Reader Store
デンデラ(新潮文庫)
デンデラ(新潮文庫)
佐藤友哉/新潮社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

58件)
3.4
7
19
18
3
5
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    老婆たちのフィクション性を飲み込めればハマれると思う。 私は大好き。 少年少女の物語と言われても違和感のない口調や立ち振る舞いは、村に生まれ村の外を知らず村のために働き、産み、育て、老い、捨てられた後のユートピア(デストピア)で、老婆が初めて自分の考え、アイデンティティを獲得しようともがくから青臭く見えるんだと思う。 しかし、 vs熊! vs疫病!! vs内乱!!! 老婆のアイデンティティ探しも楽じゃねえ!!! 70歳になっても熊に追われながら山の斜面を駆け下りられる体でいたいものです。

    0
    投稿日: 2025.11.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    70歳で小娘扱いの婆シスターフッド熊バトル小説。好きです。これを映画化しよう……8割方、熊と闘っていよう。。 デンデラ創立者の、村への復讐に燃えるメイちゃん(唯一の年齢三桁)を筆頭にタフな婆様がたくさん。口調が丁寧語(ホノちゃん)・ほぼ現代語(マルちゃん)・男前(この2人以外)なので、百合目線が一切無い学園ものみたいに思えてきます。「私」「お前」「貴様」「貴女」だからな…でも婆らしく体力が無かったりするので混乱してくる。 やっぱりマサリちゃんとヒカリちゃん格好良いなぁ。映画版もこのふたりが好きでした。眼帯倍賞美津子さまウットリ。 ソウちゃんが檻の中のカユちゃんと話しに来るシーンとか、イツルちゃんとキュウちゃんが道で言い合ってた後の展開でホノちゃんへの「殺してやる!」とか、ちょいちょい良いシーン挟んできてグッときます。良いシーンか? カユちゃん70年間ものを考えずに生きてきてて周りにびっくりされてて本人もびっくりしてたけど、これがあるのでちょっと達観してるのかなと思ったりしました。人とか獣とかそういう垣根すらなく思考していく…最期には人を超えていく。 本当に、これを映像化しましょう。2時間じゃ足りないしグロいし女優さんたちを熊と闘わせるの危ないから、アニメで良いからさ。これ羆っぽいので尚更大きくて危ない。 「やはり、私がいなければ駄目だったな」…ヒカリちゃん。。 登場人物たちをちゃん呼びしても全く違和感ない。 そうした怠慢をつづけていては下品な恥知らずになってしまうと斎藤カユは思っていました。生者が面白くないという理由だけで死者について考えるのは逃避だと、それでは下品な恥知らずと同じことをしていると思い至りまして、自分自身への失望を高めるのでした。 …等々、この調子の地の文も好きでした。

    1
    投稿日: 2023.01.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    逃げるのか?留まるのか?諦めるのか?抗うのか? そう、戦わなければ、明日はない。 五十人の老婆が、コミュニティを形成する現在の姥捨て山「デンデラ」 ある者は自分を捨てた村を恨み、ある者は生き永らえたことを喜び、ある者は穏やかな死を願う。様々な感情が渦巻く隠れ里は、一匹の巨大羆の襲来により、修羅場と化した。 --------- 姥捨てと羆の来襲。題材としては面白そうだと思ったが、その設定が生かしきれなかった。文体がそぐわない。 また、老婆の名前がいちいち羅列されるのもどうかと思った。

    1
    投稿日: 2022.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    終始、登場人物をおばあちゃんに脳内再生するのがむつかしかった。 というのも、おばあちゃんってこんなに動けるものかな?という疑問が最後までぬぐえなかった。 粗末な食事で睡眠もまともに取れず、こんなに日々動けるものか? 場面のリアリティがあるだけに違和感が常にある状態だった。 ラストも、想像させるやり方で終了、主人公生き残らないパターンか。

    1
    投稿日: 2022.05.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    せっかくの秀逸な設定が台無し。熊と戦うんじゃなくて、村や男社会と戦ってほしかった。 村のイヤな爺さんを拉致してきて目を潰して働かせるといったような、ムラへの復讐を描けば面白くなるのに。 文体もまるで小中学生のように稚拙で、重ね重ねせっかくの設定がもったいない。

