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シリーズ日本近現代史 1 幕末・維新
シリーズ日本近現代史 1 幕末・維新
井上勝生/岩波書店
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総合評価

44件)
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    黒船来航・開国 → 西南戦争・明治維新までの通史。天皇中心の攘夷論で沸き立っていたという従来の見解を史実に基づいて検証。イギリスのものを中国の漢訳から学んでいたという。わが国に近代国家を現出させた政体書がアメリカ合衆国憲法の影響を受けていたとか勉強になった。

    0
    投稿日: 2025.08.18
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    再読。 細々した部分が難しく、理解したとまでは言えないが、幕末の大まかな流れを把握することはできた。

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    投稿日: 2023.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    勉強になりました。 世界から見た幕末、明治維新の日本が描かれています。 よくある明治維新の概要を見ると幕府が何も考えずに不平等条約を結んだという理解になってしまうことが多いと思います。実はそうではなく、当時の幕末の現場には優秀な人がたくさんいて、その人達の努力によってできる限り良い内容になるよう交渉し条約を結び、結果不平等になった面もある、ということだったんだなと理解できました。現場の人たちの働きぶりがよく描かれており、イメージが沸きました。 その時日本はこうしたけど、世界の情勢から見ると実はこういう状況だった、という事もありました。やはり常に世の中に目を向けていくということは重要だなと思いました。 明治政府の急激な改革によって民の反乱が頻発していたのはこれまでよく分かっていなかったです。そういった面もあったんだなと勉強になりました。やはり多角度から見て自分なりの意見を持たないとダメだなと思いました。

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    投稿日: 2023.06.16
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    幕末から維新前後の歴史をざっくり復習する感じの1冊だが、ペリー来航以来の幕府の外交、政治というのは、欧米や中国、ロシアなど各国間の事情と日本の地政学的価値に影響されながらも、従来持っていた印象より柔軟かつ理論的で、慎重に筋の通った言い分をしっかり伝えていたのだと改めて思った。 個人的に興味深かったのは、江戸末期の一揆の元気の良さ。新政府になって、相当厳しく処罰するようになったことを考えると、現代日本の政治に対する市民の軟弱さというのは、やはりこのあたりから始まってしまったのかという印象を持った。

    0
    投稿日: 2023.06.01
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    第1章にあるように近年の研究で江戸外交が弱気だけではないことが明らかになっている。これもきちんとした記録あってのこと。だからこそ公文書はしっかり体系的に残していく必要性がある。

    1
    投稿日: 2022.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    歴史について知りたかったことの一つは、今と違う時代の人はおそらくかなり違った感性で物事をとらえていたのだと連続性をもって感じることだったのかも。若者の閉そく感とか。時代の刻みが長いところと短いところがあって、一様ではないことも。 戦は、基本的には武人同士のもので、それ以外は被害者だったんだなあ。その辺は近世的な戦争。

    0
    投稿日: 2022.04.05
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     自分のすぐ近くにある物語との出会いは、嬉しく、また有難い。これをお貸し頂いたのは仕事の古く永い先輩であると共に、ぼくの中に北海道愛を最初にインジェクトしてくれた方である。本書の作家・浮穴みみも千葉大仏文科卒だが北海道生まれの作家である。本書は北海開拓に纏わる人たちを絡めた美しくも逞しい短編集である。  『楡の墓』タイトルにもなっている最初の短編は、札幌市に堀を引いた初期開拓の責任者である大友亀次郎。札幌市東区に彼を記念する郷土資料館があり、それを偶然にも先月だったかぼくは訪れている。また大友がトウベツの開拓に関わろうとした経緯など実に興味深い。  『雪女郎』続いて北海道神宮にゆくとガイドさんが必ず紹介する大きな銅像で印象的な島義武の開拓と挫折。途中で行き会うブリキストンは、津軽海峡を挟み本州と蝦夷の生息動物が異なると唱え、ブリキストン・ラインという名で有名になった学者である。同作者の他の短編作品でも描かれているということなので、楽しみにしておく。  『貸女房始末』は、唯一書き下ろしではなく過去雑誌掲載作品。『小説推理』に掲載されたとあるが、いずれも推理小説というより、人情と歴史を絡めた骨太の歴史小説作家という風に読める。札幌居住地の焼き払いと再建を描いたものとして印象深い。  『湯壺にて』は、まだ山の中の秘湯であった定山渓温泉の湯壺を舞台にした、開拓吏・松本十郎にまつわる物語。  『七月のトリリウム』は、船の中、札幌農学校で教えのために渡ろうとしているクラーク博士の逸話を、美しい文学性とともに描く。  いずれも、自分の住んでいる、あるいは住んでいた場所、ゆかりの地。それらは本書の舞台というより、むしろ土地が人以上の主人公なのではないかと思われるほど、蝦夷地とその開拓にちなんだ物語である。北海道を愛する人にとっては、心のメモリーとなりそうな重要な作品であった。  明治維新による移民政策、北海道開拓、アイヌ民族などの歴史などに興味のない方も、この作品たちは、物語性だけでも惹きつけるものが十分にあり、とてもおススメである。

