
総合評価
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powered by ブクログ明快に書かれた文章は 日本型組織の持つ特性と不祥事を生み出す弱点を浮き彫りにする 特にJTC(伝統的な日本企業)で働いたことのある人には刺さる内容ではなかろうか 日本企業の「今までとこれから」を考えたい方におすすめの一冊である --- 落書き①: ある時、同僚が一月近くサボっていたため痺れを切らして上司に協力を働きかけるよう相談し、同僚へのヒアリングが行われた その結果『「メンタルヘルス不全だからあまり働けません」と言われたため来年度に別部署に異動させる。業務協力もできないらしい。』と言われた その時は「この上司、無能かな?」と思ったものだ しかし日本型組織は「企業」(目的集団)であると同時に「共同体」(基礎集団)でもあるため「目的」を果たせない(さない?)人間も保護されるのである 組織をよくしよう(自治)としなくても護ってもらえる(受容) つまり、「出来るやつがやればいい、出来なければやらなくていい」ということだ これはまさしく「空洞化」した共同体型組織である この気味悪い”寛容さ”の理屈を教えてくれたことに感謝している 落書き②: 本書の第1~3章の内容は私には大凡納得いくものだったが「消極的利己主義」を語る文脈(75P)で高校球児や生徒を「無関心な群衆」扱いしていた所はおや?と思った 実際の映像を見てみると周りの球児らの中には心配そうに見つめている者もいた(女子生徒は数秒後にスタッフが駆けつけて救護されていた) 運営が伝統を重視して熱中症対策を怠ったことを非難するなら分かるが、あの場に緊張して立っている高校生達に人命救助を求めるのは筋違いだろう 落書き③: インフラ型・自営型組織に回帰するのも業界によりメリットはあるだろうが危険な感じがする 属人化がより進むだろうし着いていけない人が間違いなく増えて社会が不安定化しそうである 日本型組織は低能力者のセーフティーネット的側面もある(非正規雇用の増加で変質しつつあるが) それに本書ではパソナグループや吉本興業の不祥事に触れていないがあれはインフラ型的ではないか 結局どの組織でも不祥事は起こるのである 身も蓋もない話をすればどんなに洗練された組織でも問題は起こるだろう なぜなら組織を構成するのは人だからだ ※とはいえ組織変革が不要とは思わない 学者でない私にはいい案など到底浮かばないが、周囲に感謝を伝える同僚と働いた時は居心地良かった 社会の分断が叫ばれる昨今、大切なのは「自分への敬意ひいては他人への敬意」ではないか それには日頃から読書や芸術・スポーツ、社会活動などの文化的活動や人との交流を通じて思慮を深め、自身を取り巻く環境の有り難みを理解することが必要だ 自己肯定/効力/有用感を高めることだ それはスマホをいじっても身につかないものである ※組織論から外れるため深く言及はされていないが筆者も「あとがき」などでコミュニティの大切さに触れていた 自分でも引くほど落書きが長文になった これだけ考えを巡らせるほどの良書だったという証左だと思う ここまで読んだ方ならすぐ読めると思うのでぜひご一読ください
0投稿日: 2025.12.29
powered by ブクログ若者だけでなく管理職、上司も積極的にマネジメントしない消極的管理になってしまっているのは、少しわかる気がする。 日本型組織は日本人の風土に馴染んで形成されたものなので、それを時代が変わったから、といきなり壊すのはどの大企業も官公庁も難しいんだろうなぁ。特に「外圧」の少ない官公庁には…。 よく分析されていた1冊でした。
0投稿日: 2025.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
