されていたり、「職工」「女工」と卑賤視する風潮もあった。基本的には、家事手伝いのまま、「花嫁修業」だった。  家庭外の活動の場も提供された。1942年に結成された大日本婦人会では、女性団体の活動。翼賛会、町内会の活動などである。 →これらが、戦後の女性の社会進出につながったの皮肉なものだと思う。もともと政府は、女性は家にいて夫の帰りを待つ、夫がいない間は、家を守る役割にしておきたかったはず。しかし、労働力不足などにより、結果的に戦後の女性の社会進出を加速させることにつながり、政府にとっては都合が悪くなったはずだ。  1942年に女性団体を結成したように、政府の対応は後手後手に回り、行き当たりばったりの印象が強い。  この対応も戦後に繋がっている気がする…  果たして気づいているのかも疑わしい… ・都市爆撃の有効性  アメリカは、都市爆撃ばかりやっていたが、鉄道施設への攻撃はほぼ行われなかった。具体的には、鉄道と軌道の戦争による被害率は7%。水力発電は無傷。鉄道への攻撃も行えば、日本の戦時経済の大動脈に致命的な打撃を与えられたはず。 →確かに、鉄道へ攻撃すれば、もっと日本は早く負けていたはず。都市爆撃によって、死傷者も増え日本の戦意を喪失させることにつながったとは思う。でも致命的では無かったのかも。  死傷者を増加させるより、経済へのダメージの方が政府はこたえるのかも。 ・戦局と株  1944年下半期、6月の連合軍のノルマンディー上陸作戦の開始、B29の北九州爆撃、7月のサイパン島陥落の「悪材料」が出たのにもかかわらず、株式指数は高水準。    これは、売りの始まった軍需株を戦時金融金庫が買い支え、加えて、民需株(平和株)の買いが始まったから。  さらに1945年2月頃から、民需株の動きが目立ち始めた。主として、紡績株、人絹株、船舶株、セメント株、食品株、興業株。  これは、戦争終結を見越した動きだろう。当時、日本では、外国の放送を聴取できる短波ラジオの所有は禁止。ただ隠し持っていた人はいたと思われる。ポツダム宣言にも株式市場は敏感に反応していた。 →おそらくこの民需株の買いによって、戦後、大儲けした人がいたのだろう。隠れた情報は持っている人は持っているんだな。でも、短波ラジオの所有はリスクはあるにせよ、情報を手に入れないのがいけないわけだから、情報を得た人々はすごい。 ・戦争終結へ  戦争終結の方向で動いた人々が、明確な形で戦後構想をほとんど持ち得ていなかった。例外は、近衛文麿。彼は、対ソ交渉の特使を引き受け、「和平交渉の要綱」を作成。これは、「国体の護持」を絶対条件、無理なら、領土は「固有領土」で満足、「民本政治」への復帰のため、「若干法規の改正、教育の革新」にも同意すること、最小限度の軍事力の保有が認められない場合、「一時完全なる武装解除に同意」など当時としては、思い切った内容の和平条件を決めていた。この要綱には、明治憲法の改正、天皇の退位の可能性にも触れていた。  結果的には、近衛文麿の自殺によって、自主改革構想は挫折。 →近衛文麿の戦争犯罪は問題あるにせよ、服毒自殺してしまったことは本当に残念。たらればの話だけど、生きていたらと思う。  連合国軍の戦後構想に近いものもあり、やはり有能だったのだと思う。  戦争終結の方向で動いた人々が、明確な形で戦後構想をほとんど持ち得ていなかったことは逆に、かなり問題だと思う。要するに、戦争を止めようとしていただけで、その後のことは全く考えていなかったに等しい。連合国軍は戦後構想を持っていたわけだし、そりゃ負けるわな。意識の違いは激しい。  こと「その後」のことを考えない姿勢も戦後に繋がっている気がする…  