    0
    投稿日: 2022.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    姥捨て山に捨てられたはずの老婆達が生き残り、集まり、一つの共同体を作る。閉鎖された世界、派閥と微妙に異なる主義主張となかなか面白い世界観。唯月裕子「最後の証人」今回はトリック気づけた。ラストの持って行き方が良かった。そこでこの人出すのね!って感じで。

    0
    投稿日: 2021.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    姥捨て山のその後という話。「地獄絵図」という言葉だけでは足りないような、凄まじい世界。 しぶとく生きる、呆気なく死ぬ、その両方がいる。熊が強い。

    1
    投稿日: 2020.03.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    クマもの好きとしては気になってた本ですが、なんとなく佐藤友哉さんの本て、とっつきにくそうで敬遠してました。 読んでみたらこれはとても読みやすかったです。 姥捨山に羆をプラスさせるなんてなかなか。 出てくるのはみんな老婆ばかりなのですが、私の脳内ではどうしても若い女性に変換されてました。 「羆嵐」を事前に読んでおいた方がおもしろさがより際立つと思います。

    1
    投稿日: 2020.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    書割の上を動く書割の登場人物たち。筆者も書割であることを隠すことなく、「これは書割です」と開き直っている節がある。その徹底ぶりは称賛に値するし、物語もまずまず面白い。人物造形は幾分物足りないが、書割を批判できるほど今の私たちは厚みある存在でもあるまい。 解説によれば、深沢七郎の『楢山節考』と吉村昭『羆嵐』にインスパイアを受けているらしい。佐藤友哉のツイッターで今村昌平監督の「楢山節考」を観たときの顛末が語られている。

    0
    投稿日: 2018.10.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    古い小説かと思ったら、案外と新しかったのでちょっとビックリでした。姥捨て山と熊嵐の合体したような設定でしたが、面白かったです。

    0
    投稿日: 2018.07.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    再読。 荒唐無稽な内容で読む人をかなり選びそうなこの作品、自分は結構好き。デンデラの老婆たちの老いてなおギラギラ燃えたぎる凄まじい生命力やぶつかり合う各々の死生観に、自分の中に眠っていた生きる本能のような熱い何かが呼び起こされる。羆との生存競争だけでなく、デンデラの過去の秘密に迫っていくミステリー性も意外な醍醐味。 定めた大目標に向かって走り続ける70歳のカユの姿もさる事ながら「誇りとは自分で勝ち取るもの」そう言い切る100歳もカッコよくて仕方ない。

    0
    投稿日: 2018.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    図書館で。 読み始めて楢山節考のその後かな、と思いそのうち昔ジャンプで連載してた流れ星銀とかいう犬と熊が戦う話みたいだと思いました。あまりにアリエナイ感がありすぎて逆にギャグ?とか思ってしまいました… それにしてもばあちゃん達タフ過ぎるだろ(笑)片腕切断されてあのバイタリティはありえない(笑)ここまで動けるおばあちゃんたちを追いだす村って…よっぽど労働力が余っているのか?働かせろよ、老人を!熊と戦えて一昼夜山をすきっ腹で行軍できる体力あるんだぞ?(笑) 食中毒であれだけ動けるのもスゴイ(笑)大体、嘔吐って普通血じゃなくて消化物とか消化液が先だろうし、嘔吐と下痢してる人はあんなに動き回れないと思うんだけど。それで脱水症で死に至ると思うんだけどなぁ。この作者さん、あまり怪我とか病気とかしたことない人なんじゃなかろうか? クマもスゴイ。一撃で人の首が切断されるってクマの爪は刀なのか?(笑) 確かに動物は利口だけどヒトと同じような知恵ではないんだと思うんだけどな。 というわけでコレはファンタジーなんだろうなぁなんて思いながら読み終えました。村に対する恨みも、男性に対する憎しみもなんだかうすぼんやりしているし、クマとの対決もなんでいきなり?という気がしないでもないし、食中毒の辺りはいきなりミステリ調だし…なんか突拍子もない話だな、と思いながらもオチは気になるので駆け足で読み終えた、というか。 個人的にはクマを出すならコミュニティのもめごとはナシにするとか、内輪もめの話ならそれをメインにするとか絞ればよかったんじゃなかろうかと思ったり。 小説だからこそ、ここぞという所のリアリティがないととペラッペラになるよなぁという良い例のような。 まあ、何言ってもなって感じの作品でした。