p41 現代組織の必須条件 合理的、伝統的、カリスマ的 p45 利害を教諭する仲間 共同体 2種類の驟雨団 基礎集団(自然発生的で血縁や情によってつながっている集団)ゲマインシャフト、コミュニティ 目的集団/ 機能集団(特定の目的を達せうするためにつながっている集団)ゲゼルシャフト、アソシエーション 仲間内の集団である共同体は、基礎集団とほぼ同義語 p47 日本の組織画が共同体型になった理由 閉鎖性、同質性、個人の未分化 p80 かつての共同体型組織が共同体の要素である自治的機能を失い、メンバーを受容する側面だけ残った 受容と自治の関係が受容と忍従に変わる p86 こうした変化を俯瞰してみると、多くの日本企業では、共同体を支える二本の柱のうち、自治が薄れ、受容だけが残った 共同体としての内実を欠いたエセ共同体、すなわちものいわぬ集団に変質した p91 もともと共同体型組織では、個人が組織や集団に溶け込んでいるため、責任の所在が不明確になりやすいところへ持ってきて、メンバーに自治の精神が消えると、集団無責任体制に歯止めがかからなくなる p120 共同体は規模が小さくなるほど極端化しやすく、個人の自由や権利が脅かされやすくなる p126 主体性に欠ける部下と放任型の上司という組み合わせにより、職場という共同体の空洞化が生じている p129 ホワイト離職の主要な原因は、仕事の意欲ややりがいにつながる動機づけ要因が十分にみたされないことにあるといえそうだ p138 組織から受ける恩恵が小さくなると、参加することへの負担、すなわち自治のコストが強く意識されるようになる。何のために貴重な時間を割いて、無償で働いているのかと、疑問に感じる人が増えてくるわけだ p153 共同体は規模が小さくなるほど極端化しやすく、個人の自由や権利が脅かされやすくなるという命題に当てはめるなら、一番リスクが大きい共同体は家庭だということになる p164 日本の組織が共同体の性質を帯びやすいのは、閉鎖性、同質性、個人の未分化という構造的な要因による。したがって、改革のためにはそこに手を加えればいい p167 閉鎖性や同質性を低下させるためのアプローチ 中途採用、女性管理職の比率を上げる、PTAでは男性の参加 p173 いま必要なのは中途半端な改善策ではなく、異質な要素が混在した共同体型組織を思い切って解体し、目的集団と基礎集団を分け、それぞれの存在意義を十二分に発揮させること まず目的集団と基礎集団に仕分けする インフラ型組織 p220 日本的経営における三種の神器 終身雇用、年功序列、企業別組合 新三種の神器 自営型働き方、AIマネジャー、インフラ型組織 p221 コミュニティづくりの成功のカギ いかに強制性を廃止、自発性を呼び起こせるか
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログフジテレビ、ジャニーズ、宝塚…。かつてのあこがれの組織、団体が音を立てて崩れていく。どうしてこうなったの? 日本型共同体は自治と受容のバランスが崩れて空洞化し、いつのまにか「もの言わぬ集団」になってしまった。「何もしないほうが得」になってしまった。空洞化した共同体は、権力者や体制側とっては大変都合がいい。他人事ではない。一流企業だけの話ではなく、身の回りの組織はみんな同じ状況だ。いつのまにか「上」から理不尽な要求をつきつけられて、周囲は知らんぷりで助けてくれない、最後は自らが不正に手を染める…。なんて悲劇がいつくるかわからない。 ではどうすれば? 個人ファーストの「インフラ型」組織へ転換すべし、その本書の主張は、イメージがわかない。とはいえ、組織を根本から見直し「新生」せよ、との主張は正しい。
0投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログ日本型組織を共同体型組織と位置付けて、その閉鎖性、同質性、個人の未分化、共同体主義を特徴として挙げているが、1990年代以降その欠点が表面化した.消極的利己主義が蔓延り空洞化が進んできて、様々なスキャンダルが表面化した.対応策として企業として自営型社員を活用する案を提案しているが、納得できる考え方だと思った.