    1
    投稿日: 2021.10.26
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    2021年8月1日幕末・維新☆☆☆井上勝生 近現代史はかくあるべしという一書 少なくとも大学では必読 歴史は暗記科目ではなく、人間の営みが歴史を紡ぐ不思議さ・面白さ 1.歴史も科学 政治的思惑で歪曲されがち 権力者が歴史を書く 本書は日本史の教科書の通説を検証し、「権力バイアス」を修正する ex 江戸幕府は無能 国益を害し 天皇・大名を蔑ろetc 江戸幕府官僚は優秀 しかし時代の変化には不適合 歴史の不思議 あれだけ世界情勢に通じ、対策を講じながら 裃・ちょんまげ=身分制度は不変 開国も貿易の拡大(生糸・茶)は経済にプラス  2.「国民皆兵」は革命 武士=士族体制の否定  身分制度をリセットするのは江戸幕府では出来ない  明治新政府の必然 長州藩の奇兵隊  反対多数→下関攘夷戦争に大敗→奇兵隊の設立 薩摩藩は薩英戦争の敗北後も士族体制を堅持  戊辰戦争 天皇陛下の軍の御旗はあるが 新時代の理念が大きい →西南戦争で決着 3.明治新政府の改革 版籍奉還・廃藩置県 世界植民地獲得戦争に参戦 台湾・朝鮮・日清戦争と軍事出兵続く 英国(パークス)の支持・支援 日露戦争まで続く 英国は自国の国益が第一(当然ながら) 「士族解体」「民衆への負担①地租課税②徴兵制」 →軍事強国をはかる 「富国強兵路線」は昭和の軍部政治により破綻・国家は滅びた

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    投稿日: 2021.08.01
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    自身の幕末維新前後から知識の薄さを感じた。 ペリーなど、外国人の書籍から描かれる、江戸時代の先進的な文化、風俗、民衆。 どれも新鮮なものと感じた。 江戸末期の考え、国民の新しき時代への高揚感など、考えを改める部分があると感じた。

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    投稿日: 2021.03.20
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    通説とされてきた歴史にまったをかけるその論調が爽快でした。「幕府の外交は愚鈍ではなかった」「開国後、庶民は外国人を恐れることなくフレンドリーに接していた」など、殺伐とした幕末の雰囲気を打ち消すような事実に心がなごみました。特に、第3章での、庶民の生活に関する部分がとても興味深かったです。

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    投稿日: 2020.10.09
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    【由来】 ・amazonの関連本でたまたm 【期待したもの】 ・シリーズ、読んでみる?ただ、文春でも同様のがあれば、それと比較して読みたいかも。 ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・

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    投稿日: 2018.10.28
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    岩波のシリーズモノだが、帯に「維新史を書き直す意欲作」とあるように、反薩長史観的でこれまでの通説に異議を唱える内容になっている。ラストは孝明天皇の「神国思想」を叩いて終了。岩波らしいと言えば岩波らしい。民衆史研究の影響をかなり強く受けており、江戸期に蓄積された、日本の伝統社会の素晴らしさを賛美?しているのだが、一歩間違えると、「日本スゴイ」系の本になってしまい、保守系からも評価されてしまいそうで、著者の本意とは違った読み方をされる可能性もあるように思える。

