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日本語再定義
日本語再定義
マライ・メントライン/小学館
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総合評価

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    日本の痒いところに造詣が深いマライ・メントラインさんの著。さりげなく使う日本語に隠された意味合いを再定義し直すという趣旨。下手な日本語話者より…というより、日本語を使いこなしている人間以上に日本語に深く抉り込んでいく姿は爽快。銀英伝ちゃんと読んでおかないとなあ〜

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    投稿日: 2025.09.29
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    「日本語再定義」と銘打ち、マライさんの選んだ20の言葉の定義。鋭い観察眼とマライさんの考察がおもしろい。そして説明構文に脱帽。完全なる日本語話者にはなれない、とおっしゃっているが、一つの言葉から、あちらこちらと発展し、しかし論理的にぐいぐい押していく様が素晴らしい。一種の日本論になっている。マライ節炸裂といったところ。 選ばれた言葉 外タレ、忖度、ガンダム、呪う、帝国、四季、萌える、サボる、アングラ、ワンチャン、教養、理屈、余暇、エモい、ラノベ、隠居、女子力、上から目線、大予言、自己責任論 最後に、国語辞書編集者の神永暁氏との対談が載っている。神永氏は小学館で「現代国語大辞典 第二版」「現代国語例解辞典」などを手掛ける。その神永氏は、『正しい日本語」といったことを考えていない、という。言葉は常に変化していくものなので、むしろ『誤用』といわれるものは何なんだろうという気がしている、というのになるほどそういうものなのか、と思った。 2025.6.23初版第1刷 図書館

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    投稿日: 2025.09.15
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    いまNHKのドラマ「舟を編む」が話題だ。 数年前にBSで放送され評判がよかったので、 地上波に降りてきたもの。 テーマは辞書編纂。 「ことば」にとことんこだわっている。 私はこの本をだいぶ前に読んでいるんだけど、 このドラマでよく使われる「語釈」ということばに 全く記憶がなかった。 前置きがやたら長くなったが、 ドイツ人マライ・メントラインさんが書いたこの本を読んで、 この「語釈」を思い出した。 日本語が母国語である日本人で、ここまで言葉を深堀する人って、 どれだけいるだろうか。 それこそ「舟を編む」の辞書編集者のマジメさんやみどり(池田イライザ) くらいなもんではないか。 かくいう私も言葉にはこだわりたい。 経営者に会社の状況を的確に伝える役割。 言葉を間違えてはだいなし。 しかも、そのあたりに難がある部下を抱えている。 否が応でも言葉を意識せざるを得ない。 単語の一つ、「教養」も身につけたいものだ。 外タレ、忖度、ガンダム、呪う、帝国、四季、萌える、サボる、アングラ、ワンチャン、 教養、理屈、余暇、エモい、ラノベ、隠居、女子力、上から目線、大予言、自己責任論… と、思って読み進めてたら、最後に対談で本物の辞書編集者が出てきた。語釈ということばも。 やっぱりなあ

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    投稿日: 2025.08.04
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    在日ドイツ人による日本語の再定義を通した日本社会やドイツ社会への洞察。 「隠居」でアップデートできない高齢者とそれがもたらすであろう社会問題について議論されたが、これはアップデートできていないのは高齢者に限らず、10代の男性にもいて、実際どの世代にも一定数いると言うよりも、アップデートできていない人たちの方がマジョリティなのだという事が可視化されたのが、ここ半年の国民民主党への支持拡大とその急落、それと入れ替わるような参政党の支持上昇なのではないかと思う。アップデートできていないことを薄々自覚しつつ、それによるルサンチマンを抱えた人々が多く爆発寸前なのが今の社会なのだろう。などと考えていくように、軽い読み味だが考えることは多い一冊です。今の日本社会のヤバさに絶望するけど。

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    投稿日: 2025.07.05