0投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログ長い年月をかけて内側から腐り、突然、巨木が倒れるような、日本の組織の現状を容赦なく描いている。ジャニーズや、ビッグモーターなど事例分析は納得感が高い。処方箋部分が既刊書参照扱いなのは、やや肩透かしだが、一読の意味がある本。
0投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログフジテレビ、ジャニーズ、ビッグモーターなど、様々な日本型組織が今なぜ崩壊しているのか。 本書では、「共同体」をキーワードにその原因を深掘りしていきます。 著者の主張のポイントは、主に次の点に集約されると思います。 ・これまでは、共同体型組織の必要条件となる「受容」(メンバー同士の支え合いや包摂)と「自治」(共同体のために自らが責任を果たす)が、いわば権利と義務のように車の両輪の役割を果たしてきた。 ・しかしながら、「自治」が「忍従」(上からの要求を無批判に受け止める)に変わってしまうと、消極的利己主義や集団無責任体制が蔓延し、組織の崩壊が始まる。 つまるところ、組織に自治が働かず、一部の権力者が強い力を持つことにより、その意向が組織のルールとなり、構成員が誰も逆らわず責任も負わないという無責任体質がはびこる、ってのが崩壊へのルートなのか。 それ以外にも、組織の規範や常識が社会のそれよりも優先されてしまう(フジテレビがまさに好例)ところに、大いなる問題が潜んでいるのだと思います。 日本人は個人としては優秀なのに組織になるとダメだ、とも言われます。 日本型組織にはもちろんいい面も多々あるのですが、組織も人もダメにならぬよう、今こそ体質改善が求められているのでしょう。
0投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログ大企業や芸能社会にみられる閉じた組織の崩壊から、地縁をベースとする町内会やPTAの組織崩壊まで、著者による分析は、落ち着きどころを見据えての整理にも見えるかもしれませんが、とても腑に落ちる説明でうなずけるものが多いと感じた。さらに、組織の構成単位となる個々人の働き方の変化による不都合を解消するための提案も含めて、参考にしたい内容が多かった。
0投稿日: 2025.06.12
powered by ブクログとても勉強になりました。 これからの対応として掲げられているところは、なかなか難しい部分があろうかとは思いますが、今ある組織の体制をわかりやすく分析をしてくれて、なるほどとうなずける内容でした。
0投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログ日本における組織のあり方は世界的に見てかなり特異であること、本来目的集団である企業に基礎集団の要素が入っている。高度経済成長〜の時代は基礎集団として、みんなが恩恵を受けていた。ここまで成熟した世の中において、組織の形だけ時代遅れになっているようだ。
16投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログほとんど得るものがない珍しい本。そもそも議論の立脚点を間違えている。2023年になって組織が崩壊し始めたというが、多くの不祥事はもう何年も続いていて、最近外部に情報が漏れただけである。これは明らかにSNSを始めとした情報発信のベースが拡大したことと、組織に対する忠誠心の低下、良く言えば組織との共犯化を忌避する真っ当な感覚を持つ人が増えたからに他ならない。組織論の専門家としては何でも組織の問題に結びつけたいのだろうが、そのような問題ではない。 著者が言う『空洞化』とは組織に対する構成員の貢献低下と同義だが、これも当たり前である。世の中Give&Takeで成り立っているのに、組織の方から一方的に与えるものを減らしておいて、Giveだけを要求されるようになってきた事への当然の反応だ。成果主義とリストラのコンボで人をバンバン切り捨てる組織に、今さら共同体ヅラして一方的な貢献を求めても誰が応えるものか。完全に自業自得。PTAや自治会も同様である。負担ばかりで得られるものがない組織に貢献を求められても、はぁ?ってなるだけ。結局は損得の問題に行き着く。 最後の処方箋も的を射ていない。インフラ型組織は個人請負的な要素が強く『空洞化』の極致にあるわけだが、それで空洞化対策になるとはどうしても思えない。
0投稿日: 2025.05.19