    0
    投稿日: 2017.07.09
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    最後の章で力つきたまま何ヶ月も経ってしまった。あとがきを読んだ所でひとまず読了とする。いつか再読しよう。

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    投稿日: 2017.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2006年刊。著者は北海道大学教授。岩波新書近現代史S第1巻はペリー来航~西南戦争期まで。◆なかなか興味深い書。特に和親条約・修好通商条約の交渉過程、条約における日本のメリット(結果的なものもあるが)を丁寧に解説する点だ。しかも、米ロなど列強毎の対応の差なども解説されており痺れる中身。◇加え、全体を通じ、幕閣・雄藩・公家・天皇・志士など多面的視点から説明されるのも良。結果、偏った解釈が避けられ、読み進めると、幕末の視野が薩長・天皇を善、幕府を悪という単純な図式から開放されていることに気付かされる書なのだ。

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    投稿日: 2017.01.08
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    東南アジア正解の情勢を見据え黒船来航から明治維新を書いた通史です 最新研究で幕府対応が意図的にお粗末に書かれた従来の歴史と赴きが異なります

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    投稿日: 2016.02.11
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    <目次> はじめに 第1章  江戸湾の外交 第2章  尊攘・討幕の時代 第3章  開港と日本社会 第4章  近代国家の誕生 第5章  「脱アジア」への道 おわりに <内容> 岩波新書の歴史シリーズの近現代史編の第1巻。購入は2006年だが、たっぷりと醸造していました…。 しかし、江戸時代の社会の成熟を評価し、尊攘派の理論が「感情」以外に何もない、幕府側の方が大義名分もあったとする考えや、明治政府への従来の評価=近代国家を作り上げた、も一方的で、成熟していた農村社会を「西洋」の近代国家にするために犠牲にしていった(それも薩長閥の考えていた皮相的な西洋近代国家観で)ことがわかった。 江戸時代のままでの「東洋的な近代化」も可能だったことが見えてくると、現代の西洋的な資本主義の限界に対しての答えが見えてくるかもしれない。

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    投稿日: 2015.03.27
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    近現代史の勉強会のために読んだ本。 高校時代までに習った日本史とはだいぶ描かれ方が違い、開国に対する幕府の姿勢のイメージがだいぶ変わった。 近現代史を勉強し直すには、ボリュームも含めておすすめ。

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    投稿日: 2014.12.29
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    岩波新書の「シリーズ日本近現代史」は吉見俊哉『ポスト戦後社会』,成田龍一『大正デモクラシー』についで3冊目。 先の読書日記でも書いているが,北海道の近代化について勉強し,さらにはその内容で講義をするにあたって,日本自体の近代化についての知識不足を痛感し,急いで読んだ1冊。このシリーズは岩波らしい著者の選出で,一般的な広範な知識の伝達よりもより突っ込んだ歴史の本質を追究するようなところが面白い。といいつつ,先に読んだ2冊はその特徴故にか,いまいちな読書感だったのに対し,本書はなかなか楽しめました。 私は西川長夫氏の近代国家論で日本の近代化について知った気でいましたが,改めて読み返してみると,細かい史実についてはほとんど説明がなく,これでは学生には説明できないし,自分自身もそうした細かい史実の知識がいかに欠落しているかを思い知った次第。 はじめに——喜望峰から江戸湾へ 第1章 江戸湾の外交 第2章 夷攘・討幕の時代 第3章 開港と日本社会 第4章 近代国家の誕生 第5章 「脱アジア」への道 おわりに 最近の歴史学の特徴ではありますが,本書の特徴は,ヨーロッパの近代化に比べ,日本の近代化は開国・文明開化という形で急速に進んだのが特徴ですが,それを時代の断絶としてではなく,なるべく連続性のなかで捉えようとするところにあります。 また,欧米列強による強制的な開国として捉えるのでもなく,日本なりの正統性を持った対等な立場を貫こうとする外交が行われた事実も強調しています。その一方では,章のタイトルがあまりにも一般的な割にはそれ自体については詳しい解説がなされていないのも特徴。特に後半の「近代国家」というものが日本では具体的にどのような形を成したのかとか,「脱アジア」とは何かについては説明が不足しているような気がする。 ただ,著者なりのこの時代の理解はとても説得的で魅力的でした。著者がたまたま札幌農学校に関する論文も書いていたことも,今の私にとってはちょうどよかったのかもしれません。巻末の年表も便利です。