    0
    投稿日: 2017.08.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    姥捨山に放置され死を待つのみだった老婆達が生き延び独自のコミュニティを形成する奇妙な話。『楢山節考』の様な命の尊厳について問うた厳しい話かと思いきや、とんでもないおとぼけサバイバルエンタメ小説だった。とても老婆とは思えぬ精神力と体力を持った山ガール達50人が飢えた羆と対峙する展開は笑わずにいられない。違和感溢れる台詞回しやです・ます調が緊迫感を退屈なものにしてしまったのが残念。ネタ的には面白い作品。素材はいいけど料理の仕方が…といった感じ。

    0
    投稿日: 2016.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    童話調の地の文で、進む姥捨て山の共同体の話。 主人公は死を受け入れていたが、姥捨て山の老婆だけの隠れ里に拾われる。主人公は隠れ里に疑問を持ちながら、里の方針、熊の襲撃、病気の蔓延に翻弄されつつ、終わったはずの人生の目標を考え直す。最後には、死を受け入れ熊を倒すため、命を懸けて熊を村に誘導する。 童話調な感じや無茶な設定で、ファンタジー感が強い。

    0
    投稿日: 2015.12.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初から最後まで面白かったな〜 ですます調で書かれてるのもよかったし、 登場人物全員が70歳オーバーなのを考えると セリフ読みながら笑えた。 AKBぽくて笑えるし 終わり方もかなり好み。

    0
    投稿日: 2015.10.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    パニックホラーかと思いきや、純文学?! この極限状態でも、老婆達のやり取りは知的で哲学的。 禅問答のような会話が舞台シナリオのよう。 熊の描写は吉村昭氏や熊谷達也氏のほうがリアルかも。 生きるとは 死ぬとは?を 人生の先輩に問いたくなったらどうぞ!その代わり 熊もいます。

    0
    投稿日: 2015.08.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    設定が怖い。 山に捨てられた老婆たちが自分の村をつくり、 その村が熊に襲われる。 救いがない。 そして登場人物が多すぎる。 こんなに、必要だったのかな。 疑問が残ります。

    0
    投稿日: 2014.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    圧倒的な世界観。 主人公のカユがお婆ちゃんなのはわかってるのに、頭にはなぜか若く美しい姿が浮かぶ。 ヤバイ。 この作品、ヤバイ。

    0
    投稿日: 2014.04.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カユの生きてきた村では男も女も70になったらお山参りをし、極楽浄土へ行く。カユが待ち望んだお山参りの番がきた。雪山で極楽浄土へ召されるのを白装束一枚で寒さと飢えに耐えながらひたすら祈る。しかし、目が覚めると死んでおらず、デンデラにいた。 死にかけていたところをデンデラに拾われたのだ。 デンデラには過去にお山へ行ったはずの老婆ばかり50人。聞けば、30年間もこうやってお山参りで倒れた老婆を拾い続け、集落をなしていた。 カユは極楽浄土に行きたかった、つまりは死にたかった。しかし死ぬことを邪魔された。死にたい、極楽浄土へ行きたい、だがお山参りをし損なった以上極楽浄土への道は絶たれた。生きるしかない。村以上に貧しいデンデラで生きることは辛いことしかない、そうまでして生きるのに、生きたいのか、何をしたいのか、カユには本心が無い、大目標が無い。何もない。 それぞれの老婆の大目標、やがてカユも大目標を見つける。 とにかく面白かった。

    0
    投稿日: 2014.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    お山の中のデンデラ。 姥捨てにより捨てられた老婆達はそこで飾ることなく、クソみたいな規律をクソだと言い、守るべき秩序に従い暮らす。 理不尽に奪われたり弔ったりしながら、しわしわに嗄れながら、くちゃくちゃに朽ち果てながら、それでも生きてる。 そして彼女は自由の中に自分の大往生を見つける。

