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スケーリング・ピープル 人に寄り添い、チームを強くするマネジメント戦略
スケーリング・ピープル 人に寄り添い、チームを強くするマネジメント戦略
クレア・ヒューズ・ジョンソン、二木夢子/日経BP
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総合評価

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    一定水準のマネジメント、組織には良い教科書になると思う。水準に達していないマネジメント、組織には馬耳東風。

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    投稿日: 2025.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者はクレア・ヒューズ・ジョンソン氏。2014年から2021年にかけて、インターネット向け決済インフラを構築する世界的テクノロジー企業のstripeでCOOを務め、従業員200名未満だった企業を7,000人以上の規模にまで成長させた方。それ以前はGoogleでもご活躍。 感想。 マネジメントと組織づくりのリアルが詰まった良書。 備忘録。 ・事業拡大にはテクノロジーはもちろん必要だが、事業を築く人々も欠かせない。企業の成長とあわせてキャリアを育み、人として大きくなってもらう。事業の拡大にキャリアや成長を犠牲にしてはならない。 ・際立った業績を残す人々は、「自律」を超えて、自分にとって落ち着かないペースを戦略的にセットできる。 ・自己認識力を高めて、それをベースに相互認識力を築く。マネジメントとは他人をどうこうすることだと考えがちだが、自己認識が先の方が良いのではないか。自分はどういう人間で、今までどの様に貢献してきたかを説明できなければ、チームの成功はおぼつかない。自分はどの様な強みを発揮できて、どういった能力は今ひとつなのかを自分で分かってなけれ、互いに補い合うチームは築けない。 ・他人の事情はわからない。人には人ごとの深い理由がある。同様に、自分の行動理由を他人は理解していないこと。 ・マネジメントとリーダーシップの違いを理解することは非常に重要である。技術的問題を解決するのがマネジメントで、適応課題に対処するのがリーダーシップである。 ・リーダーシップを適切に発揮すると、部下が受け入れられる程度に部下をがっかりさせる。変化を推進するからだ。 ・リーダーへの質問「あなたの秘密の力は何ですか?」。 ・創業資料。会社の長期的な目標や原則、理念など、会社の計画を説明する資料。会社の初期段階で作っておくと良い。家を建てる場合の基礎である。同様に、採用候補者に「文化の手引き」として渡す。 ・事業運営構造を考えるのは、PMFを成し遂げたあとだ。その前に考えてもしょうがない。 ・戦略には痛みが伴う。会社が時間と資源をどこに投じるかを選択するのが戦略で、そのトレードオフが発生して、社内にもお客様にも痛みと失望を招くが、戦略とはそうでなければならない。 ・採用における創業者の役割は「直感の発揮」だそうだ。評価基準の全てを満たすが、どことなく平凡・無難な候補者とかに対して。 ・仕事が好きか、仕事ができるか、会社にインパクトを与えられるか、この三つを満たす人を採用したい。 ・組織再編やチーム再編について。チームの構造が戦略とあっていない時、人材面の問題が発生した時などはチーム再編のタイミングかもしれない。 ・チームの発展段階、特徴、手引き。形成期→混乱期→統一期→機能期。これはわかりやすい。 ・良いミーティングが行われているか。 ・ハイパフォーマーには、プッシャーとプラーがいる。 ・トップ10%の人材が在職期間中に、「もしあなたが退職するとしたら、理由は何ですか?」と聞いてみる。 ・マネージングアップ。上司をマネジメントする。

