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0投稿日: 2025.06.09
powered by ブクログSNS時代の言葉選びをサポートする実践的図鑑 本書『感情をピッタリ表す言葉が見つかる!ことば選び図鑑』は、私たちが日々抱く様々な感情や目にする状況、行う動作などを表現するための最適な言葉を見つけ出す手助けとなることを目指した実用書です。特に、短い文章で的確かつ魅力的に自分の気持ちや考えを伝えることが求められるSNS時代において、言葉選びの重要性はますます高まっています。本書は、そうした現代のコミュニケーションにおけるニーズに応えるべく編纂されており、読者がより豊かな表現力を身につけるための一助となることを意図しています。 「ことばマップ」とイラストによる直感的な理解 本書の際立った特徴は、特定の「キーワード」を設定し、それに関連する多様な言葉を網羅的に集め、それぞれの言葉が持つ意味の範囲やニュアンスの違いを「ことばマップ」や豊富なイラストを駆使して視覚的に分かりやすく解説している点にあります。これにより、読者は今の自分の気持ちや状況に最もフィットする言葉や、普段使い慣れた表現とは一味違う新鮮な言葉を直感的に発見することができます。書籍の構成は主に「気持ち」「様子」「動き」「名前」という4つの大きなカテゴリに分類され、さらに各カテゴリの中に具体的なキーワードが設けられています。 「気持ちを表すことば」の豊かなバリエーション 第1章「気持ちを表すことば」では、喜び、悲しみ、怒りといった基本的な感情から、より複雑な心の機微を表す言葉まで幅広く扱っています。例えば「好き」というキーワードでは、「気持ちの大きさ」と「対象(人か物か)」を軸にしたことばマップで、「愛する」「ときめく」「思い焦がれる」「夢中」といった言葉のニュアンスの違いを整理します。「すばらしい!」では評価の度合いや対象で、「偉大」「金字塔」「逸材」などが分類され、「感動する」では感動の度合いと心の動きの動静で、「感極まる」「心を揺さぶられる」「心に染みる」といった表現が紹介されています。他にも「熱心」「楽しい」「喜ぶ」「笑う」「おいしい」「味」「嫌い」「悲しい」「泣く」「悩む」「苦しい」「つまらない」「怒る」「怖い」「慌てる」「驚く」「呆れる」「わからない」「恥ずかしい」など、日常で頻繁に使われる感情語が、その深みや状況に応じた多彩な言葉と共に解説されます。 「様子を表すことば」の細やかなニュアンス 第2章「様子を表すことば」では、人や物事の状態、性質、人間関係のありさまなどを表現する言葉が取り上げられています。「合う」というキーワードでは、対象(味覚かそれ以外か)と合い方(動的か静的か)で「息が合う」「気が合う」「しっくり」などが、「痛い」では痛む場所(内側か外側か)と性質で「ずきずき」「きりきり」「ひりひり」などのオノマトペが分類されます。「美しい」は印象(形か印象か)と対象(人か物か)で「端正」「あでやか」「麗しい」などが、「がんばる」は努力の方向性(苦しいか楽しいか)や度合いで「歯を食いしばる」「精進」「悪戦苦闘」などが解説されます。さらに「親しい」「上手」「すべて」「普通」といったキーワードについて、それぞれの言葉が持つ細やかなニュアンスや使われる文脈が、ことばマップを用いて分かりやすく示されています。 「動きを表すことば」の的確な使い分け 第3章「動きを表すことば」では、話す、会う、考えるといった人間の基本的な行動や、物事の進行に関連する言葉が解説されています。「会う」というキーワードでは、人数(少人数か多人数か)と丁寧さの度合いで「顔を合わせる」「お目にかかる」「一堂に会する」などが、「言う」では、その内容、話し方、相手、状況などに応じて4つのキーワードに分けて詳説され、「述べる」「豪語」「そしる」「立て板に水」「侃々諤々」「くどくど」「助言」「失言」など、極めて多様な表現がことばマップで整理されています。「思う/想う」は対象(過去か未来か)と思いの方向性で、「考える」は思考の深さや対象で、「終わる」についても複数の表現が紹介され、それぞれの言葉を的確に使い分けるための指針が示されています。 日本語の奥深さに触れる多彩なコラム 本書には、言葉の知識をさらに深めるためのコラムも充実しています。「間違えやすい言葉」では「汚名返上」と「汚名挽回」の違いや「姑息」の本来の意味などが、「敬語(尊敬語・謙譲語)」では具体的な動詞の活用例や注意点が解説されています。また、「死」の婉曲表現(「息を引き取る」「鬼籍に入る」など)、「擬音語・擬態語」(「かたかた」「じりじり」など)、「二十四節気」や「教訓になる言葉」(ことわざや故事成語)といった多岐にわたるテーマが取り上げられており、読者は日本語の奥深さや文化的背景に触れ、語彙力だけでなく言語運用能力全体を高めることができます。 表現力を磨き、豊かなコミュニケーションを実現するために この『ことば選び図鑑』は、単に言葉の数を増やすことを目的とするのではなく、それぞれの言葉が持つ固有のニュアンスや使われる文脈を深く理解し、それによってより的確で感情豊かな自己表現を行うための実践的な手引きです。視覚的に分かりやすい「ことばマップ」やイラストは、言葉の相対的な位置関係や意味の広がりを直感的に捉える助けとなり、楽しく言葉を学ぶことができます。レポート作成やプレゼンテーションが求められる学生から、日常のコミュニケーションやSNSでの発信力を高めたい社会人まで、幅広い層の読者にとって、日本語の表現の楽しさを再発見し、より円滑で深みのあるコミュニケーションを実現するための力強い味方となるでしょう。
0投稿日: 2025.05.25
