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男装姫は、鬼の頭領の執着愛に気づかない
男装姫は、鬼の頭領の執着愛に気づかない
日部星花、氷堂れん/KADOKAWA
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総合評価

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    ○本のタイトル『男装姫は鬼の頭領の執着愛に気づかない』 ○著者名 日部星花(ひべせいか) ○出版社 KADOKAWA・富士見L文庫 ○ジャンル ライトノベル・和風ロマンス・ファンタジー ○入手方法 図書館 ◯どんな本? 宿敵同士の頭領が秘めた恋心を抱きながら、互いに手を取り合う姿が描かれた和風ロマンス。 特に、和風の世界観やキャラの成長、心理描写に感情移入したい 方におすすめ。 ――――――――――――― (主な登場人物の魅力や特徴) ○一初(いちはつ) ・主人公、18歳 ・人族の頭領 ・初陣の御披露目以来、男として生きている ・自称「俺」 ・家族(父母、兄、弟)が鬼に殺された ・鬼族にとっての死神 ・ 愛称は「初(うい)様」 ・得意な技は治療術、結界術、身体強化 ・ 鬼族の紅炎に初恋の感情を抱くが、憎しみがそれを上回る ○紅炎(こうえん) ・ 鬼族の頭領 ・白銀の髪に赤い瞳、漆黒の角 ・ 炎の霊術を使う ・10歳の弟を初陣で失う(人族と妖狐の攻撃に巻き込まれる) ○檜扇(ひおうぎ) ・一初の弟、14歳 ・ 家では一初を「姉さん」と呼ぶが、外では「兄さん」または「頭領」と呼ぶ ・戦いの才には恵まれなかった ・運営の手腕が得意 ・姉思いである ―――――――――――――― (舞台や世界観) 古来和華(かと)と呼ばれる大陸を舞台に、人族と鬼族の間に長年続く戦争がある。 火の大地で、人族と鬼族の頭領が宿敵として対立しつつも、秘めた恋心を抱くという複雑な関係が描かれている。 主人公の一初(いちはつ)は男装して戦場で生きる少女であり、紅炎(こうえん)は鬼族の頭領として圧倒的な強さと存在感を持つ。 彼らは、それぞれの種族間の憎しみや過去の傷を抱えながら、新たな共同体の形成を目指している。 反対の立場にいる者たちが一緒に歩む姿によって、愛と共存の可能性を見つけ出すことができる世界観を楽しむことができるだろう。 ―――――――――――――― (ページをめくりたくなる展開) 長年にわたって人族と鬼族が争う和風ロマンス。 主人公の一初は、男装して戦場で生きる強い少女。 そして、宿敵でありながらも鬼族の頭領・紅炎に秘めた恋心を抱いている。 二人は敵同士だが、戦いの中で互いを好敵手と認め合いながらも、過去に大切な人を殺された憎しみや傷を抱えている。 しかし、紅炎は新たな都市を作ると宣言し、一初の強さを必要とすることで、彼女との距離を縮めていくが… 敵同士が手を取り合い、共存の可能性を見出す姿は、読者に深い感動を与えることだろう。 そして、この作品の最大の魅力は、一初の鈍感さ。 タイトルどおり、紅炎は、一初に対する執着愛を持っている。 そのため、彼は積極的にアプローチするが、一歩引いた態度で彼女を見守る場面も多い。 一初は自分の立場を理解しているため、結ばれたいなどとはそもそも考えようとしない。 周囲の敏感な者たちは、二人の関係に気づいているかもしれないが… このような彼らの関係は、一筋縄ではいかないからこそじれったく、納得もできる。 だからこそ、どうなるのか先が知りたくてページをついめくってしまうはずだ。 また、物語には緊迫した謎解き要素も含まれている。 予想外の事件が二人の信頼関係を試す場面が続くが… 果たして彼らは、愛と共存の道を歩むことができるのか? 敵同士が愛し合う物語は、あなたを惹きつけてやまないことだろう。 ――――――――――――― (ひとこと) 自分の美貌に気づかずにモテている一初が、とても魅力的でした。 紅炎がやきもちを焼く様子も、実に可愛らしかったです。 頭領という立場で圧倒的な強さを持っている彼でも、余裕を失う瞬間があるところにキュンとしました。 一初の鈍感さもまた良いポイントです。 姉を思う弟も、その点では苦労が多かったようですね。 こうしたキャラクターたちのやり取りに共感しながら、楽しませてもらいました。

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    投稿日: 2025.10.17