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    投稿日: 2025.06.21
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    1. イントロダクション:成長企業における「人」中心のマネジメント戦略 本書『スケーリング・ピープル』は、GoogleやStripeなどの急成長企業で著者が培った経験に基づき、従業員を大切にしながらチームを強化し、組織全体の成功を導くためのマネジメント戦略を提示します。事業拡大において「人」に焦点を当てることの重要性を説き、従業員が誇りを持てる会社を作るためのシステム構築方法を提案。本書は、コンフォートゾーンから踏み出し挑戦し続けるマネージャー、リーダー、創業者を対象に、共通認識となる4つのコア・フレームワーク(「ゴールとリソースの確立と計画」「総合的な採用アプローチ」「意識的なチーム育成」「フィードバックとパフォーマンスのしくみづくり」)を軸に、実践的なアドバイスを提供します。 2. マネジメントの礎:自己認識と事業運営の基本原則 優れたマネジメントの基盤として、まず自己認識力を高め、他者との相互認識力を築くことの重要性を説きます。自身の価値観やワークスタイル、強みと弱みを理解し共有することで、信頼に基づく強固なチームが形成されると説明。また、率直かつ建設的なコミュニケーション、特に「言いにくいことを伝える」技術や、実行力と安定性を重視するマネジメントとビジョンや変化の推進を重視するリーダーシップの区別、そして明確なミッション、ゴール、指標、リズムといった共通のオペレーティング・システム(事業運営のしくみ)に立ち返ることの重要性を、効果的な事業運営の基本原則として挙げています。 3. 成長の設計図:ゴール設定、リソース配分、計画の策定 会社のオペレーティング・システムの根幹として、ゴール設定とリソース配分のフレームワークを詳述します。会社の存在意義や価値観を示す「創業資料」(ミッション、長期ゴール、基本原則、チーム憲章)の確立から始まり、それに基づいた年間・四半期ゴール(OKRやSMARTゴールを活用)の設定、会社の進捗を測る「重要な指標」の特定とオーナーシップの明確化、そしてQBR(四半期ビジネスレビュー)やチームミーティングを通じた「アカウンタビリティのしくみ」の構築が不可欠であると論じます。さらに、戦略・財務計画、効果的なリソース(人・お金)配分、情報共有のための社内コミュニケーション戦略、そして予測可能で一貫した「オペレーティング・ケイデンス(事業運営のリズム)」が、組織の安定と成長を支えると解説します。 4. 最強チームの源泉:戦略的採用とオンボーディング 人材獲得こそが企業の成長と成功の鍵であるという信念に基づき、リクルーティングからオンボーディングまでの一貫した「総合的な採用アプローチ」を提示します。候補者を惹きつけるマーケティング活動、自社で活躍する「理想的な従業員」像の明確化、そして特に重要なリーダー採用においては、将来必要となる能力を見据えた慎重な判断と具体的な質問例を用いたアプローチを紹介。面接プロセスの設計、客観的な採用意思決定、リファレンス・チェックの重要性に加え、新規採用者が早期に活躍するための「オンボーディング」プロセスの設計と実行、さらには採用ミスを防ぐための継続的な改善ループの確立まで、質とスピードを両立させる採用戦略を網羅的に解説します。 5. 結束力の醸成:意識的なチーム育成とインクルージョン 個々の能力の総和を超える成果を生み出す「真のチーム」を育成するための戦略と戦術を詳述します。効果的なチーム構造の設計(機能別、事業部制、マトリクス型など)、定期的なアンケートやフィードバックを通じた「チームの状態診断」、事業戦略の変化に応じた「チームの変更・再構成」の進め方を解説。さらに、メンバーが心理的安全性を感じ、オープンに貢献できる「チームの環境づくり」、リモートワークなど「複雑化するチームビルディング」への対応、そして多様な人材を受け入れ能力を最大限に活かす「ダイバーシティとインクルージョン」の推進、円滑な情報共有のための「チームのコミュニケーション」戦略が、強いチーム作りには不可欠であると論じます。 6. 持続的成長のエンジン:フィードバック、評価、人材育成の仕組み 従業員の成長を促し、組織全体のパフォーマンスを向上させるためのフィードバックと評価のシステム構築に焦点を当てます。部下の潜在能力を引き出す「仮説を基にしたコーチング」、改善点を率直かつ建設的に伝える「厳しいフィードバック」の技術、日常的にフィードバックを交換し合える「非公式なフィードバック文化」の醸成が重要であると説明。また、客観的な基準に基づく「正式なレビュー・プロセス」の設計と実施、パフォーマンスと貢献度に応じた公正な「報酬」制度、そしてハイパフォーマー、堅実なミドルパフォーマー、ローパフォーマーそれぞれに対する適切なマネジメント手法、さらには「マネジャー自身のマネジメント」や従業員が困難な状況に直面した際のサポート体制まで、包括的な人材育成と業績管理のフレームワークを提示します。 7. 結論:マネージャー自身の成長と持続可能な働き方 本書の締めくくりとして、提示されたマネジメント戦略を実践する上で最も重要な存在である「マネージャー自身」に焦点を当てます。多忙なマネージャーが限られた「時間とエネルギーを効果的にマネジメント」し生産性を最大化するためのテクニック、上司・同僚・部下との良好な「人間関係を育む」コミュニケーションとネットワーキングの技術、そして長期的な視点で「自身のキャリアについて考え」、継続的に成長していくための自己分析、目標設定、学習機会の活用、メンターシップの重要性を強調。人に寄り添いチームを強くするだけでなく、マネージャー自身が心身ともに満たされた状態で働くための具体的なアドバイスで結んでいます。

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    投稿日: 2025.05.24