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    投稿日: 2014.10.15
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    自国の歴史に無知で、または誤った知識しか持っていなかったか。一揆の多様さに驚く。また、幕府の現状認識の的確さにも。しかし、悲劇の種はあったのだ。しかし、天皇の阿呆さを咎める意見もあったのだ。この時代は面白いな。アイヌ、琉球、被差別部落への眼差しも今だから相対化して言えるのだろうが、そこにも闘争史があったことを忘れてはなるまい。

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    投稿日: 2014.03.22
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    歴史ものの新書全般に言えることですが、本書もノンフィクション以上研究書未満という感じで、やや歯ごたえのある内容です。 実証史学の方法に基づいて、ペリー来航から西南戦争までのプロセスを描きだしており、よくまとまった良書であると感じます。 特に、これまでの通説に疑問を投げかけ、検証によって異なる結論を提示してゆく方法はまさに「史学」であり、興味のある方にはお勧めしたい本です。 しかしながら、その分ノンフィクションを読むような面白さには欠けており、薩長同盟の成立や勝海舟と西郷隆盛の会談などのいわゆる歴史上の「名場面」についてはごくごくあっさりした事実のみの記述に留まるため、人によっては小難しくて退屈に感じてしまうかもしれません。

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    投稿日: 2014.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

     調べもの読書。主に幕末、開国の流れについて。幕府のアメリカへの対応や開国論はイメージより良かったらしい。中高の教科書では攘夷派がぬるま湯につかっていた日本を改革した。幕府は時代遅れだったというイメージがあるが開国への流れはかなり複雑。幕府側主導で開国が行われた可能性もかなりあったのだろう。そこは歴史のifなので考えすぎてもダメだが。  一方で明治に入ってからは読む気力が湧かず殆ど飛ばした。何か読む基準がないとただ歴史を追っているだけなので単調に感じる、良い悪いではなく。明治初期について調べることがあれば引っ張り出して読みたい。

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    投稿日: 2013.11.24
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    本書のおわりにこう記されている。『幕末日本の大方が攘夷で湧きたっており、その中心に天皇・朝廷がいたという神国思想や大国主義で色揚げされた物語こそ、本文で述べたように、「無稽の謬説」の一つであった。』この謬説が、このあといく度かの戦争による多くの悲劇を生み出していくのである。この謬説は誰が作り、なぜのちの世まで連綿と流布し続けたのであろうか。

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    投稿日: 2013.03.10
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    一般的に学校で習ったり、通説になっている事柄が違うということが如実に表れている本です。 読み応えがありました。

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    投稿日: 2013.01.18
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    本書を読み終えた方は、この「幕末・維新」の時代を、学校で教わった時とは違った印象で見るようになるのではないでしょうか。 開国に端を発した尊王攘夷運動は、「古い体質の旧幕府側」と「天皇を中心として新しい日本を作る維新側」という二つの勢力が対立しているという構図で見られがちです。この本では、その裏側で幕末、朝廷、雄藩がそれぞれどのような思惑を持ち動いていたかがわかりやすく描かれています。 幕府側の堅実性と朝廷・雄藩側のムチャクチャぶりを見ると、明治維新が「現政権を転覆させる革命」だったということがよくわかります。 日米和親条約の幕府側の意図、明治維新の薩摩長州の策略など、「そういうことだったのか!」がたくさんあって良かったです。 本書より引用 「諮問の「前後」こそが「人心の向背」にかかわる」

