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光の犬(新潮文庫)
光の犬(新潮文庫)
松家仁之/新潮社
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総合評価

3件)
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  • もーりーのアイコン
    もーりー
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    架空の街に暮らす三世代を取り巻くストーリー。時系列に沿わずエピソードが展開されるので少しとっつきづらかったけど、リアリティある描写が多く小説を読むというより身近な方の話を聞いてるような感覚もあった。特に死に感するくだりは身につまされた。

    1
    投稿日: 2025.05.27
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    ちゃちゃ
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    文庫の新刊。昭和の北海道本で、家と家族の物語。北海道を舞台にした小説の中でも、原点のような匂いがして、共感を得られる方も多いと思う。家族それぞれが、相手を思いながら懸命に生きた痕跡を描く。

    27
    投稿日: 2025.05.03
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    ことぶきジロー
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    松家仁之『光の犬』新潮文庫。 デビュー作の『火山のふもとで』を皮切りに『沈むフランシス』、本作『光の犬』と、3ヶ月連続で新潮文庫から刊行。 明確な主人公が不在で次々と語り手の視点が変わることに戸惑うばかりの普通の家族の終焉が描かれる小説で面白味は感じられない。確かに家族と暮らした北海道犬は登場するものの、タイトルの『光の犬』から想像されるような物語ではない。 3ヶ月連続刊行された中では、最初の『火山のふもとで』がしっかしりしたストーリーとメッセージを含んだ小説だったように思う。『沈むフランシス』や本作『光の犬』に至ると凡人の自分にはちんぷんかんぷんといったところだ。 時代が進むにつれ、大家族から核家族へと家族の形は変化し、墓守りや後継者、介護など昔では考えられなかったことが問題になっている。 本作ではそんな家族の形の変化に翻弄されながら、家族の向かうべき道を模索しながらも、結局は終焉を迎える、まるで誕生したばかりの恒星が宇宙という尺度の中で一瞬の如く消滅する姿が描かれるのだ。 北海道東部の小さな町で過ごす添島家。最初に登場するのは故郷に戻る決意をする大学教授の添島始。始が主人公と思われた物語はその父親の眞二郎、姉の歩と次々とその視点を移していく。 そして、いつの間にか祖母の幼少時である明治期から、父母と隣家に暮らす独身の三姉妹、子どもたちの青春、揃って老いてゆく父母と叔母たちの現在までを描いた物語へと変貌する。 本体価格950円 ★★★

    60
    投稿日: 2025.04.05