    0
    投稿日: 2013.11.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    姥捨て山に捨てられたがデンデラに救われ、死にたかった本心や生きる目的に悩み続ける主人公が良い。デンデラという素材が素晴らしい。このネタで様々な物語が作れると感じた。

    0
    投稿日: 2013.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物紹介のページでもう出オチ。 めまぐるしさと停滞感の連続であっという間に読了。 このスピード感、ばあさんとクマしか出てこない小説とは思えない。 残酷描写は安定のクオリティ。 時代考証のあやふやさがファンタジー感を醸し出しつつも、背景に左右されない「舞台の上」の限定的な人間関係を確かなものにしていると思う。 切り取られたセカイ系。 ばあさんとクマだけの。

    0
    投稿日: 2013.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    んなわけないだろ!と、ツッコミどころも多々あるが、それでもぐいぐい読ませるエンターテイメント。ラストがきれい。

    0
    投稿日: 2013.07.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    70歳以上、50名の老婆。 斎藤カユ。三ツ屋メイ。羆の襲撃。赤背。二本足。疫病。 ラストシーンが美しくて笑った。 映画化と聞いた時は盛り上がったが、ビジュアルをみて見る気をなくした思い出が。

    0
    投稿日: 2013.07.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     姥捨て山に捨てられた老婆たちは、「デンデラ」という自分たちのコミュニティを山中につくり、そこで過酷な生活を送っている。ある者は自分たちを捨てた村への復讐に情熱を傾け、ある者はデンデラをより暮らしやすい場所にしようとしている。そんなデンデラに凶暴なヒグマが襲来する。完全なるディストピアと化したデンデラは崩壊の危機に直面する‥。  コミュニティというものの恐ろしさを実感した小説だった。口減らしのために村を追われた老婆たちが、疫病に侵された自分たちの仲間を殺してゆく。人間のやることは変わらない。  たとえ年をとったとしてもエゴは消えないし、執着もなくならない。でも、そのエゴや執着がとんでもないエネルギーになっている。ある意味、人間の可能性を感じる。

    0
    投稿日: 2013.03.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦う婆ちゃんの話。いつの間にか村を襲撃する展開が、熊と戦う話に変わり、主人公はその戦いの中で熊と自分は同類だということに気づく。ライトノベル的ぶっとんだ設定、キャラクターとしてのばあちゃん。好きな作品です。

    0
    投稿日: 2012.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     映画になったようなのだが、脚本は原作より出来は良いのだろうか。原作に忠実ならば観る価値は低い。なぜ、老人が熊と戦わなければいけないのか。必然性がないわけではないが、話がつまらない。婆さんよりは女子高生が熊と戦い壮絶に絶命する方が圧倒的に面白い。必然性はないけれど、同じ時間を割くなら面白い小説を読みたい。

    0
    投稿日: 2012.08.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    姥捨山に捨てられた老人たちのその後の闘いを描いたものです。サバイバル的内容がメインかと思いきや,映画『リメインズ 美しき勇者たち』を彷彿とさせるような人食い熊や雪との闘いが大半を占めました。一度生を諦めた老人たちが如何に生きることにこだわるようになっていったのかという心理描写が巧みです。 最後は,カユは熊を村に誘うことに成功したのでしょうか。想像をかき立てられます。

    0
    投稿日: 2012.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    棄てられた老婆たちの死生観が交錯する。"死"を望むのか"生"にしがみつくのか どちらが美しいのか 自らの大目標のために進もうと決意する主人公は、追究することを放棄して野生と対峙する 惨たらしい虐殺ではないその対決の結末はわからないが、主人公の大目標は達成されたのだろう

    0
    投稿日: 2012.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    浅丘ルリ子他の出演で、映画化されたが…。 一言でいえば、姥捨て伝説を掘り下げた物語。 山に捨てられた年寄りたちは、その後…。

    0
    投稿日: 2012.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初ラジオでの映画紹介で知った作品の原作ということで読んでみました。うーん、あんまり面白くないかも…。映画に期待します。

    0
    投稿日: 2012.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    お婆さんしか出て来ない話。それもたくさん出て来る。ただし、ほのぼの要素は皆無である。 ある意味タイムリーかもしれない。