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    投稿日: 2012.11.12
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    近現代史にはまって、いろいろな本を読んできた。 また一冊手に取った。 黒船来航、開国へ向かうわけだが、しっかりと交渉している。 それに引き替え、今の政治家は。。。

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    投稿日: 2012.04.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幕末と、第二次世界大戦は、日本の方向変換の2つの事態。 歴史に明らかにされていないことは、まだまだ沢山あるかもしれない。 体制の変化は、 牛鍋のような食生活や、 洋装などの衣類や、 住宅になで変化を齎した。 このような劇的な変化を受け入れる素地がどこにあったのだろう。 変化とともに、その受け入れる容量は計り知れない。

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    投稿日: 2012.02.21
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    幕末・維新期の幕府と倒幕派の抗争を、いわゆる維新史観ではなく、幕府の政治力の強さや、維新によって破壊された成熟した伝統社会を再評価することに軸足を置いて描き出す力作。

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    投稿日: 2011.12.27
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    歴史はドラマではなく、 主人公や英雄が物語を紡いでいくのではない、ということ。 それぞれの側面から見れば愚かな事であったり 誠の行いであったり。 きれいな美しいだけの歴史はこの世界には無く、 それぞれの命や血や呪詛や正義や願いの流れなんだろうな、と。 新政府のやった事を否定したり賛成したりする前に、 もっと詳しく歴史を知らないとなあ、と思った。 この歴史書は側面だけでは見え方が偏りますよ、 と、言ってるようにも思う。 でも、前から少〜し思ってた事は、新政府って、 「侵略」を断行し過ぎてる、でしたが、 あながち間違ってなさそうな気もする。 あれほど日本各地で一揆が起こっているのだし。 あともう少し突っ込んで知りたい、と思う事は、 尊王攘夷、とあれほど押し進めて来た道のりを、 どうやって世論を説き伏せたのか、という事。 戊辰戦争、西南戦争のおかげ、って事もあるんだろうけど。 知らないのは、良く無いなあ。 歴史の授業が西暦で覚えるだけだった事を残念に思う。

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    投稿日: 2011.10.27
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    幕末に熱狂的な興味はなかったけれど、この本を読んで新しい見方などが提示されていて、とても興味深く読んだ。いろいろな人が真剣に当時の日本の行く末を考えていたんだなぁと思いながら読んだ。

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    投稿日: 2011.10.08
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    幕末・維新のざっくりとした理解が深まり、また通説に対して新たな捉え方を数多く提示しており、歴史認識や物事を多角的な視点から捉える必要性を再認識させてくれた一冊。興味ある人物や歴史認識の関心を高めるきっかけを提示してくれ、これをきっかけに個々の人物や歴史について、より一層理解を深めていきたい。

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    投稿日: 2011.07.31
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    幕末から明治維新までの歴史の流れを分かりやすくつかめるのと同時に、いろいろな新しい見方が提示されていて面白かった。江戸時代の社会が単なる封建的で抑圧的なものではなかったことや、幕末に外国の侵略の可能性は高くなかったのではないか、など。「遅れた江戸幕府から進んだ明治政府へ」という見方はどんどん薄くなっていっているようだ。

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    投稿日: 2011.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

     幕末、ペリー来航から始まるこの本が記してくれているのは、明治時代の西南戦争くらいまでの国家の混乱状況である。僕らが普段中学・高校で学ぶ日本史と言うのは、外国に脅かされる日本。英仏の実力の前に屈服する薩長。大政奉還、そして突然現れる明治天皇、程度ではないか。  しかし、非常に複雑な利害関係の中、幕府・朝廷・藩がそれぞれに暗躍するわけだが、実際は当時の欧米から見ても全く遜色ない外交により、諸外国の影響を抑える幕府と、血統などやや浮世離れした主義主張により攘夷を掲げる孝明天皇という構図が見える。そこに長州や薩摩などが複雑に絡まる。  面白かった!特に、江戸時代のシステムがいかに合理的かつ近代的だったのか、という事が分かったのが。。

