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医師のぼくが50年かけてたどりついた 長生きかまた体操
医師のぼくが50年かけてたどりついた 長生きかまた体操
鎌田實/アスコム
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    本書は、医師である著者が50年の臨床経験を通じて確立した、健康長寿のための「かまた体操」を紹介するものです。著者は、長生きのためには「筋肉・骨・血管・脳・腸」の5つの力をバランス良く鍛えることが不可欠であると結論づけ、本書ではそのための効果的な運動法である「かまた体操」を提案しています。前著で提唱した食事法と合わせることで、誰でも実践できる健康長寿術が完成すると述べています。 「かまた体操」は、1日わずか3分で、朝・昼・夜にそれぞれ2種類ずつ、計6つの簡単な運動を行うことで、体の主要な機能を活性化させることを目指します。特徴的なのは、単に体を動かすだけでなく、「姿勢」と「呼吸」を意識することで、体操の効果を最大限に引き出す点です。正しい姿勢を保ち、ゆっくりと息を吐き切る腹式呼吸を行うことで、体の歪みを改善し、自律神経を整え、リラックス効果を高めることができると解説されています。 朝の体操は、寝起きの体を優しく目覚めさせることを目的としており、「体側伸ばし&腸ひねり」で全身の血流を促進し、「バンザイスクワット」で若返りホルモンであるマイオカインの分泌を促し、体と脳の活性化を図ります。昼の体操は、脳と筋肉に刺激を与えることに重点を置いており、「脳トレランジ」で下半身を鍛えながら脳を活性化させ、「足踏みツイスト」で全身の血行を促進し、腸を刺激する効果が期待できます。 夜の体操は、一日の疲れを癒し、体を整えることを目的としており、「内臓ほぐし」で腸の働きを活発にし、質の高い睡眠へと導き、「肩甲骨はがし」で肩や背中の凝りをほぐし、血流を改善します。また、日常的な運動として、運動器の機能低下を防ぐための「ロコデモウォーキング」が推奨されており、ツイストやステップを取り入れた全身運動で、バランス機能や足指の筋力を鍛える効果が期待できます。 自身の体の状態を把握するためのセルフチェック法も紹介されており、ロコモ度を測定する「2ステップテスト」や、骨粗しょう症、ゴースト血管、血管の老化度、便の状態などを確認する方法が解説されています。さらに、健康長寿のための生活習慣のコツとして、歩き方改革、買い物トレーニング、音読、電車通勤エクササイズ、ちょいトレ、咀嚼回数を増やすこと、緑茶の摂取、入浴ストレッチ、温水洗浄便座の注意点などが具体的に提案されています。 本書の後半では、腰痛や膝の痛み、肩こり、便秘、冷えなど、様々な症状や悩みに対応する体操が紹介されており、具体的な症状に合わせた運動療法を学ぶことができます。そして、健康長寿のための重要な要素として、朝ごはんでのたんぱく質摂取(「朝たん」)の重要性を強調し、推奨食材や具体的な3つのルールが提示されています。 「かまた体操」は、手軽でありながら全身を効果的に鍛え、健康長寿に必要な5つの力を高めるための実践的なメソッドとして、幅広い年齢層にとって有益な情報を提供しています。生活習慣に取り入れやすい具体的なアドバイスと、症状別の体操紹介を通じて、読者が自身の体の状態に合わせて積極的に健康づくりに取り組むことを後押しする内容となっています。

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    投稿日: 2025.05.21