    0
    投稿日: 2012.04.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    姥捨て山に捨てられた老婆達と山の主、熊の闘い。 壮絶で血みどろな感じに賛否両論ありそうな描写。 老婆の心情がいまいちつかみきれないあやふやな文章に、なかなか感情移入できず。 全体としては読まなくてもいい部類かな。

    0
    投稿日: 2012.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    姥捨て山をモチーフにし、リアルなようでいてある種ファンタジー。 ですます調の柔らかな文体だけど、硬質な文章。 思想、ロジック、肉体的に現実離れした老婆達。 解説を読んで納得。確かにラノベ的。 そう思って読めば違和感も無く。 自分たちを捨てたムラ社会から隔絶した理想郷を作ろうとする穏健派と、 その村に対して復讐の執念を燃やす襲撃派の対立的構造から、 物語が進むにつれて赤背との対決に焦点が絞られて行く― この赤背との対決シーンは手に汗握る展開で引き込まれた。 赤背との邂逅によって大目標を見出したカユの行動… ラストシーンは映画的で、ハッピーエンドではないものの読後感はすっきり。

    0
    投稿日: 2012.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    『1000の小説とバックベアード』でむせび泣いた直後に読んで衝撃を受けるも、仕事風呂睡眠以外の読書時間を使って一気に読了。久しぶりに「中断したくない」本に出会った。 潔く死んで極楽浄土に行くはずだったのに、過去の「お山参り(=姥捨て)」の生存者達に助けられてしまったがために、極楽浄土には行けなくなるわ老婆だけの隠れ里には食料がないわゴツい羆は出るわでもう大変なことに。 しかし死なない以上は生きねばならず、生きるためには思想が、指針が、大目標が必要。そんなの今まで考えたことない。でも考えねばならぬ。どうする斎藤カユ。 全員老婆。しかも世間的には死んだ事になっている人間ばかり。 「ですます」調の地の文とは対照的にシャキシャキ喋る老婆達の口調が、アナザーワールド感を倍増させててイイ!「~なのじゃー」とか言われたら逆に違和感あると思うんですが。どんなもんでしょう。 解説読んでから解説の通りの読み方をしてみると、1冊で2度おいしくて大変にお得な感じ。

    0
    投稿日: 2012.03.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生涯忘れることが出来ない小説を読んでしまった。強烈な作品。 福寿草を踏み駆ける斎藤カユの姿は老婆ではなく、春の訪れに歓喜のあまり思わず疾走する少女のようだ。 映画も見てみたいが、壮大なプロデュースをするなら、AKB48を起用して今から撮影を始めて、50年後、デンデラの舞台を撮るっていうのはどうだろう。

    0
    投稿日: 2012.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ◎もともとは、『デンデラ』が映画化になり、その撮影が地元で行われていたのがきっかけで、原作に手を出してみる。 でも、それ以前に、私の地元には、古くから姥捨て山というものが存在していたということを、祖母から聞いていたのもきっかけで、すぐに読みたい!と思い、書店へ。 ◎女という生き物は、今も昔もこういう風に見られているんだな、とか、時代は違えども、共感するもの、死に対するそれぞれの考えや、価値観がなんともおもしろい。

    0
    投稿日: 2012.03.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    静かに穏やかに、凄まじい物語が語られる。 読み心地のいい話ではないのだが・・・。 よくもまあ、このような大目標を思いついたものだ。 羆を斃すための秘策を。

    0
    投稿日: 2012.01.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    解説で法月綸太郎が書いているように,婆さんたちの学園物語.……まあ,普通の学園ものよりは年食いすぎで壮絶なモノだけど.