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    投稿日: 2011.05.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    [ 内容 ] 黒船来航から、明治維新へ―激しく揺れ動いた幕末・維新とはどういう時代だったのか。東アジア世界に視点をすえ、開国から西南戦争までを最新の研究成果をとりいれて描く新しい通史。 従来から「屈服」したと言われてきた幕末の外交を再評価し、それが成熟した伝統社会に基づくものであることを明らかにする。 維新史を書き直す意欲作。 [ 目次 ] 第1章 江戸湾の外交(黒船来航 開国への道 二つの開国論) 第2章 尊攘・討幕の時代(浮上する孝明天皇 薩長の改革運動 尊王攘夷と京都) 第3章 開港と日本社会(開港と幕末の民衆 国際社会の中へ 攘夷と開国) 第4章 近代国家の誕生(王政復古と「有司」専制 戊辰戦争 幕末維新期の民衆 近代国家の創出 版籍奉還と廃藩置県) 第5章 「脱アジア」への道(急進的な改革 東北アジアの中で 東アジア侵略の第一段階 地租改正と西南戦争) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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    投稿日: 2011.04.24
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    図書館の本 内容(「BOOK」データベースより) 黒船来航から、明治維新へ―激しく揺れ動いた幕末・維新とはどういう時代だったのか。東アジア世界に視点をすえ、開国から西南戦争までを最新の研究成果をとりいれて描く新しい通史。従来から「屈服」したと言われてきた幕末の外交を再評価し、それが成熟した伝統社会に基づくものであることを明らかにする。維新史を書き直す意欲作。 ごめんなさい、わたしの頭では理解不能。。。。

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    投稿日: 2011.04.15
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    通史という範疇において、幕末から明治初年代にかけての日本史を新たな視点からわかりやすく説明しており、近代史専攻を志望する学部1、2年次レベルの学生にとって好個の書と言える。 ただし、基本的に一般向けの図書であるため、例えば台湾出兵に係る外交において「清国の、隣国日本に対する評価は、最悪になった」(p215-216)とする記述など、必ずしも実証的ではない部分もあり、注意が必要である。

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    投稿日: 2010.06.22
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    「歴史は勝者の記録」とはよく言ったもので、その勝者の記録に惑わされずに史実を明らかにすることが歴史家の役割と言えば役割なのだが、それがなかなか難しい。この「シリーズ日本近現代史」は、どの巻も従来の歴史観にとらわれずに、日本の近現代史を再評価しているところが特徴だが、この第一巻「幕末・維新」からして、その特徴は明らかだ。 軟弱卑屈、無為無策な幕府外交に対して、正論を掲げる朝廷、天皇が浮上するという「物語」を、様々な史料をもとに「事実と異なる」と一刀両断し、明治維新を無知蒙昧な天皇を担いだ少数派のクーデターであると断言する。勢い、琉球やアイヌの弾圧、台湾出兵、征韓論と江華島事件へと続いていく神国思想、大国主義を、日本に国際的な軍事的危機が迫っていたわけではないとの主張に基づき、「無稽の謬説」として、また、「文明開化」をも(特には流血をも辞さずに)民衆運動を抑え込むための「誤謬に過ぎない」として切り捨てる。 歴史家の間ではすでに常識になっているのかもしれないが、一般人にとっては、幕末・維新史に新しい光を投げかけた佳作と言える。 個人的には、紀元節(現在の建国記念の日)のくだりが面白かった。曰く、中国の辛酉革命思想に基づいて神話の紀元前 660年元日を神武天皇の即位日と決めたが、太陽暦に換算した日(1/29)が、先帝孝明天皇祭に近かったために、2月11日に変更された。本当に、何の根拠もないのね…。