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    投稿日: 2011.06.07
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    bax
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    [ 内容 ] マレー半島上陸と真珠湾攻撃によって開始された「アジア・太平洋戦争」。 なぜ開戦を回避できず、長期化したのか。 兵士や銃後の人々、アジアの民衆は、総力戦をいかに生き、死んでいったのか。 矛盾を抱えて強行され、日本とアジアに深い傷跡を残した総力戦の諸相を描きながら、日米交渉から無条件降伏までの五年間をたどる。 [ 目次 ] 第1章 開戦への道(三国同盟から対米英開戦へ;戦争の性格;なぜ開戦を回避できなかったのか) 第2章 初期作戦の成功と東条内閣(日本軍の軍事的傷利;「東条独裁」の成立) 第3章 戦局の転換(連合軍による反攻の開始;兵力動員をめぐる諸矛盾;「大東亜共栄圏」の現実;国民生活の実状) 第4章 総力戦の遂行と日本社会(マリアナ諸島の失陥と東条内閣;戦時下の社会変容) 第5章 敗戦(戦場と兵士;本土空襲の本格化と国民;戦争の終結へ) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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    投稿日: 2011.05.13
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    N
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     岩波新書のシリーズ日本近現代史の6冊目は、太平洋戦争研究の第一人者である吉田裕(現・一橋大学大学院社会学研究科教授)が担当。  さすがにこの分野を長年手がけてきた研究者の書くものなので、新書ながらコンパクトにまとまっているし、読みやすい。  読みながら思うのだが、やはりこの分野の研究の蓄積量は並大抵のものではない。非常にアカデミックな実証研究から、一般市民の手記に至るまで数多くの刊行物があり、硬軟取り混ぜて記述しているのも入門編としての親切心というところだろうか。  しかしながら、本書には大きな欠陥があると感じる。それはわざわざ「アジア・太平洋戦争」という左派イデオロギーを感じるタイトルを選びとったことと、本書の記述の問題である。  冒頭においては戦場の広がりや対米・対英・対中戦争の区別といった多重的な概念を提唱し、末尾において「アジア・太平洋戦争」の最大の被害を受けたのはアジアの諸国民であることを強く印象づけて書いているにも拘わらず、本書での記述はほぼ大本営と政府の動向のみにしぼられている。  このような叙述の方法は、多様な価値観が交錯する戦争観を埋没化することにつながりはしないだろうか?  また、アメリカ、イギリス、中国といった交戦国の戦略なり対日意識が全く記述されていないのには驚いた。東南・東北アジア諸地域における日本軍政・日本のイデオロギーに対する反発・抵抗の具体例についての説明が無いのも片手落ちという気もする。  「アジア・太平洋」という言葉とは裏腹に、非常にドメスティックな問題意識の下に構成されている著作であるということを注記しておく。

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    投稿日: 2011.01.22
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    へ〜た
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    読みたい順に読み進めて、そろそろ後半に差しかかっている「シリーズ日本近現代史」。そうこうするうちに、「シリーズ日本古代史」の刊行も始まってしまったので、あんまりのんびり読んでもいられなくなってきた…。 今回は第二次近衛文麿内閣成立から、ポツダム宣言受諾までの太平洋戦争について論じた、「戦史」。最近話題になることの多い強制連行問題や、沖縄の集団自殺問題、都市空襲の是非などについても直近の研究成果を踏まえて記述されており、興味深い。 日本はなぜ戦争に負けたのか、という質問に対しては、次のデータが参考になるだろう。日中戦争以降の軍人・軍属の戦死者約230万人のうち、餓死(または栄養失調で抵抗力をなくし、マラリアなどの伝染病で病死)した人数は60% を越える 140万人。一方、アメリカは、戦争特需によって大恐慌の影響から脱っし、国民総生産が倍増(997億ドル→2119億ドル)するほど、戦時中に生活水準を向上させた。日本人が芋の葉っぱを噛りながら竹槍訓練をしているとき、アメリカ人はビール片手に野球観戦。勝てる道理は無かったのである。

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    投稿日: 2010.12.23
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    zhangtan
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    戦時下を扱ったものは、大抵多少なりとも右か左かにずれていますが、この本はそういう風なことはあまり見受けられず、戦時下における政治・経済・社会・一般民衆・抑圧された人々などに対し客観的な目で見ているのではないでしょうか。研究者の間では自明のことかもしれませんし、単なる私の勉強不足だと思いますが、日本が植民地化の朝鮮に行ったとされる「創氏改名」について、「創氏」と「改名」が別物として語っている教科書はどれだけあるでしょうか。また、法制上「改名」が任意であるというのも、右の人は「朝鮮人が望んだもの」といい、左の人は触れません。この本では、「実際には圧力があり、拒否するのは難しかった」という立場です。山川出版社の用語集ではこの立場に立ちます(これに関しては多少疑問がある。今月中旬、西日本新聞に戦時中朝鮮で作られた国策映画の記事があったが、そこに掲載されていたポスターには、俳優が朝鮮名で数名書かれていたこの「実質的な強制」がどれだけのものだったのかを知りたい)。ともあれ、新書というコンパクトな中身に様々な立場の人の「言葉」が引用され、また様々な角度から分析されている。「戦争期の歴史を知る入門書」というには内容が濃すぎるかもしれませんが、是非一度読んでもらいたい本でもあります。

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    投稿日: 2009.07.28
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    トモ
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    このシリーズは面白いが、中でもこの巻は特に面白い。非常にコンパクトに纏まっている。あの戦争を語りたいのであれば読んでおくべきだろう。

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    投稿日: 2008.04.02
  • 朝刊太郎のアイコン
    朝刊太郎
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    太平洋戦争の経過は意外にあっさりと書かれてはあるが、戦時中の市民生活と43年ごろからの厭戦機運(前線でも市民生活でも)が高まっていくところが興味深い

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    投稿日: 2007.09.14
  • たろお//のアイコン
    たろお//
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    シリーズ近現代史の第6弾。今回はアジア・太平洋戦争について書かれている。 なぜ、開戦に踏み切ってしまったのか。また戦時中に起こっていたことはどのようなことなのか。一億総懺悔で片付けられてしまいがちなこの戦争について、細部にわたって描かれている。

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    投稿日: 2007.09.04