    0
    投稿日: 2012.01.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。でも疲れた。 形を変えた、ユヤタン小説。今までみたいなわかりやすい「青春」は存在しないけど、老婆達の言動にユヤタン的青春が見え隠れしてる気がした。 それも、もはや「戦慄の19才」ではなくなってしまった人間が書く小説だと言われるとすごく納得する。自ら脱皮しようとしてる。 作中内のやり取りで、僕は急に「老い」が怖くなった。描写のうまさもあるのだろう。自分の若さってものの貴重さに我が身が震えた。 ユヤタン…というより、佐藤友哉先生だろうか。この人の書く小説は、いつも僕の心を深く貫いてくる。 この作家とは、一生付き合っていきたい。

    0
    投稿日: 2011.12.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    佐藤友哉って、こんな話も書けるんだね。 山に捨てられた老婆達の逞しさと、村の掟の残酷さ、いきなり訪れる死の不条理さ。 熊との死闘や村やデンデラでの生活の過酷さがリアルに、でもさらりと描かれてます。 結構グロい描写とかあるんですが、今まで私が読んだ著者の本と違い、気持ち悪さは感じなかった。事実として淡々と書かれているからかなのか。ラストの終わり方も好き。 今まで読んだ中で一番面白いと思った。

    0
    投稿日: 2011.10.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    異性の老人をかくのってむずかしいんだろうなーという印象。 でも、じじ萌えの女性作家ならそうでもないかもしれない。けど男性読者からしたらねーよっておもうかも。どうなの。 よみながら、どうしても登場人物が老女におもえなくて地味にストレスたまった。 解説でそのへんが言及されてたけど、ええーみたいなかんじ。そんな大層なものかなあ…たんにかけないだけなんj(ry あと「です・ます」調が抗ってもラノベくさい… ラストシーンはすきだった。ぽこぽこ自己犠牲な人がでてくるんだけど、そういうのにむねあつ…ってなる日本人です。 ユヤタンのかく男女はすきだよ!

    0
    投稿日: 2011.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    容赦ないタッチと、「姥捨て山」をオマージュにこんな話を書いてしまうあたり、やっぱりこの人はすごい。 そして女も歳よりもすごいと思った。 さりげなく、ミステリィだったのが驚きだ。 映画は血糊が足りるのかが心配。

    0
    投稿日: 2011.09.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本心がない。大目標がない。でも死にたくない。 生と死の位置づけを考える。少なくとも表裏にあるものでも対極にあるものでもない気がする。死ぬために生き、生きるために死ぬのかもしれない。 70歳になると“お山参り”をするのが村の掟。平均年齢80.5才のデンデラ。生への固執、死への陶酔。野生との摩擦。欲や人間性から隔離された仮社会。

    0
    投稿日: 2011.08.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全てがメタファに思える内は、ユヤタンの自分語りは脱していない、いつもの覇王の物語。でもそこが好き。 青臭いものは必要なのです。

    0
    投稿日: 2011.08.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このキャッチだけで民話/神話好きとしては気になる。 映画化されるともあって気になって読んでみた。 まず、この世界観の異様さに圧倒される。 たいていの小説に出てくる若い男女の恋愛とか一切無い。 だって婆さんしか出てこないから。 婆さんだけのバトルロワイヤル、、、みたいな印象もなくはない。 これは映画気になるなぁ。

    0
    投稿日: 2011.08.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後に書かれていた解説の通りなんだろうなと思った。 *****メモ***** デンデラに連れられてくるまで、難しい事は一歳考えなかった主人公カユ。 デンデラでの生き方を汚いとののしるくせに、美しく死ぬ機会を失ったからと死ぬこともせず、立場を表明せずふらふらと生き続ける。 その割りには彼女、結構頑張るのである。 周囲の老婆より何倍も頑張って精を出して働き、デンデラを襲う赤背のクマに対抗するのである。 自分の生き方を模索せねばならぬと考えるようになった彼女の目的が「大目的を見つけたい」だったりするのは当然と言えば当然なのだろうか。 彼女がな命を張って生きる事が出来るのが、それを無気力とか倦怠から来る捨て鉢ではなく、マイナスに大きく振り切った「死にたい」という気持ちに起源があるのはやはり佐藤友哉 だなあと思う。 そしてあれほど物語を費やしてたどり着いた結末が結局あれだったのもやはり彼らしい気がする。

    0
    投稿日: 2011.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全体として『生きる』ってことをいろいろ書いてる話なのだろうとは思うが。 わざとだと信じたいが、登場人物たちの人となりの描写が小汚すぎて「こういう歳の取り方はしたくないなぁ」などと見当違いの感想を持ってしまう始末だった。 長生きするのなら賢くきれいに歳を取りたいものです。 ただ、そういう小汚さから来る壮絶な感じも含めて妙な迫力はありました。