powered by ブクログ本書は、東日本大震災、経済混乱、コロナ禍といった近年の大きな出来事を契機に顕在化した、日本の様々な組織における機能不全や崩壊現象、いわゆる「ドミノ崩壊」の深層原因を探り、その処方箋を提示する書籍です。対症療法ではなく、組織の原点に立ち返った変革の必要性を訴えています。 第一の潮流:日本型組織の変調と崩壊の序章 冒頭で、震災やコロナ禍が従来の日本社会の価値観(組織での成功など)を揺るがし、働き方や人間関係を変容させ、日本型組織の潜在的な脆弱性を露呈させたと指摘。近年頻発する巨大組織の崩壊に対し、「なぜ今なのか」という根源的な問いを投げかけ、その解明を目指します。 第二の潮流:具体的な崩壊事例の分析 近年の具体的な組織崩壊事例を分析し、日本型組織に共通する構造的問題を浮き彫りにします。 芸能界 (ジャニーズ事務所): トップの絶対的支配、ハラスメント、隠蔽体質が、外部批判や内部告発で崩壊する様を描写。紅白排除やCM降板が影響力低下を示す。宝塚歌劇団も同様の問題を抱える可能性を示唆。 企業倫理 (ビッグモーター): ワンマン経営への忖度と目標達成至上主義が、保険金不正請求という現場の不正を招いた典型例。内部統制の甘さと上意下達圧力の弊害。 品質至上主義 (ダイハツ工業): 認証不正問題の背景に、官僚制、硬直的な開発スケジュール、現場任せ、部署連携不足、高圧的な企業文化といった複合要因を指摘。トヨタとの関係もプレッシャー要因か。 伝統維持 (宝塚歌劇団): 「伝統維持」「人格形成」名目の厳格な上下関係や指導体制がハラスメントの温床となった可能性。密室性、過度な指導の危険性。 制度の不条理 (相撲部屋): 徒弟制度を引きずる閉鎖的構造に根差す問題。年寄株疑惑、暴行事件など度重なる不祥事が示す、伝統墨守と外部チェック欠如の弊害。 政界 (自民党派閥): 政治資金パーティー裏金疑惑は、官僚制型組織である政界にも崩壊の波が及んでいることを示す。長年の慣習(資金還流構造)の露呈と派閥影響力低下。 これらの事例から、官僚制、絶対君主型、伝統墨守型といった組織構造の弊害が共通して指摘されます。 第三の潮流:日本型組織の深層構造―共同体としての側面 社会学の**「基礎集団(ゲマインシャフト)」と「目的集団(ゲゼルシャフト)」の概念を用い、戦後日本の組織が、本来は目的集団でありながら、閉鎖的・同質的なメンバー構成により基礎集団のような「共同体型組織」(「運命共同体」「同じ釜の飯」)を形成してきたと分析。この組織は協力や助け合いを生む一方、同質性が異質な意見を排除し、内向き論理を強化する傾向があると指摘。年功序列・終身雇用は、会社による「受容」**(生活保障)と引き換えに献身を求める構造を形成しました。 第四の潮流:共同体型組織の機能不全と空洞化 高度成長期には**「受容」と「自治」(自己裁量)のバランスで維持された共同体型組織が、経済低迷や社会変化、そして人々の欲求の変化(生理的・安全欲求充足→社会的・承認欲求へ)によりバランスを崩したと分析。組織が「自治」を与えず「受容」に偏ると、社員は主体性や貢献意欲を失い、「空洞化」が進行。これは心理的安全性の低下、同調圧力、傍観者効果、「何もしない方が得」という風潮**として現れ、不正や問題を見過ごす土壌となります。グローバル化、デジタル化、SNS普及といった外部環境の変化も、閉鎖的な組織への批判や矛盾の露呈を加速させています。 第五の潮流:組織変革への提言―インフラ型組織への転換 ドミノ崩壊を防ぐため、従来の共同体型組織から、組織を個人の目的達成基盤(インフラ)と捉え、メンバーの自律性を尊重する**「インフラ型組織」への転換を提唱。欧米型の「ジョブ型」働き方や、個々人が主体的に専門性を活かす「自営型社員」**という働き方を推奨。具体的な方策として、活動や役割の分離(多様性受容)、公私の使い分け、成果主義、同調圧力からの解放などを挙げています。 第六の潮流:個人の働き方の変革 組織変革と並行し、個人も**「依存」から「自立」へ**と働き方をシフトする必要性を主張。終身雇用等に頼らず、変化に対応できる「自営型」の働き方を身につけることが重要であり、デジタル化がそれを後押しすると指摘します。 結論:変革の必要性と未来への展望 長年日本社会を支えた共同体型組織が現代の変化に対応できず崩壊している現状を分析し、個人の主体性を尊重し変化に柔軟なインフラ型組織への転換が不可欠であると強調。組織と個人の関係再構築が、日本社会全体の活性化に繋がる未来への道筋を示しています。
0投稿日: 2025.04.21
powered by ブクログ2025/04/13「日本型組織のドミノ崩壊」太田肇 SNSに代表されるDigital化が社会の情報フローをオープンに変えたことが、「内向きの情報統制」を得意とする日本型組織を劣化させた。 90年代バブル崩壊による経済成長の停滞は男性コア社員から非正規雇用者を分離し、組織の維持発展力を喪失させた。その弊害が30年を経て組織解体となっているのではないかという問題提起として受け止めた。 著者の答えは、「組織より個」であるが、大組織が既得権益を放さないうちは難しくないか? 株式公開=IPOに向かうのもありだが、個人的解決でしかない。社会システムの革新の方向は見えない。
1投稿日: 2025.04.13
powered by ブクログ長年「組織論」「日本人論」を研究されて来た方(大学教授)の著書であり、日本の多くの組織における変容についての考察は私自身の仕事柄一読に値しました。
4投稿日: 2025.03.24
