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すべての原付の光
すべての原付の光
天沢時生/早川書房
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総合評価

7件)
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    ヤンキー、ドンキ、任侠、地元、アフリカと、なんともバラエティに富んだSF5編だった。SFっちゃSFなんだけど、ぶっとび設定に言葉遊びが楽しい前半3編と、ちょいとハードモードの後半2編のバランスも良い感じ。

    21
    投稿日: 2025.09.20
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    日本生まれの最新型サイバーパンク。言語による衝撃と快感を視覚的に伝えるため行単位でアイデアをつめ込んでおり情報量が多い。多いけれどそれが読みにくさや分かりにくさにはなってはおらず、硬質かつスタイリッシュかつふざけた世界観がインストールされていき愉しかった。中でも表題作「すべての原付の光」と「ラゴス生体都市」はバカSFとして完成度が高い。

    4
    投稿日: 2025.09.20
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    SF短編集。自分SFは得意な分野ではないけれど楽しめた。それぞれ独特の世界観、入り込むのに少し時間がかかるが、結末がどこへ落ち着くのか分からないので、あれよあれよという間に連れて行かれる。特に冒頭二篇のサイバーパンク(ってやつ?)が秀逸、みずみずしい文体、しゃれた会話、SF的ガジェットや用語につけたルビが面白い。たとえばヤンキーが中学生から巻き上げた原付を語る部分。「すべてイキリ中学生から強奪(ジャイアン)したものだという。」こんなんオモロ過ぎる、翻訳不可能やろw 素晴らしい!

    2
    投稿日: 2025.08.16
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    サイバーパンクの皮を被ったハチャメチャごった煮エンタメ短編集。 ディストピアな雰囲気の作品が多いけれどそれより意味不明な設定、意味ありげな造語、どこかで聞いたことのあるフレーズをないませにして物凄い勢いで突っ走るので悲壮感はほとんどなくサクサク読める。 荒唐無稽なのにどの作品も情景が浮かんでくるのが印象的だった。 どれも映像化向きだと思うし実写よりアニメの方がこの荒唐無稽さには向いてると思う。

    1
    投稿日: 2025.08.10
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    面白かったです!! 前半 ・『すべての原付の光』(原付で路を攻めてた中坊を転移させて神殺しをやる) ・『ショッピング・エクスプロージョン』(自己増殖する大型ディスカウントショップによる買物災禍、商業的終末…サンサンサン〜サンチョ〜サンチョ・パンサ〜)は既読でしたが、何度読んでも新鮮にサイケデリックな衝撃を受けます。ルビが…! 後半の未読の作品群も、 ・濡れタオルでしばき合う闇の大会を、こっそり流れついたヤクザたちが開催しているコロニーに「カタギ警察」のスパイ(どう考えても林家P夫妻)が入り込み、この闇競技が明るみに出てしまう。「カタギ警察」の狂気と横暴にふるえる『ドストピア』 ・毎晩夢の世界で、街に溜り豚の姿をした怪物となった悪意を排除していく。幼馴染と一緒に。『竜頭』 ・一切の性愛が法律で禁止されている《ラゴス生体都市》。しかし起きようとしているのは、〈映画監督〉によるポルノ・テロ!手を繋ぐだけでも「なんて破廉恥な!」となるので…まぁたいへん。生殖せずに人口増やせるのかというと……天使禁猟区を思い出してしまった。 どのお話でもハチャメチャでスピードのある、でもどこかノスタルジックな作品世界に飲み込まれて楽しく過ごしましたが、 わたしも田舎育ちなので、『竜頭』の生息感と切実さが真に迫ってきました。 つらい…よくがんばったね……… ヤンキー文化への反発と苦味と、閉塞感と郷愁を感じてしまう故郷。心はままなりません。 これからも追いたい作家さんが増えました。 出てくるワードチョイス、元ネタが…と思ったら同じ80年代生まれの作家さんだった。通りで。

    6
    投稿日: 2025.07.10
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     一人の不良が発明した機械が思わぬ結末を迎える『すべての原付の光』、無限増殖を繰り返す大型ディスカウントストアを巡るサイバーパンク『ショッピング・エクスプロージョン』など五つのSF短編が収録されていて、どれも突拍子もない設定や世界観から始まりどんどん面白さが加速していくものばかりで作品が醸し出すエネルギーが凄かった。

    3
    投稿日: 2025.06.26
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    表題作をネットでうっかり読んだ。最高。映画化すべき。 滋賀ローマ帝国の崩壊を横目に千年の栄華を極めたビザンチン茨城帝国における神殺しを描く流刑地激闘編も読みたい。 そして本で買って読んだ。最高。万人が読むべき。 書店で見かければ棚から抜き出して面出しで置き直すくらいのことはやらせてもらってる。勝手営業行為。それにしても、ブクログの投稿にルビがつけられないことを、今日ほど嘆いた日はなかった。

    1
    投稿日: 2025.05.25