    0
    投稿日: 2011.07.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    バトル・ロワイアルぽい… いやーな話。 読み終わったあとも、読んでる間も、どんよりした気分になります。 生きるのも死ぬのも、辛くて怖いことが沢山、というやりきれなさが終始。

    1
    投稿日: 2011.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    意図してのことだろうが、どうにも違和感が抜けなかった。というのは、老女達の使う言葉。村からろくに出たこともない、本を読む 贅沢など許されそうにない住環境の老女達が、愚弄とかそういう言葉を使うのだろうか? 他にもリアリティがあるようでリアリティがないような・・・ それにしても、老女達の強靭さんには脱帽!

    0
    投稿日: 2011.06.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    斎藤カユは見知らぬ場所で目醒めた。姨捨の風習に従い、雪深い『お山』から極楽浄土へ旅立つつもりだったのだが。そこはデンデラ。『村』に棄てられた五十人以上の女により、三十年の歳月をかけて秘かに作り上げられた共同体だった。やがて老婆たちは、猛り狂った巨大な雌熊との対決を迫られるーー。生と死が絡み合い、螺旋を描く。未だ見たことのないアナザーワールド。 「彼女の選択は、村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の終盤、「僕」が「影」の忠告を斥け、虚構の世界に留まる場面を思わせるが、「大目標」を模索するカユがー同時に佐藤友哉がーその結論に満足していないことも明らかだろう。」 佐藤友哉やっぱりすごい。

    0
    投稿日: 2011.06.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんと言うか...凄く感想の書きにくい作品です。 勿論、胸に凄いブっ太い楔を打ち込まれたような 衝撃と、作品としての面白さがあって終始 引き込まれっぱなしなんですが...読む側も決して ラクじゃない疲労感が伴います。 「楢山節考」がベースになっているんでしょうが、 今作はその先...山に捨てられた老婆達のその行方と、 そもそも、その行為自体を受け入れたのか??という 真逆の出発点からストーリーは始まる。 雪深い山の中に置き去りにされながらも、その怒りと 悔しさを糧に生き延び、「デンデラ」なる独自のコミュニティを 構築し暮らす老婆50人。この設定だけでも結構、トンでますが その「デンデラ」に襲いかかる巨大な雌羆、そして 疫病。この小さなコミュニティに次々と死が蔓延する。 一度は捨てられる事で、極楽浄土へ旅立つ事を望んでいた 主人公「斎藤カユ」(*70歳だがここでは最年少)の生と死の 間を揺らぐ心情、そして年老いても尚、人間の持つ厭らしさ、 そして美しさ...様々な感情が渦巻きながらも「斎藤カユ」の 辿り着いた先、そして「デンデラ」が迎える終末は...。 途中熊との凄絶な戦いはさながらスプラッター混じりの パニック小説のようだし、「斎藤カユ」が終盤に披露する 疫病の真実はミステリでもあるし...と読みながら、休むトコの 無い密度の濃い作品ですね。恐らく今作までの友哉氏の イメージを壊した作品なんではないでしょうか?? 自分は好きです。 しかし...これを実写で映画化...って!!! 凄い内容だろうなー。老女のみ50人しか出ないんだよね。 観たい...かも。

    0
    投稿日: 2011.06.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    婆さん版「蝿の王」のような話が、少年探偵団シリーズにおける江戸川乱歩調の語りで進んでいく、そんな話だった。 間違っても「おばあちゃん」ではなく、「婆さん」もしくは「婆あ」と呼ぶのがふさわしいモノノケじみた女たちの物語は、たやすい感情移入を許さず、おぞましい感じもあり、決して読んでいて気持ちのいいものではない。 でも不思議と続きが気になって、読みはじめるとあっという間だった。他人にオススメするのは難しいが。。。