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    投稿日: 2010.06.14
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    少し読みづらいかもしれないが、中高の日本史にはなかった幕末・維新における詳細が記されている。 専門の方からは常識とされるも、はじめて把握できた点が多い。 ・薩英戦争ではイギリス側の被害も大きかった。ただし下関では長州藩が完敗したことはご存知のとおり。 ・横浜生糸売り込みを支える民衆の努力により開国がゆっくり定着し、日本の民族的独立への基盤をつくり植民地化を防いだ。 ・幕府は長州藩の行き過ぎた排斥行為(小型商船への夜襲)の際、警告を出していた。 維新による急激な改革に民衆は順応できず、一揆や反乱を起こす。政府はそれを全て鎮圧。 ・樺太・千島交換条約により明治日本の影響下となった千島アイヌの人々は、800人もの規模で石狩川沿いの内陸(江別市)に強制移住させられ農業民化を強いられ、天然痘などで約400人が死亡。 ・江華島事件では交戦だけでなく、城に放火し35人が殺戮さる。この交戦も三日間にわたり、付近の地域をことごとく破壊していた雲揚号の行為は国際法違反。

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    投稿日: 2009.11.23
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    現代の日本は欧米から取り残されていると感じ、明治時代の日本の経験がこれから必要になってくると思い、読んだ。黒船来航から、明治維新にかけての状況が書き記されている。不平等条約の締結ということから、幕府側の軟弱、卑屈な外交という思い込みがあったが、強力な軍事力の背景はあったものの、日本の巧みな外交力によって、アメリカ側にかなりの譲歩をさせることができたということがわかった。討幕を得て開国に至り、岩倉具視らがいかにして近代日本を作っていったかとつながっていく。暗殺あり戦争ありの過程は激しさを物語っていた。

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    投稿日: 2009.01.16
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    読みやすいし、よくまとまってる。しかも最近の学説も載ってて、小学校で習った歴史と違う!といった新鮮味が味わえる。

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    投稿日: 2008.11.26
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    太平の 眠りを覚ます 蒸気船 たった4杯で 夜も眠れず この歌を聴いたことがある日とも多いだろう。これが嘘だったとしたら、孝明天皇の方こそ、無能だったとしたら。 幕府は無能ではなかった。暗黒の江戸時代を明るく、そして丹念な史料分析から甦らせる。 著者渾身の一冊。

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    投稿日: 2008.07.10
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    明治維新は、全くの革命ではない。江戸時代末期の経済の発展があればこそ、その後の貿易の発展があった。民衆からの訴え、合議制度の発達、一揆などにより、民主主義への地ならしがされていた。当時の幕府の外交は国力、軍事力、経済力、国際情勢を踏まえた現実的な判断であった。海外情報をオランダや中国経由で的確に把握していたことも驚きである。維新期の様々な戦乱は攘夷派・開国派の複雑な政治的駆け引きによって巻き起こされたものである。明治政府の政策は必ずしも素晴らしいものばかりでなく、民衆や貴族・士族(華族)に大きな負担を強いるものであり、多数の大規模一揆が発生している。これまでの「江戸時代=暗黒」「明治時代=開明」という単純な図式に当てはめるのは大きな間違いである。

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    投稿日: 2008.03.31
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    半分読んだところ。起きたことにはすべて理由があって、熟慮された結果なんだと感じた。鎖国していても世界情勢の情報収集はしていたことなど知らないことばかり。'07.11.7 日露和親条約から北方領土はもめてたのか。エトロフ(日本)とウルップ(露)を境に、カラフトは「界を分かたず」の露、「界を分かちがたし」の日本。「アイヌのことはアイヌしだい」がいつしかなかったことになってしまったんだ。ほかにもこの時代の本を読んでみたくなった。

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    投稿日: 2007.11.17
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    外国の圧力に右往左往するばかりだったというイメージが強い幕末の外交だが、それを再評価し、成熟した伝統社会に基づくものであることを明らかにしているそうだ。特定の人物や政変に注目した読み物はたくさん読んできたが、そういえば通史って読んだことがないと感じさせられた。久々に岩波新書に挑戦か?

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    投稿日: 2007.06.28
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    幕末・明治維新のころについて、近年の県有をもとに書かれた歴史解説本。今まで教科書等で書かれたこととはだいぶ違う時代の一面が垣間見える。

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    投稿日: 2007.01.16