    1
    投稿日: 2011.06.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ≪あらすじ≫ 斎藤カユは見知らぬ場所で目醒めた 姥捨ての風習に従い、雪深い『お山』から極楽浄土へ旅立つつもりだったのだが そこはデンデラという『村』に棄てられた五十人以上の女により 三十年の歳月をかけて秘かに作りあげられた共同体だった そんなある日、凶暴な熊にデンデラの住民が食い殺される 老婆達は熊との戦いに挑み、小熊をやっつけた そして宴でその熊を食べまくった すると住民に疫病が襲い掛かる その原因は小熊を食べたことだとされたが 斎藤カユは、過去にも同じ疫病が村で発生したことを知る しかもそのときは、感染拡大を防ぐために患者が皆殺しにされたらしい 度重なる熊の襲撃・・・更に発生する疫病・・・ そして斎藤カユは疫病の真相を看破し、熊との最終決戦に挑む! ≪感想≫ 純文学を装いながらのミステリー小説。著者は今後この路線で行くのかな~ 巻末の法月綸太郎氏の解説がとても解りやすく、読書後の補完にもなって良かった

    0
    投稿日: 2011.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この人の本で一番文章と内容が一般書っぽい…と思ったら解説が的確過ぎて泣けた。それにつけてもヒグマこえー。

    0
    投稿日: 2011.05.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    おばあさんと熊しかでてこない話 名前を斉藤カユとか、桂川マクラとかフルネームで呼び合うのが不思議でおもしろかった。姥捨て山のその後話、70歳になると「お山参り」といって、息子に山に連れて行かれる そして そこで静かに極楽浄土へ行くはずだった… 最後まで斉藤カユが何をしたいのかが解らなかったけど 生きることと死ぬことって両方大変なんだなと思いました。人間も熊も同じですね。

    0
    投稿日: 2011.05.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいると、既読の小説が様々と思い出される本だった。 何故かと思っていたら、元々そういうオマージュ的作風を得意とする 作家らしいということで妙に納得。 しかもオタクカルチャーに明るいという作者の若さにも納得。 これを「閉鎖共同体の極限状態の中で50人の女の子が戦う話」 と言ってしまえばその通りだ。いわばおたくの好きな闘う女子だ、 しかも50人もいる。年齢属性バラエティに富みすぎよりどりみどり。 主役は一番年下、ロリっ子といえばロリっ子。放課後ティータイムで 言えばあずにゃん、連合軍第501統合戦闘航空団で言えば ルッキーニが頑張る話とでも例えれば近いだろうか。遠いか。 設定だけを据えて登場人物の年齢をぐっと下げれば、ある意味 萌えの香りを感じることもできるのでなかろうか。 だまされてくれる人がいればちょっと嬉しい。 女の子達の実年齢にがっかりしてくれてもちょっと面白い。 まあ皆70overで正直がっかりレベルどころの騒ぎじゃない。 だがしかしそんなことを言っていられるような悠長な話ではない。 蝿の王、羆嵐、ロングウォーク、漂流教室、他にも色々思い 浮かんだがまだ近いものを探せば沢山あるのだろう。まだまだ 足りない自分の読書量が少し悔しいが、そんなことはさておき これだけ挙げればどんな内容であるかは一目瞭然だと思う。 前述の作品らに漂う静かな恐怖や静寂の陰惨さ、迫力などは 確かにないかもしれないが、それらになくこの作品にあるのは 勢いと視点変換の軽やかさである。時代、または若さゆえか、 その勢いに押されて最後まで読みきったように思う。 ラストの疾走、果てる寸前の命、血の匂い、押し寄せるであろう 惨劇。髪を振り乱して走る老婆と獣。 そんな中、吹っ切れて広がる主人公の感情、確実な春の気配。 対比の美しさに息を呑んだ。読み応えある小説だった。

    0
    投稿日: 2011.05.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    2011 4/30読了。WonderGooで購入。 姥捨てされた老婆たちが集まって生活する共同体、「デンデラ」が羆による襲撃と対峙したことで崩壊していく話。 あるいは、そのなかで主人公が自分の「大目標」、達したいこととは何かを考える話。 登場人物がほぼすべて老婆(羆すらも雌)、かつずっと真冬の貧窮した共同体での話なので、頭の中でビジュアルを想像しながら読むとエグい。 でも一気に読んでしまった。

    0
    投稿日: 2011.04.30